日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日本と韓国では「反論」の定義が異なる


さて、本日の内容なのですがタイトルでは便宜上こうなっていますが、実際には韓国では「反”
論”」が行われる事は殆どありません、全く別の手段がとられる場合が殆どです、その点だけご了承ください。


以前から書いているように、韓国では「根拠」の概念が希薄であり、根拠を必要としない「主観的・絶対的正しさ」という考え方を基盤としているため、根拠を前提とした反論も重要視されない場合が多い。


要するに「根拠を提示して論で説明する」といった行為が軽視されるわけだが、その場合に彼らが「反論」と定義して行う行為は、相手からの批判や反論を無視して同じフレーズを繰り返す行為や、何の説明も無いまま行われるダブルスタンダード論点のすり替えなどとなる場合が多い。


私達の常識ではそれは反論ではないのだが、これはあくまで根拠を重要視しているからであって、根拠を重要視せず「かくあるべき姿」「そのときの感情」を最も重要とする韓国社会においては、いかに相手よりも優位に「(感情に訴えて)主張するか」が重要であるためこれが反論と定義される。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:「反論」が機能しない社会


まずはこちらの記事から


政府、'慰安婦碑予算'全額削減…日本状況伺い?
JTBC(韓国語) 2016-09-23
http://news.jtbc.joins.com/html/460/NB11318460.html

[アンカー]国会が慰安婦碑を作るために8億2000万ウォンの予算を要請しました。ところが政府は一銭も出さないことにしました。与野党の議員が全会一致で通過させた事業なのに、政府は予算を要請するたびにいつも握りつぶしています。昨年末、韓日慰安婦合意以後、韓国政府が日本の顔色を見ているという批判が出ています。イ・スンピル記者です。

[記者]慰安婦碑設置事業は2年前、与野党の議員全員一致で国会本会議を通過しました。国家機関が直接出て碑をたてることにしたのは初めてです。国会事務局は候補地の検討手続きなどを経て慰安婦碑設置予算として8億2000万ウォンを政府に要請しました。

しかし、政府が国会に提出した来年度予算案には一銭も反映されなかったのです。これに先立って事前調査のために二回にかけて予算6000万ウォンを要請した時も政府は繰り返し握りつぶしました。

[ナム・インスン委員長/国会女性家族委員会:政府が毎度予算を編成しないのは国会を無視するlもので、これでは本当に国民のための政府なのか訊ねないわけにはいきません。]

すでに与野党合意を経た懸案にもかかわらず政府は国会で追加議論が必要だという理由で踏みとどまっています。今年4月、女性家族部が忠南(チュンナム)天安(チョナン)の慰安婦碑設置事業を突然中断するなど昨年末の韓日慰安婦合意以後、韓国政府の日本の顔色伺いが激しくなっているという批判が出ています。


必要があり合意した慰安婦碑予算、一銭も与えない?
メディアトゥデイ(韓国語) 
http://www.mediatoday.co.kr/?mod=news&act=articleView&idxno=132260

(一部抜粋)
その決議案には、「国会は、日本軍慰安婦被害者を称える公園を国会外に造成して公園内に碑を設置して、国民皆と韓国を訪れる外国人が慰安婦被害者を追悼することができようにすること、日本軍「慰安婦」被害者の名誉回復と正しい歴史教育の先頭に立つ」という内容が含まれている。


要するに「不可逆的解決」を合意した昨年の慰安婦合意に違反する行為を韓国の国会が行おうとした事例であり、後半の記事ではその目的について詳しく書かれています。


そして今回の本題は、この「約束を後付けの口実で反故にする」いつもの韓国の態度ではなく、この合意違反に対して韓国政府が取った態度です。


一見すると単に韓国政府は「合意を守った」だけにしか見えず、何の問題もないように見えるのですが、その動機が記事にもあるように「政府は国会で追加議論が必要だという理由で踏みとどまっています」との部分があるのですが、これが重要です。


私達の常識で考えた場合、合意の撤回を求める声があるとはいえその賛否はおいておくにしても、予算を通さない理由は「不可逆的な解決を合意したから」としっかりと「反論」すれば良いだけであり、こんな歯切れの悪い反応をしていたら自ら問題を拗れさせているようにしか見えません。


いくら「弱腰」と叩かれないようにするためとはいえ、なぜこんな不味い対応をするのかといえば、彼らにとって重要なのはそのときの感情に基いた「主張」と「要求」だからです。


つまり「不可逆的云々の合意があるから」では、主張でも要求でもなく政府間の合意という根拠に基いての反論であり、彼らの価値観では意味を成さず「感情にも訴えられない」ので説得力が無く、誰も納得させることが出来ないためこのような対応になるわけです。


そのときの感情を最も重要視し、主張する事と要求する事に特化した韓国的価値観の落とし穴ともいえるでしょう。


似たような事例はTHAAD問題でも発生しています。


THAAD問題では、親北系団体が中心となって「マクワウリが育たなくなる」「浴びると癌になる」などのオカルト的な主張で反対運動を展開し、慶尚北道星州郡の農業関係者を中心に賛同者が増えていき、国を二分する大騒ぎになります。


