日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

剣道に関連した韓国起源説の誤解とその真相


さて、本日なのですが少し前にニコニコで話題の記事として紹介されたとあるブロマガの記事のなかで、「大韓剣道会(韓国最大の剣道団体)は剣道の韓国起源説を否定している」との記述があり、恐らくこうした勘違いが現在広まっているのではないかと考え記事を書くことにしました。


まず、大韓剣道会は「剣道の起源」は主張しておらず、剣道は日本が考案したものと認めている事は間違いが無い。
ただし、だからといって大韓剣道会が起源主張をしていないわけではない。


彼らの主張は、「剣道は日本が朝鮮から伝わった剣術を体系化してスポーツ化したもの」との内容であり、要するに現在国際的に知られている日本の剣道は、あくまで朝鮮伝統の剣術の亜種でしかないのだから、剣道ではなくオリジナルのコムドをオリンピック種目化するべきだというのが大韓剣道会の現在の主張となっている。


また、大韓剣道会は過去日本の全日本剣道連盟から公式に起源主張に対する抗議を受けた背景から、日本に対しては「剣道は日本が考案したもの」という部分のみを宣伝しており、これが日本で大韓剣道会の主張への勘違いを生む原因となっている。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:大韓剣道会による韓国起源説


まず、本題に入る前に知っておいて欲しい基礎知識部分を書きます。
(過去にも書いたことがある内容ですので、読み飛ばしてもらってもかまいません)


韓国には剣術や侍、日本刀などの起源を主張する偽剣道団体が大きく分けて3種類存在しており、そのなかで最大規模なのが今回紹介する大韓剣道会となっています。


また、のこり2つの偽剣道団体も元は全て大韓剣道会から内紛などで分裂した団体であり、フランスのジャパンエキスポへ寄生しようとしたり、同じくフランスのコリアンコネクションというイベントで起源主張をしていた海東剣道がそれに該当します。


もう一つ大韓剣道会から分裂した団体として韓国剣道連盟があり、ここはテコンドー系の団体ですが規模が非常に小さく、起源主張はしていますが韓国外での活動が殆ど無いためこのブロマガでは扱いません。


また、大韓剣道会と海東剣道では剣道の呼称にも違いがあり、大韓剣道会系では「コムド(kumdo)」との呼称を、海東剣道系の団体では「グムド(gumdo)」とするのが一般的ですが、どちらも漢字表記は剣道です。


そして次に大韓剣道会に関する情報として、ここは日本の全剣連全日本剣道連盟)と同じように複数の団体が集まって成立している組織であり、そのため組織ごとに起源主張でも違いがあり、非常に先鋭的に民族主義を煽っているところからそこそこ主張が大人しめなところまで様々です。


ただし、大韓剣道会という組織として「朝鮮の剣術が日本の剣術のオリジナルである」との主張は一貫しており、そのためコムドでは剣道との差別化を意識して、袴に背板がない、蹲踞をしないなどで日本の剣道と違う事をアピールしオリジナルを主張しています。
(また個人差がありますが、一般的に彼らは残心をしないor雑なのも特徴です、恐らく残心を何のためにするのかを解っていないからでしょう。)


ここまでが基礎知識部分となります。
これらを踏まえた上で次に以下の記事を


イ・ジョンニム 大韓剣道会長 「剣道、2020 東京夏季オリンピック示範種目推進」
スポーツソウル(韓国語) 2015-06-01
http://www.sportsseoul.com/?c=v&m=n&i=220893

[スポーツソウル]「全世界剣道人のためにもオリンピックに必ず進出しなければなりません。」
第16回世界剣道選手権大会閉会式が開かれた31日の日本武道館国際剣道連盟(FIK)副会長であり、韓国剣道の歴史の生き証人である凡事8段イ・ジョンニム(76)大韓剣道会会長は57ヵ国963人の選手団、役員の前でこのように述べた。 日本武道館を埋めた1万4000余りの観衆も拍手喝采を送った。

