さて、本日は最近何かと話題の軍艦島を巡る問題について書いて行きます。
現在韓国では「軍艦島」について「日本が朝鮮人を奴隷として酷使した地獄の島」という宣伝を行う映画が公開され大ヒットしているが、その広告に使われていた写真が捏造されたものであったり、「時代考証が全くされていなかったり」と、いわゆる「トンデモ映画」となっている。
更に、この映画は単なる娯楽作品ではなく、韓国の特定の政治団体や政府与党などがかなりの支援を行っており、娯楽作品というよりプロパガンダ映画としての性質が強く、特に韓国政府が国外向けの宣伝に利用している事が大きな問題となる。
一見すると日本はまた後手に回り不利な状況に追い込まれているように見えるが、「根拠を重視しない」価値観の韓国が国際的な広報を開始し始めたこのタイミングは、実際には反論をするのに最も適した時期であり、対応を間違わなければどうとでも対応できる。
※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
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1:一切「考証」がされていない映画
まずはこちらの記事から
軍艦島広告写真の人物は日本人? 韓国人教授「確認後差し替える」
聨合ニュース 2017/07/26
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2017/07/26/0400000000AJP20170726004200882.HTML
【ソウル聯合ニュース】韓国の広報活動に取り組む誠信女子大の徐ギョン徳(ソ・ギョンドク)教授は26日、米ニューヨークのタイムズスクエアに設置されたスクリーンで流した広告映像「軍艦島の真実」に朝鮮人強制徴用労働者として登場する写真の人物は日本人だとの産経新聞の報道について、「資料を直接確認するため、知人を通じて資料を要請している」として、「(日本人であることが)事実と判明すれば、別の写真に差し替える」と述べた。
徐氏は写真に関し、「これまで強制徴用を象徴する代表的な写真として多く使われてきたもの」とし、「今回の機会に写真の人物を正確に確認し、朝鮮人ではなく日本人であることが確認されれば、誤った内容を正すようにする」と表明した。
その上で、「写真一枚を問題とし、本来の趣旨がねじ曲げられないよう、慎重に慎重を重ねていく」と述べた。
この事例なのですが、そもそも韓国ではあたかも今回初めてこの写真に写る人物が日本人である事を知ったかのように報じていますが、実際には違います。
どういう事かといえば、実はこの件は今年の2月に韓国のテレビ局であるMBCがニュース番組に使用した映像にも使われ、それに関して4月に産経新聞がMBCに対して「問い合わせ」をしています。
軍艦島、荒唐無稽な印象操作 別の炭鉱写真使用…韓国テレビ、誤り認める 産経新聞 2017.4.12 (1/4ページ) (2/4ページ) (3/4ページ) (4/4ページ)
このときにMBCが「強制連行の証拠」として使用した写真について、産経は
・明治時代の貝島炭鉱(福岡県)の露天掘り
・大正15(1926)年9月、北海道の旭川新聞が報じた道路工事現場での虐殺致死事件(朝鮮人一切関係なし)
・「端島炭坑の内部壁から『腹が減った』『故郷に帰りたい』『母に会いたい』とハングルで書かれた落書きが発見された」というものは、昭和40年に朝鮮総連傘下の団体が映画作成のために書いたでっち上げ
と指摘しており、MBC側は全ての誤りを認めています。
ただし「たとえ場所は違っても朝鮮人たちが強制動員され被害を受けたという脈絡でみれば、歴史の一断面をみせてくれる貴重な資料」とも主張していますが、それを裏付ける資料などは提示されていません。
また、韓国では強制連行された朝鮮人が最も危険な地下1000m地点で過酷な作業を強要され、中には9歳の子供もいたとか、監視員がいてサボっていると見なされると鞭で打たれたとしています。
「軍艦島」の生存韓国人、「そこは幽霊島、監獄島だった」 中央日報 2017年07月26日
そしてこの件に関しては、既に2月の時点で日本側は反論を行っています。それに対して韓国側は「反論があったこと」を認識しており、そのうえで「一切の反証資料」の提示を行っていません。
呆れた反日プレリュード 慰安婦問題は序の口? その1 Japan In-depth 2017年2月9日 (1/2ページ) (2/2ページ)
