さて、本日は日本側の望む友好と韓国側の望む友好が、「現在も」まるで異なっている件について書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題（初心者向け）』を始めた理由 - 日韓問題（初心者向け）
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

ここ暫く、日本と韓国の間で様々な交流が続いており、日韓の関係改善が日本で度々報じられ戒厳令後も変わりない事から、一見すると良好な関係が続いているように見える。

しかし実際には、韓国側はいわゆる「韓流」にも歴史問題を持ち込む態度が徐々に露骨になってきており、文化的な交流の場にそれとなく政治的な主張を混ぜ込むという事が多くなってきている。

また、日本に対する友好に関しては、韓国側は以前から変わらず「日本が韓国の正しい歴史観を受け入れるべき」という態度であり、日本人の想定する友好とはまるで異なる考え方を今でも続けている事が分かる。

※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓（別サイト）へのリンクです。

以下から本文

１：日韓の交流

まずはこちらから

ソウル・東京タワーが同時ライトアップ　国交正常化６０年
聯合ニュース　2025.02.16
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250216000300882

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【東京、ソウル聯合ニュース】韓国と日本が今年６月に国交正常化６０周年を迎えることを記念し、ソウルと東京を象徴するランドマークのＮソウルタワーと東京タワーを同時にライトアップするイベントが１５日、開かれた。
　午後６時半ごろにＮソウルタワーの上部が両国の国旗を象徴する青色と赤色に交互に点灯し、下部には６０周年のロゴマークが映し出された。
　ソウルタワーの点灯式に出席した韓国外交部の金烘均（キム・ホンギュン）第１次官は「６０周年を象徴する光がソウル中心を照らす姿を見て、両手を取り合って韓日両国のより良い未来を共に描いていく時間になれば」と語った。日本の水嶋光一駐韓大使は６０年前に大きな一歩を踏み出した両国関係は、多くの困難にもかかわらず多様な分野で深く発展してきたとし、今後も両国の友好と信頼の灯をともし続けることを願った。
　２００１年に東京のＪＲ新大久保駅ホームから転落した人を救おうとして亡くなった韓国人留学生、李秀賢（イ・スヒョン）さん（当時２６）の母、辛潤賛（シン・ユンチャン）さんをはじめ、両国の親善を象徴する人たちも出席した。
　一方、東京タワーには「ＪＡＰＡＮ　ＫＯＲＥＡ」の文字が点灯され、両国の国旗の色にある白、赤、青にライトアップされた。
（後略）

今月15日の事なのですが、「６月に国交正常化６０周年を迎える事を記念」して、両国のランドマークである東京タワーと、Ｎソウルタワーが同時にライトアップされ、記事では「多くの困難にもかかわらず多様な分野で深く発展してきたとし、今後も両国の友好と信頼の灯をともし続けることを願った」と書かれています。

日韓では最近、日韓国交正常化60周年を間近に控え、こうしたイベントがいくつも開かれています。

また次の記事では

大阪韓国教育院が「留学支援センター」開設　次世代交流拡大へ
聯合ニュース　2025.02.24
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250224003200882

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【ソウル聯合ニュース】日本の大阪で韓国語・韓国文化の普及に寄与してきた大阪韓国教育院は２４日、韓日次世代の交流拡大のために留学支援センターを開設したと発表した。
　留学支援センターは大阪韓国人会館（大阪市北区）の４階に拡大移転した大阪韓国教育院に設置された。韓国留学を希望する日本人と在日コリアンを対象に相談や交流プログラムを提供するほか、韓国の大学と協力して留学生の誘致などを支援する。
　１９６３年に開院した大阪韓国教育院は、在日コリアンや日本人の生徒に韓国語・韓国文化を教える民族学級を運営。現在、民族学級が設けられている大阪府内の小・中学校は１８０校に上り、約３０００人の生徒が学んでいる。
（後略）

大阪韓国教育院が、日本人と在日韓国人の韓国留学に関する相談や交流プログラムを行っており、また「在日コリアンや日本人の生徒に韓国語・韓国文化を教える民族学級を運営」と書かれており、ここでも活発な交流が行われている事が分かります。

次に以前も紹介した2024年の記事ですが

Z世代がつくる日韓関係2.0　「反日・嫌韓」を越えて
日経新聞　2024年7月19日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA111QH0R10C24A7000000/

