日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

日本のメディアと韓国側の利害は必ずしも一致しない


さて、今回はタイトルにもある通りなのですが、今回言及する日本のメディアとは韓国人が良心的日本人と呼ぶ日韓友好論者のうち、北朝鮮が日本人拉致を認める前までは公然と親北朝鮮の態度を取っていたメディアが中心となります。


日本のメディアの報道姿勢を見ていると、特にテレビ局は韓国政府の意向にならば何でも従っているように見えるが、実は元々日本のメディアの多くは在日韓国人系の民潭や、在日朝鮮人系(実質的な北朝鮮系)の朝鮮総連の意向に従っているだけの場合が殆どとなっている。


特にテレビ局の場合には、全体的に朝鮮総連との繋がりが非常に強い傾向にあり、総連の意向を汲んで報道等を行う場合が多く、朝鮮総連北朝鮮と密接な関係にあるため実は日本のこの手のメディアは韓国内の親北派以外とは本来相容れない者同士となっている。


そのため、一見すると日本のメディアは韓国政府のプロパガンダをただ垂れ流すような報道をしているだけに見えるが、実は特に最近双方の認識や利害に食い違いが出始めている。



※一部を除き、引用記事が日本語の場合には文中にリンク用アドレスとタイトルのみ表記、韓国語のものやリンク切れで参照不能な記事のみ文末にまとめて本文を引用します。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。



1:朝鮮学校北朝鮮系)がなくなって欲しい韓国


まずは少々長い引用になりますが、興味深い事が書いてある朝鮮日報の記事から。


在日コリアン「韓国語を学ばせるには朝鮮学校へ入れるしか…」
朝鮮日報 2016/03/27
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/25/2016032501977.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/25/2016032501977_2.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/25/2016032501977_3.html

インターネットアーカイブ
http://web.archive.org/web/20160327031651/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/25/2016032501977.html
http://web.archive.org/web/20160327031834/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/25/2016032501977_2.html
http://web.archive.org/web/20160328091349/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/25/2016032501977_3.html

【特集】骨と皮だけの朝鮮総連(下)
朝鮮学校の教室は「ミニ北朝鮮
金日成金正日父子の肖像画掲げ韓国の成長を過小評価
民団系の学校は日本にわずか4校、韓国語教育は不十分
専門家「朝鮮学校に代わる韓国語教育システムの整備を」

子どもたちは明るかった。知らない大人とすれ違っても礼儀正しく頭を下げ、皆で集まって大学進学の話や最近人気の韓国映画『東柱』の話をしていた。だが、この子たちが通っているのは決してありふれた学校ではない。各教室の正面に故・金日成(キム・イルソン)主席と故・金正日キム・ジョンイル)総書記の肖像画が掲げられ、校長は金日成主席、金正日総書記、金正恩キム・ジョンウン)第1書記の親子3代を「主席様、将軍様、元帥様」と呼んだ。金総書記の誕生日である「光明節」記念ポスターと「米国帝国を打ちのめそう」というスローガンがあちこちに掲示されていた。

 本紙取材チームが訪れた東京朝鮮中高級学校(東京都北区)は、まさに日本の中の「ミニ北朝鮮」だった。日本で生まれ育った在日同胞(在日韓国・朝鮮人)の10代が2016年3月、東京中心部で「朝鮮労働党の末端基層組織は党細胞」などと書かれた教科書で学んでいた。女子生徒は民族衣装の黒いチマチョゴリ、男子生徒は日本で一般的な黒い学生服を着ていた。

 1955年に結成された在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)の加入者(または影響下にある人)が全盛期の53万人から今や8万人に減少したが、朝鮮総連系の朝鮮学校も同じ道をたどった。朝鮮学校は、75年には日本全国に161校あったが、今では68校に減っている。生徒数も同期間に4万6000人から6000人台に減少した。

 だからといって、朝鮮学校を見くびったり不憫(ふびん)に思ったりするのは間違っていると言う韓国政府や在日本大韓民国民団(民団)の関係者、在日同胞研究者は多い。朝鮮総連朝鮮学校のおかげで同胞社会に深く根を下ろすことができ、今も朝鮮学校が総連の最後の支えになっているというのだ。韓国人が同窓会を開くのと同じように、各朝鮮学校の卒業生も同窓で集まっており、朝鮮学校のネットワークから外されれば同胞社会で足場を築くのは難しい。
(中略)
一方、金日成主席の死亡には全145ページのうち4ページを割き「国中が血の涙につかった」「国連事務総長が『歴史に永遠に残る偉人』という声明を出した」「敬愛する将軍様金正日総書記)が人民たちの心情をくんで哀悼期間を延長した」などと教えている。

