日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【動画投稿】【マスコミ問題】オランダ軍から銃を向けられたマスコミ


今回は2004年にイラクでマスコミが引き起こした事件についてとなります。




youtube
https://youtu.be/9ynRHAnwi9Q


以下は動画のテキスト版となります。

レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私が解説していくぜ。


レイム
今回も2004年の事件のようだけど、なんかタイトルがものものしいわね。


マリサ
タイトルだけだとな。
実態は日本のマスコミがイラクで世界に向けて恥を晒した事件なんだぜ。


レイム
銃を向けられたってタイトルからあまりピンと来ないけど、なんかとんでもない事をしたの?


マリサ
とんでもない事というか、一般常識からかけ離れた「日本のマスコミ業界の常識」をイラクで振りかざしたんだぜ。


レイム
ああ、なんか本編始まる前なのになんとなく予想が付いてきたわ…


マリサ
そんなわけで本編へいくぜ。


マスコミ、イラクで銃を向けられる


マリサ
まず基本知識として、レイムも流石に2003年からイラクで米軍を主体とした「有志連合」が、大量破壊兵器保持の進展義務違反大量破壊兵器保有疑惑解明への協力義務不履行を理由として「イラクの自由作戦」という作戦名で戦争をしたのは知ってるよな。


レイム
流石に知ってるわよ。
なんか結局大量破壊兵器がみつからなくてアメリカ国内でも色々と賛否あったわよね。


マリサ
そうそう。
んでな、イラク軍が敗北しその後イラク国内に後の「ISIL(ラク・レバントのイスラム国)」なんかにも繋がっていく武装テロ勢力が大量に入り込んできた、2004年1月に事件は起きたんだぜ。


マリサ
リンク先が消えてしまっているうえに、読売はネット上でのキャッシュ禁止措置をしているのでタイトルと記事の一部のみの引用となるけど、その頃こんな事が起きていたんだ。


イラク先遣隊報道…メディア過熱、取材現場混乱
読売新聞 2004/1/21
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040121id01.htm (リンク切れ)

 イラク復興支援に派遣された自衛隊。その取材現場が混乱している。陸自先遣隊のイラク入りの際には、テレビの取材車が装甲車の列に割り込もうとし、オランダ軍から機関銃を向けられる場面もあった。米軍やオランダ軍は自衛隊情報の少なさを見かねて取材に応じており、防衛庁もようやく20日になって、活動の説明を始めた。(クウェート 福島利之、サマワ 新谷達夫)

 オランダ軍とのトラブルは19日昼、クウェート国境近くで起きた。

 テレビの取材スタッフが乗ったジープ型車が、陸自とオランダ軍の車列に割り込もうとした。最後尾のオランダ軍装甲車を追い抜いた後、車上のオランダ兵が「離れろ」と叫んだ。

 追い払うように手を振ったが、接近をやめない。兵士は激怒して機関銃を向け、「近寄るな」と叫んだ。車は車列から離れたが、“一触即発”の場面だった。

 前日の18日早朝、陸自軽装甲機動車など8台を載せたアントノフ輸送機がクウェートムバラク空軍基地に着いた。その時、報道陣を案内したのは、陸自ではなく米軍広報だった。

 「治安上の理由」を挙げ、広報対応をしなかった陸自とは対照的に、米軍は当日、バスを仕立て、内外の記者を案内した。

 陸自が活動するイラク南部のサマワ。先遣隊の到着時刻がわからず、オランダ軍宿営地の入り口では大勢の報道陣が待った。

 オランダ軍は混乱を恐れ、1度は約1キロ先の公道に下がるよう求めたが、その後、ゲート前での取材が許可され、車列の位置情報も伝えられた。

 先遣隊が到着した19日午後9時ごろには、取材陣の数は車両約30台、関係者約100人に膨らんだ。隊長の佐藤正久・1等陸佐(43)が会見に応じた際は報道陣が殺到。場所取りでどなり合いも起きた。

