日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】輸出管理強化とは何?

さて、本日は一連の韓国に対する輸出管理強化問題について、基礎知識部分を扱っていきます。


本日の投稿動画
www.nicovideo.jp

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関連動画
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日韓

注意
・この動画は「日韓の価値観の違い」を扱っています

・うp主のスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからとこちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たら
どう思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブログにあります

・毎週日曜日更新

お品書き

・輸出管理とは?

・実際の措置


※以下は動画のテキスト版です





レイム マリサ
ゆっくりしていってね


レイム
さて、今回は予告通り一連の韓国に対する輸出管理問題について扱っていくのだけど、少々説明がいるのね。


マリサ
どういうことだ?


レイム
この件なのだけど、まず今回は便宜上日韓問題として、一連の「輸出管理」が実際はどんなものなのかについてを主に説明するわ。


レイム
で、次回はそれを踏まえて「韓国側の反応と問題」を扱って、最後にマスコミ問題として「報道の問題」を扱う事にするわ。


マリサ
ああ、つまり今回は次回以降を扱う上での基礎知識編って事か。


レイム
で、今回の動画を見てもらうと一連の韓国のグループA国復帰とは何なのかについての、基本的な部分が可能な限りわかるように説明していくわ。


レイム
それと、今回の件に関しては、ブログの方でえすとるさんとこけむしさんに様々な説明や資料のリンクを教えていただき、一連の「輸出管理」に関する理解にかなりの助けになりました、ありがとうございます。


レイム
それではそろそろ本編へ行くわ。


輸出管理とは?


マリサ
で、まずは何からやるんだ?


レイム
その前にちょっと事前説明があるのね。
この件に関して、実は韓国のグループA復帰の動きはあと数か月は先だろうと予想していたので、今回スケジュールを早めて大急ぎでリサーチをおこなったという背景があります。


レイム
なので、もしかすると間違いや勘違いがあるかもしれません。
その点をご了承ください。
また、間違い等あった場合には、ブログの方にコメントをしていただけると対応がしやすいので、その点もよろしくお願いします。


マリサ
素人が関連法のページを読んで理解した範囲でのことでしかないということだぜ。


レイム
そういう事です。
ではまずは今回の件と関係の深い国際合意「ワッセナー・アレンジメント」から

通常兵器及び関連汎用品・技術の輸出管理に関するワッセナー・アレンジメント
外務省 令和2年11月26日
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/wa/index.html


1 目的

(1)通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の移転に関する透明性の増大及びより責任ある管理を実現し、それらの過度の蓄積を防止することにより、地域及び国際社会の安全と安定に寄与する。
(2)グローバルなテロとの闘いの一環として、テロリスト・グループ等による通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の取得を防止する。

2 設立の経緯

 冷戦の終結に伴い、地域及び国際社会の安全と安定を損なうおそれのある通常兵器及び関連汎用品・技術の過度の移転と蓄積の防止という課題に関し、東西の区別を越えた輸出管理体制を設立する必要性が強く認識され、ココム(対共産圏輸出統制委員会:旧共産圏諸国に対する戦略物資統制のための枠組み)参加国を中心に協議が開始された。

 1994年3月末に、ココムが解消されたことを踏まえ、1995年12月、新たな輸出管理体制の設立について関係国間で政治的な申合せが行われ、1996年7月の設立総会をもって正式に「ワッセナー・アレンジメント(WA)」が発足した。なお、WAの名称は、設立のための協議が行われたオランダのワッセナー市にちなんで名付けられたものである。
3 基本的枠組み
(1)WAの性格

 WAは、法的拘束力を有する国際約束に基づく枠組みではなく、通常兵器及び機微な関連汎用品・技術の供給能力を有し、かつ不拡散のために努力する意志を有する参加国による紳士的な申合せとして存在している。
(2)ココムとの違い

 ココムがその対象地域を共産圏に限定していたのに対し、WAは特定の対象国・地域に的を絞ることなく、全ての国家・地域及びテロリスト等の非国家主体を対象としている。
(3)WAにおける活動
ア 輸出管理

 参加国は、通常兵器及び関連汎用品・技術に関してWAで合意されたリスト(注)に掲載された品目について、国内法令(我が国においては、外国為替及び外国貿易法、輸出貿易管理令、外国為替管理令等)に基づき、輸出管理を実施している。

