さて、本日は今年も始まったソメイヨシノの韓国起源説について、新たな展開も出てきたためその件を中心に扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
一時期鎮静化していたソメイヨシノの韓国起源説が徐々に活発化してきているが、今年の特徴として以前にもまして論調が分裂し対立が大きくなってきており、主張同士が矛盾し合う事例が増加する傾向にある。
これには、2018年頃に韓国の公的機関が「ソメイヨシノと王桜は別種である」と声明を出したことが関係しており、「別種である」という見解を認めない人々がこれに反発、対立が激化し、政治家も巻き込み双方が勝手な主張をし始めた事が関係している。
また、それと並行してワシントンDCの桜並木への起源主張も活発化し始め、これに「同種派」と「別種派」がどちらも関わり「韓国産だ」と言い出せる土壌があり、今後注意していかないといけない。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
以下から本文
1:起源主張の活発化
最初に、これまでの経緯や背景については、情報量が多すぎるので過去記事や動画を参照してください。
(リンク先にも多数のリンクがあります)
ソメイヨシノの韓国起源説は終わった? - 日韓問題(初心者向け)
ソメイヨシノ韓国起源説の続き - 日韓問題(初心者向け)
【ゆっくり解説】ソメイヨシノ韓国起源説 2022最新版 part1/2 - 日韓問題(初心者向け)
【ゆっくり解説】ソメイヨシノ韓国起源説 2022最新版 part2/2 - 日韓問題(初心者向け)
※注:韓国ではソメイヨシノと済州島産の「王桜」を混同させるため、意図的にソメイヨシノと王桜どちらにも「왕벚나무(ワンボンナム=王桜)」という表記をしており、近年の別種論が出てきてからはソメイヨシノを(일벚나무=日桜)あるいは(재배 왕벚=栽培王桜)と表記して区別している場合があります。
現在はこの表記が、明確な指針もないまま混在している状態です、韓国メディアから直接情報を得ようとする場合はご注意ください。
まずはこちらの記事から
4年ぶりに全国最大 桜花祝祭…「春の伝令」鎮海軍港祭開催
ソウル新聞(韓国語) 2023.03.15
https://n.news.naver.com/mnews/article/081/0003346181
「春風が吹き 舞い散る桜の花びらが 響き渡るこの道を う~う2人で歩こうよ」
桜の季節、春が来た。ソーシャルディスタンスが解けた後、初めて迎える今年の春には、家族と自由に桜道を歩きながら桜の花の雨に打たれ、『桜エンディング』を口ずさみながら、うれしい春の外出を心行くまで楽しめることになった。南側に春が来たというニュースを全国に一番先に知らせる慶南・鎮海郡港祭も4年ぶりに再び開かれる。
ホン・ナムピョ昌原市長は14日、ソウル新聞とのインタビューで、「桜祭りが見られるのを心待ちにしていた全国の行楽客が、今年の鎮海郡港祭で桜が花開く美しい春と祭りを満喫できるようイベントの素材と内容などを新たにたっぷりと準備した」と話した。
・36万本 桜の木
鎮海軍港祭は1952年4月13日、鎮海区ドチョン洞北園ロータリーに我が国で初となるイ・スンシン将軍の銅像を建てて、追慕祭を挙行したことから始まった。毎年追悼祭を行い、1963年に総合祭りである「鎮海軍港祭」に変身し、世界最大規模の桜祭りに発展した。
市街地、周辺の山や草地などにある約36万本の桜が軍港祭期間中に満開になると、桜の花が都市全体を覆って幻想的な景色が演出され、全国から数百万人の観光客が押し寄せる。旅行関連インターネット各種ブログとカフェなどには「4年ぶりに開かれる鎮海軍港祭にぜひ行ってみたい」という文が続いている。
昌原市は、今年の軍港祭行事は「軍港、桜、防産」の3大核心素材を中心に準備した。海軍の母港という象徴性と海洋観光都市の特性、長所などを祭りに反映した。
チョン・ヒョンソプ昌原市文化観光体育局長は「我が国の防衛産業代表地域である昌原市の特性を生かし、桜の花に偏っていた軍港祭に軍港関連イベントのイメージを加え、鎮海軍港祭ブランドを確実に確立する計画」と強調した。
昌原市は、昌原地域の防衛産業事業であるハンファ・エアロスペースで生産するK9自走砲と装甲車、指揮車両などが軍港祭の李忠武公勝戦行事とK防衛産業護国パレード行事に参加できるよう協力を求めた。
海上花火ショーなどのイベントの様々
