さて、本日はタイトルにもあるように決断する事を苦手とする韓国の傾向について書いていきます。
現在の韓国を巡る情勢を観察していると、彼らにとある特徴がある事が解る。
それは「決断すべきときに決断しない」「要求ばかりしている」というもので、これは以前にも紹介した韓国社会独特の考え方、「責任は負うものではなく負わせるもの」「良い結果は自分達のお陰、悪い結果は他人のせい」が深く関係している。
この傾向から、韓国社会では重要な決断ほど他者に判断を依存する事例が多く、結果的にTHAAD問題のように先送りに先送りを重ね、最終的に外部から判断を迫られて渋々従うという状況になることが多い。
また、このことには日本も無関係ではなく、20世紀以降日本は朝鮮がすべき決断や負うべき責任を肩代わりしてきたという経緯があり、この事が現在の韓国のトラブルの原因と一つとなっているうえに、日本にも多大な負担を強いることになっているため、この部分は特に早急に変えていかないといけない。
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1:全てが他人任せ
まずはこちらの記事から
光復節:朴大統領、韓国を卑下する社会風潮に警鐘
朝鮮日報 2016/08/16
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/08/16/2016081600760.html
(インターネットアーカイブ)
https://web.archive.org/web/20160816124936/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/08/16/2016081600760.html
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は15日、今年で71回目を迎える光復節(日本の植民地支配からの解放を記念する日)記念式典での演説で、最近韓国国内で広がる自国を卑下する考え方を克服するよう国民に呼びかけた。「地獄のような国」という意味の「ヘル朝鮮」という言葉や、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備と関連して中国の圧力を恐れる勢力などを朴大統領は特に意識したようだ。
朴大統領は演説で日本との関係について「未来志向的な関係へと新たに築かねばならない」と短く言及し、北朝鮮に対しても離散家族再会行事など特別な提案は行わなかった。ただその一方で国内問題や自国への誇り、あるいは国民団結の呼びかけなどには多くの時間を割いた。
たとえば朴大統領は「いつしか韓国国内では大韓民国を否定的に捉える間違った風潮が広がりつつある」「この国の偉大な現代史を否定し、世界がうらやむわが国を住みにくい国などと卑下する新造語も広がっている」などと指摘。その上で「自己卑下や悲観、不信や憎悪は決して変化や発展の原動力にはなり得ない」「大韓民国発展の原動力だったチャレンジ精神、進取と肯定の精神を改めて生かさねばならない」「『やればできる』という勇気と自信を持ち、共に突き進む共同体意識を持って努力すれば、われわれは絶対にできる」などと訴えた。
朴大統領は「われわれは誰もが偉大な『大韓国人』であることを胸に深く刻み、力を合わせて希望に満ちた未来へ向け進んでいこう」という言葉で演説を締めくくった。大統領府の関係者は「朴大統領が言及した内容は、THAAD配備をめぐる韓国国内での対立や、THAADに反発する中国からの経済報復について、われわれ自身が最初から決めつけて心配している状況を念頭に置いたものだ」「われわれが自分から早合点して萎縮するのではなく、自信を持って堂々と事に臨むよう呼びかけるメッセージが込められていた」などとコメントした。朴大統領は韓国国内でTHAADをめぐる中国からの報復がやたら取り上げられる現状について「国民は自信を失っているのではないか」と懸念しているとも伝えられている。
