日韓問題(初心者向け)

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韓国の「仮想」集合意識と朴大統領


さて、本日は現在唐突に強気になった韓国の朴大統領の動向などに関連し、韓国社会独特の主観的・絶対的正しさに基く考え方について書いていきます。


韓国発の情報をチェックしていると、論争になっている内容に関して「普遍的」とか「普遍性」といった表現をつかって問題提起しているものが頻繁に出てくることがわかるが、これは以前から書いているように韓国社会では「自分の正しさは社会的な普遍性を持つ」という考え方からきている。


そして韓国では、この主観的な「正しさ」があたかも集合意識であるかのように「誰もが同じ考えを共有している」と考えられており、自分の想定する正しさは世界で通用する絶対的な道徳的正しさであるという考え方から「普遍性」の単語が頻繁に使われている。


しかしあくまでこれは主観に基くものであるため、国際社会や他国とは頻繁に「ズレ」が発生するうえに、韓国内であっても同じく「ズレ」が発生する場合があり、朴大統領の唐突な続投宣言などは明らかにこの「正しさのズレ」からきている。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:韓国社会の仮想的な集合意識


まずはこちらの記事から


韓日軍事情報協定推進  国防部「大統領府の指示ではない」
聨合ニュース 2016/11/17
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2016/11/17/0400000000AJP20161117002300882.HTML

【ソウル聯合ニュース】韓国国防部の文尚均(ムン・サンギュン)報道官は17日の定例会見で、記者から韓日が仮署名した防衛秘密共有のための軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の推進は青瓦台(大統領府)の指示によるものかと尋ねられ、「そうではない」と否定した上で「関係官庁との十分な協議を経て国防部が建議し、国家安全保障会議(NSC)で決定した」と説明した。一部韓国メディアは国防部がGSOMIA推進を建議したのではなく、同部が推進の可否について指針を示してほしいと青瓦台に要請し、朴槿恵(パク・クネ)大統領がGSOMIAの推進を決定したという趣旨の内容を報じた。

 GSOMIAをめぐっては、日本が歴史認識問題に対し従来の立場を変えていない状況で韓国が日本と軍事協力を行うことは不適切だとする指摘が多いが、政府は14日の仮署名に続き、締結を急いでいる。

 文報道官は、記者から国防部がGSOMIAの推進をどう建議したか問われると、「私が答える事案ではない」と回答を避けた。


この記事なのですが、注目すべきは「日本が歴史認識問題に対し従来の立場を変えていない状況で韓国が日本と軍事協力を行うことは不適切だ」という部分です。


そしてこの歴史認識とは何かという事になるのですが、それは要するに慰安婦問題や竹島問題、その他戦後補償問題の事であり、要するに慰安婦問題ならば慰安婦の定義として「軍命令で軍人が行った女性の拉致」を認めるとか、徴用が強制連行であったと認めるとか、竹島が韓国領と認めるとかそういった内容です。


なぜ韓国がこれら問題とは全く関係が無い軍事情報協定でこの問題を引き合いに出して反対しているのかといえば、要するに上記の定義が韓国社会においては「(世界中で)絶対的な普遍性」を持っている事になっているからです。


【コラム】少女像は「合意」の外側に座っている=韓国(1)
 (2) 中央日報 2016年01月05日
強制労働施設調査の韓国団体 軍艦島に上陸できず=船故障で 聨合ニュース 2015/06/04


上記2つの記事では、慰安婦問題や軍艦島に関連した強制連行問題を「世界共通の普遍的価値」としており、韓国人の主張が世界中全ての人々が共有する歴史認識であるとの考えに基いています。


しかし実際には、そもそも韓国側の主張はどれも客観性が無かったり、主張が矛盾していたり、或いは資料の曲解や都合のいい部分を抜き出して継ぎ接ぎする、いわゆる「チェリーピッキング」などが行われており、客観的に見てとても根拠とよべるようなものではありません。


ではなぜこれらが韓国社会において「普遍性を持つ」となっているのかといえば、元々根拠を重視しない社会であると同時に、単純に問題意識を共有しているというだけではなく、ある種の集合意識のような感覚で、「当事者の感情」まで共有できると考えられているからです。


