日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国独特の「儀式」文化


さて、本日のこのタイトルなのですが、いわゆる一般的な意味での儀式、つまり宗教的な行為に関わる行事などのことではなく、とくに実益などがあるわけではないが慣習として一般的に行われている行事、つまり入社式と入学式、開会式と閉会式、成人式や還暦などと同じようなものを想定してください。


韓国を観察していると、頻繁に異文化の排除行動(国語純化運動など)が行われているが、たとえばフランスが過去に行った英語排除運動などとは違い、その行いがまるで徹底しておらず「目に付くものだけを排除する」「上辺だけそう見せかける」等の不合理なものが多い。


実はこうした韓国の行いは、実際には主目的が排他行動そのものにはなく、そうした行為を行う事によって発生する愛国心民族主義の発露と同時に、異文化などの影響を排除する事で「相手よりも序列が上になった事の確認」を目的とした「儀式」としての意味合いが強い。


こうした行いは、特に日本関連で発生することが多いため、特に日本人は日本による朝鮮統治と関連付けて考える場合が多く、また韓国側もそう主張する場合が多いが、実際にはその目的として考えると不合理な部分があり、実態は儀式的な意味で行われているものが多い。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:排他性の強い儀式文化


まずはこちらの記事から


世界一の韓国造船業のプライドがズタズタ?現場に日本語がまん延
Record china 2016年10月25日
http://www.recordchina.co.jp/a153346.html

2016年10月22日、韓国・イーデイリーによると、日本を抜き世界トップの技術力を備えた韓国の造船業界で、日本語由来の用語が頻繁に使われている。韓国造船業のプライドを守るには、こうした語を整理し「言語の純化」を進める必要があると指摘する声もあるという。

韓国の造船業界、特に現場に日本語由来の語が多く残るのは、韓国が1970年代初め、日本から建造工法や管理方式などを学んだことによる。例えば「満タン」や「いっぱい」の語は、発音も意味もほぼそのまま、どの現場でも聞こえる日本語になっている。また、面積を表す「平米(へいべい)」、体積を表す「立米(りゅうべい)」も、それぞれ「ヘベ」「ルベ」の発音で使われているそうだ。

記事は、「こうした傾向は、造船業だけではなく建設業や製造業など産業界全般のほか法曹界、学界などわれわれの社会全般に広がっている」とした上で、「誤って使われている日本式用語」を20余り挙げている。リストを見ると、「壁」「勾配」「枠」「傷」など日本語そのままの意味を保った語のほか、「足場」「段取り」「かっぱ(防水の覆いなどを指す)」「収まり」「ならし」「じゃばら」「見当」「切れっぱし」など、製造現場から伝わったことがよく分かる語も多い。

造船業の関係者の一人は「いまだに現場のあちこちで日本語を使っていることは、いまだわれわれが世界最高になれていないことを意味する」とし、「言葉や文字から韓国のものに変えなければ、最高のプライドを回復することはできない」と述べた。


元記事
世界1位韓造船業、乾燥ドッグのライン「ダメージ・満タン」日用語満載 イーデイリー(韓国語) 2016.10.22

※本文を読むと「ダメージ」に関しては発音が日本式という事のようです。


記事を読むと、要するに韓国の造船業などの現場では日本由来の業界用語が多数使われており、これは日本に技術を教わりに行った事の名残であり、韓国は技術で日本を抜いたのだから日本語由来の業界用語を排除しようという趣旨の記事です。


これが特徴的なのは、これまで韓国が「日帝残滓」として排除してきた日本語は、要するに日本統治時代に朝鮮へと入ってきた単語であり、「だからこそ排除するのだ」という一応の大義名分があったのですが、これにはその大義名分すらない事例です。


またそもそも、この件だけではなくいわゆる韓国における国語純化運動全般に言えることなのですが、韓国ではいわゆる和製漢字や和製漢語由来の言葉もかなり使われているにも関わらず、そういったものは実は殆ど排除の対象ではなく、事実上この純化運動には言語学的な「純化」としての効果が一切ありません。