(注)輸出管理対象品目・技術リスト

(a)汎用品・技術リスト:9カテゴリーに分類された「基本リスト」、基本リストの中でもより機微なものと位置づけられる汎用品・技術を抜粋した「機微品目リスト」及び「特に機微な品目リスト」の3種が存在する。

【基本リストの9カテゴリー】

(1)先端材料(超伝導材料、セラミック等)
(2)材料加工(工作機械、ロボット等)
(3)エレクトロニクス(集積回路半導体等)
(4)コンピュータ
(5)通信関連(ケーブル、暗号装置等)
(6)センサー・レーザー(ソナー、暗視センサー、レーダー等)
(7)航法装置(ジャイロスコープGPS等)
(8)海洋関連(潜水艇、水中用ロボット等)
(9)推進装置(ロケット推進装置、無人航空機等)

(b)軍需品リスト:22項目にわたって武器(通常兵器)等を全般的に網羅したリスト。

イ 情報交換

 参加国は、通常兵器及び関連汎用品・技術の移転に関する透明性を高めるために以下の情報を参加国間において通報している。

(a)通常兵器

移転通報:国連軍備登録制度の7つのカテゴリーに小型武器(携帯式地対空ミサイルを含む)を加えた計8カテゴリーの通常兵器について、型式の詳細を含むWA参加国からWA非参加国への移転の通報(年2回)

(b)汎用品・技術

(基本リスト品目について)

拒否通報:WA非参加国に対する拒否案件についての通報(年2回)

(機微品目リスト・特に機微な品目リストの品目について)

拒否通報:WA非参加国に対する拒否案件についての原則30日、遅くとも60日以内の通報。
移転通報:WA非参加国に対する許可/移転についての通報(年2回)
アンダーカット事後通報:過去3年間にWA参加国が通報した拒否案件と本質的に同様の案件の輸出許可についての原則30日、遅くとも60日以内の通報。

4 参加国・組織
(1)参加国

 42か国(アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチアチェコデンマークエストニアフィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャハンガリー、インド(2017年12月)、アイルランド、イタリア、日本、韓国、ラトビアリトアニアルクセンブルク、マルタ、メキシコ、オランダ、ニュージーランドノルウェーポーランドポルトガルルーマニア、ロシア、スロバキアスロベニア南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、ウクライナ、英国、米国)
(2)組織

ア 事務局はウィーンに設置されている。
イ 全ての重要事項は、年1回開催される総会において決定される。総会の議長は各国の持ち回り。
ウ 一般作業部会は、主に政治的事項の協議及び情報交換を目的として年2回開催される。
エ 専門家会合は、規制リストの見直しのために年2回開催される。

レイム
ワッセナー・アレンジメントとは、1994年にココム(共産圏諸国への軍事技術・戦略物資の輸出規制)が解除され、その代わりとして1996年に発足した新たな合意の事ね。


レイム
そしてその目的は「冷戦終結に伴い、地域及び国際社会の安全と安定を損なうおそれのある通常兵器及び関連汎用品・技術の過度の移転と蓄積の防止という課題」を解決するためのもので、「ココムがその対象地域を共産圏に限定していたのに対し、WAは特定の対象国・地域に的を絞ることなく、全ての国家・地域及びテロリスト等の非国家主体を対象としている」と説明されているわ。


マリサ
要するに、兵器転用可能な物資や技術を「危険な国・組織」に安易に渡さないために、国際的な取り組みをしていこうという事だな。


レイム
で、この取り決めに基づいて、各国が個別に輸出管理を行うための法整備をするということになり、それで日本の場合には、合意で指定されたリストに基く「リスト規制」と、リストにはないが「機微な物資」を規制する「キャッチオール規制」を法制度化したわけね。


マリサ
じゃあ次はリスト規制についてか?