イ会長は世界選手権期間スポーツソウルと会った席で、剣道のオリンピック進出を数度にわたって強調した。
彼は「剣道が2020に東京夏季オリンピックの示範種目の推進を狙っている。 オリンピックを2年後に控えて開かれる仁川世界選手権で剣道の真価を見せなければならない責任感を負うことになった」と話した。

イ会長が歩んできた道は1953年に発足し、今年で62周年を迎えた大韓剣道会の歴史と軌を一にする。
2年前、競技人では史上初めて大韓剣道会首長職に座った彼は、持続して剣道の大衆化に力を入れた。
しかし、まだ不人気種目の足枷から解き放たれなかったのが事実だ。しかも、昨年、大韓体育会は全国体育大会100周年を控え、一部種目の縮小案を出したが、オリンピック種目ではない剣道も含め、甲論乙駁してきた。暫定的に留保された状況や危機に陥ったのが事実だ。

しかし、韓国剣道は同好人を中心にいつのまにか70万の人口を誇っている。45年の歴史を誇る世界選手権でも唯一の日本の対抗馬の役割を果してきており、今大会でも史上初めて女子個人戦で2人も入賞した。
男女団体戦も準優勝をするなど、世界トップクラスの技量を誇った。 全国体育大会で除外されたら、ただでさえ劣悪な状況で活動する男女剣道の選手たちの未来まで根絶することになる。

そんな中で、オリンピック進出は国内だけでなく全世界剣道人の夢だ。 励みになることは、イ会長が大会期間のFIK理事会でアジア地域を代表する副会長に選出された。 剣道界にもっと影響力を行使するようになった。

また、新任会長もトヨタ自動車の常任顧問出身である張富士夫(78)が選ばれたが、武安義光(91)前会長よりも剣道の開放政策を念頭に置いている。 武安会長は剣道の宗主国の位置づけにも、剣道のオリンピック進出に反対してきた人物だ。 剣道をスポーツの価値より武道で解釈した。 韓国を含めて、多数のアジア圏国家と欧州、アメリカなどは、オリンピック進出に肯定的な見解を示したのと対比された動きを見せた。 内面には、国際剣道界影響力が大きい日本剣道が世界選手権ではタイトルを独占してきたが、五輪では不可能なためだ。 ややもすると、韓国などにトップを奪われた場合、宗主国の位相が揺らぐと思うためだ。

イ会長は「新しいFIK会長も1964年東京オリンピックの時、柔道が五輪正式種目に採択された時のことを考慮するようだ」、「剣道界が息を吹き返すには、無条件でオリンピックやアジア大会種目に含まれなければならない。
今大会に参加した57ヵ国の代議員たちが概ね共感を示している」と話した。

そんな中、3年後に仁川で開かれる17回世界選手権大会はオリンピックの夢をつかむための前哨戦になる可能性が高い。1988年、ソウル7回大会以後、30年ぶりに韓国で開かれる。

1973年、米国で開かれた2回世界選手権男子個人戦で3位を手にし、韓国剣道史上初の国際大会入賞という快挙を成し遂げたイ会長。彼は剣道は日本の武道という視線に対して不満感を示していた。これまで古文書を耽読し、研究に邁進したイ会長は剣道の起源が韓国にあったと強調する。

「剣道の近代化を成し遂げたことは日本であっている。 しかし、日本で剣道という名称で定着する前には“撃剣”という名前が使用された。 三国史記と三国遺事などにあまねく登場する韓国語だったのだ。また、日本で11世紀以前まで使用した剣の形も、三国時代に我が国で使用したものと同じだ。」

よく日本をはじめ、他の国では剣道を“ケンドウ(KENDO)”と呼ぶが、韓国において“コムド”で使用することも、このような自負心から始まった。 また、世界大会でも韓国だけが唯一の“白衣民族”を象徴する白色道服を着用している。


