日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国で「根拠」が必要とされる事例


さて、本日は「根拠を必要としない社会」である韓国において、根拠を前提とする批判などが発生する事例について書いていきます。


以前から書いているように、韓国では原則的に根拠そのものが重視されず、主観によって決定される「自分がそう思ったから」や「その時の感情」が重視される傾向にあるが、状況によっては韓国社会でも「根拠が無い」ことが批判の対象となる場合がある。


ただし、これは私達の想定する「根拠」とは少し異なる発想に基いており、根拠が存在しない事を「相手の劣等さ」に組み込んで相対的に「自己の優越性」の証明に利用する、要するに劣等さの指摘の動機の一つとして機能している。


このため、韓国人に対して「根拠が無い」事を指摘すると、高い確率で「こちらの劣等性を指摘して自身の優越性を証明しようとしている」という「相手の全否定」の問題として取られる場合が多く、「議論が成り立たない」事態に陥りやすい。



始めて来られた方は、まずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由


※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:韓国における「根拠」の指摘


まずはこちらの記事から

福島第一原発事故で日本の死亡者大幅増」主張に反論続出
朝鮮日報 2017/07/17
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脱原発」講義の大学教授に相次ぐ反論
「高齢者の死亡推移を歪曲」

 金湖高校(ソウル市城東区)の生徒70人に対して14日に原子力発電所放射能のリスクに関し事実とは違う、あるいは誇張された内容の講義をした東国大学医学部のキム・イクチュン教授(微生物学)=写真、本紙7月15日付報道=は、15日と16日にも「(北太平洋で獲れた)サバやタラは300年間、絶対に食べてはならない」と自身の主張を続けた。食品医薬品安全処(省庁の1つ)はキム・イクチュン教授の主張について「常識に合致しない非科学的な主張」としている。同処関係者は「日本の水産物からセシウムが少しでも検出されれば、ほかの放射性物質も含まれているかどうか検査し、その結果について報告書を提出するようになっている。この課程には1カ月以上かかり、事実上、輸入禁止と同じになる」と述べた。同処は「福島原発事故後、日本産の食品から放射能が検出され、韓国で通関された事例はない」と話している。

■「福島原発事故後、60万人以上が通常より多く死亡」?

 キム・イクチュン教授は「福島原発事故(2011年3月)以降、4年間で日本人60万人が通常よりさらに多く死亡した。放射能のせいだということを立証したい」と言った。原発事故が日本国内の死亡者を事実上、大幅に増加させたと示唆したものだ。

 しかし、本紙が日本政府の統計を確認したところ、この発言は事実と違っていた。原発事故後の4年間(2011-14年)の死亡者は約505万人で、07-10年の4年間の死亡者約459万人より約46万人多い。だが、こうした死亡者数の増加傾向は、原発事故以前から続いていた。1983-2010年までで4年ごとの死者数は13万-38万人ずつ増えており、この傾向が2011-14年も続いているものだ。人口問題のある専門家は「年々死亡者数が増えるのは、高齢化している国では一般的な現象だ」と話す。

 「北朝鮮が核実験を行った場所の周辺もすべて汚染されているのですか?」という生徒の質問に、キム・イクチュン教授は「地下で核実験をしているため、韓国で(大気を)測定しても放射能はほとんど検出されない」と答えた。これは、地下で核実験をすれば土壌や地下水が汚染されるという可能性について全く言及していないものだ。韓国科学技術院(KAIST)原子力・量子工学科のチョン・ヨンフン教授は「『北朝鮮の核実験は地下で行われているため安全だ』というなら、『使用済み核燃料も地下に保管すれば何の問題もない』という意味になる。原発の危険性を強調しておきながら、北朝鮮の地下核実験を非難しないのはおかしい」と語った。
(後略)


こちらの記事なのですが、韓国では非常に珍しい「日本に関連した事で根拠を前提としている」記事です。
そしてこのことから、韓国においても「根拠を前提に論を進める事例がある」事が解ります。


竹島問題や日本海呼称問題で、何度資料の間違いを指摘しても延々と同じ資料を使い回し続けたり、「推定される」という言葉で単なる想像を「既成事実化」してしまう普段の韓国の態度とは対照的です。


