日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

非常に「韓国的」な主観的思考


さて、本日は韓国における密漁問題を中心に、韓国特有の主観的な思考方法について書いていきます。


ここ数年、韓国では中国からの密漁漁船問題に悩まされており、先日も中国漁船が北朝鮮と韓国との北方限界線(NLL)付近で密漁を繰り返し、韓国の漁師が密漁中国人を独自に「摘発」するという事態にまでなっている。


この事件によって、現在韓国では密漁問題が社会的に大きな話題となっているが、実は韓国側も日本に対して密漁を繰り返しており、しかも過去には摘発しようとする日本の海保を韓国の海上警察が「妨害」した事例まである。


私たちの発想だと、「韓国も中国による密漁問題に悩まされているのだから、日本の立場も理解できるのではないか」と考えるだろうが、それはあくまで日本的価値観でしかなく、韓国的な主観的「正しさ」の発想では、あくまで「自分達が困っている」との視点のみであり、日本との間の事で後ろめたさなどを感じる事はない。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはインターネットアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:韓国と密漁問題


まずはこちらの記事から

【時視各角】ワタリガニ習近平=韓国(1)(2)
2016年06月17日08時36分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/041/217041.html
http://japanese.joins.com/article/042/217042.html

他人の家の垣根を乗り越えて物をかすめとることを盗みという。韓国の西海(ソヘ、黄海)に群れで押し寄せてきてワタリガニをはじめ各種の魚類資源の種を絶やす一部の中国の漁師たちの行動は、盗みだ。領土の侵犯者たちは荒っぽくて乱暴な上に韓国の公権力を恐れない。

彼らによって米国と匹敵するほどに成長した中国の地位が崩れている。中国には法と市場秩序を守っていては暮らせない人民がそんなに多いのか。最近、南米やアフリカ海岸、東南アジア各国の近海で中国漁船が撃沈されたり拿捕されたりした。F-16戦闘機が発進し、機関銃を搭載した監視船が披露された。すべて五星紅旗を掲げた海の盗賊たちを捕まえるためだ。

西海の無法者のために、韓国の漁師たちは血の涙を流している。一昨日に電話した延坪島ヨンピョンド)の漁村契長のパク・テウォン氏(56)は「今日、山に登って肉眼で数えてみたら1.5キロ先の北方限界線(NLL)上に中国漁船26隻が軍団のように集まっている」「中国船が韓国海域を24時間出たり入ったりしながらワタリガニを一気にさらっていっても海洋警察はまともに取り締まりができない」と話した。海洋警察は海軍の統制を受けている。海軍は北朝鮮軍との衝突を憂慮して海洋警察のNLLへの接近を食い止めている。違法船団は、韓国海軍と海洋警察の微妙な隙間にまで食い込んで西海の漁場を蹂躪している。

海軍は延坪島韓国漁船の操業時間と操業区域を厳格に制限している。国民の生命の保護が名分だが、生活の拠り所が根こそぎ奪われる漁民の現実は苦痛なだけだ。パク・テウォン漁村契長は「中国のワタリガニ漁船は18年前から登場したが、今年ほど荒っぽくて大胆なことはなかった。私たちの家に入ってきた泥棒が思う存分に暗躍している一方、主人のほうは手足が縛られているようなもの」とため息をついた。

10日前パク氏の同僚が違法操業船を直接拿捕したのも中国が悪いが、韓国政府も我々の側ではないという二重の絶望感のためだった。彼は「350世代が仕事をする延坪島ワタリガニ漁船の売り上げが昨年6億ウォンから今年2億5000万ウォンに大きく落ちた」と話した。
(中略)
この頃タクシーに乗ればソウルの運転手は「なぜ私たちはアルゼンチンのように領海の侵犯漁船を撃沈させないのか」と興奮する。無法非道をしながら恥を知らない一部の中国人の様子に韓国人の疲労感が積み重なりつつあるという信号だ。
(後略)


関連記事
中国漁船の違法操業が激増 強硬対応強いられる被害国 聨合ニュース 2016/06/13
中国漁船また違法操業 韓国当局が取り締まり再開 聨合ニュース 2016/06/14



記事にもあるように、現在韓国は中国漁船による密漁問題に悩まされており、特に最近の中国漁船は北朝鮮との北方限界線(NLL)を行き来し、摘発されそうになると北朝鮮側へと逃げて行くためどんどん被害が大きくなるという状況になっています。


漢江河口で違法操業する中国漁船団、韓国は傍観 朝鮮日報 2016/05/13


そしてその事は韓国の側の漁獲量にも大きなダメージを与え、漁師たちの収入が激減している事から、記事にもあるように密漁中国漁船のことを「盗賊」にたとえて非難しており、現在の韓国で非常に大きな問題となっているのです。


最初に引用した中央日報の記事で「盗賊」と書いているのももっともであり、中国側のやっていることは明確な犯罪行為なうえに、問題解決のために積極的に動かない中国政府にも責任の一端があるのは明白です。