読んでもらえば一目瞭然ですが、彼らは起源主張を行っています。


また、文中で「日本で11世紀以前まで使用した剣の形も、三国時代に我が国で使用したものと同じだ。」としていますが、そもそもそれは唐太刀とよばれる中国式の刀剣の事なうえに、6世紀頃に登場した蕨手刀や9世紀初め頃に登場した毛抜型太刀(衛府太刀)のような、日本刀の原型となった日本固有の彎刀の存在を無視しています。


そもそも歴史上太刀の登場は10世紀後半頃なのですが、後ほど詳しく書きますが恐らく大韓剣道会は太刀と打刀の区別がついていません。


他にも、「撃剣」という単語を朝鮮固有の言葉のように書いていますが、これは漢字文化圏で「刀剣で相手をうち、自分を守る武術、剣術。」の事であり、朝鮮固有の単語ではありません。




画像は金地螺鈿毛抜形太刀


そしてこの記事で重要なのは、なぜ大韓剣道会が剣道のオリンピック種目化に拘っているのかで、それは彼らが「日本の剣道ではなく韓国のコムドのオリンピック種目化」を目指しているからです。


要するに、そうする事で「剣道=日本」というイメージを、「剣道=韓国」に上書きしたいわけです。
ですから安易に剣道をオリンピック種目化しようとすると、韓国の横槍で酷い事になるでしょう。


また、大韓剣道会の公式HPでは「元々朝鮮で発達した世界最古の剣術である朝鮮勢法や朝鮮伝統の刀剣が日本へと伝わり、それを日本が競技用に改良したのが剣道であって、オリジナルは朝鮮にあるのだ」としています。


(※1)
剣道の歴史 大韓剣道会公式HP(韓国語)


大韓剣道会は他にも過去何度も起源主張をしており、代表的な事例をまとめると以下のようになります。(部分的に他の事例での主張と相互に矛盾していますが、彼らは根拠を重視しないので気になりません)


十数年前に全剣連が抗議したときの大韓剣道会の主張(要点抜粋)

コムド(kumdo)とケンドー(kendo)について
Japan Kendo Club News.Net 2006年10月17日
http://jkcnews.seesaa.net/article/25623030.html
  • 剣は昔からどこでも使われてきたのだから剣道の「日本のものか、韓国のものか」は取るに足らない問題
  • あえて言うなら刀も剣法も百済から日本に伝わったのだから韓国起源
  • 七支刀は百済王が日本の君主に権威の象徴として下賜したことからも刀の起源は明らか
  • 桓武天皇の生母は百済人、当時強大だった百済から武寧王の子孫の女性を送る際に護衛に武士も一緒についてきた、それが日本の武士の起源
  • 古代の天皇百済人なのだから剣法が百済から伝わったというのは当然日本の功績は剣道を競技化したこと
  • 剣道を競技化しただけの日本が、「コムド」を「ケンドー」と呼ばせるのは間違い現在大韓剣道会は「コムドのオリンピック種目化」のために動いている

2009年の大韓剣道会の主張(要点抜粋)

(※2)
剣道王に'朝鮮刀'与えるわけは?
毎日経済(韓国語)  2009/03/09
http://news.mk.co.kr/newsRead.php?sc=30000024&cm=%EB%A0%88%EC%A0%80%C2%B7%EC%8A%A4%ED%8F%AC%EC%B8%A0%20%EC%A3%BC%EC%9A%94%EA%B8%B0%EC%82%AC&year=2009&no=144633&selFlag=&relatedcode=&wonNo=&sID=300 (リンク切れ)