朴大統領はTHAAD配備問題を含む東北アジアの安全保障問題について「強大国の力学によってわれわれの運命が決まるという被害者意識や悲観的な考え方を捨てなければならない」「われわれが韓半島(朝鮮半島)と東北アジアの平和と安定の主役であるという責任感を持ち、周辺国との関係は能動的かつ互恵的なものへと導いていかねばならない」などと述べた。これについて大統領府の関係者は「われわれ自らが誇りと自信を持たねばならないという演説の趣旨の延長線上で語られた言葉だ」「大統領自らも韓国の安全保障に向けた自衛的措置を進め、中国の反発に萎縮せず、堂々と対応する意志を国民に示した」などとコメントした。
記事中の朴大統領の演説に特定の傾向がある事に気付いたでしょうか。
それは、他者に対して「こうすべき」と要求をしたり、或いは「自身がこれだけの事をした」と自賛しているだけで、決して「これから自分がこうしていく」「一緒にやっていこう」などの能動的な部分が何も無いのです。
これは朴大統領が特殊なのではなく、韓国の歴代大統領による演説はほぼ全てこのように「他者に要求するだけ」の内容ばかりです。
日本人の感覚からすると「リーダシップが全く無い」ように見えますが、韓国社会では「常に自分は正しい事をしている」との前提で思考し、また正しさが「序列」で決まる傾向にある事から、「自分は正しい事をしているのに他のせいでこんな事になっているのだ」との発想で、大統領演説が「要求するだけ」になるわけです。
また更に興味深いのが、このニュースを報じた東亜日報の記事で、そもそも「ヘル朝鮮」という呼称が登場した原因には韓国社会全体に責任があるわけですから、特定の誰かの責任ではなく「全員が負うべき」で「変えていくべき」はずなのですが、以下の記事では「要求するだけ」の朴大統領に更に「要求しているだけ」なのです。
[社説]「ヘル朝鮮」を批判した朴大統領、自負心を持たせるリーダーシップを示すべきだ 東亜日報 August. 16, 2016
このように、韓国においては「他者に対して要求する」という行為のみが行われるケースが多く、そのためTHAAD問題や慰安婦合意など、必ず自分達が「決断」しなければいけない事では判断ができなくなり、先延ばしに先延ばしを繰り返し最終的に外部から決断を迫られるというパターンが頻繁に発生します。
そしてこれもまた、最近今回紹介したような傾向になったわけではなく、以前「韓国は歴史から何も学ぶことができない」で書いたように、朝鮮では昔から重要な決断を迫られるほど決断をしないのが彼らの社会では当たり前だったのです。
2・困ったら他者に丸投げ
上記のように、とにかく彼らは「自身で判断をする」という行為を積極的に行わない傾向にあり、にも関わらず最近韓国は「中国の属国に戻りたくない」という論調があちらこちらで見かけられ、「今まで属国であった事実を否定して、外国の教科書にまでクレームをいれていたのにどうした」と突っ込みを入れたくなる状況になっています。
(※この変節自体は、以前も書いたように単に彼らの価値観では整合性が重要視されず、「そのときの感情」が最も重要視されるからであり、私達のように根拠というブロックを積み重ねて正しさという柱を形成するのではなく、根拠とは正しさという1本の柱に書かれた文字でしかないからです。つまり、都合が悪くなれば柱に書かれた文字を書き換えれば良いとの発想です。)
彼らの社会では一貫性や整合性は重要ではないので、これそのものは別段珍しくも無いのですが、今回重要なのはただ韓国云々ではなく、歴史上朝鮮が必ずどこかの国に従属し続けた背景には、土地の問題以外に「決断しないがために他国の都合に振り回される」という原因もあるのです。
現在の韓国も、外交上の決断を先延ばしにするからこそ他国から決断を迫られ、日米中露の国益の狭間で振り回され続けています。
また、このような状況になるのには他にも原因があり、彼らは問題が発生し決断を迫られる状況になると、自身は窮状を訴えるだけで他の権威の力を借りて問題を解決しようとする傾向にあります。
以前も書いたように、日清戦争はその安易な判断で清国の軍隊を国に入れたがために、日本との国益がぶつかり発生したわけですし、日露戦争やハーグ密使事件も状況は同じです。
結局は、自分達で決断し解決しなければいけないことを他国に頼るから、他国の国益に振り回されるというわけです。
