さて、本日は最近の李在明大統領による発言などから、世間では好意的に扱われている日韓関係について、これまでの事例との違いや類似点などを掘り下げていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
最近の李在明大統領の数々の対日発言が文在寅元大統領と比較され、「以前の韓国大統領とは違う」という内容が出てきており、歴史問題の解決はまだではあるが、事態が好転しているという内容が多くなっている。
しかし重要な点として、文政権時代とは「韓国を取り巻く状況が違う」という事がこの内容では触れられていないが、当時は韓国の経済状態が見かけ上よく、また北朝鮮も融和的であり、中国とも比較的関係が良好であったことから、「日本不要論」が出てきていたという背景があり、現在とは状況が大きく異なる。
また、李大統領は韓国内において、野党との融和や共同で国政を担っていくことを訴えながら、自身に都合の悪い検察官や検事を次々と左遷し、また放送局の人事に介入し取締役陣を自身に都合のいい人物に交代させるなど、文政権と似た態度が続いており、状況次第で日韓関係が悪化する事態は十分にあり得る。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
以下から本文
1:日本に融和的メッセージ
まずはこちらから
訪米に先立ち訪日…日本「うれしいサプライズ、文政権とは違う」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.08.25 07:02
https://japanese.joins.com/JArticle/337915
李大統領が、訪米に先立ち訪日した件を扱った記事なのですが、「日本経済新聞は「李在明政権の対日姿勢は文在寅政権と一線を画すものだ」と評価した」と書かれています。
また、歴史問題等をあまり表に出さず、これには日本との友好のほかに「いわゆる実利を追求した「対米カード」」があると書かれており、日米韓の安保協力などの現実的な問題に対してもプラスになる態度である事が分かります。
そして次を読むと
石破首相、トランプ氏との交渉に関して「個別指導」…李大統領に経験談を語る
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.08.25 06:57
https://japanese.joins.com/JArticle/337914
石破茂首相と李在明大統領は予定を大幅に延長して会談を行い、今後の対米交渉に関して多くの時間を割いたと書かれており、石破首相が「米交渉に関する助言」を行ったと書かれています。
また、日韓関係を強化した上で米国と協議するという姿勢は日米韓の連携を主導する上で意義があるとされており、実質的に尹政権の対日方針を踏襲していると受け取れる記事内容となっています。
また次を読むと
トランプ氏が金正恩氏との会談に意欲 「年内にも」、米韓首脳会談
日経新聞 2025年8月26日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM25ASB0V20C25A8000000/
トランプ大統領との会談でも、トランプ大統領が日韓の歴史問題について聞くと、「訪米前に日本で石破茂首相と会談し「心配される問題は全て片付けた」と説明した」と書かれており、こちらでも文政権との違いが際立つ結果となっています。
こうした事から、日本のメディアなどでも文政権との比較が行われ、「以前の韓国とは違う」という評価がされているというのが現状です。
2:文政権時代の状況
しかしここで注目すべきは、単純に文政権と李政権の対日政策を比較するのではなく、当時の韓国を取り巻く状況との比較が必要であるということです。
次を読むと
外交部、事実上「中国局」の設置を確定…日本の関係筋「残念だ」
中央日報(韓国語) 2019.04.16
https://www.joongang.co.kr/article/23441803
2019年に韓国の外交部(日本の外務省に相当)改編が行われ、実質的な「中国局」ができると同時に、実質的に日本の扱いが小さくなっており、このことから当時の韓国では日本よりも中国を重視する傾向が強く、それが当時の対日外交を後押ししていたという背景があります。
また次を読むと
韓国女性家族部長官候補「韓日慰安婦合意、条約・国際協定ではないものと理解」
ⓒ 中央日報日本語版2017.07.04 10:19
https://japanese.joins.com/JArticle/230834
こちらは2017年の記事なのですが、慰安婦合意に関して韓国女性家族部※長官候補が「法的拘束力を持つ条約や国際協定の性格ではないと理解している」と発言しており、日本を当初から重視していなかったことが分かります。
※韓国女性家族部は、最大野党「国民の力」が「ジェンダー対立を助長する機関」と批判し廃止か格下げを主張しており、元々現在の「共に民主党」に繋がる金大中政権で創設された機関であることもあり、「共に民主党」に近しい組織と言われることもあります。
また次を読むと
「休戦を終戦に」、文大統領が朝鮮半島平和協定を提案
朝鮮日報 2017/07/06
https://web.archive.org/web/20170708015423/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/07/06/2017070603317.html
こちらの記事では、「北朝鮮を平和協定締結の交渉テーブルにつかせる方法」について書かれており、「平和協定締結と「完全な非核化」を同時に推進する」ために、中国との関係強化を行い、中国の仲介で平和交渉を進めるという計画が当時の文政権にあったと書かれています。