  • 剣道は日本で始まったスポーツだが、朝鮮の伝統的な武技の伝統も加えられている
  • 刀は古来からあるのだから剣道の伝統は韓国と中国、日本で特に違わないし、刀の形状も大して差は無い
  • 日本は近代になって剣道の防具とルールをつくってスポーツ化しただけ、防具も日本が体系化しただけで中国や朝鮮のものと大した差は無い
  • 「刀の伝統」は元々朝鮮にもあるのだから、大韓剣道会では大会の優勝者に伝統的な韓国刀を与えている
  • 剣道で段位を取ろうとすれば、新羅花郎より伝わる伝統の本国剣法と朝鮮勢法の訓練が必要で、このときに韓国刀の真剣が必要
  • 明の茅元儀が編纂した武備志という兵法書にも朝鮮勢法は紹介されている、武芸図譜通志にも新羅花の本国剣法の記録がある
  • 日本は剣道の宗主国だと主張しているが、朝鮮時代に朝鮮の刀工が沢山日本に連れて行かれたのだからその影響が入っている
  • 刀を利用した武技が変形された呼称である剣道を日本のスポーツと一方的に言うことは問題


要するに大韓剣道会の主張とは、日本の武士の起源は百済にあり日本刀の起源は七支刀にある、世界最古の剣術は朝鮮の本国剣法と朝鮮勢法にあり、日本の剣術は元々こうした朝鮮伝統剣術をコピーしたものであるのだから、日本が剣道として体系化した功績は認めるがオリジナルは韓国にあるというものです。


日本でたまにみかける「大韓剣道会は起源主張をしていない」との内容は、要するに彼らの主張のうち、「剣道そのものの成立起源の主張はしていない」という部分のみを抽出し、あたかもそれが全てであるかのように印象操作された情報を信じてしまった結果なのです。


実際には起源を主張し、またコムドの世界化とオリンピック種目化を今でも積極的に「組織として」推進しているわけですが。


2:大韓剣道会の主張は矛盾だらけ


次に彼らの主張の矛盾点を書いていきます。


まず根本的な問題として、最初のほうで書きましたが大韓剣道会に限らず韓国の偽剣道団体は大半が太刀の存在を知りません。


日本刀の成立には大まかに


蕨手刀

毛抜型蕨手刀

毛抜型太刀(衛府太刀)

太刀

(刺刃)

打刀


と順を追って現在知られている日本刀の形へと変化してきたという歴史があるのですが、彼らはこうした歴史を知らないため太刀の存在を理解しておらず、たとえばyoutubeに大韓剣道会系の団体がアップした動画では、明らかに打刀にしか見えない日本刀を「太刀のように帯刀」しています。


우리 고유의 검법 '조선세법(朝鮮勢法)'이 대구에서 선보였다
https://www.youtube.com/watch?v=NcodEm4ne5g


また、大韓剣道会の主張の中に何度も出てくる武芸図譜通志の記述で、本国剣と呼ばれる新羅の剣術があったとしている箇所なのですが、これは原文を明らかに意図して都合よく曲解したものです。


武芸図譜通志
卷之三、本國劍 (增) (俗稱新劍)

(增) 輿地勝覽曰黄倡郞新羅人也。諺傳季七歳入百濟、市中舞劍、觀者如堵。百濟王聞之名觀命昇堂舞劍倡郞、因刺王、國人殺之、羅人哀之、像其容爲假面、作舞劍之、状至今傳之(案)黄倡一作黄昌、即新羅所置花郞也。如述郞永郞之流故曰黄倡郞也。
花郞徒衆嘗數千人、相與勉礪忠信、且新羅隣於倭國則其舞劍器、必有相傳之術而不可攷矣。今因黄倡郞爲本國劍之縁起。
焉至若茅元儀以爲劍譜得之朝鮮、朝鮮既譬於西域之等韻則是朝鮮自本國之譜也。又譬於日本之尚書則是朝鮮爲傳中國之譜也。
無論其其傳今距茅氏之世爲百數十年則互相授受者爲誰而不少見何歟。本國之人、何不自傳自習必待茅氏武備志而傳習之、未可知也。
前既言其茅氏之假託而今又臾論本國劍之下。