 クウェートの日刊英字紙「アラブ・タイムス」には、異様な光景に映ったらしい。20日の新聞は「日が暮れるにつれ、多くのテレビクルーがキャンプに到着。夕方には、約100人の記者が集まり、陸上自衛隊の3倍にもなる」と指摘した。

 「記者たちは冗談を言い合ったり、記念写真を撮ったりして待った」とも伝え、「地元の子供たちが見に来ていた」と皮肉った。

 先遣隊は20日、宿営地を作る砂漠を視察したり、連合国暫定当局(CPA)を訪ねたりした。軽装甲機動車の後ろを追う取材は、この日も続いた。

 防衛庁は20日深夜、先遣隊が出国してから初めて、部隊の動向を国内にいる記者に説明した。サマワでも同様の説明が行われた。陸自は「今後は先遣隊の動向についてはできるだけ広報したい」としている。


マリサ
要するにな、読売側の言い分だと日本のテレビクルー達が自衛隊とオランダ軍の車列に強引に割り込もうとし、オランダ軍が警告をしてもやめなかったため銃を向けられたという事件だぜ。


マリサ
んでな、記事では『 「治安上の理由」を挙げ、広報対応をしなかった陸自とは対照的に、米軍は当日、バスを仕立て、内外の記者を案内した。』というように、原因は自衛隊にあるとしているな。


レイム
確かにマスコミの側にも問題があったけど、そもそも情報を提供しない自衛隊側にも落ち度があったんじゃないの?


マリサ
まずな、自衛隊は本格的な海外派遣はこれが初で、広報関連のノウハウもこれから構築していくところだったんだぜ、広報がしっかりしている米軍と比較する方がおかしいだろ?


マリサ
それにな、自衛隊は「復興支援」を目的として派遣されていたから、戦闘行為を想定しておらず他国の軍隊と違って装備も貧弱で、そもそも反撃に関しても色々と制約を課せられていたんだぜ。


マリサ
しかもだ、当時イラクにいた武装テロ組織の連中って、子供を洗脳して自爆テロをさせるような頭のおかしい連中だったんだぜ、いくら安全が確保されている地域だからと、まともな装備も反撃手段も無い自衛隊がおいそれと情報を外に出せると思うか?


レイム
あー、そうか。
状況が状況だけに政府や自衛隊としても隊員の命や安全を優先しないといけないのに、マスコミ側がそうした事情を全て無視していたわけね。


マスコミ、パパラッチと呼ばれる


マリサ
それでな、さっきの読売の記事でも後半でこんな感じで、現地で30数人の自衛隊の先遣隊に100人以上の日本のマスコミが殺到し、記者同士が場所の取り合いで喧嘩を始めたり、記念写真を撮るなどの行為をして現地の人達から呆れられていた事を伝えているぜ。


イラク先遣隊報道…メディア過熱、取材現場混乱 (後半部分)
読売新聞 2004/1/21
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040121id01.htm (リンク切れ)

(前略)
 先遣隊が到着した19日午後9時ごろには、取材陣の数は車両約30台、関係者約100人に膨らんだ。隊長の佐藤正久・1等陸佐(43)が会見に応じた際は報道陣が殺到。場所取りでどなり合いも起きた。

 クウェートの日刊英字紙「アラブ・タイムス」には、異様な光景に映ったらしい。20日の新聞は「日が暮れるにつれ、多くのテレビクルーがキャンプに到着。夕方には、約100人の記者が集まり、陸上自衛隊の3倍にもなる」と指摘した。

 「記者たちは冗談を言い合ったり、記念写真を撮ったりして待った」とも伝え、「地元の子供たちが見に来ていた」と皮肉った。

 先遣隊は20日、宿営地を作る砂漠を視察したり、連合国暫定当局(CPA)を訪ねたりした。軽装甲機動車の後ろを追う取材は、この日も続いた。
(後略)


レイム
ナニコレ、マスコミちょっと好き放題にやりすぎじゃない?
恥ずかしいんだけど。


マリサ
それどころじゃないぜ。
これが今回の本題なんだが、イギリスの通信社であるロイターはこの非常識行為を繰り返す日本のマスコミをこんな風に記事にしたんだ。


Japan media, govt feud over Iraq troop coverage
REUTERS 21 Jan 2004
http://web.archive.org/web/20040216195835/http://www.reuters.com/locales/newsArticle.jsp?type=worldNews&locale=en_IN&storyID=4174983

SAMAWA, Iraq (Reuters) - Japan's government and its media clashed on Wednesday over the rules of engagement for covering the dispatch of troops to Iraq, the nation's first military mission in a de facto war zone since World War Two.