【時視各角】科学と正面衝突するTHAAD怪談=韓国(1) (2) 2016年07月19日


これに対して政府系メディアや韓国政府、米軍はTHAADの電磁波は害以前の問題としてそもそも地上に照射されないことなどを「反論」として説明しましたが、殆どの人はその言葉をまるで信じず結局候補地が変更されてしまいました。


その後、候補地が変更されたあとでも韓国ではTHAAD反対の抗議活動が続いていたのですが、星州郡の都庁舎前で行われていた抗議活動を今月半ば頃に自治体と政府が「会場として都庁舎前を提供しない」と排除しました。


そこまでなら日本を含め他の国でもある事なのですが、その後自治体はTHAADに賛成する団体のデモを都庁舎前で許可するという露骨なダブルスタンダードを行います。


星州郡の態度急変…THAAD反対集会を不許可、賛成集会には許可 ハンギョレ新聞 2016.09.13


根拠を重要視せず、そのときの感情に基いた「主張」と「要求」を最も重要とする韓国的価値観らしい対応です。
「反論」によって相手の言論に対抗するのは無意味なので、政府寄りの団体に「主張」と「要求」をさせて対抗したわけです。


そして重要なのは、彼らに社会では往々にしてこれまで紹介したような事例が「反論」と定義される事です。
そのときの感情に基いた相手の主張や要求を否定する主張と要求、それこそが彼らにとっては反論とも表現することが出来ます。


2:「反論」に対応する意思が無い


上記のような事例のほかにも、根拠を重要視しないため日本人の常識とは全く異なる反応を見せる事例が存在しています。


たとえば竹島問題に関連し、先月韓国の中央日報で記事になった事例は典型的です。


問題の記事では、大韓帝国皇帝が1900年10月25日に公表した「大韓帝国勅令第四十一号」を根拠として、そこに記録された「石島」こそ現在の竹島の事であり、朝鮮語の「石(トル)」の方言として「ドク」があることが、1938年発行のハングル辞典に書かれているとしています。


つまり「石(トル)」の訛りとして「ドク」があるのだから、石島こそ独島(韓国語読みで「ドクト」=竹島)のことであり、「大韓帝国勅令第四十一号」の石島の領有こそ竹島が韓国領であるとする有力な証拠である事、方言である事を証明する朝鮮語辞典が新発見されたとの記事が掲載されます。


「独島は韓国固有の領土」裏付ける文献記録見つかる(1) (2) 中央日報 2016年08月30日


そしてこの主張なのですが、そもそも2007年頃には日本側からすでに反論されています。


詳しくはこちらの「国際法からみる竹島問題 1900年勅令41号の石島」というブログを読んでもらうと詳細が書いてあるので解り易いのですが、まずこの石(トル)を「ドク」と読む方言がどこの方言なのかが問題で、韓国ではこの方言が黄海側の全羅南道周辺で使われていました。




全羅南道の位置


韓国側は欝稜島の移住者が石をドクと読む全羅南道慶尚道出身者が中心を占めていたとしているのですが、実際の移住者は欝稜島に近い江原道や慶尚道出身者で、石を「DolやTol」と発音する人々だったことが判明しており、彼らの主張は成り立っていません。




江原道と慶尚道の位置




欝稜島の位置


しかも、韓国側が「大韓帝国勅令第四十一号」に記載のある石島こそが現在の竹島の事だとする根拠は「これだけ」なのです。


先ほども書いたように、このことはもう8年以上も前に日本側から反論されているにも関わらず、韓国側はその反論に一切対応することなく、「トルをドクと発音していた記録がまた新発見された」と、あたかもこれが決定的な事実であるかのように報じているのです。


要するに彼らは、この事例の場合でも「反論」そのものを重要視していないため、日本側から反論があっても指摘された問題点をまるで無視して全く同じ主張を繰り返し続けているわけです。


そしてこれも彼らの定義では「日本への反論」とされています。


また他にも、過去に指摘した事例として韓国では任那日本府説が日韓歴史共同研究で完全に否定されたと既成事実化されている件では、実際には日本側は「当時日本という国号ではなかったので別の名称にすべき」と提案しただけの事例や


1000年以上も忘れられていた任那日本府、なぜ復活したのか 朝鮮日報 2016/09/15


ソメイヨシノ韓国起源説の事例で、日本の森林総合研究所の勝木氏が「ソメイヨシノの自生地がわからない」と発言したと既成事実化されている件では、実際には「現在ソメイヨシノの(接木の)原木となった木が確認されていない(2014年当時)」等と発言しただけなどの事例があります。


(※1)
[取材後]花の戦争...桜の原産地は? KBS NEWS(韓国語) 2014.04.11


要するに相手の発言を自分達に都合の良いように歪めて既成事実化しているだけであり、このことに対する日本側からの「反論」も実際にあるのですが、彼らはそれを一切重要視しておらず(単に無視しているだけではない事に注目)、延々と「これこそが日本側への反論だ」との態度を取っています。