本国剣 (新剣 -新しく作った剣法- という)

『輿地勝覧』曰く、黄倡郎は新羅人だ。.... 百済人が彼を殺すと、羅人(新羅人)たちは悲しんだ。.....また、新羅倭国と隣しているが、その剣舞が必ず伝わったということなど明らかにすることはできない。 今、黄倡郎を我が国の剣術の初まりと見なそうと思う。
なぜ(我々は)剣譜を朝鮮で得て行ったという茅元儀のようなのだろうか。 朝鮮が西域の等韻に喩えられるのは、朝鮮が自ら自国の剣譜を作ったからであり、また日本の『尚書』に喩えられるのは、朝鮮が中国から剣譜を伝えられたからである。
その作ったものと伝えられたものが、今は茅元儀の時代から百数十年が過ぎていて、論ずることができないので、相互に遣り取りしたのが誰であったのかは詳しく分からない。

我が国の人々はなぜ自ら習って自ら伝えないで、茅氏の『武備志』を待ってこれを伝えられて習ったのか分からない。 前に既に茅元儀に言及して、今少しの間、本国剣の章で議論した。


原文とその翻訳を読んでもらえば一目瞭然ですが、そもそも本国剣というのは固有名詞ですらありません。
これは「本国の剣(わが国の剣術の総称)」という意味なのです。


しかも彼らは「また、新羅倭国と隣しているが、そのが剣舞必ず伝わったということなど明らかにすることはできない。」という部分を、「新羅剣舞が日本に伝わった」と訳しており、それを起源主張の根拠としています。


他にも、「今、黄倡郎を我が国の剣術の初まりと見なそうと思う。」との記述は、要するに「仮にそうみなす」という意味でしかないにも関わらず、これも彼らは断定的に「これこそ日本の剣術の起源だ」と曲解し、黄倡郎は花朗と呼ばれる貴族集団に属していたため、花朗武人説を持ち出して「剣術の起源は新羅花朗にある」と、仮定や憶測を何段重ねにもする手法を行っているのです。


また、彼らが「本国剣とは新羅の剣」と解釈しているのは、実際には「新しく作った剣術(新剣)とする記述の新剣を「新羅の剣」と訳した結果です。
しかしそうすると本文中の新羅人を現す「羅人」という表記と矛盾が出てくるのですが、彼らがその事を気にする事はありません。


そもそも、武芸図譜通志とは1790年に編纂された朝鮮の武術書であり、その目的は「朝鮮には伝統的に弓術しかないため、日本や清の武術を取り入れて新しく武術をつくる」という目的で書かれた本なのです。
(だから「新剣」と表記されているわけです)


そして、そこに書かれた24技のうち中国武術起源が21、日本武術起源が2、朝鮮伝来とされるものが1という構成で、それらが図解入りで記述されているのですが、そこには明らかに日本の打刀と見られる刀剣が掲載されており、「倭式刀」と表記されています。







このことから、当事朝鮮の刀剣と日本の刀剣は明確に区別されており、日本刀のようなものは朝鮮に存在していなかったことが明確なのです。
大韓剣道会は「日本も朝鮮も刀剣の形にそう違いがない」としていますが、実際の武芸図譜通志では明確に区別しているのです。


もう一つの「朝鮮勢法」についても彼らは明らかに意図して史料の曲解を行っています。
この名称は明の茅元儀という人物が書いた武術書「武備志」に出てくるのですが、これは元々唐代に失伝した両手剣術が剣譜として17世紀の朝鮮で残っていたとされるものです。


そして時系列で見ると、唐は西暦618~907年まで存在していた国家であり、日本における太刀の成立は10世紀後半、唐の存在した時代は日本で丁度毛抜型蕨手刀や唐太刀、毛抜型太刀が使用されていた時代で、しかもこの時代の日本の毛抜型蕨手刀や毛抜型太刀、中国式の唐太刀は皆「片手持ち」なのです。


