日韓問題(初心者向け)

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韓国の次期大統領候補2人について書いてみる


さて、本日は朴大統領の弾劾がほぼ確定した事で事実上前倒しになった韓国の次期大統領選について、現状での有力候補2人について書いていきます。


現在韓国では、裁判所の判断待ちの状態とはいえ事実上朴大統領の弾劾が確定し、次期大統領選が前倒しで行われる方向で動き出しているが、人気はほぼ文在寅元共に民主党代表と潘基文国連事務総長の2人に絞られており、盧武鉉大統領(在任2003年2月~2008年2月)の側近同士の対決となっている。


2人とも典型的な親北左派政権出身という事になるのだが、潘基文氏は国際的に「無能」の烙印を押された典型的な日和見主義者であり、文在寅氏は若い世代を中心に支持を集める先鋭的な民族主義者という違いがある。


現状、日本は対北朝鮮関連や対中国関連で「一応」韓国とは連携を取る立場にあるので、それは当然韓国の次期大統領に誰がなるかによって大きく影響を受けることになるが、この選挙結果は「どちらが当選しても日本にデメリットがある」状態であり、現状は「どちらのほうが被害が少ないか」という問題となっている。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:「森の中ですでに倒れた木」と評された潘基文



まずはこちらの記事から

潘基文総長の故郷に行ったWP記者、「ここは北朝鮮か?」
2016年08月18日09時29分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/539/219539.html

米国ワシントンポスト(WP)が15日に紹介した潘基文(パン・ギムン)総長の故郷・忠清北道陰城(チュンチョンブクド・ウムソン)現地ルポ記事がSNSなどで話題を集めている。

記事の題名は「潘基文国連事務総長の大統領選挙出馬説で彼の故郷が沸き返る(With talk of Ban running for South Korean Presidency,his hometown is abuzz)」だ。

この記事を書いたアンナ・ファイフィールドWP東京支局長は、この地域の藩総長についての熱狂をめぐって北朝鮮と違うところがないと評した。

記事は村の入口に掲げられた「陰城は潘基文国連事務総長の故郷です」と書かれた巨大な垂れ幕についての描写から始まる。

引き続き藩総長の造形物がある潘基文路、「潘基文杯国際テコンドー大会」の垂れ幕がかかっている潘基文プラザ、潘基文の生家などについて順に言及した。潘基文の生家にある部屋の前には「この部屋は潘基文が生まれた部屋です」という表示板が立てられていると紹介した。

また藩総長の人生を語る博物館もあるが、そこには藩総長が話した19の名言が入ったパンフレットももらえる。名言の中には「謙虚なことが賢明なことだ」という言葉があった。

ファイフィールド記者はこれについて「ここは韓国」と言いながら「北朝鮮にある金日成(キム・イルソン)崇拝博物館や記念物を見てきた人々が恐らくDMZから道を間違えたと思うかもしれない」と書いた。
(後略)


潘氏に関しては、実は盧武鉉政権で外交通商部(外務省に相当)長官を務めていた頃から、韓国内からすら「ただのイエスマン」という評価が出ていた人物なのですが、国連事務総長に就任してからは重大な懸案からは逃げ回り、自身と身内への利益供与ばかりに奔走している人物でした。


そのため国際社会から完全に「無能」という評価を受け、「森の中ですでに倒れた木」もそうした評価の一つで、概ねどこの国でも評判が悪い人物です。


強いて書くなら、産経とネットメディアくらいしかこうした「評判」を書かない日本ではそこそこ評価の高い人物なのかもしれません。


そのうえで最初に引用した記事なのですが、韓国は以前から書いているように地縁や血縁による繋がりが非常に強い国であり、むしろ同じ地域出身者や血縁者が権力を得たのならば、身内や同郷の人間に利益供与をするのが当たり前と考えられていて、そうしなければ逆に「情がない」としてバッシングを受けます。