どの事例でもそうなのですが、根拠を重要と考えない価値観に起因する副産物であり、間違いを根拠付きで指摘しても彼らは一切その事を意に介さず、指摘された間違い部分を訂正する事も無く延々と主張し続け、それを彼らは「主張・要求=反論」と解釈しているのです。


3:日本の常識で「反論」をしても無意味


今回書いたように、日本と韓国では根本的に「反論」というものへの考え方や定義が異なるので、日本人が韓国人に「それは違う」と反論し根拠を提示してもまるで無意味になることが多々あります。


実際、私も韓国側と日韓翻訳掲示板を通じて直接接触を持っていた当初は、根拠を提示して一つ一つ間違いを指摘していけば、韓国側のおかしな起源主張も多少は改まるのではないかと考えていましたが、殆どの場合で何の意味もありませんでした。


日韓の決定的違いとして、日本でもおかしな主張をしたり間違いを間違いと認めない人は存在しますが、その場合は指摘された部分を何かしらもとの主張から内容を修正したり、定義を変更するなどして「整合性を取ろうとする」行為が見られます。


つまり「反論」に反応し対処しようとする意思があるという事です。


それがしっかりと根拠に根ざしていたり、きちんと説明になっているかは別として、このような態度を取るのは日本国内で「根拠を重視する」考え方があるからです。


よく「日本人は反論が下手」といわれますし私もその通りだと考えていますが、それでも考え方の根底部分には根拠を重視する考え方が存在しているので、反論もそれを前提としたものになる事は間違いありません。


しかし韓国の場合にはこの部分が根本から異なります。
今回紹介した事例でもそうですが、そもそも根拠を重要視する考え方が存在していないので、反論に対応しようとする意思そのものがなく、彼らの想定する「反論」もそれを前提とした特殊なものとなっています。


双方でひたすら主張と要求合戦になったり、相手の反論をそもそも無視して同じ主張を繰り返し、それが反論になると考えるのもこのためで、常識が一つ異なればそこから派生する全ての常識が異なってくることが、この事例から良くわかります。


ただし注意しないといけないのは、彼らは「反論」は苦手ですが「主張」は非常に得意だという事です。


この部分を日本人は軽視する傾向にあります。
どんなに「整合性のある正しい主張」をしていても、それを世間にアピールする方法が下手ならまるで無意味ですし、ましてやただ相手を軽視し罵倒したり叩けばそれで良いというものではないです。


「韓国に学べ」とまでは書きませんが、彼らがどのような「主張=アピール方法」を行っているのか、そして対抗するためにはどうすれば良いのか、この辺りは各々が真剣に考えていくべきでしょう。


私は去年のニコニコドキュメントでその事を改めて痛感しました。


殆どの場合、基本は今回書いたロジックに基いているので、韓国側の主張はちゃんと検証すればデタラメな事だらけなのですが、それでもイギリス人が作成したドキュメントがあのような形になったのは、それだけ彼らや韓国人から「良心的日本人」と呼ばれている日韓友好論者のアピール方法が上手いからなのです。



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(※1)
[取材後]花の戦争...桜の原産地は?
KBS NEWS(韓国語) 2014.04.11
http://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=2843708

(一部抜粋)
しかし、桜の原産地を確かめてみれば話が変わります。韓国の複数の植物学者たちは、過去の日本人が済州島にある王桜を日本に持っていったことが、日本の桜の始まりであると主張します。学界ではすでに桜の原産地についての熾烈な攻防が展開されていました。韓国と日本の植物学者たちが主軸になって、米国農務省も関心を持って桜の原産地を研究しています。

取材陣は、日本の桜の植物学者である日本の山林科学園所属のカツキトシオ博士に会いました。カツキ博士は、日本の桜の品種は「ソメイヨシノ」で済州の王桜とは別種だと主張します。
日本に「エドヒガン」と「オオシマザクラ」を人為的に交配して最もきれいな品種である今の桜「ヨシノ」を作ったとのことです。カツキ博士は、非常に親切に取材に応じたが核心的な質問は賢明に避けていきました。桜の自生地を問う取材陣の質問に「まだ探している」と遠まわしに答えたりしました。

しかし、韓国植物学者の立場は違います。国立山林科学院所属のキム・チャンス博士は、日本の桜の原産地が済州島だと主張し、次の根拠を提示しました。

最初は、済州島には自生地があるということです。済州王桜の自生地は、1908年に済州島を訪れたフランス人神父'タケ’が漢拏山の海抜500~600mで発見し、学界に報告され、現在天然記念物に指定され保護を受けています。原産地を判断するには、自生の有無が重要です。
自然に育ったのか、それとも誰かが別の場所から持ってきて植えたのか、これが判断基準になるためです。済州島には、200年以上の桜から若木の桜まで、様々なソメイヨシノ200本余りが生息していることが確認されたのに対し、日本では自生地がまだ発見されずにいます。