そのうえで、統一研究院長をしている大学教授が「平和協定を締結すれば、北朝鮮と米国は交戦当事国ではなくなる。この論理を基に、北朝鮮が平和協定の次の段階として、韓米同盟の解体と在韓米軍撤収を強く要求する可能性もある」と懸念を表明しており、当時の韓国は日米ともにあまり重視していなかったことが分かります。
こうした背景には、当時の韓国が見かけ上非常に景気がよく(経済界からは経済の不安定さが指摘されていた)、中国と北朝鮮との関係がよくなれば、日本との関係維持など不要であるという考え方が強く、それが対日強硬姿勢やいわゆる「NO JAPAN運動」に繋がったという経緯があります。
そして現在はどうかといえば、韓国経済は明らかに低迷しており、文政権当時にあった「日本を超えた」という意識も、特に若い世代は就職難などで実感できなくなってきていること、同じく若い世代を中心に対中感情が急速に悪化しており、韓国内での日中の重要度が逆転したという背景があります。
そしてここで重要なのが、先ほども書いたように現在の韓国経済低迷の兆候は当時の韓国にも存在しており、経済界などから対日姿勢の改善を求める声があった事、北朝鮮や中国の信用度の問題なども安保関係者や「国民の力」の関係者から疑問視されていたのですが、韓国人の多数派はそうした声を無視し、主観的な「好調さ」による判断を行っていたという事です。
その結果が、日本不要論からの「NO JAPAN運動」の全国的な拡大につながったという経緯があります。
この辺りの事が、日本でも殆ど論じられていません。
文政権との比較以前に、当時とは状況が違うと同時に、韓国人の多数派の主観が変われば、いくらでも態度が変わる余地があるわけです。
3:韓国内の状況
そしてもう一つ重要なのが、李大統領は韓国内では文政権と殆ど同じことをしており、言行不一致が目立つことです。
次を読むと
五つの刑事裁判が延期された李在明大統領、事件を捜査した検察次長・部長検事ら大挙左遷
朝鮮日報 2025/08/23
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/08/23/2025082380035.html
元々李在明氏は「大統領になることで罪から逃げるわけではない」と訴えていたにも関わらず、記事にもあるように「「大庄洞(都市開発事業不正疑惑)」「違法対北送金」「選挙法違反」など李在明大統領を捜査してきた次長・部長級検事たちが次々と閑職に左遷された」と書かれています。
李政権になってから、これらの裁判が実質的に停止していたわけですが、このことにより裁判自体が事実上有耶無耶になり、続行不能になったとみて良いでしょう。
また次を読むと
韓国公共放送局KBSに続きMBCも共に民主党の思うがままに 放送文化振興会法可決
朝鮮日報 2025/08/22
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/08/22/2025082280057.html
「MBC放送の大株主である放送文化振興会の取締役陣を3カ月以内に交代するという内容の放送文化振興会法改正案を国会本会議で通過させた」という記事なのですが、MBCは韓国に2つある公共放送のうちのひとつで、もう一つはKBSです。
記事にもあるように、KBSの方もすでに人事に介入されており、最大野党「国民の力」が「放送局の与党支配だ」と批判しており、こういった政権によるメディアの掌握は文政権でも起きています。
ちなみに、朴槿恵政権でも尹錫悦政権でも行われており、事実上韓国の公共放送は政権与党の支配下です。
また次を読むと
李在明大統領の「最側近」金湧被告が2度目の保釈 2022年大統領選違法資金事件
朝鮮日報 2025/08/20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/08/20/2025082080084.html
参考記事
文政権時代の金正淑夫人衣服代疑惑、韓国警察「嫌疑なし」で不起訴
朝鮮日報 2025/08/22
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/08/22/2025082280056.html
こちらの事例では、懲役5年の判決を受けた人物が保釈されたという記事で、この人物は「李在明大統領の側近とされる」とあり、記事では「金湧氏は当時、李在明(イ・ジェミョン)大統領の選挙陣営で総括本部長を務め、主に湖南(全羅南北道)地域での組織の取りまとめを担当していたが、21年2月にユ・ドングン元本部長に20億ウォン(約2億1000万円)を要求したという」と書かれています。
また他にも、文政権時代に文大統領夫人の着るドレスに「大統領府特殊活動費が使われたのではないかという疑惑」があり、その捜査も突然「嫌疑なし」で不送致処分となっており、曹国氏らの恩赦以外にも、政権関係者の不自然な不起訴や保釈が続いているという状態です。
しかもこの状態で李大統領は「野党との和解」などを訴えている言行不一致が続いており、
自身の都合で言っている事を次々と変える、いわゆる「オルバルダ」を頻繁に行うタイプの人なのです。
関連記事
韓国次期大統領最有力者の問題点
https://oogchib.hateblo.jp/entry/2024/12/26/014031
そのため、韓国内でこのような態度である以上、今後韓国を取り巻く状況が変わったり、あるいは韓国人の多数派が「経済が上向いた」或いは「日本が要求をのんだ」と感じれば、一気に状況が変わることもあり得るという事です。
ただし、トランプ大統領はそもそも日韓の歴史問題に興味が無く、重要なのは「対中包囲」における日韓の足並みがそろうかどうかであるので、このあたりが防波堤になる可能性はありますが、不確定要素が大きすぎるので、これに頼るわけにもいきません。
結局のところは、韓国が現在融和的だからと、安易に要求をのまないようにし、韓国側の暴走を誘発しないよう適度に付かず離れずの態度に徹する必要があります。
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