その事を踏まえるとこの記事の意味も解ってくるのですが、要するに潘氏が大統領になればその地域の人々が「出世や仕事で便宜をはかってもらえる」からこそ、こうしてまるで北朝鮮のように賞賛するわけです。


実際彼は国連事務総長としても職員に次々と韓国人を招きいれたり、自身の娘婿のインド人を重要なポストに推薦したり、国連施設内の家電製品を次々とサムスン製に切り替えたりと、「利益供与」を行っているのですから、こうなるのは必然といえるでしょう。


世界で最も危険な韓国人、潘基文 NewsWeek 2009年6月23日


こうした面からも、朴大統領を巡る様々な疑惑が「特別な問題ではない」という事が見えてくると同時に、彼が韓国の歴代大統領と全く同じタイプの人間である事も見えてきます。


また彼にはそれ以外にも特徴的な傾向として「驚くほどの日和見主義」という面があります。


たとえば、去年の慰安婦合意に関して彼は「慰安婦合意は朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の勇断」、「国連人権メカニズムに基づく忠実な合意履行により、被害者の痛みを癒すことを願う」と、当初は合意を支持する発言をしていました。


慰安婦合意:韓国政界を揺るがす国連事務総長の合意支持表明 朝鮮日報 2016/01/05
国連事務総長 慰安婦問題めぐる韓日合意の履行促す 聯合ニュース 2016/03/01


しかしその結果野党や慰安婦団体の挺対協、また韓国世論からバッシングを受けるといきなり発言を覆し、「この過程で出てくる小さな合意であっても、国連は歓迎し奨励しており、その際に使う用語としての歓迎声明を理解していただきたい」と事実上発言を覆してしまったのです。


潘基文国連総長「韓日慰安婦合意内容を歓迎したわけではない」 ハンギョレ新聞 2016.03.13



また日和見主義的な態度はなにも日本関連だけではなく、国連事務総長としての仕事でも頻繁に見られ、パレスチナイスラムテロを肯定するような発言をしたり、西サハラでモロッコと対立する独立派勢力を支持するような発言をしたり、クリミア問題でロシアが批判されている最中にロシアの軍事式典に出席したり、南シナ海問題で中国が批判されている最中に中国の軍事式典に出席したりしています。


悪評ふんぷん、またやらかした国連事務総長 JBpress/yahoo 2016年3月26日


こうした様々な行いの結果無能として批判を受けると、態度を改めるわけでもなく「上善若水に対して私は信念を強く持っている。『あの人は力がないように見えるがやるときは断固としてやる』ということだ」と自画自賛発言をして余計に信用を失っています。


潘基文国連事務総長「私は強い時は非常に強い」 中央日報 2015年12月24日


潘氏のこのような態度は、韓国的価値観では「権力者とは相手に要求を出来る立場」という考え方を反映したもので、彼らの価値観として特殊なものではなく、むしろ当たり前の反応といえます。


だからこそ韓国ではこうした行いがマイナスに働かず、与党公認で大統領選に出馬すると目されていてもあまり支持率が落ちず、依然として文在寅氏との支持率の差は数%にとどまっています。


他にも、以前から書いているように韓国的価値観では自己の優越性や正当性は他者の劣等性の指摘によって証明されるとする考え方がありますが、潘氏もそれに沿った発言を繰り返しており、例えばアメリカの大統領選の最中に「トランプに投票するな」と呼びかけたこともあります。


潘基文氏が国連批判重ねるトランプ氏に「投票しないで」異例の呼びかけが波紋 中立踏み越えた発言に「政治的」との批判も 産経新聞 2016.5.20 (1/2ページ) (2/2ページ


トランプ氏は当時から国際的にメディアからバッシングを受けていたので、韓国的価値観では彼は「劣等な存在」と定義されていました、なので国連事務総長としての立場で政治的な中立を保たなければいけないという発想が存在していなかったわけです。