レイム
そういう事。
次を見てもらうと

リスト規制
経済産業省 
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/anpo02.html

リスト規制

・輸出しようとする貨物が、輸出貿易管理令(輸出令)・別表第1の1~15項で指定された軍事転用の可能性が特に高い機微な貨物に該当する場合 又は、・提供しようとする技術が、外国為替令(外為令)・別表の1~15項に該当する場合には、貨物の輸出先や技術の提供先がいずれの国であっても事前に経済産業大臣の許可を受ける必要があります。

 概要

国際輸出管理レジームにおける合意に基づき、大量破壊兵器やその他の通常兵器の開発等に用いられるおそれが高い特定の機微な貨物や技術については、貨物の輸出や技術の対外提供に先立ち、政府が輸出管理を実施し、懸念のある用途に転用されるおそれがあるかどうかその国の政府が審査を行うこととなっております。

許可が必要となる具体的な貨物、これらの技術については、参加国合意の下各国際輸出管理レジームがそれぞれ公表する規制対象品目リストにおいて、貨物及び技術の種類・仕様(スペック)が具体的に定められており、これらのリストに基づき、各国において規制が行われております。
我が国においては、外為法に基づいて定められた政令以下において規制対象品目リストが反映されており、貨物の種類については、「輸出令別表第1」に、技術の種類は「外為令別表」に、それぞれの貨物および技術の詳細な仕様については「輸出貿易管理令別表第1及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令(貨物等省令)」に、語句の解釈については「輸出貿易管理令の運用について(運用通達)」及び「外国為替及び外国貿易法第25条第1項及び外国為替令第17条第2項の規定に基づき許可を要する技術を提供する取引又は行為について(役務通達)」において補足されていますので、輸出等に当たっては、それらを確認することが必要です。

レイム
これは、「輸出・提供しようとする貨物や技術が、輸出貿易管理令・外国為替令で指定された軍事転用の可能性が特に高い機微な貨物・技術に該当する場合、貨物の輸出先や技術の提供先がいずれの国であっても事前に経済産業大臣の許可を受ける必要がある」という制度ね。


マリサ
つまり、ワッセナー・アレンジメントに基いて、国が作成したリストに含まれる物資や技術は、輸出の際に必ず経済産業大臣の許可を受けないといけないって事だな。


レイム
そういう事。
で、次が度々出て来る「キャッチオール規制」で

補完的輸出規制(キャッチオール規制)
経済産業省 
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/anpo03.html

 リスト規制品以外のものを取り扱う場合であっても、輸出しようとする貨物や提供しようとする技術が、大量破壊兵器等※1 の開発、製造、使用又は貯蔵もしくは通常兵器※2 の開発、製造又は使用に用いられるおそれがあることを輸出者が知った場合、又は経済産業大臣から、許可申請をすべき旨の通知(インフォーム通知)を受けた場合には、輸出又は提供に当たって経済産業大臣の許可が必要となる制度です。この制度は通称「キャッチオール規制」と呼ばれています。従って、貨物の輸出や技術の提供を行う際は、リスト規制とキャッチオール規制の両方の観点から確認を行う必要があります。
 キャッチオール規制は、「大量破壊兵器キャッチオール」と「通常兵器キャッチオール」の2種類からなり、客観要件とインフォーム要件 の2つの要件により規制されております。この2つの要件のどちらかに該当する場合には、許可申請が必要となります。

 客観要件は、輸出者が用途の確認又は需要者の確認を行った結果、
  ①大量破壊兵器等の開発、製造、使用又は貯蔵等に用いられるおそれがある場合
   又は
  ②通常兵器の開発、製造又は使用に用いられるおそれがある場合
 に許可申請が必要となる要件です。

 インフォーム要件は、経済産業大臣から
  ①大量破壊兵器等の開発、製造、使用又は貯蔵に用いられるおそれがある
   又は
  ②通常兵器の開発、製造又は使用に用いられるおそれがある
 として許可申請をすべき旨の通知(インフォーム通知)を受けている場合に、許可申請が必要となる要件です。

なお、いずれも輸出令別表第3の地域向けの貨物の輸出や技術の提供については、キャッチオール規制の対象から外れています。
(後略)

レイム
これは補完的輸出規制とも呼ばれていて、「リスト規制品以外のものを取り扱う場合であっても、輸出しようとする貨物や提供しようとする技術が大量破壊兵器や通常兵器の開発、製造又は使用に用いられるおそれがあることを輸出者が知った場合、又は経済産業大臣から、許可申請をすべき旨の通知を受けた場合には、輸出又は提供に当たって経済産業大臣の許可が必要となる制度」の事ね。