Throngs of journalists are dogging the steps of an advance team of some 35 soldiers who arrived in the southeastern town of Samawa on Monday, pursuing them in car chases like paparazzi after rock stars and staking out sites where they might show up.

Two Japanese media vehicles collided while chasing a Japanese convoy through Samawa on Wednesday, though no one was injured.

Worried about the soldiers' safety, Japanese officials both in Iraq and back home in Tokyo are reluctant to disclose schedules for the team's movements, forcing frustrated reporters to turn instead to Dutch forces operating in the area for clues.

"Please do not report on any of our activity schedules," an official of the Self-Defence Forces, as Japan's military is known, told a news conference in Samawa. "This kind of information on our daily schedules affects the security of our personnel and I ask you to refrain from making it public."

The dispatch of troops to a de facto war zone marks a historic shift away from the purely defensive posture Japan has maintained since its defeat in 1945 -- and is pushing both the government and the nation's media into uncharted territory.

The request for restraint and a warning that briefings would be cancelled if media did not cooperate prompted a heated reply.

"If you force us not to report on anything, then that throws us back to the days of the Great Japanese Empire," one Japanese journalist said, referring to censorship before and during World War Two.

Media executives back home were also unhappy. "The dispatch of the Self-Defence Forces to Iraq is highly controversial and is a matter of great interest to the public," Masayoshi Fukuyama, a spokesman for Japan's Kyodo News Agency, told Reuters in Tokyo.

"However, it can hardly be said that the Defence Agency is fulfilling its accountability to the public, as it refused to provide any information on the January 19 entry into Iraq...citing the safety of troops," he said, adding that the government should discuss improving the arrangements soon.

HIGH ANXIETY

The advance team is acting as scouts for a larger contingent of up to 600 ground troops who will engage in humanitarian and reconstruction work. Total Japanese deployment in Iraq and nearby countries is expected to total around 1,000 military personnel.

Defence Minister Shigeru Ishiba said on Tuesday that the government was trying to balance two duties -- ensuring the safety of the soldiers and informing the public.

"How do we do both?" he said at a news conference. "We want to work out properly what information we will provide."

The deployment poses a huge political risk for Prime Minister Junichiro Koizumi, whose government could well be jolted if, as many expect, Japanese soldiers suffer casualties.

Constrained by Japan's pacifist constitution, no Japanese soldier has fired a shot or been killed in combat since World War Two.


マリサ
ようするにな、日本のマスコミが自衛隊のあとをつけまわしパパラッチのような行為をしていると皮肉交じりに書かれたんだ。


レイム
最悪…
ロイターって世界中にニュースを配信しているわよね?
これが世界中に報じられたってことよね…


マリサ
それでな、記事では日本政府が隊員たちの安全を守るためにも詳細情報は伝えられないと広報していたことが書かれているんだが、それに対して日本の記者が


"If you force us not to report on anything,
then that throws us back to the days of the Great Japanese Empire,"
one Japanese journalist said, referring to censorship before and during World War Two.

「もし報道への規制をするならそれは我々を大日本帝国の時代に投げ戻す事だ」ある日本の報道関係者は第二次世界大戦前、戦中の検閲について言及した。


マリサ
『「もし報道への規制をするならそれは我々を大日本帝国の時代に投げ戻す事だ」ある日本の報道関係者は第二次世界大戦前、戦中の検閲について言及した。』と言い訳していた事を伝えているんだ。


レイム
このパパラッチの人達って、自分達がどこにいるのか理解していないの?