また、武備志には朝鮮勢法の図解がいくつかあるのですが、そこには両刃の直剣を両手持ちしている人物が描かれており、当たり前の事ですが両刃で両手持ちの直剣と片刃で片手持ちの彎刀ではその扱い方が明確に異なります。


物理的に「同じ剣術」であるわけがないのです。





武備志に描かれた朝鮮勢法


つまり、大韓剣道会の主張するように朝鮮勢法や本国剣が日本の剣術の起源となったという主張は、時系列的にも史料的にもあり得ないですし、そもそも元は唐の剣術なのですから「朝鮮勢法や本国剣は世界最古の剣術」とする主張も明らかにおかしいのです。


にも関わらず現在大韓剣道会は、日本で14世紀に太刀から刺刃を経て成立した打刀で「朝鮮勢法を行っている」のです。
彼らがどれだけデタラメなことをやっているのかが良くわかります。



ちなみに、武芸図譜通志には日本由来の剣術についての記述があるのですが、実はそれ自体もかなり怪しく、朝鮮通信使として日本に赴き日本の剣術を習ってきたとする人物の記録を元としているのですが、その記述に出てくる流派の名称が当時の日本に存在していないのです。


要するに、武芸図譜通志にある日本起源の2種の武術自体、単なる口からでまかせの可能性があるわけです。


3:情報の錯誤を利用する大韓剣道会


今回書いたように、大韓剣道会は史実を曲解したデタラメな内容で日本の剣術や刀、侍などの起源を主張し、「日本の剣道は元々朝鮮伝統の剣術を体系化しスポーツ競技化したものでしかない」と主張しているのです。


ここで問題となるのが、先ほども書いたように大韓剣道会は「剣道を創設したのは日本」という事は認めている事です。


では、これをもって「大韓剣道会が剣道の起源主張をしているという主張は言いがかりだ」とする論は成り立つのかといえば、当然の事ですが成り立ちません。


最初のほうで引用したように、大韓剣道会は単に剣道単体の成立過程の起源が日本にあると認めているだけであり、日本の剣術はそもそもその根本が朝鮮起源であると主張し、「コムドこそ剣道のオリジナルである」と主張しているからです。


そのうえで、これはだいぶ前にこのブロマガで書いた覚えがありますが、韓国人が最も恐れているのは韓国人が起源主張をしている事を日本人に知られることであり、彼らはなんとしても日本人にこのことを知られないようにします。


なぜかといえば、特に大韓剣道会の場合2000年代前半に日本人を含む多数の外国人からこのデタラメな起源主張を徹底的に叩かれており、私もそこに少しだけ加わっていたので解りますが、普段絶対的正しさを信じて疑わず、反論は全て「捏造だ」と取り合わない韓国人達が、文字通り「何も言えなくなった」ほどだったのです。


その後バッシングが収まると、また今回紹介したように内容をほんの少しだけ変えてまた起源主張をし始めたわけですが、上記のように徹底的に「やられた」過去があるので彼らはどうしても起源主張の実態を日本人に知られたくないのです。


「大韓剣道会は剣道の起源を主張していない」との内容を彼らが日本で広めようとするのもそのためで、要するに日本人からまた過去のように大バッシングを受けるような事態を避けたいので、このように「半分本当のこと」を言っているわけです。


日本人の感覚からすると、「そこまでするなら起源主張そのものを止めれば良いのに」と考えるかもしれませんが、そもそも彼らにとって「日本の文化は全て自分達が伝えたもの」は絶対的であり、これを覆されるような事態は「民族の誇り」が許さないのです。


また、彼らは根拠を必要としない「主観的・絶対的正しさ」という概念を持っているため、日本人のように根拠をベースとした反論を繰り返されると、「日本人が悪知恵を働かせてもっともらしい根拠を作っている」との発想をするため、そもそも自分達の主張が間違っているとは考えないのです。
(他にも、日本人の主張が国際的に受け入れられるのは、日本のほうが知名度が高く国力も上だからだ、と考えている節もあります)