このように、彼は「非常に韓国的な人物」であると同時に、リスクや重大な決断を伴う事からは逃げる傾向にあり、また「長いものには積極的に巻かれ強気な相手には逆らわない」人物であるということがわかります。


だからこそ「国連事務総長に選ばれた」のですが。


つまり、彼は国際的評価では無能ですが、韓国内の評価では与党公認という事以外にはマイナス要素の無い、国連事務総長にまで上り詰めた優秀な人材というわけです。


韓国次期大統領選候補の支持率調査 文氏と潘氏が接戦 聨合ニュース 2016/12/19

2:「情治主義」を体現したような人物、文在寅


次に文在寅氏に関してなのですが、ここで少し本題とはあまり関係ない事を説明しておかないといけません。


日本のニュースでも度々報じられているので知っている方も多いでしょうが、現在韓国で次期大統領候補支持率3位であり、過激な発言を繰り返し「韓国のトランプ」などと呼ばれている城南市の李在明市長がいますが、私は彼に全く注目していません。


どうしてかといえば、彼は「日本は軍事的には敵性国」とか「ハン・ミングは朴槿恵(パク・クネ)を連れてあなたたちの祖国・日本に帰れ」などと発言し注目されてはいますが、同系統の論調は以前より韓国の政治家から出ていましたし、韓国メディアでもよく見られる論調です。


また、民族主義的な発言は文在寅氏のほうがずっと過激ですから、「注目されていなかった人間が過激な発言で一時的に注目された」程度でしかなく、「キャラが被っている」文氏が余程のミスをしない限りは有力候補足り得ないからです。


だからこそ今回の記事からは除外されているわけです。


そのうえで文氏に関してなのですが、朴大統領の弾劾問題で有耶無耶になってしまっていますが、彼は盧武鉉政権時代に「北朝鮮にお伺いを立てて政策を決定した」と内部告発されている典型的な親北派です。


【時論】疑問が続く文在寅氏の「対北協議」説=韓国(1) (2) 中央日報 2016年10月18日


また、北朝鮮への経済制裁などにも否定的な発言を繰り返しており、事実上北朝鮮による核開発を手助けする形になっていた金大中政権の太陽政策の支持者でもあります。


そしてこれも以前から書いていることですが、彼はポピュリズムに基く先鋭的な民族主義者であり、だからこそ韓国の若い世代から多くの支持を集めているという背景を持つ人物でもあります。


そこへきて、今回完全に「キャラが被っている」李在明氏への注目が集まったせいなのか、これまでにも増して高高度防衛ミサイル(THAAD)や慰安婦合意、日韓軍事情報協定を破棄するという発言が増えてきています。


【社説】慰安婦合意・GSOMIA破棄、文在寅氏は守れない約束をするな 朝鮮日報 2016/12/17 (1/2ページ) (2/2ページ


「約束」という概念を重視しない非常に韓国らしい考え方なのですが、更に彼はここのところ韓国の法治主義すら否定するような発言までし始めています。


【社説】「法が駄目なら力で」 弾劾にふさわしい文在寅発言 朝鮮日報 2016/12/19


現在韓国では国会で朴大統領の弾劾が議決され、あとは憲法裁判所がそれを承認するかどうかという段階なのですが、文氏はこれに対して「憲法裁判所が弾劾を否決したら革命だ」「えせ保守を火で焼き払え」「国の大掃除が必要だ」と、法による手続きすら無視するような発言をし始めたのです。


ここまでくると最早ただのアジテーターでしかなく、とても民主主義国家の大統領候補とは思えないのですが、以前から書いているように韓国では法よりもその時の感情のほうが優先される「国民情緒」とか「民族情緒」と呼ばれる概念があり、彼の発言はそれを体現しています。


元々文氏などの便宜上左派とかリベラルに分類されている人々は、親日派財産没収法のように基本的人権や財産権など、韓国でも憲法で明記されている権利を無視する傾向にあり、それが実際に実行に移されて来たという背景があるのですが、その考え方がとうとう大統領制そのものへ向いたわけです。