しかし韓国では、今でも「全く同じ発想」を繰り返しています。
例えば以下の3つの事例
THAAD配備先の住民 ローマ法王などに撤回要求へ KBS WORLD Radio 2016-07-30
「THAAD配備撤回」ホワイトハウス請願オンライン、10万人署名が目前に ハンギョレ新聞 2016.08.08
(※1)
ドイツで'生きている少女像'デモ...あるドイツ青年の要請 Ohmy News(韓国語) 16.08.14
そもそもTHAADの問題をローマ法王に訴えたところで、ローマ法王には何の関係もありませんしどうにかできるわけでもありません。
また、アメリカは「(判断を迫ったとはいえ)韓国政府が設置許可を出した」わけですから、やはり訴える先としてはお門違いです。
また他にも、「中国がだめなら今度はロシアだ」という発想まで出てきています。
【コラム】プーチン露大統領の韓国ラブコール 中央日報 2016年08月10日
慰安婦像の件にいたっては説明するまでもないでしょうが、慰安婦問題は日韓の間で話し合われた問題なのですから、ドイツで慰安婦合意の反対デモを行ったところで当然何の意味もありませんし、ロシアの件では近付いても中国にされたのと同じ扱いを受けるだけです。
ただし、このように判断するのはあくまで私達が根拠や整合性・一貫性を重視する価値観を有しているからであり、上記よりも「そのときの感情」や「(現実を超越した)かくあるべき姿」を重視する韓国社会に対しては、この常識が通用しません。
なぜならこれも以前書きましたが、彼らには「相手は自分達の気持ちや事情を察して思いやらなければいけない」とする一方通行の価値観「易地思之」の概念があり、彼らは決断を先送りした結果苦しい状況に追い込まれると、「正しい事をしている自分達は他者から助けられて当然である」と考えるからです。
発想の根元が私達とは異なるので、同じ物事でも全く異なる反応になるわけです。
3:日本はどう対応すべきか
今回書いたように、韓国では何か起きれば他者に要求だけ行い、自らが決断をしなければいけない状況であるほど決断を先延ばしにし、決断を迫られると他者に頼ろうとする行為が「当たり前」となっています。
そして現在韓国は「日本との関係修復を急ぐべきだ」との論調が強まっています。
韓経:【社説】朴大統領訪日など対日外交の正常化に出る時だ=韓国 韓国経済新聞/中央日報 2016年08月16日
[社説]日本と和解して韓米日協力強化で安保を強化するべき時だ 東亜日報 August. 15, 2016
これは要するに、曖昧な態度ばかり取り続けた結果アメリカの信用を失い、中国からは露骨に脅迫を受けて身動きが取れなくなったため、「困っている韓国を日本は助けるべきだ」との「易地思之」が働いた結果です。
ここで問題となるのが、19世紀末から日本が朝鮮(=韓国)に取り続けてきた態度です。
日清・日露戦争は、要するに決断をせず責任も負おうとしない朝鮮の態度が、日本の国益を脅かす事態を招いた結果戦争をせざるを得なくなった背景があり、そこには日本政府の「自分達の常識が朝鮮にも通じる」との判断ミスがありました。
(ただこの判断は仕方が無かった部分もあります。国際的に見ても、国や民族の単位でそれぞれに異なる常識があるとの共通認識が、そもそも当時の世界に無かったからです。)
そしてその後の日韓併合とは、見方を変えると「責任を負わず決断もしない朝鮮」の代わりに、日本が朝鮮の責任と決断を請け負ったとも表現できるのです。
この関係は韓国が独立してからも続き、日韓の関係とは「韓国側から日本への提案や要求を、日本が提案や要求した事にして実行する」、韓国が国際社会の一員になれるよう日本がフォロー(インフラ整備や官僚の育成、技術指導など)するというかなり特殊な関係が続いてきました。
近年の事例では、日韓通貨スワップ協定がこれに当たります。
韓国との通貨スワップは日本にとって全くといっていいほどメリットがありませんが、協定は事実上「日本側から韓国に提案して締結された」との形がとられたのです。
そして現在、韓国は日本に対して「同じ役割」を望んでいます。
通貨スワップなどの経済面での支援と、対中国での韓国に対する盾としての役割、アメリカとの間を取り持つパイプ役が主な理由でしょう。