ではなぜ韓国はこんな事をしているのかといえば、その答えが今回引用した記事の「業界における言語の純化運動」にあるのです。


上記の記事では、日本語由来の単語の排除の動機を「日本を抜き世界トップの技術力を備えた韓国の造船業界で、日本語由来の用語が頻繁に使われている」「韓国造船業のプライドを守るには、こうした語を整理し「言語の純化」を進める必要がある」としています。


これは非常に韓国的な考え方で、対等の概念が希薄な序列社会の韓国において、相手に何かを教わるという事は、無条件に相手のほうが「序列が上」であると同時に、「弟子が師匠を超えるのは失礼な行為」とされている事もあり、日本語由来の単語を使っているという事は無条件に日本が上になってしまうのです。


しかし韓国では、日本は一時的に武力で朝鮮を併合して優位に立っただけであり、本来「自分達のほうが民族として優れている」という考え方があるため、なんとかして自分達のほうが上位の存在であるとアピールしないといけません。


対等の概念が希薄なので「常に比較し続けないといけない」のです。


要するに、日本の影響下で経済発展したとか、日本の影響下で技術を教わったとか、そういった状態そのものが多くの韓国人にとって感謝の対象ではなく恥辱の対象であり、「日本から教わった」という状況が「日本が韓国を見下している」というように見えているのです。


日本の場合ですと、教わった相手に感謝をするという考え方が多くの場合で一般的になるわけですが、韓国ではこの部分の発想が私達とは全く異なっているのです。


彼らはこの事例でわかるように、経済的に成功したら「日本の影響下にあったことの痕跡」そのものを消すことで、「自分達のほうが上だ」という事を証明しようとしているのであり、だからこそ言語学的に意味が無くとも問題が無いのです。


つまり、学術的な観点に立った言語の置き換えではなく、国粋主義民族主義の観点に立った「儀式」として彼らは日本語の排除のパフォーマンスを行っているという事になります。
儀式ですから、重要なのは行為そのもので厳密さは必要ないのです。


2016年11月1日22時22分追記
余談になりますが、韓国で2005年頃に政府が開設したとおぼしきページを読んでみると、日本語だけではなく、元々は外来語全般の排除運動を行う意図があったことがわかります。


ただし、韓国では漢字廃止の影響で同音異義語の区別が難しく、その影響で専門書において単語の横に英語表記をして区別している場合があり、恐らくその影響で「外来語全般の排除」は出来なかったのではないでしょうか。


参考資料
国語浄化、なぜ、どうすればいい?(韓国語)


2:「韓国起源説」と結びつく儀式


上記のように、韓国ではその独特の価値観から来る発想に基き、「儀式的な言語の排除運動」が頻繁に行われているのですが、言語以外でも文化面で同じようなことが行われています。


たとえば、現在韓国では日本酒がじわじわと人気になってきており、韓国社会が民族主義的観点から普及させようとしているマッコリは存在感を韓国内ですらあまり示せていません。


そして自ら日本酒を選んでいるにも関わらず、多くの韓国人が「日本由来の酒」が市場で影響力を持ち始めていることを恥辱(=日本のほうが上位と思われている)と感じており、その解としての対策を行っています。


その対策とは、「韓国産の清酒」を販売することで日本産の清酒の市場を取り戻そうという動きであり、要するに清酒が元々朝鮮でも作られていた=韓国起源として、日本酒市場を韓国起源の清酒で上書きしようとしているのです。


(※1)
京畿道農技院、新米で醸し澄んだ酒「K3」発売 亜州経済(韓国語) 2016-10-25


(実際に販売されている韓国の清酒、韓国産をアピールしているわりになぜか日本語です)

[gift&]大韓民国代表清酒、茶礼酒にぴったり 中央日報(韓国語) 2016-09-01


以前どこかで書きましたが、そもそも朝鮮には伝統的に清酒が存在した記録が一切無く、彼らの主張は古事記に記載のある百済出身の仁番という人物の記録「仁番が天皇に対して神酒(みき)を献上した」と記録されている内容を、「仁番は酒の神として崇められた」と曲解して起源主張しただけのものです。


こうして韓国では、年々若い世代を中心に民族主義が先鋭化傾向にあるため、「日本由来の酒に人気が出てきている」が許容できず、その解決策として清酒(日本酒)の起源を主張し、同時に韓国産の清酒で上書きする事で表面的な結果を変えて受け入れようとしているのです。