マリサ
理解できていたらこんな言い訳できないぜ。
日本でも災害が起きると毎回マスコミの非常識な態度が問題になるが、要するに同じ感覚でイラク入りしていたんだろうな。


マリサ
ちなみに余談になるが、これはいずれ動画にするけど、2011年にニュージーランドで発生した地震では、日本のテレビクルーが立ち入り禁止地域に無断で侵入し、警察に捕まって国外退去処分にされているぜ。
まさに「日本の恥」だぜ。


マスコミ側の言い訳


マリサ
でだ、当然のことだがこの「パパラッチ」達の行為は日本でも問題になって、新聞協会が記者会見を開いたんだ。
その時の釈明がこれだぜ。

「危険な取材行わない」 新聞協会などが申し合わせ
共同通信/yahoo 2004年1月22日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040122-00000162-kyodo-soci
http://web.archive.org/web/20040406180811/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040122-00000162-kyodo-soci

 日本新聞協会編集委員会日本民間放送連盟報道委員会は22日、イラクに派遣された陸上自衛隊先遣隊の報道に関連し、政府に対し適切な情報提供をするよう申し入れるとともに、記者ら関係者の安全に留意し「危険や混乱を招くような取材を行わない」ことを申し合わせた。
 先遣隊の取材では、一部メディアが自衛隊の車両を追いかけたり、宿営地前に張り込むなど危険なケースがあり、現場での取材者間に混乱も起きている。
 申し合わせは「混乱の最大の原因は防衛庁が適切な情報提供を行っていないこと」とした上で、「こうした事態が放置されれば(記者やカメラマンが)テロリストと誤認されて狙撃の対象になるなど深刻な事態に直面しかねない」と指摘。
 また、国民の大きな関心事である自衛隊イラク派遣を適切に伝えることは「報道機関の責務」としている。


マリサ
会見では「混乱の最大の原因は防衛庁が適切な情報提供を行っていないこと」とか、「、国民の大きな関心事である自衛隊イラク派遣を適切に伝えることは報道機関の責務」とか言ってるな。


レイム
一見反省してるように見えるけど、これ自衛隊や政府に責任転嫁しているわよね。


マリサ
そうだぜ。
情報提供を適切に行っていないからと、対テロリストの治安維持にあたっていたオランダ軍の車列に割り込んだりつけまわして良い理屈にはならないぜ。
こんなの小学生の言い訳と同レベルだな。


マリサ
ちなみに、オランダ軍は自衛隊が復興支援をしていた地域の治安維持を担当していたんだが、安全が確保されていた地域とはいえ何度かテロリストと戦闘になっていて、2004年の5月と8月に計2名の殉職者を出しているぜ。


マリサ
しかもテロリスト連中はさっきも言ったが子供や女性を洗脳して自爆テロに利用していて、自動車に爆弾を搭載して突っ込んでくるような手口も結構あったんだぜ。
そんなピリピリした緊張感のある状態でパパラッチだからな、喧嘩を売ってるとしか思えないぜ。


マスコミ側の動機


レイム
日本のマスコミの態度に問題があるのはいつもの事だけど、今回の事例では何でこんなに暴走していたの?
まるで分別の無い中学生の修学旅行の行為みたいなんだけど。


マリサ
それはな、当時マスコミは自衛隊イラク派遣を政府批判に利用していたからなんだぜ。
この朝日の記事とか見ると解り易いな。


上:説明なき対米傾斜政策
朝日新聞 2003年12月01日
http://www.asahi.com/special/iraqrecovery/konmei/031201.html

 亡くなった2人は、バグダッド陥落後の4月、日本政府から真っ先に米復興人道支援室(ORHA)に派遣され、日本の復興支援策の主軸として活躍した。当時、米政府の一機関にすぎなかったORHAへの人員派遣は「占領行政に加担する懸念がある」との批判もあったが、小泉首相が問題ないと決断した。

 今年3月のイラク戦争開戦以来、米国を一貫して支持してきた政府は、今後4年間で総額50億ドルの資金と、自衛隊派遣という「カネとヒト」の支援を、「対米支援の両輪」(外務省幹部)として準備してきた。しかし、自衛隊イラク派遣は、その「大義」をめぐって揺れ続けた。