レイム
で、「キャッチオール規制は、「大量破壊兵器キャッチオール」と「通常兵器キャッチオール」の2種類からなり、客観要件とインフォーム(許可申請をすべき旨の通知)要件 の2つの要件により規制されております。この2つの要件のどちらかに該当する場合には、許可申請が必要となります」と書かれていて、物資や技術ごとに詳細な定義付けがされているのね。


マリサ
要するに、リスト規制には該当しない大量破壊兵器や通常兵器に転用可能な物資や技術に関しても、「補完的」に規制対象にするための制度で、目的は「日本側の輸出業者に対して、規制品を輸出する場合経産省の許可を取ってください」という制度って事だな。


レイム
そういうこと。
ただし、基本的には輸出企業はこれらの物品を輸出する際に、輸出毎に経産省許可申請をしないといけないのだけど、日本政府が定める安全基準を満たしている国に対してのみ、「キャッチオール規制の対象外にできますよ」という仕組みがあって、これがグループA(旧ホワイト国)なのね。

No.3 大韓民国向けの輸出について厳格な制度の運用
SEMI ジャパン 2020年10月現在
https://www.semi.org/sites/semi.org/files/2020-11/%233%20%E5%A4%A7%E9%9F%93%E6%B0%91%E5%9B%BD%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%AE%E8%BC%B8%E5%87%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E5%8E%B3%E6%A0%BC%E3%81%AA%E5%88%B6%E5%BA%A6%E3%81%AE%E9%81%8B%E7%94%A8.pdf

(一部抜粋)
輸出管理上における国別カテゴリーの名称見直しについて
◇従来、輸出令別表第3及び輸出貿易管理令の運用について(昭和62年輸出注意事項62第11号・62貿局第322号。以下「運用通達」という。)い地域①については、実務上、いわゆる「ホワイト国」との名称が用いられてきた。◇今回、我が国の輸出管理制度について、国内外の実務者・関係者による理解を深める観点から、輸出管理上の国別カテゴリーの実務上の名称について、以下のように呼称するようにします。なお、法令上の扱いは運用通達上の国別区分に定めるとおりであり、変更はない。

グループA 輸出令別表3の国・地域 (旧称 ホワイト国)

グループB 輸出管理レジュームに参加し、一定要件を満たす国・地域(グループAを除く)

グループC グループA・B・Dのいずれにも該当しない国・地域

グループD 輸出令別表3の2*、別表4の国・地域

*国連武器禁輸国・地域:「輸出令別表第3の2」の地域
アフガニスタン中央アフリカコンゴ民主共和国イラクレバノンリビア北朝鮮ソマリア南スーダンスーダン

レイム
で、このグループAとは「輸出令別表3の国・地域」と呼ばれていて、2023年5月現在はグループAからDがこうなっているわ。

補完的輸出規制(キャッチオール規制)
経済産業省 
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/anpo03.html

(一部抜粋)
輸出令別表第3の地域:
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコデンマークフィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャハンガリーアイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランドノルウェーポーランドポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカ合衆国

国連武器禁輸国・地域:「輸出令別表第3の2」の地域
アフガニスタン中央アフリカコンゴ民主共和国イラクレバノンリビア北朝鮮ソマリア南スーダンスーダン

マリサ
これを見る限り、「規制」に該当するのは「国連武器禁輸国」のみで、他は基本的には許可を受ければ輸出できるってことか。


レイム
そういう事。
そして、キャッチオール規制ではこの許可を輸出毎に行わないといけないのだけど、キャッチオール規制の対象外であるグループA該当地域は数年ごとの包括許可で輸出できるわけね。
で、この包括許可にも複数種類あって

包括許可
経済産業省 
https://www.meti.go.jp/policy/anpo/apply13.html

(一部抜粋)
特別一般包括許可
(特一包括)  
貨物・技術の機微度が比較的低い品目について、輸出令別表第3の地域を除く地域向けを含んだ一定の仕向地・品目の組合せの輸出を包括的に許可する制度

一般包括許可  
貨物・技術の機微度が比較的低い品目について、電子申請を前提とし、輸出令別表第3の地域向けを限定に一定の仕向地・品目の組合せの輸出を包括的に許可する制度