「軍艦島は地獄島…」韓国映画・絵本が強制徴用の少年炭鉱員を捏造 憤る元島民たち「嘘を暴く」 産経新聞 2017.2.8 (1/4ページ)(2/4ページ)(3/4ページ)(4/4ページ)
「『軍艦島』の内容は捏造」 産経新聞が韓国映画に難癖 朝鮮日報 2017/02/08
(※1)
[SCフォーカス]「軍艦島」牽制する日、これがまさに韓映画の力 スポーツ朝鮮(韓国語) 2017-02-09
(※2)
軍艦島も「韓日葛藤」の兆し...リュ・スンワン「捏造ではない」 デイリーの(韓国語) 2017-02-09
唯一この映画の監督が
これに対してリュ・スンワン監督は8日、MBC「イブニングニュース」で「「少年坑夫を徴用したことがない」、このような内容があるようだが私達が取材した人々がいる」とし「多くの証言集を通じて、本当に事実と言わざるを得ない資料がある」と主張した。
と主張しており、このことから彼らの主張する証拠とは裏付けの取れていない証言のみであること、また「産経とMBCの一件が広く知られていること」が解ります。
まあ、韓国が資料をろくに調べずに「歴史の創作」をするのはいつもの事ですが。
問題は、「自称」広報専門家の徐敬徳教授はあたかも7月に産経から指摘されて始めてこの件を知ったかのように主張しており、韓国メディアもそれに追従していますが、今年の2月と4月にこれだけ騒ぎとなり、しかも監督自身がこの件でコメントまでしているわけですから、「知らないほうが不自然」なのです。
当時捏造を指摘されたMBCや映画監督は明らかに「開き直って」いますから、当時徐敬徳教授も他の韓国メディアもそれに追従して反論を無視したと考えるのが妥当でしょう。
これ自体が韓国側の問題点を指摘する上で重要な要素となります。
しかも彼らは、指摘された問題が「貝島炭鉱」の件のみであるかのように振舞っており、この件は彼らにとって「触れられると困る」部分が多数ある事が解ります。
2:韓国側の説の致命的な欠点
先ほど挙げた日本側のいくつかの記事で指摘されていますが、そもそも「最も危険な1000m地点で奴隷のように働かされていた」という主張、「ありえない」のです。
炭鉱作業は危険ですが、同時に「事故が起きればそれだけ会社の損失になる」面もあります。
事故が起きればそれだけ作業が滞るわけですし、落盤事故などが起きれば損害は膨大になるわけですから、企業としては「事故は無いほうが良い」のです。
そのため先ほどいくつか引用した記事の中の端島(軍艦島)の元住人の証言によると、最も危険な場所での作業は「最も熟練したベテラン」が担当しており、「ただ連れてこられただけの素人や子供」が任されることなど絶対になかったそうです。
これは資料などを出すまでも無く当たり前の事です。
炭鉱は「利益を出すために企業が運営している」わけですから、わざわざ事故を起こす可能性を高めて自社の損害になるような事などしません。
彼らの主張通りならば、日本企業は自社の損失もお構いなしに朝鮮人を虐待する事を優先していたという事になります。
事故が起きても損失にあまり繋がらない環境ならばそれもあり得ますが、炭鉱での「それ」はあまりにも非現実的なのです。
またもう一つ問題があります。
軍艦島に限らず、最近韓国メディアで流行っている徴用関連の記事を読むと、明らかに史実と異なる記述が頻繁に登場しています。
強制徴用被害者手記「死地を越え帰郷まで」 第2版発行=韓国 聨合ニュース 2017/06/05
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2017/06/05/0400000000AJP20170605003700882.HTML
李氏は1943年11月、15歳のときに上山田炭鉱に連行され労働を強いられた。先月26日に亡くなった
強制徴用被害者 軍艦島での過酷な労働を証言 聨合ニュース 2017/07/27
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2017/07/26/0400000000AJP20170726004700882.HTML
1943年に徴用されたチェさんは、「海に囲まれた端島で3年間、『監獄生活』を送った。下着だけ着て作業した。残酷だった当時を思いだすと息が詰まる」と語った。
公式の記録によると1939~1945年に約800人の朝鮮人が軍艦島に連行され、134人が亡くなった。