 自民党安倍晋三幹事長は11月28日、「国際社会の中で我々は責任を果たす。この地域の平和と安定はわが国の国益だ」と講演で強調した。その前日、加藤紘一元幹事長はCS放送で「(イラク戦争で)日本は米国に同調したが、大量破壊兵器はなかった。犠牲者が出た場合、どういう大義で遺族に説明できるか、難しい」と述べた。

■   ■

 首相や与党が恐れてきたのは、自衛官に犠牲者が出た場合の世論の反応だ。来年夏に参院選を控え、「いくら選挙準備をしても、犠牲者が出れば全部吹っ飛んでしまう」と自民党幹部。

 首相官邸は、これまでの国連平和維持活動(PKO)による自衛隊派遣で欠かさなかった閣議での「準備指示」を避け、防衛庁に「独自の準備」を求めた。「テロとの戦い」を大義に説く首相や福田官房長官は、いつどんな形で自衛隊を送るつもりなのか。「当事者の我々にさえ、驚くほど何のアナウンスもない」と防衛庁幹部は憤る。

■   ■

 外務省によると、11月21日現在、イラクには米英以外に36カ国が軍隊を派遣しているが、自爆攻撃で19人の死者を出したイタリアを含め、撤退した国はない。

 外務省幹部のひとりは「自衛隊に死者を出し、日本が撤退すれば各国の軍隊に与える影響は大きい。米国の懸念もそこにある。何があっても引かない覚悟がなければ、自衛隊の派遣は決断できない」と語る。

■   ■

 93年、カンボジアPKOで文民警察官の高田晴行警部補(当時)が殉職したが、日本は撤退しなかった。当時の宮沢喜一首相は後に「もう2、3人亡くなられたら、政治的に私の立場はもっていたか」と述懐した。文民警察官のPKO派遣はその後、99年の東ティモールPKOまで途絶えた。

 カンボジアPKO当時、郵政相だった小泉首相は「PKO協力法の国会審議では、血を流してまで国際貢献しろ、という議論はなかった」と宮沢首相の決断を批判した。その首相が今、正面からの議論を避け続けている。

 政府に「安全確保への配慮」を義務づけたイラク復興支援特措法が想定したイラクの現状は、7月の制定当時から大きく変貌(へんぼう)した。その現実に目を向けず、「対米配慮」だけで自衛隊派遣を急ぐなら、今回の悲劇が繰り返されかねない。

中:「自衛隊カード」世界注視
朝日新聞 2003年12月02日
http://www.asahi.com/special/iraqrecovery/konmei/031202.html

 米政府にとって、「日本の自衛隊派遣」は皮肉なことに、時期がずれ込むにつれて重みを増している。  イラク復興支援特措法が成立したのは、夏も盛りの7月下旬。自衛隊派遣は秋にも実現すると見られていた。ところが派遣は延び延びになり、冬を迎えた今も時期すら見通せない。そこに事件が起きた。

 自衛官を数百人派遣しても、13万人規模の駐留米軍からみれば大した「援軍」にはならない。ウォルフォウィッツ国防副長官が「日本からは多大な貢献は期待していなかった」と語ったのは、米国防当局の本音だろう。

■   ■

 米国は駐留米軍を来年5月をめどに約10万人に減らす計画を立てた。穴を埋めようと各国に派兵を要請したが、すでにトルコ、インドから断られた。米軍の猛烈な掃討作戦を受け、武装勢力は周辺の弱い標的に狙いを広げた。ここで日本が断念すれば、残るパキスタンを含めて総崩れになりかねないという懸念が、米政府に広がっている。

 米国から追加派兵を求められている韓国にとって、日本の動向は「ひとごとではない」(政府関係者)。韓国の民間人2人がティクリート近郊で日本人事件の翌日に殺害され、1日付各紙1面は「イラク」で埋まった。