つまり、被害者が「こんな被害を受けた」と訴えれば、それはその本人のその時の感情まで全ての人々が自他の境界を越えてある種の追体験ができると考えられており、被害者の話を聞けば全ての人々が同じ感情を共有できるのだから、国際的に絶対的な普遍性を持つと考えられているのです。


ですから、その追体験行為に対して根拠が無いとか客観性が無いとか、或いは矛盾しているとか主張するのは、異論ではなく被害者を侮辱する行為であると感じているわけです。


そのうえで最初の記事に戻ると、彼らからしてみれば韓国の主張する「歴史」を否定する日本は「世界中の人々が共感できるはずの被害者の感情に共感できない異常者」であるので、歴史的事実を認めない日本と協力するなどありえないとなるわけです。


逆に韓国人から良心的日本人(例1 例2)と呼ばれている、私が便宜上「日韓友好論者」と呼んでいる人々は、要するにこのある種の韓国の集合意識にアクセスし感情を共有している事になっているというわけです。


また、韓国では受験シーズンになると様々な理由で受験に間に合わない学生を救急車やパトカーなどがサイレンを鳴らして送迎するという事例がありますが、これも要するに「受験生の苦労を全国民が追体験し共有する」という考え方が根底にあります。


「玄関が開かない!」 救助隊が受験生救出、救急車で会場へ 朝鮮日報 2016/11/17


2:あくまで仮想上の「集合意識」


上記のように、韓国では感情などの内面的な部分までも、証言者の言葉からある種の追体験ができると考えられており、これを世界中の人々が同じように追体験できるのだから、韓国人の想定する歴史観には世界的な普遍性があると彼らは考えています。


しかし実際には、これはあくまで主観によって個々の韓国人が「そう感じている」だけであって、そのような社会的共通認識が出来ているから「そう感じているだけ」のものです。


ですから、実際には韓国内でも問題意識等にかなりの温度差がありますし、韓国社会が「派閥争いの国」とか「3人集まると7つの派閥が出来る」等と揶揄されるのも、皆が皆主観で「自分の考えには普遍性がある」と想定した結果です。


要するに、これはSFの世界や一部の心理学で想定されるような「集合的無意識」などとは全く異質のものであり、韓国人の多くがそう認識しているから「(社会的に)存在している事になっている」、つまり仮想上の集合意識という事です。


これが良くわかる事例が、最近の朴大統領を巡る問題です。


ニュースでも度々報じられているので知っている人も多いでしょうが、韓国人の多くは朴大統領の即時退陣と望んでいるようですが、政界や財界は必ずしもそうではなく、その先の選挙を見越して弾劾ではなく大統領はそのままで首相への権限委譲を望んでいます。


しかしデモをしている韓国人の多くは、「皆が同じ感情を共有している」という事になっているので、単純に朴大統領が権力にしがみついているという事になっています。
実際には派閥争いによる駆け引きの結果の影響のほうが大きいのですが。


朴大統領自身にしても、「退陣しない」という意思表示を最近行ったのですが、その背景にはいわゆる親朴派による後押しがあったのと、恐らく韓国与党内の反朴派にしても、潘基文国連事務総長の任期終了前に選挙が行われると不味いという思惑があったのでしょう。


国政介入:韓国大統領府、「退陣するほどの違法性ない」と判断か 朝鮮日報 2016/11/17
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大統領府が反転攻勢 野党の「小細工」批判に反論=韓国 聨合ニュース 2016/11/17
【社説】国民感情に火を付ける朴大統領の業務復帰 朝鮮日報 2016/11/18
【噴水台】本当に驚く朴槿恵大統領 中央日報 2016年11月18日


その結果、上記集合意識によって朴大統領の窮状や国の危機を感じ取り、保守側は世論も含めいずれ団結するという「かくあるべき」が働き、上記のように態度が一変しました。


そして野党にしても、誰かが主導権をとろうとするとどこかしらから足を引っ張られるという状況下で、自分達が有利に事を進めるためには政局が混乱していたほうが都合が良い、という思惑の下、何一つ決定せずにただひたすら朴大統領と与党の「劣等性の指摘」を行っています。


出口を見出せない「無能な」与野党 東亜日報 November. 16, 2016
[社説]野党はトップ会談に応じて、弾劾準備も並行させるべきだ 東亜日報 November. 18, 2016


要するに、異なる立場の人々がそれぞれに「普遍的に正しい」と感じていることを実行した結果が今起きている現象であり、正しさに普遍性が無いのに「ある事」になっているからこそむしろ何も決まらないわけです。