水底1000メートルで窒息死・圧死…日本軍艦島は「地獄島」そのもの(1) 中央日報 2017年07月03日
http://japanese.joins.com/article/797/230797.html
日本は1938年「国家総動員法」を制定・公布した。戦争に必要な資源の強制徴発を可能にしたこの法を通じて、日本は植民地だった韓国から人的・物的資源を確保した。
日本側の資料によると、1939年から45年3月まで日本・サハリン・南洋群島などに強制動員された韓国人は72万人余りに達する。徴用された人々は主に作業環境が劣悪な炭鉱・建設現場・工場の職に従事していた。
「日帝強制占領期、祖父も兵役拒否で監獄に行ったが…」 ハンギョレ新聞 2017.07.09
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/27866.html
故オク・レジュン氏夫婦は1939年、徴集など軍国主義日本の戦争に反対して投獄された。
まず史実では徴用がいつから朝鮮半島で行われたかなのですが、日本と台湾では1943年4月からでしたが、朝鮮半島では1944年9月からでした。
この時点で彼らの主張はおかしいのですが、彼らはこうした反論に対して「民斡旋や官斡旋も実質的な連行だった」と主張します。
そこで「民斡旋の目的」について当時の陸軍省の資料があるので見てみると、実は「朝鮮ニ於ケル技術水準ノ向上ニ資スルコトヲ以テ目的トス」と書かれており、また仕事もいわゆる技術習得を目的とした業種に限定されており、更に契約期間は2~5年、期間が終わればその後の再雇用は自由意志であり、帰郷したい場合には雇用主と国がその費用を負担するとも書かれています。
朝鮮工場労務者内地移住幹施に関する件
(大日記甲輯昭和15年)
国立公文書館 アジア歴史資料センター蔵
https://www.jacar.go.jp/
レファレンスコード
C01001832500
※民斡旋と官斡旋と徴用の朝鮮における開始時期
民斡旋
1939年~1942年 昭和14年~17年
官斡旋
1942年~1944年 昭和17年~19年
徴用
1944年9月~1945年3月 昭和19年~20年
そしてこの当時陸軍省戰備課が作成した民斡旋の目的に関する資料には「極秘」という判が押されており、これが外向けの宣伝ではなく内部文書である事がわかります。
彼らの主張は当時の「内部記録」と矛盾しているのです。
つまり韓国側が主張する「軍艦島」や「強制連行」を巡る問題の致命的欠点とは、当時の軍艦島で働いていた日本人炭鉱夫の証言と企業の方針に整合性があり、「特別苛酷な環境で労働に従事させられた」という主張と矛盾する事。
もう一つは、「当時の日本の陸軍省」が作成した部外秘の内部文書の内容と、韓国側の主張に矛盾があるという事です。
この2点は非常に重要です。
韓国側はこの件をはっきりと明言しておりその記録が多数ある事と、そしてその間違いを指摘できる明確な「客観的資料」が存在しているからです。
3:韓国側は政治的意図でやっている
今回書いたように、彼らの主張は矛盾だらけであり、根拠を重視しない彼らの価値観内ではそれが問題になりませんが、国際的に広報する場合これが彼らの致命的な欠点となります。
彼らは「何を問題とされているのか」を把握し難いからです。
そしてもう一つ重要な事として、韓国は現政権が国策としてこの軍艦島の映画の広報を行っているという事です。
最近も韓国政府主催により、パリでユネスコの職員やパリ在住の外交官などに対して軍艦島の放映イベントが行われています。
韓国映画「軍艦島」 パリで外交官向け試写会=国際的関心訴え 聨合ニュース 2017/07/31
この映画が「単なる民間の映画」ではない事がこのことからもわかります。
また、韓国の現政権の支持母体である民主労総と韓国労総などが、韓国内でこの映画の動員支援を行っていた事も判明しています。
「慰安婦問題」に代わる「強制連行」という新たなカード WEDGE Infinity 2017年8月2日
しかも、韓国の与党議員を中心に映画の宣伝活動なども行っているようなのです。
映画『軍艦島』を団体観賞、政治利用に懸念の声も 朝鮮日報 2017/07/28
そして更に、映画の内容に韓国の親北左派系の意向が非常に強く、そのため韓国内で政治対立が発生しているようなのです。
映画『軍艦島』、歴代最高の滑り出しも厳しい道のり 朝鮮日報 2017/07/28 (1/2ページ) (2/2ぺージ)