これに関しても、実態としては本来の韓国の伝統が一切反映されておらず、実際には「ガワを変えただけで何も変わっていない」わけですから、この行為も定義としては「心情的な納得」を得るための「儀式」となります。


似たような事例として茶道の起源主張も同様に儀式的な意味合いが強いです。
韓国では1990年代中盤頃から緑茶に人気が出始めており、更に2000年代に入ってからは国際的にも緑茶の人気が高まったため、日本由来である事を打ち消すために緑茶や茶道の起源主張が始まったという背景があります。


(※2)
[インタビュー] 茶道文化の生き証人シン・ウナク、茶を語る ニュース天地(韓国語) 2016.09.23


これに関しても以前どこかで書きましたが、元々朝鮮では李朝時代に大規模な仏教弾圧があり、そのときにお茶の文化そのものが廃れてしまっていたうえに、それ以前も朝鮮で主流であったのは固形茶などの発酵を伴う茶葉を前提とした文化であり、根本的に緑茶も茶道も存在していません。


要するに、実態としてはそもそも朝鮮伝統の茶文化は一切反映されておらず、起源主張によって上辺の看板を変えただけですので実際には何も変わっていません、そういう儀式を行っているだけです。


3:「歴史問題」は関係が無い


今回書いたような事例は、予備知識のない多くの日本人にとって、それが否定的な答えになるにせよ肯定的な答えになるにせよ、「何かしらの形で日韓併合などの影響が関係しているのではないか」と考えがちになります。


また韓国側もこうした「儀式」の動機として歴史問題を理由として挙げます。


しかし実態は、意識として多少は歴史問題が考慮に入っている可能性もゼロではないですが、主な動機は彼ら独特の序列意識によって発生する「日本より上でありたい」という考え方が根底にあるのです。


また他にも現在の韓国には、華夷秩序に基く中華思想が「明」滅亡後の李氏朝鮮で変化した小中華思想の影響が非常に強く残っており、この影響で韓国人の多くは「日本は東アジアの序列の中で最も下である」との考えを持っています。


ですから尚更、朝鮮から日本への恩恵は積極的に肯定されるべきだが、日本から朝鮮への恩恵は一切認められない(あってはならない)とする考え方が非常に強く、だからこそこうした儀式を通じて「日本の影響を」を消したがるのです。


このことが解っているかいないかで韓国人に対する対応や反応も大きく変わるでしょう。


この問題を歴史問題を前提に解釈し対応した場合、当然の事ですが否定的に扱えば「差別問題」などにこじつけられてしまいますし、肯定的に扱えば「更なる謝罪要求の口実」を増やすだけになります。


しかし、今回のように韓国側の民族主義国粋主義に根ざした考え方、対等の概念が希薄な序列社会だからこその考え方が前提として存在し、原因は歴史問題ではなく「現在の韓国の事情に起因している」という事がわかっていれば、こちらのアプローチ方法も根本から変わってきます。


要するに、韓国や韓国の側に立つ人々に都合のいい前提に立つ必要が無くなるので、彼らの土俵で論じる必要がなくなりますし、何より第三者にも事情を説明し易くなるのです。


歴史問題に絡めてしまうと、面倒なうえに実態とかけ離れているからこそ何とでもいえてしまいますから、それを防ぐのにも効果的です。


今回紹介した造船業の事例や清酒、茶道の事例は、まさに「韓国独立後の出来事」が影響を与えたことがはっきりとわかる事例なので、特にこの問題を扱ううえでの貴重なサンプルとなります。



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(※1)
京畿道農技院、新米で醸し澄んだ酒「K3」発売
亜州経済(韓国語) 2016-10-25
http://www.ajunews.com/view/20161025070058966

京畿道(キョンギド)農業技術院(院長=キム・スンゼ)は、韓国内の消費が増えている日本酒の『サケ』の代替を目的に開発した『K3』が、25日から市場で販売されると明らかにした。

道農技院と京畿融複合産学研協力団(団長=ぺク・ムヨル)が共同開発した『K3』は、金浦(キムポ)で生産した新米で作ったアルコール度数13%の『清い酒』である。

『K3』という商標は韓国(Korea)の消費者の心を叩き(Knock)、清い酒市場に火をつける(Kindle)という意味を盛り込んでいる。この酒は他の薬剤やその他の添加物は使わずに粒麹と麹だけで発酵して、既存の薬酒(マッコリの上澄み)に比べて味と香が柔らかくてスッキリしているのが特徴である。