しかしこれはあくまで「この事例だけを見れば」です。


実際のところはどうなのかといえば、韓国漁船が日本の排他的経済水域EEZ)内で殆ど中国と同じような事をやっており、しかもそれは韓国と中国の間で密漁が問題になるはるか昔から問題になっているにもかかわらず、韓国側がまともに対応しないため今でも問題になっているのです。


韓国漁船の拿捕、過去最多 摘発逃れ巧妙化 朝日新聞 2003年11月25日
日本のEEZで済州船籍漁船拿捕 朝鮮日報 2015/02/09


しかも問題はそれだけではなく、韓国側は過去何度かこの韓国密漁漁船に対する海保の摘発を韓国の公的機関である海洋警察が文字通り「妨害」したことがあり、2005年6月には海保の船が密漁船を追跡したところ、韓国海上警察が駆けつけ密漁船を庇い数時間にも及び「対峙」し続けるという事態になった事まであります。


韓日海上警察が公海上で対立 中央日報 2005年06月01日


しかもこのとき、韓国漁船は臨検しようと乗船した海保の職員を乗せたまま逃走を図っており、これだけでも大問題なのですが、追い詰められた漁船は韓国の海上警察に助けを求め、海上警察は求めに応じて現場に現れ「(日本側が)曳航して取り調べる事は受け入れる事ができない」という理由で妨害したのです。


そしてこれは当然の事ですが外交問題にまで発展、最終的に「外交上の解決」によって密漁船の船長が罰金を支払う事で解決しました。
ちなみにこの後この事件に関わった海上警察の職員たちは韓国で表彰されています。


(2)我が国の排他的経済水域における不法操業 海上保安庁

(※1)
【韓日の海上対峙】蔚山海警30人を表彰へ 朝鮮日報 2005/06/03 (リンク切れ)


そしてこれで終わりではなく、2014年にもこの時ほど大きな問題にはなりませんでしたが、同じように海保と韓国海上警察が海上で対峙するという事態が発生しています。


(※2)
日本EEZ侵犯、韓国漁船めぐり、韓日、海洋警察の艦艇が対峙中 NEWSis(韓国語) 2014-12-25


要するに韓国側は、国を挙げて中国の密漁船団と全く同じことをやっているのです。


そして中国の密漁船問題では自国を「被害国」として中国政府の責任を追及していますが、日本に対する韓国密漁船問題では、これだけ社会で密漁が話題になっても「わが身を振り返る」ことを一切していません。


中国漁船の違法操業が激増 強硬対応強いられる被害国 聨合ニュース 2016/06/13


日本人的発想だと、「人の振り見て我が振り直せ」との発想がありますから、韓国側のこの態度はあまりにも不可解です。


2:韓国独特の主観視点


国際社会において、自国に非があっても「非を把握した上で」自国の国益になるよう動くという事例は、それが良い悪いは別にして良くあることです。
(この辺りの発想が日本人は弱いように見えます)


しかしその場合には、自国に非があることを把握した上でそれでもごり押しをしたり強弁したりするというパターンが通常なのですが、今回取り上げた韓国の態度はそれとは明らかに異なります。


どう違うのかといえば、彼らは客観的視点が発想としてそもそも存在していないので、問題を見る視点が「自身(ウリ)が困っているかどうか」であり、問題意識の発想そのものが私たちとは異なるからです。


中国による密漁問題では自国の漁師が困っているからこそ問題なのであり、韓国漁船による日本での密漁問題でも「自国の漁師が困っている」から問題なのであって、密漁行為そのものが問題なのではないという事です。


この彼らの発想は、去年日韓の間であった漁業指導取締実務協議から見て取れます。


この協議において、韓国側は「日本の水域で韓国漁船に対する夜間臨検など無理な取り締まりを自制するよう求めた」という背景があり、その理由として韓国漁船は小型のものが多く一隻一隻の漁獲量が少ないのだから、多少の申告漏れ(誤差)でも摘発するのは不当であるとしているのです。


韓国と日本 漁業指導取締実務協議を開催 朝鮮日報 2015/05/11
韓国漁船を日本当局が拿捕 漁獲量過少申告の疑い 朝鮮日報 2015/04/26


しかし実際には、申告漏れや過少申告は場合によっては漁獲量を半分しか申告しない場合すらあり、韓国側は日本のEEZ内で漁業資源保護をまるで無視した違法操業を繰り返しているのです。


そもそも漁獲量の制限は漁業資源保護の目的で行っているのであって、本来は規定の量より多く獲れば数値がどうであれ問題は問題ですから、彼らの主張は言い訳にすらなっていません。


タチウオ乱獲、韓国漁船のデタラメ申告…日本側EEZでやりたい放題、拿捕続出の背景 産経新聞 2015.4.3 (1/4ページ) (2/4ページ) (3/4ページ) (4/4ページ


韓国側のやっていることは本質的に中国が韓国でやっていることと「客観的に」は変わらないのですが、韓国的価値観ではそもそも客観的視点が存在していないためその発想そのものがなく、問題意識はあくまで「自身が困っているかどうか」である事がよくわかります。