「高が知れた反日映画」「強制徴用問題への関心を呼んだ」 映画「軍艦島」を解剖する 東亜日報 July. 31, 2017
つまり、この映画は極めて政治的な意図で作られた映画であり、だからこそ韓国内でも「対立するイデオロギーの側」の反発が発生し、賛否が分かれているという傾向にあるわけです。
韓国三大紙のうち、朝鮮日報と東亜日報がこの映画に比較的否定的なのはそのためです。
この映画の監督は「民族主義の感情に頼るより普遍的人類愛に基づいて企画された映画」とか「この映画は極端な民族主義に依存したり、“クッポン”(盲目的な愛国主義者)に依存した映画ではない」と主張しており、それを対外的な広報の根拠としていますが、背景を見る限り実際には政治的意図と民族主義に根ざしたプロパガンダ映画なのです。
映画「軍艦島」リュ・スンワン監督、日本記者による日韓関係の質問に忠告 「映画は本質的な人間の物語」 WoWKorea 2017年6月15日
そして現在日本では、当時の端島(軍艦島)住人が中心となり、韓国側への反論動画を作成しているようですが、それに限らず軍艦島の件で今回ここで書いたようなことをポイントにすると効果的です。
なぜかといえば、まず韓国側は「根拠や整合性を重視しない」ため、今回書いたようなことを重要とは考えません、また先ほども書いたように「(根拠を重視する価値観の社会では)誰でも客観的に確認可能」な証拠が多数あります。
そして何より、実は韓国人は一般的に「打たれ弱い」傾向にあり、味方がいて「他者を攻めているとき」はかなりの強気になりますが、防戦になると激しく動揺し自ら墓穴を掘る場合が多く、はっきりと根拠を提示して公的に第三者の前で強く反論した場合、意外とあっさりと「ぽっきり」行く事があるのです。
そして今のように、韓国側が政治利用で国際的な宣伝を始めたタイミングというのは、まさにこの状況を作り出すベストのタイミングなのです。
徐敬徳教授や韓国メディアが産経の反論に即反応したのも、日本側が公的な反論(韓国人から見た場合の劣等性の指摘)の準備に入ったため動揺したからです。
彼らは自らの正しさを信じて疑わないため、元々反論が来る事そのものを想定していない場合が多く、更に今回のように「味方になってくれる相手」がまだ少ない状態だと、自身が矢面に立たないといけないためどうしていいかわからずうろたえるわけです。
韓国的価値観では、相手の劣等性を指摘することでしか自己の優越性や正当性を確認できないため、裏を返すと自身の劣等性が指摘され、それに対して「劣等性の再指摘」ができないと対処法が無いのです。
このように、実は韓国関連は彼らの特徴と傾向をしっかりと把握していれば、「正攻法で充分対応可能」なのです。
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(※1)
[SCフォーカス]「軍艦島」牽制する日、これがまさに韓映画の力
スポーツ朝鮮(韓国語) 2017-02-09
http://sports.chosun.com/news/utype.htm?id=201702100100086180005908&ServiceDate=20170209
2017年最高の期待作「軍艦島」(リュ・スンワン監督、外柔内剛制作)が製作段階から話題を集めたところで、最終的にアジアを通してブームになった。尋常でない「軍艦島」の雰囲気を事前に察知したのだろうか?まだ封切りもしいていない作品につべこべと牽制を始めた日本だ。
産経新聞は、先月25日、韓国メディアに初公開された「軍艦島」のローンチトレーラーと子供用絵本「軍艦島 - 恥ずかしい世界文化遺産」を紹介し、「韓国が端島(軍艦島)のユネスコ世界文化遺産登録を控えて官民を動員し端島のユネスコ世界文化遺産登録に反対している。リュ・スンワン監督の新作「軍艦島」は、端島のユネスコ世界文化遺産登録に反対する運動の一環である」と主張した。
「軍艦島」は、リュ・スンワン監督の次期作で製作段階からお墨付きをもらっており、それにファン・ジョンミンが日本に送ってくれるという言葉にだまされて軍艦島に来た京城ホテル、アクダンジャンイガンオク役を、ソ・ジソプが鍾路一帯を平定した京城最高の拳チェチルソン役を引き受け、ソン・ジュンギは、独立運動の主要人物を救出するために軍艦島に潜入する独立軍パク・ムヨン役に扮する。そして、イ・ジョンヒョンが軍艦島に強制的に連行されてきた朝鮮人の晩年役で合流してしっかりとしたキャスティングラインを構築した。国内4大投資・配給会社のCJエンターテイメントが「軍艦島」の心強いサポートを引き受けて順風満帆に航海を開始した。早くからリュ・スンワン監督は「民族主義の感情に頼るより普遍的人類愛に基づいて企画された映画」という制作意図を伝えた。
