日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国人の多くが気付かない事


・このブロマガは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・うp主のスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからとこちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください


初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由



さて、本日は韓国人の多くが「そう考えている」が、韓国以外の人々はその発想すらないという、ある種の錯誤についてとなります。


韓国人の多くにとって南北統一とは必ず行わなければいけない事であり、韓国内には南主導で統一する事を目指す人々と、北主導での統一を目指す人々がいるが、大原則として統一がある事に変わりは無い。


この件に関して、多くの韓国人は「統一朝鮮は経済大国になり日米中露に対抗できるようになる」と考えており、だからこそ「日本(や他の国)が統一を妨害している」という考えが、韓国内で広く支持される傾向にある。


当然日本人はそのような考えは無く、統一に否定的な人々の多くは、「北朝鮮のような国と統一して大丈夫なのか?」と心配から否定的になっているケースが大半だが、韓国人の多くはその事に気付く事は無く、「日本は統一朝鮮を警戒している」と思い込む場合が多い。


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:統一は妨害されている?


まずはこちらの記事から

【グローバルアイ】日本のあるバーテンダーとの対話=韓国
2018年03月06日07時37分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/240/239240.html

先日、取材のために日本のある地方の都市に行った時のことだ。宿舎の近くに小さなバーを見つけて入ってみた。取材前に現地の人にその地域の話を聞きたかったからだ。

バーテンダーは記者が韓国人ということを知り、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)を話題にした。小平奈緒選手と李相花(イ・サンファ)選手の友情について話す時まで対話の雰囲気は和気あいあいだった。しかし北朝鮮の話が出ると雰囲気は突然変わった。バーテンダーはすぐにこう尋ねた。

「韓国は北朝鮮とそんなに統一がしたいのですか」。

彼は日本と米国にミサイルを向ける北朝鮮と対話をする韓国に不満を抱いているように見えた。韓国に対する理解が不足しているのではないかという考えが先立った。北朝鮮と韓国は70年ほど前まで一つの国であり、多くの国民が以前のように一つになることを願っているという説明にうなずくようだった。すると歴史問題が次の質問として入ってきた。

「やはり慰安婦問題は許すことができないのですか」。

このように直接的に慰安婦問題について直撃弾を飛ばすケースは多くない。彼は「当時は戦争中だったし、日本だけでなく他の国々も慰安婦と似た制度があった」とし、謝罪することでもないが日本政府は何度も謝罪をしているというように話を続けた。彼は「過去の過ちを子孫にまでずっと責任を問うことはできない」と何度も強調した。

実際、彼が見せた韓国に対する認識は日本人としては特別なものではない。日本のテレビの韓国のニュースは北朝鮮慰安婦に関する否定的なイシューが大部分だ。確実に韓国に対する認識が以前より悪化していることを肌で感じる。

韓国の東アジア研究院(EAI)と日本の言論NPOは毎年、両国国民の認識を調査している。昨年、韓日関係発展のために解決すべき課題に慰安婦問題の解決を挙げた韓国人は75.8%だった半面、日本人は42.6%だった。一方、北朝鮮の核問題解決のための協力が重要だという回答は韓国人(10.9%)より日本人(21.2%)が倍近く多かった。お互い相手国に対して抱いている認識の違いはこのように数値でも確認されるほど大きい。

最近、東京の書店街に行ってみると、韓国を否定的に眺める書籍が多い。「非常識国家韓国」「平昌オリンピックと韓国危機」などの文字が目に入る。韓国はどうか。嫌日書籍はないかもしれないが、反日感情は過去より激しくなったようだ。韓国が被害者であるだけに反日は正当だということに陥没している感じだ。お互いを正確に知り、認識の違いを狭めようとする努力はどこにもないようで残念でならない。

ユン・ソルヨン/東京特派員


記事の前半で、日本のバーテンダーが韓国と北朝鮮の統一に「不満を持っている」と書かれていますが、この「不満」の意味は日本人と韓国人で大きく差があります。


韓国ではこれを「韓国が大国になる事を日本が警戒している」と認識する場合が多く、だからこそこの記者は「北朝鮮と対話をする韓国に不満を抱いているように見えた」という反応になっているのです。