レイム
グループAに該当する「電子申請を前提とし、輸出令別表第3の地域向けを限定に一定の仕向地・品目の組合せの輸出を包括的に許可する制度」である「一般包括許可」と、「輸出令別表第3の地域を除く地域向けを含んだ一定の仕向地・品目の組合せの輸出を包括的に許可する制度」である「特別一般包括許可」があるのね。
他にもあるけど、今回は省略するわ。


マリサ
ああ、別にグループAではなくても、条件次第では包括許可を受けられるのか。


レイム
そういう事。
で、重要なのは、これはあくまで日本側の輸出業者が「どんな形の輸出許可申請をするか」を決めたものであって、輸出相手国に対してどうこうするようなものではないのよ。


マリサ
要するに、日本政府が提示している安全基準の条件を満たしている国に関しては、日本の輸出業者は簡易な申請で輸出をしても良いですよというだけで、厳密には「優遇措置」というわけでもないって事か。


レイム
そう、あくまで日本企業がどうするかという制度だから。



実際の措置


マリサ
ここまでで制度についてはある程度分かったが、実際問題韓国はなんでグループAから外されたって事になるんだ?


レイム
それなのだけど、フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3品目に関してと、それ以外の物資に関しては、事情が異なっているので、まず「それ以外」について説明すると

本日の韓国産業通商資源部による記者説明について
経済産業省 2019年7月19日
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190719009/20190719009.html
https://web.archive.org/web/20190719104117/https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190719009/20190719009.html

本日、韓国産業通商資源部から、12日に開催された事務的説明の内容や、その後のメールの送受信などのやり取りについて、再度、事実誤認を含め、記者説明が実施されましたので、事実関係をお知らせいたします。

1.日本の運用見直しの性格について

今回の運用見直しは、国際合意に基づいた輸出管理の不断の見直しの一環として、従来韓国に対して実施してきた優遇措置をやめて、他国と同様の通常の輸出管理上の扱いに戻す内容であり、禁輸措置ではありません。

2.7月12日の事務的説明の内容について

7月12日の会合は見直しの内容を事務的に説明するための場であり、輸出管理当局間の協議の場ではないことを事前に韓国側と合意した上で開催しました。また、冒頭から面談の位置づけだけで30分も議論し、その位置づけを確認して開始しました。

韓国側からは「遺憾の表明、原状の回復と撤回の要請」ではなく、「問題解決」の要請があり、日本側からは、本件は協議するような「問題」ではないため、今回は事実関係の説明を行う旨回答いたしました。

3.韓国の輸出管理制度について

韓国側が通常兵器キャッチオール制度を導入していると主張していることについては承知していますが、韓国側のキャッチオール制度の根拠条文である対外貿易法19条と戦略物資輸出入告示50条は大量破壊兵器関連物品等を対象とすることが明記されており、法的根拠が不明確であると認識しています。

また、執行体制についても、本日の記者説明において「110人あまりの担当人材を配置」と説明していますが、これは、武器そのものの輸出入に携わる人員や民間機関の職員を含めた人数であり、産業通商資源部のウェブサイトによれば、軍事転用可能な民生品の審査に携わる職員数は、貿易保険やダイヤモンドの輸出管理に携わる職員も含めて11名であると承知しています。

4.日本と韓国の二国間の政策対話

二国間の政策対話について、本日、韓国側からは「本年、3月以降に開催することで合意していた」と説明がありましたが、これは、昨年12月18日に韓国側の担当官から、「2019年3月以降でないと開催できない」と一方的に伝えてきたものであり、3月以降に開催することで合意した事実はありません。

なお、昨年12月より前にも、経済産業省からの申入れに対して一度合意した日程を含め、韓国側の事情により日程が延期されてきたと認識しています。日本側からは、政策対話が開催できていないことに対する懸念を韓国側に伝えるなど、繰り返し開催を要請してきました。

また、韓国側は「経済産業省主催のセミナーの場で意見交換をしてきた」と主張していますが、機微情報を扱う政策対話とは全く異なる性格のものであると考えています。

信頼関係のある国の間で、安全保障輸出管理について機微な情報も含めた意見交換を行うことは、実効的な輸出管理を行うための不可欠な要素ですが、本日の韓国側の記者説明を含め、二国間のやり取りの内容について、双方の事前合意なく公開されるような状況が改善されない限り、信頼関係に基づいた政策対話の開催は難しいものと考えています。