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（一部抜粋）
23年には日本映画ブームが到来し、漫画「スラムダンク」が原作の「THE FIRST SLAM DUNK」やアニメ「すずめの戸締まり」が大ヒットした。ブームは日本食への憧れや日本の各地域の「聖地化」といった好循環も生む。
韓国を初めて訪れた筆者にとって日本食の飲食店の多さは予想を超えた。ソウルで入ったお好み焼き店は若年層であふれ、最新のJ-POPがかかっていた。
日本の農林水産省の集計によると、23年時点で韓国にある日本食レストラン数は1万8210店と、中国、米国に次ぎ3番目に多い。
日本と経済力の差が縮まったことで、若年層は日本との関係を対等、あるいはそれ以上ととらえ、歴史にこだわらず経済や安全保障を軸に未来志向で考える――。
韓国で聞いた一つの見方は腑（ふ）に落ちた。韓国銀行（中央銀行）によると同国の23年の1人当たりの国民総所得（GNI）は初めて日本を上回った。日韓の1人当たりの国内総生産（GDP）が30年代前半に逆転する予測もある。
厳しさを増す東アジアの安保環境も対日世論に影響を与えている。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮はロシアとの連携に走り、中国は覇権主義を強める。手をこまねけば、ひずみは若年層がこうむる。
尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は日本との関係改善を進める。曺良鉉（チョ・ヤンヒョン）国立外交院教授は「（歴史をめぐる）反省や謝罪は日本が決めることで、韓国としては経済や安保で関係を強めていく」と説く。

日経が「Z世代（1996年から2012年頃に生まれた世代）がつくる日韓関係2.0」という記事の中で、韓国のZ世代では「日本と経済力の差が縮まったことで、若年層は日本との関係を対等、あるいはそれ以上ととらえ、歴史にこだわらず経済や安全保障を軸に未来志向で考える」人たちが増えていると書かれています。

つまり、この世代はいわゆる「反日」に拘る韓国既存世代とは違い、「歴史問題に拘らない新しい日韓関係」を構築できると書かれています。

こうした記事を見ると、現在の日本と韓国はこれからの世代が歴史問題に拘らない新しい関係を築いていくという内容が読み取れます。

２：実際の韓国

このような論調は日本のメディアなどで度々見られ、またいわゆる便宜上の「保守」の日本人の間でも、近年韓国で増えている「20代、30代のいわゆる保守系」との間でなら、こうした関係が築けるという論調を度々見かけます。

しかし、実際にはどうかといえば

海外メディアの韓流報道　アジアと欧州はＫ―ＰＯＰ・北米は料理が最多
聯合ニュース　2025.02.25
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250225002000882

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【ソウル聯合ニュース】韓国文化体育観光部と韓国文化情報院が２５日発表した「２０２４グローバル韓流トレンド分析報告書」によると、アジア、欧州、中南米の韓流コンテンツ関連の報道のうち最も大きな割合を占めた分野はＫ―ＰＯＰで、アジアで３５．４％、欧州で２５．１％、中南米で３４．９％を記録した。
　アジアではＢＴＳ（防弾少年団）とＢＬＡＣＫＰＩＮＫ（ブラックピンク）のニュースが多く、欧州では音楽チャートでＫ―ＰＯＰアーティストが打ち立てた記録が集中的に報じられた。中南米では韓国アイドルの訪問やワールドツアーの報道が中心だった。
（中略）
　韓国映画やドラマも各国で注目され、映画「破墓／パミョ」「ベテラン　凶悪犯罪捜査班」「犯罪都市　ＰＵＮＩＳＨＭＥＮＴ」「コンクリート・ユートピア」、ドラマ「イカゲーム２」「涙の女王」「ソンジェ背負って走れ」などが多く取り上げられた。
　昨年のパリ五輪で、過去最大規模で運営された複合文化空間「コリアハウス」が韓国文化を海外に広める役割を果たしたことも分かった。海外メディアやＳＮＳでは、ＢＴＳのＪＩＮ（ジン）さんが聖火リレーで走者を務めたことや韓国の応援合戦に大きな反応があったと分析された。
　今回の調査は、文化体育観光部と韓国文化情報院が２０２３年１０月から２４年９月までに約３０カ国・地域の海外メディアが発信した記事やＳＮＳなどの韓流関連資料約６８万件を収集、分析する方法で行われた。

関連記事
ＢＴＳ・ＢＬＡＣＫＰＩＮＫ、韓流をけん引…「キムチ」「プルダック」「モッパン」Ｋフードも通じた
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.02.25 12:32
https://japanese.joins.com/JArticle/330345