つまり、この現象そのものが韓国社会に「仮想上の集合意識があるということになっている」事を証明しているわけです。
要するに誰もが「自分の考えが正しい」と思い、相手の考えを「劣等さ」と認識し、そこからも正しさを導き出しているため、誰も相手の話を聞かないというだけなのですが。


3:異なる価値観をどう認識するか


今回、韓国社会における正しさについて、丁度わかりやすい事例があったので改めて紹介したのですが、今回良い機会なので、私が今回紹介したような異なる価値観というものをどう認識しているのかについて書いてみます。


※以下は1年ほど前にペイントで描いたものなのですが、最初に書いておきますが私は絵心もPCスキルも無いです、わかり難くても突っ込んだら負けです。


以下の図は要するに常識の違いをどう認識しているかを表したものです。
この図では日韓の常識の違いを上下(優劣)であらわしています。





一般的に多くの人々は、日本と韓国が「同じ軸線上の常識」を共有していると考えているため、韓国に否定的な考えを持つ場合には韓国を劣等だとか狂っているとか未開だと認識するわけですが、それはこの図Aにあるように認識しているからです。


また、日韓の価値観の違いについて指摘することさえ「韓国人に対する差別だ」と考える人も、同じくこの図のように考えており「日本人の常識」を絶対視しているため、その常識から見て「非常識」に見えるからこそ、問題の指摘すらも韓国人を下に見て差別していると認識しているわけです。


要するに、どちらも日本の常識を絶対的な基準としており、その基準をどう捉えるかの違いで態度や認識が変わっているだけなのです。


それに対して私が想定しているのは以下です
この図では価値観や常識の違いを異なる平行軸で表しています。







図Bは要するに、日本と韓国は異なる軸線の常識の上に存在しているのですが、私は日韓の違いをこのように認識しています。


この場合の「違い」には善悪や優劣は存在していません、双方が異なる軸線上で別々に進んでいるわけですから当たり前です。
この考え方ではそもそも特定の常識を絶対視していないわけです。


この考え方に立てば、実際のところ私は日韓の問題の多くがそれだけで解決すると考えています。
なぜなら先ほど図Aの解説で書いたように、殆どの問題が「善悪や優劣の問題」を前提にしているからです。


善悪や優劣で考えるために、韓国に対して「それは非常識だ」と考え敵意が向くわけですし、逆に友好しようと考える人々も、強引に「同じだ」と考えて無理やり受け入れるから次々と弊害が生まれ、またその行為への批判を差別だと感じているのです。


しかし、これを別の軸線の常識を持つ人々と割り切って認識すれば、そもそもはじめからその前提で対策を立てて対応し相応の距離を保って関わっていくことができるわけですから、大半の問題は事前に解決が出来るので「非常識だ」と怒る必要もないですし、逆に問題の指摘すらも差別していると考える事もなくなります。


また、今回紹介した韓国の現状も、同一軸線で考えた場合「おかしな考え方をしているからこんな事になるのだ」という結論になったり、(大半の人は日本人と同じ)まともな人なのに一部の例を全体に当てはめているという認識になります。


しかし、これを別の軸線上の常識の中で生きている世界の人々の行いと考えれば、これはどこの世界でも起きる社会常識のエラーという認識が出来ます。


たとえば日本のいわゆるブラック企業で起きる過労死や最近話題になっている電通社員の自殺の事例、アメリカの銃社会の問題や今回の大統領選におけるトランプ氏勝利に伴う一連の暴動などです。


要するに、よくいわれる「韓国の常識は日本の非常識、日本の常識は韓国の非常識」という考えは、特殊な事ではなくどの社会でも発生している問題の延長線上となります。
私はこのような前提に立ってこのブロマガを書いているわけです。


勿論、国際ルールのようなものは当然ありますから、それに関しては韓国側が破れば批判していかないといけませんが、それも含めあくまでこの前提に立って「事前予防策」をとった上でやっていけば、余計な問題を作らなくて済むというわけです。


そもそも現在発生している問題の多くは、日本側で何の対策もなしに安易に韓国に関わった結果起きているものが多いのですし。


「違い」は違いでしかなく、そしてそれは現実に存在しているのですから、違いそのものを否定しなければ良いという、ただそれだけの事なのですが。




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