その上で、こうした状況を打開するための実務レベルのやりとりを継続していきたいと考えています。


レイム
以前から何度か引用している、2019年7月19日の経産省のプレスリリースなのだけど、韓国の問題点というのは3つあって、一つ目は「韓国のキャッチオール規制は大量破壊兵器と通常兵器の区分けとなる条文の法的根拠が不明瞭である」という事、2つ目は「軍事転用可能な民生品の審査に携わる職員数が少なすぎる」ということ、3つ目はさっきの3品目にも関わってくるので後でね。


マリサ
要するに、日本政府が日本の輸出業者に「一般包括許可」を出す条件として提示している「安全基準」に関して、法的な面と人員で韓国側に問題があったという事だな。


レイム
で、次にフッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3品目に関してなのだけど、これは2019年7月当時に世耕大臣が「不適切な事例があった」としている件に関して、詳細は公表されていなかったのだけど、「これではないか」と言われているものがあって、

〈2〉 日韓間の混乱を招いた 安全保障輸出管理に関する誤解誤解と混乱の要因―日韓の制度運用
CISTEC 事務局 2019.9
https://www.cistec.or.jp/service/kankoku/191011-02_tokusyuu02.pdf

(中略)
■韓国向け輸出管理運用の見直しの背景韓国向け輸出管理運用の見直しの背景、理由等については、CISTEC としては知り得る立場にはない。ただ、経済産業省の説明や事実関係についての諸報道から、何が輸出管理上問題だったのかということが窺い知れるように感じられる。

○第一に、3 品目の韓国向けの個別許可への移行についてである。「不適切な事案」の発生ということが経済産業省からは説明されているが、必ずしも明確にその内容について言及されているわけではない。

しかしこれは、輸出管理に携わる者における制度運用の感覚からすれば、あくまで「不適切」であって、「不正」「違法」ということではなかったのだろうと推測される。「不正」「違法」であれば、一般的には包括許可の取消となり(仕向地を問わず)、相手先への輸出も認められなくなるというのが一般的パターンである。もちろん、自主管理の適切な実施を前提として付与される包括許可なので、自主管理に大きな問題があるということであれば、包括許可の取消もある。しかし、包括許可自体は取り消されているわけでもなく、相手方への輸出も認められている中で、韓国向けのみを対象として、輸出者を問わず一律に個別許可へ移行したということは、経済産業省当局が自らチェックし是正する必要性がある、韓国向けのみに見られる何かがあったということだと考えられる。

「不適切な事案」に関しては、世耕大臣が 7 月 16日の記者会見で、次のように答えている。
Q:12 日の事務会合で、経産省としては、不適切な事案というのは北朝鮮など第三国への不
正輸出ではないことを説明しました。韓国側は、北朝鮮の問題ではなく二国間であるという点を含めて、輸出管理は適正であり日本の措置を不当と主張する可能性がありますが、御所見を伺わせてください。

A 今回の対象となった 3 品目に関する輸出管理の運用見直しに関連する不適切事案は、韓国から第三国への具体的な輸出案件を念頭にQ:12 日の事務会合で、経産省としては、不適切な事案というのは北朝鮮など第三国への不正輸出ではないことを説明しました。韓国側は、北朝鮮の問題ではなく二国間であるという点を含めて、輸出管理は適正であり日本の措置を不当と主張する可能性がありますが、御所見を伺わせてください。

(中略)

この記事で見る限りでは、韓国のユーザー企業本社が海外のグループ企業の使用分も集中購入して、それを配分している構図となっている。しかし、中国工場が最終需要者、最終用途として予定しているのであれば、それは韓国の本社工場向けとは別に許可を取らなければならない。しかも、中国向けであれば、フッ化水素であれば個別許可又は特定包括許可(※)となる。

※ 特定包括許可:継続的な取引関係にある需要者に輸出する企業に付与されるもの(厳格な自主管理を行っていることが前提。)

韓国向けは、ホワイト国であれば、フッ化水素でも一般包括許可(ホワイト包括)で簡易な手続きで輸出できるし、最終用途誓約書も不要である。特別一般包括許可でももちろん輸出できる。