 「韓米同盟維持」の名分のもと増派を決めたものの、日本と同様、規模や時期などで明確な方向性が出せない。政府関係者は「日本の派遣が遅れれば、韓国も遅れる可能性が高い」と見る。

 残留か、撤退かで世論が割れるイタリア。国営テレビが11月30日未明から「外交官殺害で日本政府に衝撃」と速報するなど、事件に高い関心を示す。有力紙レプブリカは「イラクではもう、だれも安全ではない」と報じた。

 英BBCテレビは「数週間以内に派遣を決めたいという日本政府の日程はもはや現実的でない」とみる東京特派員の分析を伝えた。英国国内では、派遣を巡る小泉政権の苦境は極まったとの報道が目立つ。

■   ■

 「日本人殺害」のニュースが流れた30日夕、バグダッド市民の声は冷ややかだった。

 「米国を助けているから攻撃の的になる」(理髪店主、47歳)「日本もイラクで利権の分け前を得ようとしている」(雑貨店主、42歳)

 自衛隊の派遣候補地、南部サマワの総合病院は、80年代に日本の援助で完成した。部族長の一人は「日本が来て、サマワを美しい街にしてほしい」と話す。人々が民生面で日本にかける期待は確かに大きい。

 だが、自衛隊の話になると多くの市民が「軍隊はいらない」と口をそろえる。米占領への反発が激しくなり、自衛隊はまだ姿も見せていないのに「米軍を助け、イラク人と戦う」軍隊と受け止められている。

■   ■

 「大規模戦闘終結」から7カ月。その間、イラクの「泥沼化」は進んだ。だが、「有志連合」を見渡しても、深刻な犠牲を出しながら、軍を撤収させた国はない。

 一方、イラクに派兵していないドイツは、アフガニスタンでは千人規模の兵士を派遣し、米国の肩代わりをしている。

 ドイツのような選択肢がないなかで、小泉首相は「自衛隊派遣」を繰り返し表明してきた。その実現に手間取る間に、「派遣するか否か」はより重い意味を持つようになった。小泉政権はいま、自らの「派遣カード」に追い詰められている。

下:「大義」見つめる自衛隊
朝日新聞 2003年12月03日
http://www.asahi.com/special/iraqrecovery/konmei/031203.html

 外交官殺害の数日前、「日の丸」の蛍光シールが札幌市にある陸上自衛隊の駐屯地に届いた。大小約580枚。イラクに派遣する車両に張るために陸自が調達した。

 陸上部隊の制服は、景色に溶け込みやすい色彩にするのが原則だ。しかし、陸自はあえてその原則を曲げる考えだ。

 米軍も採用している砂漠仕様の迷彩服はやめ、緑の迷彩服と無地の作業服とする。作業服には日の丸を胸、袖、背中と、目に付く限り張る。

 「米国と一体と見られればテロの対象にされかねない。日本は人道支援だと一目で分かるようにしたい」(陸幕幹部)との判断からだ。

 しかし、テロの標的はイタリアやスペイン、韓国、日本へと広がったようにみえる。

 「日の丸を張ったら、相手に居場所を教えるようなもの」

 事件の翌日、防衛庁幹部はそう言った。

 1日夕、都内のホテルで、日本に駐在する各国の武官が防衛庁幹部を招くパーティーがあった。石破長官は自衛隊派遣の決意が変わらないことを強調した。が、同席した先崎一・陸上幕僚長は、いつもより口数が少なかったという。

■   ■

 91年、湾岸戦争後のペルシャ湾海上自衛隊が派遣されて以来、自衛隊は国連平和維持活動(PKO)協力法やテロ対策特別措置法で海外への派遣を続けてきた。

 事故や病気で死亡した隊員はいても、戦闘に巻き込まれたり、攻撃を受けたりして死傷者が出たことはない。同時に、相手に危害を加える武器使用もなかった。

 「単に運が良かっただけかもしれない。みんな何もないのが当たり前だと思っていないか」と、PKOへの派遣経験がある陸自幹部は話す。

 イラク派遣を前に、防衛庁は任務中に死亡したり重い障害を負ったりした隊員に支給する「賞恤(しょうじゅつ)金」を引き上げることを決めた。訓令を改正し、最高額は6000万円から9000万円に。首相からの特別褒賞金1000万円を合わせれば1億円になる。