韓国では今でも韓国政府主導で韓流を売り込んでいるのですが、こちらの記事によるとその中に以前このブログでも扱ったことのある韓国人の民族主義を煽るプロパガンダ映画「破墓」が含まれており、韓国はこうした映画を積極的に外国に売り込んでいる事が分かります。

過去記事
韓国関連でよく見かける「民族精気」という単語
https://oogchib.hateblo.jp/entry/2024/04/04/022829

これは、先日引用した記事でも説明したように

「国家ブランドアップ展示会」２０日開幕　メディア外交の重要性に焦点＝韓国
聯合ニュース　2025.02.14
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250214001700882

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【ソウル聯合ニュース】韓国の国家ブランド力強化に向けた「２０２５国家ブランドアップ展示会」が２０～２５日にソウルの国立中央博物館地下歩道で開催される。韓国国家基幹ニュース通信社の聯合ニュースとインターネット上などで民間外交を行う韓国の市民団体ＶＡＮＫが共催し、国家遺産庁が後援する。
光復（日本による植民地支配からの解放）８０年を迎える今年の展示会は「メディア外交」の重要性に焦点を当てる。韓流ブームを機に世界の人々の関心が韓国に寄せられているが、韓国人の底力や韓国の誇るべき伝統と遺産については各国に正しく伝えられていない。
　特に生成ＡＩ（人工知能）が収集する一部のデータは歪曲（わいきょく）された韓国の歴史を広めるルートとなり、韓国の文化と領土主権まで脅かしている。展示会では誤りがあふれているＡＩ検索情報を正す。
　また、日本による植民地時代に民族の夢と意志を全世界に知らせた独立運動家を「日帝強占期の暗闇の中で輝いた大韓民国広報大使」と命名し、スポットを当てる。
（後略）

韓国政府が主導して行っている「国家ブランド力強化」のなかに、「韓流ブームを機に韓国人の底力や韓国の誇るべき伝統と遺産について各国に正しく伝える」というものと、「日本による植民地時代に民族の夢と意志を全世界に知らせた独立運動家を「日帝強占期の暗闇の中で輝いた大韓民国広報大使」と命名し、スポットを当てる」という目的が含まれているからです。

韓国では、政府主導で行われる文化交流事業に政治的なプロパガンダが含まれているのです。

また次を読むと

【中央時評】韓国の光復８０年の時代精神（１）
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.01.27 15:58
https://japanese.joins.com/JArticle/329129

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今年は光復（解放）８０年を記念する年だ。昨年１２月に日本内閣府が発表した資料によると、２０２３年韓国１人あたりの名目国内総生産（ＧＤＰ）は３万５５６３ドルを記録し、日本（３万３８４９ドル）を抜いた。経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）加盟３８カ国では韓国が２１位、日本が２２位を占めた。両国の２０世紀の歴史を振り返ると、過去８０年の現代史は実にドラマチックだ。
１９４５年光復は日本帝国主義支配からの解放であり国民国家の建設の出発点だった。私たちに付与された時代精神は「新しい国づくり」だった。それは貧困と従属から抜け出そうとする「産業化」と自由と平等を追求しようとする「民主化」で具体化された。世界の時間に遅れをとったことから、その過程は「追撃産業化」と「追撃民主化」として進んだ。
（中略）
光復８０年を迎えて思い浮かぶ言葉が２つある。「ただ限りなく持ちたいのは高い文化の力だ」。１９４７年金九（キム・グ）先生が発表した「私の願い」に出てくる言葉だ。そして「僕たちの人生は長い／迷路の中では自分を信じて／冬が過ぎれば／きったまた春が来るよ」。２０１８年、ＢＴＳ（防弾少年団）が歌った『Ａｎｓｗｅｒ：Ｌｏｖｅ　Ｍｙｓｅｌｆ』に登場するワンフレーズだ。
ＢＴＳは２０１９年、あるインタビューで金九先生の「文化の力」に言及したことがある。５１７５万の大韓民国は地球的に堂々としている中堅国家だ。光復８０年を迎えてＢＴＳの歌をこのように書き直したい。「歴史は長い。今、迷路の中にいるなら、多様な個人たちが交わった『私たち』は自分自身を信じよう。この冬が過ぎれば新しい春が来ることを、堂々とした大韓民国の力を信じよう」。

今年は韓国が「光復（日本からの独立）80周年」を記念する年であることを紹介する記事なのですが、この記事の最後の方でBTSが韓国で独立運動家とされている※「金九」について「ＢＴＳは２０１９年、あるインタビューで金九先生の「文化の力」に言及したことがある」とも書かれており、文化と政治活動に境目が無い事が分かります。