しかし、これをやってしまっては結局これまで日韓の間で発生してきた問題をただ無駄に繰り返すだけにしかなりません。
これからの日本は、韓国からの「要求」に答えず、全て韓国が自身の責任を負い、韓国が自力で決断をするよう官であれ民であれ促していかないといけないのです。
これに関して、「韓国が決断や責任を負う行為をできるようになったら、逆に反日国家として手ごわくなるのではないか」と考える人もいるでしょうが、仮にそうなったとしてもそれはそれでいいのです。
なぜなら少なくとも現在までのように、殆ど自爆に近い形で日本を巻き込んでトラブルを起こすとか、国際社会から日本が韓国の後見人のように扱われるといった「不必要な負担」をする必要がなくなり、一般的な国と国との関係で対応できるようになるからです。
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(※1)
ドイツで'生きている少女像'デモ...あるドイツ青年の要請
ohmy News(韓国語) 16.08.14
http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002235370&PAGE_CD=N0002&BLCK_NO=&CMPT_CD=M0142
今月13日(現地時間)、ドイツベルリンでは韓日慰安婦合意無効のための特別なデモが広がった。合計15の日本慰安婦被害国を象徴する「生きている少女像」パフォーマンスがベルリン・ブランデンブルク門の前で進行されたのだ。
何秒でも静かに立っているのが難しいほど熱い太陽の光が照りつける中、「生きている少女像」として直接参加した人々は韓国人だけではなかった。ベトナム、日本人など多様な国籍の人々が'韓日慰安婦合意無効'のために通りに出た。日陰がまったくない席に座る「生きている少女像」を見るだけでも彼らの強い意志が感じられた。
この行事が進行される間、傍らで人々の署名を受けていたドイツ人ソレン氏は「国際市民が慰安婦合意無効の意志を韓国政府に伝えるために今、署名運動をしています」と話した。引き続き「署名に参加した人々は慰安婦問題について高い関心を見せ、韓日慰安婦合意について多くの質問をしている」と伝えた。
韓国慰安婦女性たちの白黒写真プラカードを持つドイツ人バーバラさんは古くからの韓国人の友人を通じて韓日慰安婦問題を知ることになったのが、今日、この場に出てきた重要な契機だったと明らかにした。彼女は「日本慰安婦による被害女性の苦痛と暗い側面は現在でも常に重く話されなければならない問題です」といい、15カ国の慰安婦被害国家の女性犠牲者数を必ず記憶して欲しいという要請の話を付け加えた。
今回の「生きている少女像」デモが持つ特別な意味は慰安婦問題が韓国と日本に限定された問題ではないということを見せた点だ。日本のアジア、太平洋戦争犯罪当時の様々な国家で戦時性暴行が発生したとことを強調し、多様な国籍の女性たちが今回の'生きている少女像'デモに連帯した。
慰安婦問題当事国の韓国団体だけでなく、日本女性イニシアチブ、勇気キム・ハクスン-アジア太平洋地域の和解団体、コリア協議会、独日平和フォーラム、在独女性の会、東アジア布教協会(DOAM)などの主催で進行された。また、アムネスティーインターナショナル日本協力グループ、ベルリン女性ネットワーク、ドイツ東アジア人道主義イニシティブ、太平洋情報案内所、アジアハウス財団などの多様な国際市民団体が韓日慰安婦合意無効デモに後援を通じて力を与えた。
在独女性の会のアン・チャジョさんは91年度、キム・ハクスン慰安婦被害者ハルモニムの被害事実公開後、ベルリンで毎年慰安婦問題解決のためにデモをしてきたとし「韓国の慰安婦被害者ハルモニが一人また一人亡くなられることにとても心が痛む。」として今後も慰安婦問題解決のためにずっとデモをすると明らかにした。ドイツベルリン国立オペラ合唱団で活動中であるモク・ジンハク氏も今回の席で鬼郷の挿入曲'カシリ'を歌って慰安婦合意に対する苦しい心を伝えた。「慰安婦ハルモニらの意見が無視された韓日慰安婦合意は政治後進国であることを証明すること」と付け加えた。