このような背景があるので、特に剣道関連やソメイヨシノ関連のような、韓国内で広く信じられている韓国起源説を完全に止めさせる事は不可能です。


だからこそ、「韓国がどんな起源主張をしているのか」を多くの日本人が知り、その事を世間に広く周知することが重要なのです。
先ほども書いたように、彼らは日本人の多くがこの問題を知る事を嫌う傾向にあり、多数の批判がくると「黙る」傾向にあるので、これが最も効果的なわけです。


ある意味、「大韓剣道会は剣道の起源を主張していない」とする印象操作は、彼らにとって唯一の日本に対する防御手段とも言えるでしょう。


特に日本の場合、彼らから良心的日本人と呼ばれている日韓友好論者達が、この印象操作を利用し大韓剣道会批判に対して「大韓剣道会は起源主張などしていない、ネトウヨの捏造だ」とやってきた過去がありますから。



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以下は当ブロマガのお勧め記事マイリストです、もしよかったらこちらもどうぞ。











(※1)
大韓剣道会公式HP
剣道の歴史(韓国語)
http://www.kumdo.org/deahan_kumdo/d-kumdo1-4.php

(前半は剣道と武器としての刀剣の歴史の混同によるミスリードが行われています、興味のある方は機械翻訳をしてい読んでみてください。)

これらのナイフの機能と技器が後代に日本に伝播され、今日剣道の母胎となったのだから、これは誰も否定しない歴史的事実である。 たとえ近代数百年間、私たちをきちんと守らないまま武を敬遠してナイフについて疎かにしながら自愧に浸漬したが、中国の「武備志に紹介された唯一の剣法である「朝鮮勢法と現存する世界最古の剣法である本國劍法は、世界剣道に大きな光がされているのである。

ある者は、剣道が日本だろうと思って白眼視したり、忌避しようと出入りこれは誤った考えである。
日本が剣道をスポーツとして開発したのは、彼らの誇りであり。 その根が私たちにあることは、私たちの誇りである。 武藝圖譜通志の24半武芸中に倭劍を特に詳細に収録した私たちの先祖たちの真意を忘れてはならない。

西洋の騎士道を代表する武術として現代のスポーツでも脚光を浴びている「フェンシング」を私たちはよく知っている。 その始まりはイタリアであり、スペイン・イギリス・フランス・ドイツなどで数百年間続い発展させ、今日に至ったが、たとえ試合用語はフランス語でされており、試合の名称も国によってESCRIME、SCHERMA、FENCINGなどでそれぞれ異なる呼称されてが、試合方式は同じだ。 そして、それらの国では、誰もが誇りを持って、国際的なルールに基づいて、それなりの技術開発をしながら一緒にこのゲームを楽しんで育てている。 振り返ってみると、現代の剣道競技が始まったのは、わずか100年余り、最初は名称も撃剣だった。 大韓帝国は日本が開発した競技方式をすぐに受け入れ軍と警察で教科として採用し、軍事訓練に適用させ、当時の私立学校でも青少年に普及、お勧めした。 私たちの先覚者たちは厳しかった時代、日帝治下でもその脈を続け、今日に至らしめたものである

(※2)
剣道王に'朝鮮刀'与えるわけは?
毎日経済(韓国語)  2009/03/09
http://news.mk.co.kr/newsRead.php?sc=30000024&cm=%EB%A0%88%EC%A0%80%C2%B7%EC%8A%A4%ED%8F%AC%EC%B8%A0%20%EC%A3%BC%EC%9A%94%EA%B8%B0%EC%82%AC&year=2009&no=144633&selFlag=&relatedcode=&wonNo=&sID=300  (リンク切れ)
(ソウル=聨合ニュース)「剣道は日本で始まったスポーツではありますが、日本だけのスポーツではありません。剣道には私たちの武技の伝統も加えられていますから、伝統を知ってもうちょっと修練しなさい、という意味で剣道王に朝鮮刀を与えるのです。」