 朝鮮総連関係者の家庭に生まれ、朝鮮学校を卒業した30代の男性は「ずっとこんな風に習ってきたので、子どものころはサンタクロースに会いたがるように金日成に会いたいと思っていた」と語る。幻想が崩れ去ったのは高3のときだった。総連系の朝鮮大学校ではなく日本の大学に進学したいと伝えると、教師に「おまえは反逆者だ」などと罵倒されたという。「たかが大学で『反逆者』呼ばわりされて耐え難かった」と振り返る。男性は結局、日本の大学に進学して専門職に就き、韓国籍を昨年取得した。
(中略)
北朝鮮は1955年から最近までに総額460億円を超える資金を朝鮮学校に支援した。取材中に会った同胞の中には「朝鮮学校に問題が多いことは私たちも知っているが、韓国は何をしてくれたのか」と憤る人もいた。朝鮮大学校で教員を務めた朴斗鎮(パク・トゥジン)コリア国際研究所長(75)は「本当にもどかしい。最近は一部の韓国市民団体が朝鮮学校のための募金活動をしている。過去の政権では韓国政府が国民の税金で支援金を出したことさえある。そこで何を教えているのか、分かってやっているのだろうか」と語った。その上で、在日同胞が韓国に望むのは朝鮮学校の支援ではなく、朝鮮学校に代わる韓国語教育システムの整備だと指摘した。

関連記事
全盛期の53万人から今や8万人に、弱体化する朝鮮総連 朝鮮日報 2016/03/26
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この記事で注目すべきは、韓国政府に最も近しい位置にあり韓国最大の新聞社である朝鮮日報が、日本にある朝鮮総連系の朝鮮学校を取材し、内部でどのような教育が行われているのかや、朝鮮総連朝鮮学校の深いつながりについてなど、かなり詳しく書いていることです。


以前から書いているように、韓国政府の学校教育の方針に関しても日本人の常識からは到底許容できない価値観や民族主義に基く内容がある事は間違いないですが、北朝鮮系の朝鮮学校にはそれとはまた別ベクトルの問題が存在している事が解ります。


そして重要なのは、朝鮮総連朝鮮学校、またはその支持者達はもう何年も前から「金一族に対する個人崇拝や、北朝鮮を賛美するような内容はもう存在しておらず、朝鮮総連の直接支配も改善されている」と主張していることです。


要するにこの取材から解るのは、総連やその支持者達は明らかに嘘をついているという事です。


また、朝鮮総連も「自分達は北朝鮮とは直接関係が無い」と主張していますが、実際にはつい最近詐欺で逮捕された朝鮮大学の副学長に対する捜査の過程で、この人物が北朝鮮の工作機関「225局」の指示で活動する工作員であった事まで判明しています。


朝鮮大学校元副学長 詐欺容疑で逮捕 北朝鮮の工作に関与か NHK 2016年2月2日


しかもこの手の在日朝鮮人系の工作員達は、日本に対する政治工作は勿論の事、日本を中継地として韓国における親北派の支援や工作なども手がけていた事が判明しており、事実上北朝鮮系の民族学校北朝鮮が韓国へ行う政治工作の拠点となっていたわけです。


大手を振って日本に出入国…今なお「工作員天国」とは 論説委員長・石井聡 産経新聞 2016.2.9
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北朝鮮が日本国内から韓国内の工作員を操っていた! 明かされた情報機関「225局」活動の一端とは 産経新聞 2016.2.11
1/4ページ)(2/4ページ)(3/4ページ)(4/4ページ


また2003年には、米上院政府活動委員会で開かれた公聴会において、亡命した元北朝鮮高官や技師らが「(弾道ミサイルの)部品が朝鮮総連を通じ北朝鮮と日本を結ぶ貨客船、万景峰号によって3カ月ごとに運ばれていた」と証言しており、朝鮮総連が北の核とも密接な繋がりがあった事が判明しています。


(※1)
総連が万景峰号で密輸 北朝鮮のミサイル部品 共同通信/goo 2003年05月21日(リンク切れ)


また更には、日本の自治体から朝鮮学校へと支給された補助金を総連が度々「活動費」として流用していたという事実まで判明しているのです。


朝鮮学校補助金「総連が流用」 元幹部が告発 数千万円単位で度々抜き出す 産経新聞 2011.11.18
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つまり話を総合すると、日本国内にある朝鮮学校北朝鮮工作員の隠れ蓑として機能し、日本だけでなく韓国への工作の中継基地として利用されていたうえに、朝鮮学校朝鮮総連の完全なコントロール下にあり、朝鮮総連北朝鮮の核開発に深く関与し、しかも日本の自治体が支給した朝鮮学校への補助金が間接的にこうした工作や核開発の資金源として利用されていたという事です。