これなのですが、実は以下の記事を読んでもらうとわかりやすいですが、現在韓国では文在寅政権が「脱原発」を進めており、その中心にいる人物がどうも福島原発事故に関するデマをあちこちでバラまいており、文大統領がそれを鵜呑みにしてるようなのです。


【社説】荒唐無稽な主張で原子力に対する恐怖心をあおるキム・イクチュン教授 朝鮮日報 2017/07/17 (1/2ページ) (2/2ページ


文政権の脱原発指南役、高校生向け講演で「フクシマ怪談」吹聴 朝鮮日報 2017/07/15 (1/2ページ) (2/2ページ


更に、このデマをばら撒いている学者は文政権の脱原発政策で中心的役割をしており、韓国で建設が進んでいた新古里原子力発電所5、6号機が事実上白紙化され、更に輸出依存度の高い韓国は原発輸出を経済の建て直しの手段の一つにしていたのですが、それも事実上不可能になり、電力面でも経済面でも大損害が出そうなのです。


韓経:「福島事故後の絶望も乗り越えたが…もう本当に倒産」…韓国原発関連会社の涙 中央日報 2017年07月14日
韓経:あまりにも違う韓日のエネルギー政策決定過程 中央日報 2017年07月14日
韓水原理事会が労働組合の阻止で白紙化…「脱原発」出だしから混乱 東亜日報 July. 14, 2017
韓経:「原発建設が永久中断すれば…輸出に影響ないとは言えない」=韓国 中央日報 2017年07月18日
国家エネルギー大計、「脱原発」、第一歩から奇襲決定 東亜日報 July. 15, 2017


つまり、別に朝鮮日報が日本の肩を持ってデマの吹聴を批判する記事を書いたわけではなく、文政権の行っている脱原発が韓国経済に大ダメージを負わせそうなことと、朝鮮日報は政治的にも文政権とは対立関係にあるため、「文政権の脱原発指南役は嘘つきだ」と指摘しているわけです。


そして重要なのは、この件において朝鮮日報は「根拠を重視している」わけではなく、「政治的に対立する相手の劣等性の指摘」としてこの件を取り上げているだけであり、今まで通りの「相手の劣等性から自己の優越性を導き出す」の法則から逸れていないのです。


2:「劣等性」が最も重要


なぜそう結論付けできるかは、たとえば原発関連の過去の朝鮮日報の記事の事例を取り上げるとわかりやすいですが、李明博政権末期、韓国は日本のオリンピック誘致を妨害するために原発事故による「汚染」を根拠として、福島県を含む8県の水産物輸入禁止措置をとりました。


そして、「禁止の根拠が無い」事を日本側から批判され、その件でWTOに訴えられると日本の態度を批判していました。
これは朝鮮日報に限らず他の韓国メディアも同じではありましたが、禁止の動機は先ほどの文政権の態度とさほど変わりがありません。


要するに根拠も無く感情論で決められた措置なのです。


WTO提訴に韓国は徹底抗戦の構え=日本産水産物輸入規制 朝鮮日報 2015/08/21
韓日ハイレベル経済協議 12日に東京で開催  聯合ニュース 2016/01/08
韓国、日本水産物の輸入制限「ジレンマ」…通商摩擦vs食卓世論() () 中央日報 2015年02月12日


しかしこの件で朝鮮日報も含め、韓国メディアはこの件でほぼ「根拠が無い」とは非難していません。


唯一中央日報が上記の記事で根拠がない事を問題視していますが、日本のWTOへの提訴そのものは「脅迫」と批判しています。


またこれは他の事例でも同じで、例えば過去にも取り上げた「任那日本府」の事例では、日本側は日韓の歴史共同研究で「当時日本という名称が公的に使われていなかったので、別の名称に変えるべき(任那の存在は否定していない)」と主張したものを、韓国側は「日本も任那日本府の存在を否定した」と曲解しました。