チョン・グァンフィ(60)大韓剣道会専務は一般人が剣道に対して持っている誤解が悔しいと言った。42年間、剣道を修練して来たしソウル麻浦区で18年間、剣道道場館長として働いて来たチョン専務は「剣道=日本」とすぐに連結する考えは「正しいが同時に間違っている」とし、惜しさが滲んだ声で話始めた。「鉄砲が出てくる前、携帯可能な一番強い武器だった刀で戦うために剣道が出発しました。ですから、剣道の伝統は韓国と中国、日本で特に違わないです。ただ日本人が近代に入って剣道の防具と試合規定を作り、スポーツとするのに貢献しただけです」

防具を開発したり、安全のために刀ではなく竹刀で競うスポーツの一形態にする上で日本が他の国より少し早かっただけという説明だ。たとえ竹刀で競うスポーツでも「刀の伝統」に忠実にするために大韓剣道会とSBS主催で開かれるSBS盃全国剣道王大会の一般・大学・女性の部の優勝者には真剣が副賞で与えられる。朝鮮時代の剣に倣ったこの真剣は、刃渡り70センチ、取っ手まで合わせれば全長100センチを少し越える。重さは1千100~1千200グラム程度。

本国剣法と朝鮮勢法を修練する時に使うこの刀は価格が40万~50万ウォンだ。剣道で段位を取ろうとすれば竹刀を利用した対連のみならず新羅花郎ファラン)が修練した剣法として知られる本国剣法試験に必ず通らなければならず、この時真剣が必要だ。

チョン専務は「知らない人は我が国にどういう剣法があったのか、と問うかも知れないが、中国が明の時の茅元儀が編纂した武備志という兵法書に、我が国の朝鮮勢法が堂々と紹介されているし、正祖の時、武技書である武芸図譜通志にも新羅花郎の本国剣法が入っている」と我が国の武技伝統を強調した。彼は「このために世界で剣道をする国のうち唯一我が国だけが昇段審査の時、実技対連と筆記試験などに加えて本国剣法過程が追加で入っている」と説明した。

剣道で使う防具と竹刀もチョン前専務は日本が体系化したが、日本だけのものではないと主張した。
「防具はよろいから取ったが、刀と弓から身体を保護するという機能性を考慮すれば、日本のよろいが中国や我が国のよろいと細かい部分では違うかも知れないが、大枠ではあまり違いません」戦争で使われた刀も朝鮮と日本で特に違わなかったと言う。「刃の長さが壬辰の乱の前には我が国が60㎝で日本刀(70㎝)に比べてちょっと短かったが、倭乱後には実用性を考慮して私たちのものも平均70㎝に改変されて似たりよったりだった」と言った。

チョン専務は「日本は自国が剣道の宗主国だと考えているが、朝鮮時代の刀を作る技術者らもたくさん日本に連れて行かれて、日本に影響を与えた」と日本が必ずしも先ではないと主張した。彼はこのような理由で刀を利用した武技が変形された呼称である剣道を日本スポーツと一方的に言うことは問題と言いながら日本でなかったとしても、剣道が我が国や中国で必ず作られたはずだと確信している。

しかし我が国の剣道人口と水準の面で相変らず日本に立ち後れている。3年ごとに開かれる世界剣道選手権大会でもこれまで日本が優勝を独占し、韓国は1度しか優勝していない。チョン専務は「最近の国際大会の結果だけ見たら我が国と日本の競技力はもうほとんど同じだが、剣道人口などを比べるとまだまだ行く道は遠い」と言った。我が国の剣道国家代表選手は来る8月、ブラジル・サンパウロで開かれる第14回世界剣道選手権大会で日本を破って世界の頂点に上がるために今月から刀を磨き始めた。