日本人としてもとんでもない話ですが、韓国からみても日本の朝鮮学校朝鮮総連がどれだけ迷惑で危険な存在なのかが解ります。


2:北朝鮮の意を汲む日本のメディア


朝鮮学校朝鮮総連がどのような組織なのかを上記で書いたのですが、日本のメディアの中には朝鮮学校への補助金支給や無償化適用を訴え、日本政府の態度は人権侵害であるとして批判しているところがあります。


たとえば、毎日新聞朝日新聞は数日前から朝鮮学校への補助金の関して「子供は関係ない、子供の教育を受ける権利を侵害するな」等、政府による自治体への補助金見直し要請に抗議をする記事を掲載しています。


朝鮮学校補助金 子供を中心に考えよう 毎日新聞 2016年3月31日
朝鮮学校への補助金見直し通知、高校生ら撤回求める TBS 2016年3月30日

(※2)
(社説)朝鮮学校補助 子どもらに責任はない 朝日新聞 2016年3月21日
・朝日の記事はログインしないと読めませんので、文末に全文を掲載しておきます


朝鮮総連朝鮮学校北朝鮮のコントロール下にあるのが確実なのですから、実質的に朝日や毎日は北朝鮮を擁護するためにこんな記事を書いているという事になります。


特に朝日の場合には、記事中で「歴史観の違いはともかく、教育内容に問題があれば話し合いで解決すべきだ。実際、朝鮮学校の教育も変化してきている。」ともっともらしい事を書いていますが、これまで書いてきたように総連も朝鮮学校も一切状況を改善せず嘘をつき続けてきています。


また最初に引用した記事内で関連記事として引用している「全盛期の53万人から今や8万人に、弱体化する朝鮮総連」を読んでもらうと、ここからも朝日の記事が実態を伴っていない事がわかります。
記事によると、過去に総連の宣伝部長を務めた人物が提案した組織の改善要求を、総連がもみ消した過去があるのです、つまり自浄作用などはなから期待できないのです。


更に2011年の産経新聞の記事のよると、朝鮮学校に通う一般の生徒は毎月4万円の費用を要求されていたようなのですが、朝鮮総連の職員の子供たちは学費すら免除されており、要するに一般の生徒ばかりが負担を要求され、しかもその費用も実際には何に使われていたのか全く解らないのだそうです。


[事件]教師が反日誘導「日本人に拉致を言う権利はない」 元生徒が朝鮮学校の実態告発 産経新聞 2011.10.14
1/4ページ)(2/4ページ)(3/4ページ)(4/4ページ


当たり前の事ですが、こんな状態で子供の教育とか政治と教育は別などと主張しても白々しいだけです。


このように日本のメディアの中には、実態をひた隠しにして事実上北朝鮮の要求を代弁しているところがあるのです。
これ等メディアは、「北が拉致を認めて以降は距離を取っている」としていますが、実際はこの有様です。


そして興味深い事に、こうした日本のメディアほどひたすらに日韓友好を訴え、また韓国人達から「良心的日本人」とか「良心勢力」と呼ばれており、産経新聞のように総連や朝鮮学校の実態を伝えるメディアは、朝鮮日報や韓国政府からすら極端に嫌われている傾向にあるのです。


産経も「日本のメディア」なので日本のメディア特有の問題は内包していますから、全面的に支持する気にはなれませんが、それを踏まえたうえでもなんとも酷い有様です。


3:韓国と日本のメディアは本来相容れない


今回書いたように、朝鮮総連朝鮮学校は明らかに北朝鮮の工作機関であり、韓国にとっては要警戒対象です。


韓国ではノ・ムヒョン政権頃まで親北傾向が続いていましたが、度重なる北からの挑発や攻撃、また今年になって行われた核実験やミサイル実験などによって、流石に北朝鮮の脅威を肌で感じるようになり「北は危険な存在」との認識が広がり大きな方針転換が起きています。


傍から見ていると、韓国はこれまで散々北を甘やかし慰安婦問題などでは対日本で協力しあい、自ら北朝鮮勢力を国内に引き入れてきたという背景があるので、韓国の現在の状態は自業自得としか表現のしようがないです。


それを踏まえた上でも、韓国内の親北勢力を支援し、北朝鮮の方針などを伝え続けてきたのが朝鮮総連朝鮮学校などを中継地として活動していた北の工作員達であり、自業自得とはいえ今更ながらこれら組織の危険性に気付きなんとかしようとしているのが韓国の現状なのです。


そして現状を何とかして変えようとしている韓国の行動を邪魔し、北朝鮮を事実上支援しているのが、今回取り上げたような日本のメディアの姿なのです。


彼らは日韓友好を訴えていますが、もし本当に韓国の事を考えているのならば、少なくとも朝鮮学校を支援するような言動はまず取らないでしょう。
韓国からしてみればどんなに現状を変えようとしても、日本の自治体が資金的に支援していたら、朝鮮総連朝鮮学校を通じていくらでも北の工作員が韓国内に入ってくるのですから。