参考記事
歴史共同研究における任那日本府の扱いの経緯

日韓歴史研究報告書の要旨 四国新聞 2010/03/23


しかし韓国メディアでは、この「日本も存在を否定した」という曲解を「根拠が無い」と否定するどころか、曲解を全面的に支持し根拠がない事を問題視していません。


【萬物相】伽耶史 朝鮮日報 2017/06/12 (1/2ページ) (2/2ページ


また他にも、韓国では「竹島のアシカは日本の乱獲で絶滅した」という事になっていますが、実際には1945年以降もアシカの生存は確認されており、しかも韓国がアシカ猟を行っていた記録まであります。


常習的に侵犯する日本人を決死阻止した独島義勇守備隊 中央日報 2012年08月19日
(※1)
独島にアシカ復元する 国民日報(韓国語) 2006-02-07


更にWWFの記録では1972年まで繁殖が確認されており、明らかに韓国のアシカ猟が絶滅の原因にもかかわらず、その事を問題視する論調が存在しないうえに、当の朝鮮日報が最近1947年に韓国がアシカを狩猟した記録を掲載しているのです。


独島:1947年踏査時の「アシカ写真」発見 朝鮮日報 2017/07/12 (1/2ページ) (2/2ページ


にも関わらず、朝鮮日報で「日本の乱獲による絶滅は間違い」という論調にならず、政治的に対立する文大統領が「日本のアシカ猟による竹島のアシカの絶滅」をアピールするパフォーマンスを行っても、それを問題にする気配すらありません。


(※2)
文在寅ネクタイ、「独島アシカ模様」特別な意味···独島主権宣言の日記念製品 NAVER/ソウル経済(韓国語) 2017-05-20


そして現在も、韓国は「日本が竹島のアシカを絶滅させた」というプロパガンダに基く子供向けのアニメを製作したりしています。


独島守るアシカが主人公のアニメ 韓国で小学校などに配布へ 聨合ニュース 2017/04/27


「根拠」を前提として思考していたらまずありえない動きですし、朝鮮日報が政治的に対立する文大統領のパフォーマンスに反応すらしていないのは、アシカの件での利害対立が無いからです。


こうした事例から最初の原発関連の朝鮮日報の記事を読み解くと、彼らは根拠を重視しているわけではなく、利害対立と韓国独特の「他者の劣等性から自己の優越性や正当性を導き出す」という価値観から、相手を否定し自己の優越性を証明する手段として「根拠がない事」を指摘しているだけであることが解るわけです。


要するに、韓国社会においても根拠が必要とされる事例はあるが、日本人の発想とは根本から異なるアプローチで使用されているという事です。


3:通常の「対話」は困難


今回書いたように、韓国では根拠が私達の発想とは全く異なる前提で運用されており、またこのことから韓国において相手に対し「根拠が無い」と指摘する事は、日本人の発想とは全く異なる受け取られ方をするという事でもあります。


どうなるかといえば、先ほども書いたように韓国において「根拠の有無の指摘」をするのは、利害が対立する相手への「劣等性の指摘」としてであり、それはつまり「相手の劣等性を指摘して自己の優越性を証明している」と取られる、つまり人格の全否定をされたのと同じ意味を持ちます。


裏を返せば、この条件が揃わない限り韓国で根拠が必要とされる事は無い事になります。


ですから、韓国人に対して根拠を求めたり、或いは根拠が存在しない事を指摘する事は、日本人の視点から見ると「議論の範疇」であっても、韓国人の視点からは敵対行為であり相手が自身の存在否定をして面子を潰し、かつ「自分はお前よりも序列が上だ」と宣言したのと同じ意味になるのです。


このことから、韓国人に対する「根拠の要求」は、完全に相手との上下関係を確定させる目的か、或いは「決定的な対立が起きても良い相手」限定の態度とも表現できます。


つまり、日本において根拠の問題を指摘されて「少し不快になる」等とは次元が全く違っており、「それ」を行った時点で韓国社会においては「決定的な溝」となるのです。
韓国人との議論が成り立たない場合が多いのは、大半がこれを原因としています。