 任務の危険性に伴う手当も増額する。1日に2万円が最高だったPKO手当を上回る2万5000円となる見通しだ。

 しかし苦々しい思いを抱く隊員もいる。イラク派遣が予定されている40代の幹部自衛官は言う。「ありがたい話ではあるが、自分たちは金のためにイラクに行くのではない。危険への覚悟はできている。問題は国が、国民が支持してくれ、派遣への大義を与えてくれるかだ」

■   ■

 昨年12月、靖国神社に代わる国立追悼施設についての官房長官の懇談会の報告書がまとめられた。追悼の対象を戦没者だけでなく「国際平和のための活動における死没者」にも広げるという内容だった。PKOなどでの殉職者も念頭にある。

 今年5月には小泉首相が、有事関連法案を審議中の参院で「実質的に自衛隊は軍隊。しかるべき名誉と地位を与える時期がくる」と発言した。

 東京・市谷の防衛庁敷地には9月、自衛隊殉職者を追悼する慰霊の場が完成した。それまで木立の中にあった慰霊碑を、国費6億円をかけて整備。提唱者の森喜朗前首相は完成式典で、「国家・国民のために命をかけたことに、国がその霊を慰め感謝する。そういう形を整えることが遺族の誇りになる」と述べた。

■   ■

 外交官殺害事件後、川口外相は「2人の遺志を受け継いでいくために、テロに屈することなく、復興支援に積極的に取り組むという我が国の基本方針が揺らぐことはない」と力説した。

 「2人の死」を掲げ自衛隊派遣へこぎつけようとする発言が、政治家から相次ぐ。だがなぜ危険を冒してでも派遣するのか。国民の合意が得られるような説明はない。


マリサ
前・中・後編に分かれてて非常に長い記事なので一部だけ抜粋するが、要するに対米追従で大儀が無く、「犠牲者が出たらどうするのか」といった論調で、こうした内容は新聞だけじゃなく特にテレビ局で連日報じられていたんだぜ。


レイム
ちょっと待って、自衛官に犠牲者が出る事を心配していたなら、なんでテロリストに自衛隊の情報が渡る可能性があるのに、迷惑行為までして取材を強行したり、自衛隊が情報提供しない事に不満を持ったりしていたの?


マリサ
あのなレイム、マスコミは自衛隊員の命なんて心配していないぜ?
あくまで問題が起きれば「政府批判」から「倒閣運動」につなげられるから「犠牲者が出たらどうする」という論調だったんだぜ。


レイム
それって、まるで犠牲者が出て欲しいみたいじゃない。


マリサ
勿論断言はしないが、マスコミ的には何か起きた方が良いんだぜ。
「スクープ」になるしな。


レイム
流石に極論過ぎない?


マリサ
そうか?
そもそもさ、これまでこの動画で扱ったマスコミ問題の事例で、あの業界が人の命や人権に配慮していた事例がどれだけある?
玄界灘海難事故とか、毎日新聞クラスター爆弾事件とかTBS発音ミク事件とか。


レイム
あー…、そういえば。


マリサ
断言はしないが、マスコミ的には「自衛隊がテロリストのターゲットになる事」に『不利益はない』んだぜ。
そもそも、なんでマスコミは自衛隊とオランダ軍をつけまわしたり、「隊員の安全のため」という政府発表に反発したんだ?