『K3』は加平(カピョン)の醸造会社である(株)ウリスル(我が酒)が作り、道内の日本式居酒屋などでありあえず販売される予定で、一般の消費者も購入できるように流通網を拡大する計画である。

これに発売を記念して25日の午後5時、城南市(ソンナムシ)盆唐区(プンダング)の日本式居酒屋『オイシ』で試飲会を開くが、伝統酒に関心があれば誰でも訪問する事ができる。

キム・スンゼ院長は、「最近、酒に対する流行が低度酒から清い酒に変わっている」とし、「米の消費を拡大して酒類市場に対応するため、伝統酒を持続的に研究する」と話した。

一方、去る2000年に103トン輸入された日本酒は2013年には4367トン輸入されるなど、韓国内の消費が急増している。


[gift&]大韓民国代表清酒、茶礼酒にぴったり
中央日報(韓国語) 2016-09-01
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=102&oid=025&aid=0002640708

(一部抜粋)
清酒は米で作った醸造酒で、漢字の意味そのまま清い酒をいう。日帝強占期を経て清酒が日本式表現である「正宗」と呼ばれ、日本の伝統酒として知られている。

しかし、清酒は我が国伝統の酒だ。日本の古事記に「応神天皇の時(AD 270~312年)、百済人の仁番が日本に渡って清酒の製造技術を伝授した」という記録が伝わる。

ロッテ酒類の関係者は「白花壽福はご先祖様に捧げる清酒であるために厳選した米から心を込めて醸成した製品」とし、「価格も5000ウォン台から1万ウォン台まで多様で経済的な製品となっているので、祝祭日の朝、家族全員が一緒に茶礼を過ごし飲むのに良い酒」と言い添えた。

(※2)
[インタビュー] 茶道文化の生き証人シン・ウナク、茶を語る
ニュース天地(韓国語) 2016.09.23
http://www.newscj.com/news/articleView.html?idxno=376183

「国内1世代茶人」ファジョン茶礼院シン・ウナク院長
・50年間、韓国茶の研究して知らせ
日本茶道流派で正式な学び受け
・1967年から茶文化運動開始
・高麗時代使用していた沙鉢あり
・国内茶の歴史、関心を得ることができず残念

「茶真理悟るのに、30~40年かかり
弟子たちに教えてあげるのが楽しく
80歳になっても教えています」
(一部抜粋)
韓国1世代目のシン・ウナク院長は半世紀もの間、伝統茶文化に光を照らし普及させた。彼女は日本茶道流派の一つである裏千家で正式な茶道を学んだ茶人である。

1937年に日本の大阪で生まれたシン・ウナク院長は大学で食品栄養学を専攻しており、日本赤十字社などに勤務した。

1962年に夫と出会い、1967年夫と共に韓国に定住した後に茶文化運動を開始した。

1968年、緑茶を淹れて飲むことや茶道基礎実技の普及および伝統茶の普及を図って、韓日国交正常化が始まる頃の韓日親善茶文化交流の先導もした。

この時期、飲料文化を発展させなければ、と決心をしたシン院長は新世界百貨店に「モカコーヒーハウス」を設立し、一般人には疎かったウィンナコーヒーと小豆かき氷を登場させた。

本格的に茶文化を研究したのは1971年、同じ日本出身の李方子夫人の招待で昌徳宮楽善斎で茶会を開いた後だ。

以降1982年にソウル鍾路区安国洞にファジョン茶礼院を開き、専門茶人を養成して抹茶法を研究して直接試演するなど、我が国の抹茶の発展と普及に大きな力を尽くした。 チョンジョン茶礼院イ・ジョンエ院長、ファミョン茶礼キム・ミョンリェ院長などが彼女の弟子だ。

「度々、抹茶は日本茶だと見られていて、抹茶を紹介すると非難を受けることもありました。 実は、我が国は高麗時代から抹茶を飲んできました。私たちが作った茶文化が日本に渡ったわけです。」