しかし、それはあくまで、最終需要者・用途が韓国内であることが大前提となる。一般包括許可又は特別一般包括許可で輸出する場合であっても、許可条件の中できちんと最終需要者・用途を見極めることが求められるし、一般包括許可といえども、最低限、軍事用途ではないことの確認が求められている。それが、「短期間・短納期での発注が繰り返される慣行がある」ということで、確認がおろそかになり、更には実際に、中国工場向けに再輸出されてしまっていたとなれば、いくらグループの現地法人向けといえども、迂回輸出、目的外使用になりかねない。

日本の輸出企業、日本政府当局ともに、輸出した後の製品の行方が把握できないということになれば、「日本が主要な供給国として国際社会に対して適切な管理責任を果たす必要がある」との要請に応えることができなくなる。

したがって、輸出者、輸入者(需要者)ともに問題があり「不適切」だから、個別許可に移行して最終需要者・用途を当局として審査し、他国への再輸出が勝手に行われることがないよう担保する必要がある、というのが日本の輸出管理当局の立場に立った見方であろう。

※世耕経済産業大臣が、不適切事業について、「韓国から第三国への具体的な輸出案件を念頭に置いたものではない」旨述べているが、これは、北朝鮮への横流しといった不正輸出の可能性が指摘されていたことを否定する趣旨のものだと考えられる。

レイム
本来であれば、経産省から許可を受ける際、「最終使用地域」を明確にしないといけないのだけど、どうやら韓国の企業はグループ本社が一括で韓国に輸入して、その一部を申請無しで韓国企業の中国工場に持っていって使っていたらしいのよ。


マリサ
ああ、つまり問題なのは「どこで使うか」をちゃんと申請していなかったて事か。


レイム
そうなのよ。
中国はグループA国ではないけど、「国連武器禁輸国」でもないから、基本的に3品目の輸出は違法ではないのだけど、それならそれで「最終使用地域中国」として、日本企業が経産省許可申請をしないといけないのに、日本企業は知っていて黙っていたのか、それとも知らなかったのかは不明だけど、とにかく申告していなかったから、それで問題になったようなのよ。


レイム
で、この件も含め、2018年6月の定期対話で韓国に対して「どうなっていますか?」と聞こうとしたら、韓国側がなんだかんだと言い訳をして定期対話に出てこなくなったので、「安全基準が満たせていない」として、韓国を「グループA(旧ホワイト国)」からグループBに移行させ、キャッチオール規制を適用し、「今後日本企業は輸出の際に個別申請してくださいね」としたわけ。


マリサ
要するに、韓国や日本のメディアは「徴用工裁判への報復措置だ」とか言っているが、実際には「韓国が安全基準を満たせなくなったから、日本企業は輸出毎に申請してね」という、ただそれだけの事ってわけだ。


レイム
調べればわかるけど、これ典型的な「ヒムドゥロヨ・ケンチャナヨ」案件なのよ。


※動画説明欄に関連リンクがあります。

今回のまとめ

・輸出管理強化問題とは、輸出企業が経産省に対して行う申請の事。

・韓国側が日本の要求する安全基準を守らないので、企業の経産省への申請の手間が増えた

マリサ
今回の話を聞く限り、マスコミや韓国の言う「徴用工裁判への報復措置」というのが、いかに見当違いかがよく分かるな。


レイム
そうなのよ。
これはあくまで「輸出する際に個別申請が必要になった」というだけで、「禁輸」や「規制」をする根拠法にはならないのね。
基本的に「輸出自体はできる」のだし。


マリサ
あと、なんか一部でイランや北朝鮮に規制品を輸出した云々って話もでているが、それはどうなんだ?


レイム
それも違うのよ。
もしそういう事例を日本が察知したのなら、それは国連安保理の制裁違反になるから、ちょっと前に「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」が北朝鮮に対する制裁違反で罰金を命じられたけど、同じことが韓国企業に起こっているはずなのよ。


マリサ
つまり、そういう事になっていたなら、企業の申請が面倒になるとかそれどころの話ではなくなるって事か。
アメリカが「韓国企業は許すけどイギリス企業は許さん」なんて判断するわけないしな。


レイム
実際、BATは制裁違反で6億2900万ドルもの罰金を科せられたし。


マリサ
なるほどな。


レイム
次回はこの件を踏まえたうえで、韓国の態度の問題と、韓国のグループA復帰の件なども含め扱っていくわ。
そんなわけで今回はここで終わるわね。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
今回は3部構成なのでおまけはないよ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~





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