国民情緒法という、法治主義の対極に位置する情治主義が根付いている韓国だからこそ存在できている人物とも呼べるわけですが、こんな事をしていたら当然国際社会からの信用はゼロになります。


しかし韓国では、この状態であるにも関わらず現在次期大統領候補で最も支持率が高いのですが、それは韓国社会では元々法治主義も約束もあまり重視されない社会だからであり、文氏は「特殊な人間ではない」からこそ支持されているわけです。


視点を変えると、文氏の支持率の高さが韓国が法治国家ではない事を体現しているとも表現できます。


3:韓国は今後「警戒すべき国」となる


今回書いたように、現在韓国で次期大統領候補の最有力とされている2名は、タイプこそ違うもののどちらも「典型的な韓国的価値観を持った人物」です。


また、単に法治主義が機能していないとか約束が守れないとか、そういった国なら他にもありますが、韓国の場合には彼ら独特の価値観に基く「特殊なロジックやルール」に基いて思考をする傾向にあり、この2名は特にその特徴が顕著に現れています。


つまり、真っ当な国際ルールに基く常識は、官民共に以前にも増して韓国には通用しなくなるというわけです。
これはこれまでの彼らの言動から、文氏と潘氏どちらが大統領になっても同じです。


ただし、強いて書くなら潘氏のほうが比較的混乱は少なくて済みます。


彼は今回書いたように重大な判断からは逃げる傾向にあり、少なくとも国際ルールに基いて交わされた約束を反故にできるような決断はできません。


文氏と潘氏どちらも「韓国的」ではありますが、潘氏の問題は「自分の考えや信念がどこにも無い」ことですので、少なくともこちらがはっきりとした意思表示をしていけばそこに安易に食い下がるような事はしてこないからです。
「決断できない」という事態は何度も出てくるでしょうが。


彼は韓国的ではありますが、一応多少なりとも国際的なルールの意味は知っている事もプラスに働きます。
彼にとっては「失敗しない事」こそ重要だからです。


逆に文氏の場合、彼は「その時の感情を最も重視する」タイプの韓国人ですから、法がどうだろうと国際社会のルールがどうだろうとまるで関係がありません。
「主観的・絶対的正しさ」に基いて行動し、世論がNOといえばそこに追従します。


そしてまた、「自分達は助けられて当たり前」という考えの下で日本に対して「要求だけしてくる」という状態になると同時に、北朝鮮問題や中国の南シナ海及び東シナ海問題に悪影響を与えるでしょう。


「常に自分は正しい」と考えているので、「自分達にもリスクがある」という発想が無いからです。


最後にどちらがより大統領になる可能性が高いかなのですが、現状では潘氏が何か大きな隠し弾でも持っていない限り、文氏でほぼ確定です。


どうしてかといえば、潘氏はこれまで与党の「親朴派」からの事実上の公認を取り付けていたのですが、ご存知のように与党は朴大統領の一連のスキャンダルによって大きく支持率を落とした上に、ここにきて与党内の反朴派30人ほどが離党したようなのです。


つまり、今月末に潘氏が国連事務総長を退任し公式に大統領選への出馬を表明したとしても、世論の支持を得られない親朴派から正式な公認をうけるのか、それとも少数派の離党組である反朴派による新党からの公認を受けるのか、いずれにせよ今後双方が足並みをそろえて潘氏を支持できるのか未知数ですので、肝心の支持基盤がガタガタなのです。


2016年12月24日20:06追記
たもとを分かつ親朴・非朴 潘基文争奪戦へ 中央日報 2016年12月23日


ですから今後このままいけば文氏が次期大統領で確定ですので、韓国はこれまでかろうじて繋ぎ止められていた「一応の友好国」から「警戒すべき国」へと変わります。
恐らくあらゆる事柄が拗れに拗れた盧武鉉政権時代より「荒れる」事になるでしょう。
日本にとっては大迷惑な話ですが。



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