※金九は「大韓帝国に介入してくる日本への抗議のために日本の軍人を殺害した」と自称していますが、事件の捜査にあたった当の大韓帝国の調書では「日本の行商人が（年上の）自分より先に食事をした」という理由で殺害し、金品を奪った」と書かれています。
また、彼は独立運動に合流後「（内紛含め）テロの指示」しかしておらず、韓国内でも評価の分かれる人物です。
そもそも「殺害した相手は軍人だった」とする根拠は金九の証言以外に存在しません。

このように、日経の記事とは違い、実際の韓国ではZ世代であろうと誰であろうと、「一般的に日本人の想定する反日」から今も抜け出してなどおらず、そのうえで日本との交流を呼びかけているため、潜在的な火種を抱え続けている事がわかります。

３：日本に対する態度

そしてさらに問題なのが、最近の日本に対する態度で

韓国・全羅南道知事が日本大使と面会　国際行事・文化産業などで協力議論
聯合ニュース　2025.02.20
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250220002500882

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【務安聯合ニュース】韓国の金瑛録（キム・ヨンロク）全羅南道知事は２０日、同道を訪れた日本の水嶋光一駐韓大使と面会し、同道が開催する国際行事や文化産業交流などの協力強化策について話し合った。
（中略）
　金氏は、漢字などを伝えるため日本に渡った百済の学者、王仁博士や木浦の児童福祉施設で約３０００人の孤児を育て上げ、「韓国孤児の母」と呼ばれる日本人女性・田内千鶴子（韓国名：尹鶴子＜ユン・ハクジャ＞、１９１２～１９６８）さん、９８年に全羅南道出身の金大中（キム・デジュン）大統領と小渕恵三首相が発表した「韓日パートナーシップ宣言」などを挙げ、古代から今日に至るまで全羅南道と日本は固い絆で結ばれていると指摘。「今年韓日国交正常化６０周年を迎え、より活発な交流が実現するよう多くの役割を果たされることを願う」と述べた。
　これに対し、水嶋氏は全羅南道と日本の地方自治体間の交流の重要性を認識しているとし、今後も持続的な協力と交流拡大のために積極的に協力する考えを示した。

記事では韓国の全羅南道知事が、日本の駐韓大使と面会したという内容なのですが、まず「日韓パートナーシップ宣言（日韓共同宣言）」に関しては、2001年に歴史教科書問題を理由に韓国国会で「破棄を含め、対日関係全般の見直しを韓国政府に促すことなどを盛り込んだ決議を満場一致で採択した」のですが、この件が日韓双方で都合よく無視されています。

今でも残る歴史問題の火種が無視されているのです。

関連記事
対日関係全面見直し決議、韓国国会が採択
朝日新聞　2001/07/18
https://web.archive.org/web/20020223100014/http://www.asahi.com/international/jk/010718a.html

またもう一つ、記事では「漢字などを伝えるため日本に渡った百済の学者、王仁博士」と書かれていますが、これも史実とかなりかけ離れており、これは王仁が「論語」と「千字文」を持ち込んだとする話から来ているのですが、王仁の生きていた時代にはまだ「千字文」が編纂されていません。

そもそも「千字文」は子供の漢字学習用の教科書でしかなく、「漢字を伝えた」という話自体が誇張です。

それどころか、王仁の来日以前から漢字が日本に伝わっていたという記録がいくつもある上に、王仁が百済人であったという話には異説もあり、架空の人物説まで存在している状態で、百済人であると断定するには少々情報の乏しい人物です、しかしこの話は韓国人が民族主義的な視点からこう主張しているだけです。

しかし韓国人達は、こうした民族主義史観を日本人が受け入れる事を望んでいるのです。

また次を読むと

【韓半島平和ウォッチ】動力を失った韓国の対日イニシアチブ、日本が積極的な役割を（１）
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.02.21 14:47
https://japanese.joins.com/JArticle/330216