このように盛んに「軍艦島」の熱気が熱くなった状況だ。ところが、とんでもない日本の極右性向の報道でトラブルが起きた。リュ・スンワン監督をはじめとする「軍艦島」の関係者は怒り、大衆も荒唐無稽な主張を行った産経新聞に叱責を浴びせた。
リュ・スンワン監督は「多くの証言を通して事実だと言わざるを得ない資料があり、私たちの映画は、歴史的事実に基づいていている。軍艦島内部を描写するセットも徹底的に考証に基づいた。明るいことと暗いこと全てを堂々と明らかにしたとき文化遺産としての価値がある。産経新聞の報道は、そのような点で残念だ。過去の歴史が明らかになれば文化遺産に不利になるため、今、このような主張を続けているようだ」と複雑な心境を表わした。
韓国広報専門家として活躍中のソ・ギョンドク誠信女子大教授も、本紙とのインタビューで、「極右新聞である産経新聞は、常にそのように世論を糊塗する役割をする。誤った歴史を自ら恐れているので、このような浅知恵を働かせているようだ。軍艦島は歴史的に明らかな事実だが、自分たちに不利な部分を誤った内容だと主張している。ユネスコが世界文化遺産に端島を登録する際に説明文の注釈に強制徴用の事実を含めたほか、日本は今年末までにユネスコに付随する経過報告書を提出しなければならない。日本政府が登録当時、日本植民地時代の歴史を除いて申請してユネスコ諮問機関で「歴史の全ぼうを知ることができるような解釈を加える準備をするように」と勧告した。もちろん、当時の日本政府は、案内板などを通して徴用の歴史を共に伝えると約束したが、これまでいかなる措置も行われていない」と鬱憤を吐いた。
各種海外映画祭マーケットを通じて口コミを得て、国内で早くも1000万映画に挙げられている「軍艦島」。全アジア的に関心を受けて先行販売の問い合わせが増えている「軍艦島」の動きを恐れたのだろうか。映画をまともに見ずに根拠のない主張で「軍艦島」を傷つけることに汲々とした産経新聞の行動はどう考えても納得できない。
娯楽的楽しみだけでなく、強烈な社会的メッセージを同時に込めて、大きな共感を与える韓国映画だけの魅力。全世界に共感を届けて愛されることができる韓国映画の力である。今回の「軍艦島」も全世界に韓国映画の強みを誇ることができる絶好の機会。産経新聞の誤った牽制のおかげで「軍艦島」の神髄がさらに光を放つことができるようになり、盛んに編集に没頭していたリュ・スンワン監督はさらに強固な「軍艦島」を作るために切歯腐心するきっかけを抱くた。
(※2)
軍艦島も「韓日葛藤」の兆し...リュ・スンワン「捏造ではない」
デイリーの(韓国語) 2017-02-09
http://dailian.co.kr/news/view/611529
日本極右性向のメディア「産経新聞」が映画「軍艦島」の内容について、「捏造」と反発し、リュ・スンワン監督が直接反論に乗り出した。
「産経新聞」は8日、「映画「軍艦島」と子供の絵本が歴史を捏造している」と主張した。特に韓国系日本人鄭大均首都大学東京名誉教授の言葉を引用して、「日本の炭鉱に朝鮮人少年坑夫など存在しなかった」と報道した。
また、軍艦道路の知られた端島がユネスコの世界文化遺産に登録されることを韓国が反対し、映画「軍艦島」が、その運動の一環と解釈した。端島住民は「産経新聞」を通じて、「欺瞞と虚偽と誇張」と怒りを爆発させた。
これに対してリュ・スンワン監督は8日、MBC「イブニングニュース」で「「少年坑夫を徴用したことがない」、このような内容があるようだが私達が取材した人々がいる」とし「多くの証言集を通じて、本当に事実と言わざるを得ない資料がある」と主張した。
続いてリュ・スンワン監督は「映画は、歴史的事実に基づいており、軍艦島内部を描写する美術セットも徹底的に考証に基づいている」と付け加えた。
日本のマスコミの態度も強く批判した。リュ・スンワン監督は「明るいことと暗いこと、すべてを堂々と明らかに出した時に文化遺産として本当に価値があるではないか」と反問した後、「「産経新聞」の報道もその点で、残念だ」と話した。
一方、「軍艦島」は、日本植民地時代、日本の軍艦島に強制徴用された後、命をかけて脱出しようとする朝鮮人たちを描いた作品である。ファン・ジョンミン、ソ・ジソプ、ソン・チュンギ、イ・ジョンヒョンなどが出演して、7月封切り予定だ。