マリサ
実際、テロリストによる自衛隊への攻撃計画があった事が判明したり、自衛隊の野営地が砲撃されたり、車両が仕掛け爆弾で損傷を受けるとそれを嬉々として報じていたしな。
これ以上は言わないがな。


サマワで拘束のシリア人ら「自衛隊攻撃を計画」と供述
朝日新聞 2004/02/16
http://www.asahi.com/special/jieitai/TKY200502150365.html

 自衛隊が駐留するイラク南部サマワの警察当局は15日、同市内で14日に拘束したシリア人とイラク人が、自衛隊宿営地への攻撃を計画していたと供述したことを明らかにした。警察によると、2人はアルカイダと関係があるとされる武装組織「アンサール・アルスンナ」に所属していると答え、「サマワでほかのメンバーを招き入れて日本の部隊を攻撃するつもりだった」と述べたという。

 2人は地元の有力部族の関係者に安全確保などの便宜を図ってもらっていたという。


レイム
まあ、状況証拠だけだけどね。


マリサ
状況証拠だけだな、だからこれ以上の言及はしないぜ。


レイム
日ごろの行いと信用って大事よね。


マリサ
そうだな。
問題を起こしても情報操作で強引にもみ消したり、気に入らない相手にレッテル貼りや印象操作をしたり、身内に甘く他人に厳しかったり、白を黒に、黒を白に変えるような事を日常的にやっている連中に信用なんて無いんだぜ。


マリサ
マスコミの姿って、この風刺が全てを物語っているよな。


今回のまとめ
・マスコミがイラク自衛隊とオランダ軍の活動を妨害、銃を向けられる
・ロイターからその行為を「パパラッチ」と呼ばれる
・新聞協会が原因を政府に責任転嫁
・マスコミは元々この件を政治利用する気満々だった


マリサ
そんなわけで今回の本編はこれで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。



レイム
今回のもかなりストレスたまるわね…


マリサ
こんなんだからマスコミは「人の不幸を飯の種にしている」なんて言われるんだぜ。
しかも批判されると「世間が望んでいるから」「国民の知る権利のためだ」と原因を転嫁するしな、これじゃ信用を失って視聴率や購読者が減るのも当たり前だぜ。


大口
なんか2人ともかなりカリカリしてるね。


レイム
あ、また出た。


大口
またとは失礼な。
場を和ませるための話題を持ってきたんだよ。


マリサ
またどうせ変な生き物の話題なんだろうぜ。


大口
数少ない出番くらい好きにやらせてよ。
それでね、以前コメントで「深海魚好き」とか書かれていたけど、違うからね。


レイム マリサ
え?


大口
変な生き物ならどの環境の生き物でも好きだからっ!


大口
たとえば、魚なら「トゲウオ目」の魚とか良い感じだよね。


マリサ
トゲウオ目って?


大口
有名なところではタツノオトシゴとかが含まれるね。
まあとにかく、このトゲウオ目には「いい感じ」の魚が多いんだよ。


大口
例えばカミソリウオとか、
出典:WEB魚図鑑



ヨロイウオとか、
出典:WEB魚図鑑



ニシキフウライウオとか、
出典:WEB魚図鑑


ノコギリヨウジとか、
出典:WEB魚図鑑



ウィーディーシードラゴンとか
出典:Wikipedia




レイム
ちょっとまって、最後のは魚!?


大口
魚だよ?オーストラリアの沿岸部に住んでいるヨウジウオの仲間だね。
ちなみに、たまに熱帯魚屋で売ってるらしいよ。


マリサ
この変なの飼えるのか?


大口
そうらしいね。


レイム
ちょっと面白そうだから飼ってみてよ。


大口
無茶言わんでくれ。
海水魚ってただでさえ水質管理とか難しそうなのに、ヨウジウオやタツノオトシゴの仲間は食べ物が動物プランクトンだから、餌やりとかも大変なんだよ。
それに、この手の魚を飼えるちゃんとした海水魚の飼育設備なんてそろえたら軽く7~8万円は吹っ飛んでいくからね、無理。


大口
更に、この魚自体の価格が30万~50万円とかするんだよ、飼ってみたいから買うとかそんな気楽な額じゃないから!


レイム
何ケチ臭い事言ってるの?


大口
ずぶの素人に無茶いわんでくれ。


マリサ
まあうp主はズボラだしな、生き物の飼育なんて無理だぜ。
そんなわけで今回はこれで終わるぜ。


大口 レイム マリサ
またらいしゅ~



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