だからこそ、現在韓国との交流は「韓国側の考えを全肯定する人々」しか許容されず、韓国への擁護も「詭弁や奇妙な理論だらけ」「韓国に都合の悪いことは触れない」穴のある状態になる事が多いのです。


日本と韓国は「根拠」の扱い一つとってもここまで「違う」のです。



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以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。




動画版マイリスト






(※1)
独島にアシカ復元する
国民日報(韓国語) 2006-02-07
https://web.archive.org/web/20111002162317/http://dokdo.kcg.go.kr/board/view.asp?num=131&bid=dokdo_speech&page=12&Sdir=sub06&Path=a_1
[クッキー社会]○... 1900年代初め、日本側の乱獲に消えた独島のアシカを復活させる案が推進されている。 環境部は最近、国立環境科学院の独島のアシカ復元の妥当性を検討し、復元推進方案を用意するように要請した。

智異山ツキノワグマ復元事業を進行中の環境省は、全国16の国立公園と、非武装地帯の絶滅危惧種60種を復元する案を推進中なので、独島アシカを復元対象に上げるために大きな問題はないと見ている。

イ・ジェヨン環境部長官は「過去の日本の乱獲で絶滅した独島のアシカを復元することは領土的象徴性と国民の関心、生態系の復元とエコツーリズムの可能性などを勘案すれば、推進する価値があると思う」と語った。

アシカは1974年北海道(北海道)で1匹が捕獲されたことを最後に、韓国はもちろん、日本の方でも全く確認された記録がない。

50年代独島義勇守備隊が活躍する当時20〜30匹ずつ群れをなして独島沿岸に生息する場面が目撃された。

島義勇守備隊員だったイギュヒョンさん(82・鬱陵郡鬱陵ドドンリ)は「当時、独島でアシカ(アシカ)の群れを時々見ることができたし、鬱陵島住民たちは、これをイセエビ、アシカと呼ぶこともした」と話した。

青い鬱陵島・独島づくり会イイェギュン会長は「日本の資料を見ると、独島は、単にアシカが住んでいた島ではなく、アシカの最大繁殖地であった」とし「日本の竹島狩猟会社が1905年から8年の間に独島で1万4千マリーナ集中取得しアシカが絶滅の道入った」と述べた。

海洋動物学者たちは、海のライオン復元事業は徹底した事前調査をした後、ロシアやベーリング海など血縁的に近い個体群を見つけて導入することが最善の方法では、個体群の定着率を高めるための徹底した準備が必要だ」と主張した。

環境省の関係者は、「独島アシカ復元事業を開始するには、独島だけでなく、東海岸全域にアシカを住まわせる側アクセスする必要がある」と述べた。

(※2)
文在寅ネクタイ、「独島アシカ模様」特別な意味···独島主権宣言の日記念製品
NAVER/ソウル経済(韓国語) 2017-05-20
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=100&oid=011&aid=0003035931

文在寅ムン・ジェイン)大統領の登山服に続き、ネクタイが話題に浮上した。

文大統領は19日、青瓦台(大統領府)の常春斎(サンチュンジェ)でオ・ウォンシク(共に民主党)、チョン・ウテク(自由韓国党)、キム・ドンチョル(国民の党)、チュ・ホヨン(正しい政党)、ノ・フェチャン(正義党院内代表)などと昼食会を行った。

その後文大統領は青瓦台の春秋館(チュンチュグァン)で、キム・イス憲法裁判官を憲法裁判所の所長候補に指名した。

ネチズンはこの日、文大統領が付けていたオレンジ色のネクタイに注目した。このネクタイは某衣料ブランドが『独島(トクド)を語る』というテーマで、独島主権宣布の日112周年を記念して作った製品である。

ネクタイの前面には、かつて独島で頻繁に見る事ができたアシカの群れと波の模様とを混合した文様を描き、裏には独島あしかを意味する英文が刻まれている事が分かった。

文大統領のネクタイに刻まれたアシカは、18世紀まで独島を最大の繁殖地にしていたありふれた動物だったが、国権侵奪期に日本の漁師によって乱獲され、今は絶滅している。該当のネクタイはインターネット上から5万5000ウォンで販売されている事が分かった。