実際には、当たり前の事ですが客との対話をしなければいけないバーテンダーが、客と「対決」や「対立」をする話題を振るわけが無く、これは要するに「北朝鮮は全く信用できないが大丈夫なのか」という意味なのですが、この記者にはそれが通じていないのです。


このケースは、日本人と韓国人の問題意識の違いを表す典型的な事例です。


こうした日韓の錯誤は、要するに日本のメディアが韓国の実態についてまともに伝えようとしないために発生する事なのですが、韓国ウォッチャーの間ではこの韓国人の考え方は昔から広く知られていました。


なぜかといえば、まさにこの事をテーマにした映画が2006年に韓国で大ヒットしていたからです。


一戦を辞さない?  映画『韓半島』 東亜日報 June. 28, 2006
康祐碩氏『韓半島』は反日映画ではない 中央日報 2006年07月31日


上記記事で引用されている「韓半島」という映画では、南北統一が確定した近未来に、統一する事で朝鮮半島の国家が強国になる事を恐れた日本が、100年前の条約を口実に統一の妨害をしてくるというあらすじです。


これが韓国で多数の支持を得て大ヒットしたのです。


そしてこれは「たかが映画、現実とは違う」と考える人もいるでしょうが、例えば2012年に韓国yahooが行った南北統一に関する調査では、33%の人が「周辺国が妨害している」と考えているとの結果が出ていました。


※1
南北統一が困難な理由、33%が「周辺国家からの妨害」=韓国 サーチナ 2012年1月19日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120119-00000021-scn-kr (リンク切れ)
ライブドアニュースへの転載
http://news.livedoor.com/article/detail/6203945/



記事では、他の調査で以下のようになったとも書かれいます。


「米、中、ロシア、日本のうち南北統一に最も支障を来す国家」についての調査では全回答者2409人のうち85.3%を占める2054人が「中国」と回答したことが判明した。「米国」との回答は206人(8.6%)、「日本」との回答は143人(5.9%)で、ロシアはわずか6人(0.2%)だった。


こちらでは最も影響を与えているのは中国で、その次がアメリカ、日本の順になっていますが、韓国人の多くが「外国のせいで統一できない」と考えていることがはっきりと見て取れます。


また2015年、韓国が特に中国に急接近した時期には、韓国政府が以下のように「統一をめぐり、韓国は日本から少なくとも『妨害』を受けない必要がある。習主席は気が進まない3カ国の首脳会談を受け入れた。それは朴大統領に対するプレゼントだ」と主張しています。


韓国外交筋「統一外交、日本から妨害受けない必要ある」 朝鮮日報 2015/09/07 (1/2ページ) (2/2ページ


韓国人にとって、安易な統一構想などへの批判は「日本を含む他国が、韓国が強国になる事を警戒するため」という考え方が非常に強いのです。


2:「妨害されている」と考える原因


この統一に関する日韓の意識の違いが発生する大きな原因として、韓国人の多くは韓国社会の「主観的・絶対的正しさ」としては統一を「唯一の正解」と定義していますが、現実の問題としては非常に困難である事などを知っていることが重要な要素として挙げられます。


例えば、以下のNewsweekの記事では、記事自体が中途半端で結論がなく解り難いですが、韓国内に統一に関する世代間による意識の差が出来ている事が書かれています。


韓国の一般市民はどう思ってる? 平昌五輪「南北和解」の本音 Newsweek 2018年2月20日 (1/2ページ) (2/2ページ


どんな意識の差があるのかは、次の朝鮮日報の記事を読むと具体的でわかりやすいです。


もはや別の民族、かけ離れていく南北の住民 朝鮮日報 2015/07/28


記事では、南北住民の考え方や生活様式にかなりの違いが出てきており、統一を行う場合これが多大な障害となる事が言及されています。


そしてこれが重要で、韓国ではいわゆる便宜上の保守は北朝鮮を打倒し統一すべきという考え方を持ち、いわゆる革新側は南北融和、実質的な北主導での統一を目指してきたという背景があります。


要するに、実態としては既に同じ価値を共有する民族とはいえない状況になってきているにも関わらず、大義名分としてはどちらの政治勢力も「同胞との統一」を唯一の正しさとしており、それに反する意見を「間違い」と定義しているのです。


参考記事
【寄稿】「朝鮮半島は統一しないといけないの?」と尋ねた君へ 朝鮮日報 2016/06/11 (1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ

[社説]全教組は韓国の若者を北朝鮮人民にしたいのか 東亜日報 July. 27, 2006


また次の記事でアメリカのシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のアンドレイ・アブラハミアン氏が指摘しているように、韓国では若い世代を中心に統一にあまり意義を見出せない人々が増えている事が指摘されています。


韓国の若者が「南北統一」に嫌悪感を抱くワケ ロイター/東洋経済 2018年02月14日 (1/3ページ) (2/3ページ) (3/3ページ


そしてここからが重要で、こうした意識と同時に、特に韓国の若い層ではいわゆる韓国内の過激な親北教員組合の全教組のなど影響で、「北と南なら北のほうが建国に正当性がある、李承晩はアメリカの傀儡だが金日成は日本と戦い自力で国を作った」と考えている人が多いのです。


南北会談、隠されたカギは「国家の正統性」 日経ビジネス 2018年1月12日 (1/2ページ) (2/2ページ


そしてまた、こうした考え方から北朝鮮への親近感も強く、結果として以下のように北朝鮮よりも日本が敵国であると考えている若い世代が多い事にも繋がっています。


韓国の大学生調査 敵国1位は日本で54.3%、北朝鮮は21.4% NEWSポストセブン 2018.02.22


これが韓国人の意識に大きな矛盾を生み出します。


一方では北朝鮮を別の国と認識し、統一にあまり必要性を感じないという状態でありながら、一方では北朝鮮のほうが韓国よりも国としての正当性があると親近感を持つ、そして統一を「絶対的な正しさ」として、その考えから外れる事を「不道徳な考え」とする社会的風潮が韓国社会に根強くある。


こうした要素が組み合わさった結果、この矛盾解消のために「日本を含む他国が統一を邪魔している。だから統一できないのだ」という認識が出来上がったのではないか、私はこのような結論に至りました。


統一できない原因を「日本(外国)の劣等性」に転嫁する事で、「他者の劣等性から自己の優越性を導き出す」という彼ら独特の価値観によって「自分は何も間違っていない、悪いのは日本(外国)だ」という考えになっているわけです。


結果、北朝鮮を胡散臭いと考え統一に前のめりな韓国を心配する人々を、韓国人は「きっと統一して強国になる事を警戒しているのだ」と考える、致命的な認識の齟齬ができあがっているわけです。


実際には、韓国に親近感を感じない、かつ韓国の事を知る人ほど「統一すれば良いんじゃないか」という考え方を持っている場合が多いにも関わらず、日韓双方で全く逆の認識になっているのです。



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動画版マイリスト









※1
南北統一が困難な理由、33%が「周辺国家からの妨害」=韓国
サーチナ 2012年1月19日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120119-00000021-scn-kr (リンク切れ)
 韓国のヤフーのネット調査によると、朝鮮半島の統一が困難な理由として回答者の33%が「周辺国家からの妨害」と答えた。16日にスタートした同調査には、19日8時現在2万5000件を超える回答が寄せられた。

 ヤフーの調査は「今なお南北統一が困難な理由」について、「北朝鮮の態度」「韓国政府の政策の問題」「統一に対する社会的認識が不足」「周辺国家からの妨害」「関心がない」「その他」の6つの答えの中から選ぶようになっている。

 最も多かった回答は「北朝鮮の態度」(37.9%)、その次が「周辺国家からの妨害」(33%)だった。一方で、「韓国政府の政策問題」は19.9%、「統一に対する社会的認識が不足している」は7.4%にとどまっており、自国に問題があるとの見方は少ないことがうかがえる結果となった。

 さらに、ある韓国メディアがホームページで9日から16日にかけて行った「米、中、ロシア、日本のうち南北統一に最も支障を来す国家」についての調査では全回答者2409人のうち85.3%を占める2054人が「中国」と回答したことが判明した。「米国」との回答は206人(8.6%)、「日本」との回答は143人(5.9%)で、ロシアはわずか6人(0.2%)だった。

 韓国メディアはアンケートの結果をもとに「朝鮮半島の統一に最も友好的でない国家は中国」と伝えた。その理由として「韓中の経済交流は増加しているが、国民は相変わらず中国が北朝鮮を支援して朝鮮半島の統一を邪魔していると判断している」と分析している。