ですから本来、韓国と日本のこれらメディアの利害は一致していません。
ただしその事を韓国側が認識しているのかといえば、恐らく殆どの韓国人は認識していないでしょうが。


つまり現在の韓国にとって最も危険な存在は、韓国の敵(北朝鮮)の仲間と認識すらされていない日本のメディアという事になります。
そして更に今回の事から解るのは、この手のメディアに存在する日韓友好論者にとっては、本質的に韓国などどうなっても良い存在という事です。


現状、韓国の周りにはこんな人々が山のように存在しているのです。
そして現在の日本では、こんな人達がジャーナリストと名乗っているという事でもあります。
この件で韓国側と協力し合う必要はないですし、韓国は韓国で自力で何とかすればいいのですが、少なくともこの自称ジャーナリスト達の悪質さは日本人が日本国内に周知していく必要があります。




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(※1)
総連が万景峰号で密輸 北朝鮮のミサイル部品
共同通信/goo 2003年05月21日
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20030521/20030521a3350.html (リンク切れ)

米上院政府活動委員会の小委員会は20日、北朝鮮の麻薬密輸と兵器輸出に関する公聴会を開催、米政府高官や亡命した元北朝鮮高官らが証言した。
証人の一人で、北朝鮮弾道ミサイル開発に携わった元技師は、ミサイル部品が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を通じ北朝鮮と日本を結ぶ貨客船、万景峰号によって3カ月ごとに運ばれていたと証言した。

公聴会が開かれたのは金融管理・予算・国際安全保障小委員会(フィッツジェラルド委員長)。
北朝鮮の麻薬密輸疑惑に絡み米議会の公聴会が開かれるのは初めて。
証言した元技師は1997年に中国に脱出。
この日は頭に黒いベールをかぶり、李福九の偽名でついたてに囲まれて証言した。
同技師は、15日にもワシントン市内で会見し、ミサイル部品の90%が日本から輸入されていたなどと述べていた。
20日の証言でも、急ぐときは自分たちで港まで部品を取りに行ったなどと語った。

(※2)
(社説)朝鮮学校補助 子どもらに責任はない
朝日新聞 2016年3月21日
http://www.asahi.com/articles/DA3S12268692.html

全国各地にある朝鮮学校は、在日コリアンの子どもたちが通っている。日本の学習指導要領に準じた各教科のほか、民族の言葉や文化も学ぶ。

 どの学校も財政的に運営は厳しく、所在地の自治体の多くが他の私学や国際系の学校と同じように、補助金を出している。
これに対し、自民党などから補助を打ち切るよう文部科学省に求める声が出ている。

 拉致問題に加え、核実験などを繰り返す北朝鮮への制裁の一環だという。いくつかの自治体はすでに補助を止めている。

 だが、朝鮮学校に通う子どもたちには、核開発や拉致問題の責任はない。
北朝鮮の国に問題があるからといって、日本で暮らす子どもの学びの場に制裁を科すのは、お門違いの弱い者いじめというほかない。

 そもそも地方自治体が権限を持つこの問題について、文科省が介入するのは適切ではない。

 日本では、民主党政権だった6年前から高校の無償化が始まったが、これも朝鮮学校には適用されていない。
民主党政権は適用を保留し続け、その後の安倍政権は発足後すぐに無償化対象からはずしてしまった。

 政治的理由による除外は違法だとして、朝鮮学校の生徒らが国を相手どり、東京や大阪など各地で裁判に訴えている。

 国際的にも、人種差別撤廃委員会など国連の場では、高校無償化の適用除外は「差別だ」と認めたり、日本政府に対し、無償化の適用や、地方自治体に補助の維持を勧めるよう求めたりする見解が相次いでいる。

 国内でも、埼玉弁護士会が昨年、補助を止めている埼玉県の上田清司知事に「極めて重大な人権侵害」と警告した。

 朝鮮学校では、在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)の関係者が運営にかかわっているケースは多い。だが、政治と教育は別だ。
神奈川県の黒岩祐治知事は「子どもたちに罪はない」として、学校ではなく、生徒たち個人への補助を続けている。

 歴史観の違いはともかく、教育内容に問題があれば話し合いで解決すべきだ。実際、朝鮮学校の教育も変化してきている。

 在日コリアンの社会は多様化しており、多くの朝鮮学校で、韓国籍の子どもが過半数となりつつある。北朝鮮の体制を崇拝している人々の子どもだけが通うと考えるのは誤りだ。

 何より朝鮮学校の子どもたちも私たちの社会の一員だ。日本と隣国の懸け橋になりうる子どもたちを排除しようという思想であれば、逆に日本に反感を持つ人々を増やすだけである。