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（一部抜粋）
この時点で注目すべき点がある。尹錫悦政権が解決策を用意して実行に移す過程で表れた否定的な側面を振り返らなければいけない。少なくない人たちが尹錫悦政権の対日政策と日本の態度に反発したり懸念を表明したりしながら忍耐した。韓国政府はコップの残り半分を日本が満たすことを期待した。しかし日本は全く呼応せず譲歩しなかった。こうした日本の高圧的な態度の中でも尹錫悦政権は譲歩を繰り返し、和解政策を進めた。対日低姿勢という批判まで受けた。筆者は文在寅政権での「遅滞した和解」と比較し、これを尹錫悦政権の「強要された和解」と呼ぶ。
（中略）
陣営間の政争が加熱し、尹錫悦政権の対日外交に「低姿勢」「屈辱的外交惨事」「第２の庚戌国恥」「精神的内鮮一体」「親日売国密偵政権」などの過激な表現までが登場した。国内の分裂を担保にしたこうした和解の試みは持続可能でない。私は以前のコラムで反対陣営を包容する誠意ある姿勢転換と国民和合に向けた努力なしに強要された和解の道を進めば、ある瞬間に行き詰まると強い懸念を表明した。
強要された和解は持続せず、遅滞した和解の時期に回帰してもならない。健全な韓日関係のためには遅滞した和解と強要された和解を越えて前進しなければいけない。財源不足で困難に直面した第三者弁済の行方が韓日関係が前進するかどうかの試金石になるだろう。筆者は日本の呼応を引き出した「第三者弁済」を完結させる案として「韓日和解財団」の設立を提案したことがある。
もしかすると日本は甘かった尹政権のロマンスを忘れられず、新政権と向き合うことを避けたいのかもしれない。しかし日本はそのような消極的な姿勢から抜け出す必要がある。韓国イニシアチブで推進された韓日関係改善の動力が戒厳と弾劾で消耗した状況で、今は日本が動き出さなければいけない。政権が交代するかどうかに関係なく、日本が先に手を差し出して韓日和解の進展に向けた誠意を見せる時だ。
（後略）

参考記事
【コラム】日本の不安と韓国の不満
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.09.24 13:33
https://japanese.joins.com/JArticle/324103
「強制動員被害者７人、韓国政府の『第三者弁済』案を受け入れた」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.12.12 07:39
https://japanese.joins.com/JArticle/327303

韓国内では徴用工問題での「コップの半分の水」論を主張する声が強く、記事では高麗大政治外交学科教授が「韓国政府はコップの残り半分を日本が満たすことを期待した。しかし日本は全く呼応せず譲歩しなかった。こうした日本の高圧的な態度の中でも尹錫悦政権は譲歩を繰り返し、和解政策を進めた。対日低姿勢という批判まで受けた。筆者は文在寅政権での「遅滞した和解」と比較し、これを尹錫悦政権の「強要された和解」と呼ぶ」と主張しています。

そして尹政権の態度を問題視したうえで、「健全な韓日関係」のためには「政権が交代するかどうかに関係なく、日本が先に手を差し出して韓日和解の進展に向けた誠意を見せる時だ」と書かれています。

これには、「日本が賠償していない」という考えのほかに、賠償要求する元徴用工とされる人物やその子孫が次々と出てきたため、第三者弁済用の資金が足りなくなってきており、日本に負担をさせたいという意図があります。

しかし過去記事でも書いたように、そもそもこの問題は日韓請求権協定で解決済みの問題であり、日本企業に再度の賠償を要求するのは明確な国際法違反です。
日韓請求権協定で受け取った資金を別目的に使用したのは当時の韓国政府であり、日本に責任は無いからです。

関連記事
「韓国と分かり合える」という錯覚
https://oogchib.hateblo.jp/entry/2025/02/06/012941

にもかかわらず韓国側では、「日本企業が自発的に資金を出すなら問題ない」という理屈で、「友好したいのであれば日本から歩み寄れ」と、日本側が自主的に協定違反をするよう要求しているような状態が続いているのです。

そして過去記事で指摘したようにいわゆる「Z世代」においても「コップの半分の水」論に賛同している人が多く、日経の記事とは実態が大きく異なります。
またこの考えは、「韓国の20代、30代のいわゆる保守系」でも基本的に変わりません。

過去記事
既存のマスコミ報道からは分からない事
http://ooguchib.blog.fc2.com/blog-entry-531.html

結局のところ、今でも韓国は本質的な部分で以前から何も変わっておらず、強いて表現するのであれば、2019年の輸出管理強化以前の状態に戻ったというのが最も近いでしょう。

そもそも、約束の概念が日本と大幅に異なる韓国では、この韓国側の主張の何が問題なのかが理解できないので、当然といえば当然ですが。

関連記事
日本人と韓国人とでは「約束・契約」の概念が全く違う
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar687902
【日韓問題】日韓で異なる「約束」の概念
https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar1476950

日本にとっては、歴史問題に拘らない関係が「友好」ですが、韓国にとっては「日本が韓国の歴史観や要求を受け入れる事」が「友好」なのです。

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