つまり、韓国的発想ではこの問題において非があるのは日本側であり、韓国の漁師は被害者という発想なのです。


非があると解ったうえで強弁やごり押しをするのではなく、根本的に自分達に非があるという発想そのものがなく、「自分達がこんなに困っているのに相手が酷いことをしている」との発想が根底にあるのです。


ですので、韓国内で中国漁船の密漁問題が大きく話題に上がっても、日本における韓国漁船の問題はそもそも問題にもならず「わが身を振り返る」という発想にも至らないわけです。


3:常識の違いを知ったうえで対応する


今回書いたように、韓国的な発想とは単に主観でものを考えるというだけでなく、その発想そのものが非常に独特であり、根本に「客観的視点」そのものが存在せず、日本人的価値観から見ると非常識極まりないですが、それが彼らの常識なのです。


そして問題なのは、この事を把握せずに日本的発想で韓国側の言い分を解釈し、「どっちもどっち」とか「韓国側はそう信じているのだから」等とバランスを保とうとする人々が日本に存在している事です。


これなのですが、日本的な価値観の発想だとそれはあくまで「角が立たないようにバランスを取る」という意味になるのですが、「どちらが上か下か」という序列を常に意識している韓国的価値観だとまるで異なる解釈になります。


彼らの解釈では、「日本側が非を認めた」或いは「弱さを認めた」という発想になるのです。


以前から書いていますが、韓国社会では自分の意見を押し通せるのは相手よりも立場が上であるからであり、相手の意見を受け入れるのは「立場が下の弱い相手である」との発想になります。


つまり、韓国的な主観の発想で「自分達がこんなに困っているのだ」と主張をしているところに、日本人が「韓国側にも言い分がある」とバランスを取ろうとする言動は、双方に非があるとの発想にはならず、「日本側が非を認めた」という発想になるのです。


日本人同士ではそれでうまくいく場合があっても、根本から価値観や発想が異なる韓国人に同じことをすれば当然の事ですが解釈の違いから問題が余計に拗れることになるわけです。


特に今回の漁業問題のような事例でこの日本人的発想をすると、日本海側で操業する漁師さん達が直接的な被害を受ける事になるのですから問題は深刻です。
韓国的発想では、「どっちもどっち論」は韓国側による密漁や過少申告に日本側がお墨付きを与えているようなものなのですから。


要するに、韓国に対してはむしろ「(日本的発想における)角を立てたほうが良い=ずけずけと自分の言い分を訴えたほうが上手くいく」のです。
勿論、それは「暴言を吐いても良い」とは違いますので、その辺りはわきまえないといけませんが。



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(※1)
【韓日の海上対峙】蔚山海警30人を表彰へ
朝鮮日報 2005/06/03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2005/06/03/20050603000045.html (リンク切れ)

今月1日から蔚山(ウルサン)の沖合いで2日間にわたって展開された韓日警備艇の対峙事態と関連し、蔚山海警所属の警察官20人と機動隊 10人の計30人が、海洋警察庁長の表彰を受ける。

 蔚山海警は3日、「事態の初期、蔚山海警警備艇の速やかな対応により、韓国漁民と船を守ることができた。また、韓日間の長期間にわたる海上対置の状況の中、国の自尊心を守った功労を認め海洋警察庁長が表彰者選定を指示した」と明らかにした。

 海洋警察で、1か所から30人がいっぺんに表彰を受けることは異例のことだ。

 李承栽(イ・スンジェ)海洋警察庁長は今月8日、蔚山海警を訪れ職員らを激励し、直接表彰状を渡す予定だ。


(※2)
日本EEZ侵犯、韓国漁船めぐり、韓日、海洋警察の艦艇が対峙中
NEWSis(韓国語) 2014-12-25
http://news.naver.com/main/ranking/read.nhn?mid=etc&sid1=111&rankingType=popular_day&oid=003&aid=0006271674&date=20141225&type=0&rankingSeq=3&rankingSectionId=102

日本の排他的経済水域EEZ)を侵犯した韓国漁船日本海上警察が拿捕しようとしたところ、私たちの海上警察が共同調査を要求して対峙している。

25日、釜山海洋警備安全署によると、同日午前9時51分頃、釜山生島南東15マイルの海上浦項船籍イカ釣り漁船A号(27t·乗船員4人)が日本の海上保安庁巡視艇の追撃を受けているという通報が受け付けられた。

通報を受けた釜山海洋警備安全署は1501艦など艦艇3隻の状況対策チームを現場に派遣した。

現在、日本巡視艇2隻と私たちの海上警察艦艇3隻がA号を巡って対峙する状況が起きている。

日本の海上保安庁はA号が日本側EEZを0.8マイルほど侵犯し、検問に応じず、逃走したと主張した。 A号を拿捕して調査するという立場である。

これ釜山海洋警備安全署はA号のEEZ侵犯経緯、不法操業なのかどうかなどを共同で調査しようと日本の海上保安庁に要求している。