5日、北原ロータリーの一員で追慕大祭の李忠武功瀋陽行事が開かれ、29日夜に鎮海楼の前で海上花火ショーが繰り広げられる。31日には鎮海公設運動場と北原ロータリーの一員で昇戦行車が行われる。来月1日、中原ロータリーをはじめとする主要道路で軍楽・議長街パレードが開かれる。 31日から来月2日まで3日間開かれる鎮海軍楽議長フェスティバルは鎮海軍港でしか見られない代表的な見どころだ。陸・海・空軍と海兵隊など軍部隊10余チーム、国内駐留米軍1チーム、民間3チームなどが参加し、鎮海公設運動場で軍隊芸術公演を披露する。 軍航制期間には一般人が出入りできない鎮海海軍士官学校と海軍教育司令部、鎮海基地司令部などを開放する。車両を利用したり、歩いて部隊の中を見回すことができる。海事と海軍教育士、海軍陣騎士領内は数十年から100年を越えたソメイヨシノが森を構成しており、軍港祭の期間に必ず巡る桜の名所に挙げられる。海事は観覧客のために31日、士官生徒たちが死熱・分裂を行う忠武意識を披露する。鎮海基地司令部も軍港に停泊した艦艇を公開し、広報館を運営し、訪問観光客のための軍楽演奏会など様々な行事をする。
軍港祭期間中、女座川一帯と中原ロータリー、硬化駅、鎮海楼など桜の名所ごとに雰囲気に合ったテーマの行事と芸術文化公演が続き、桜と公演を一緒に楽しむことができる。
鎮海桜は済州産
韓国動植物図鑑に収録された桜は全部で17種だ。このうち、我が国の純粋自生種は5種だ。鎮海王桜は日本産ではなく、我が国の済州島に自生する王桜だ。日本は鎮海に軍港を建設した当時、都市美化のために桜の木をたくさん植えた。
光復後、日本の残滓と感じられ、桜の木が消える危機にひんすることもあった。1962年、パク・マンギュとブ・ジョンヒュの2人の植物学者が、我が国に育つ王桜の木の原産地が済州島という事実を究明し、桜に対する否定的な認識が変わった。この時から気候と土質に適した桜の樹種を着実に開発し植えた。古い桜の木は、木の治療専門病院に依頼して外科手術を施すなど集中管理し、鎮海楼などは桜の景色が美しい名所として噂されている。
昌原市と軍港制委員会は今年、軍港制期間に国内外で450万人の観光客が訪れると予想し、軍部隊や学校、官公署などに臨時駐車場を確保した。週末には鎮海区庁、昌原中央駅、斗山ボルボロ、公団路などから出発する無料シャトルバスも運行する。
昌原市と軍港制委員会は「軍港制期間に多くの人派が集まることに備えて安全管理に最優先を置き、市と関連機関が緊密に協力し、細心の準備をする」と話した。
韓国で桜の名所となっている鎮海軍港で、3年ぶりに桜祭りが開催されるとしている記事なのですが、最後の方で「鎮海桜は済州産」と書かれており、鎮海軍港に植えられている桜は済州島産の「王桜」であると書かれています。
文章を読む限りでは、日本統治時代に日本が王桜を植えたと読めます。
しかし次の記事を読むと
鎮海軍港祭の桜は、日本桜一色
明日新聞(韓国語) 2023-03-24
http://www.naeil.com/news_view/?id_art=455340
(社)王桜プロジェクト2050調査… 余佐川99.7%、慶和駅91.1%、中原西路100%
軍港祭が開かれる鎮海(チネ)の有名な桜道に植えられた桜の全数調査の結果、大部分が日本原産「ソメイヨシノボンナム」であることが明らかになった。
(※注:ボンナム=桜の意味)
(社)王桜プロジェクト2050(会長シン・ジュンファン)は23日、「今年、桜の花の開花時期に合わせて全数調査をした結果、鎮海の余佐川や慶和駅一帯、中原西路などにある桜の大部分が、日本産だった」と明らかにした。
鎮海余佐川一帯に植栽された桜類380本の種のうち、379本がソメイヨシノ桜で、99.7%を占めた。慶和駅一帯は381本のうち、347本で91.1%で、中原西路では120本全てがソメイヨシノ桜だった。
ソメイヨシノ桜ではない桜は、「カスミザクラ」、「シダレザクラ」、「エドヒガン」などだった。これらは全部が最近植えられた若木であって、日本原産のシダレザクラが一番多かった。
ヒョン・ジンオ事務総長(北東ア生物多様性研究所代表)は23日、「21日と22日、団体会員など調査員17名が参加し、鎮海の代表的な桜名所にある桜類全体を調査した」とし、「鎮海で、我が国特産の桜である『王桜』は一本も発見されなかった」と明らかにした。
シン・ジュンファン会長は、「鎮海のソメイヨシノ桜は1960年代、日本から持ち込んで植えたものだと分かっている」とし、海軍士官学校をはじめとし、鎮海市全域に植えられた桜の大部分が日本原産と推定される」と明らかにした。
シン会長は「鎮海軍港祭はイ・スンシン将軍の魂を称える行事」とし、「このような趣旨の行事を日本原産の桜の開花期に合わせて開くべきか検討する必要がある」と話した。
桜は30年以上たつと茎が腐っていき倒れる場合が多い。現在、寿命が近づいている日本産桜を我が国特産の王桜に交換すべきという指摘も出ている。
シン会長は「日本原産の木を植えてはいけないと主張しているのではないが、国会や国立顕忠院、抗日遺跡地、軍事施設などでは考えもの」とし、「年次的に、群山、慶州、求礼、釜山、霊岩)、済州、河東などの桜名所や、顕忠院、王陵、遺跡地などに植えられた桜の樹種を調査し、発表する予定だ」と話した。
韓国原産の「王桜」と日本原産の「ソメイヨシノ桜」は、見た目では似ているが、遺伝子分析の結果、父母種が互いに異なる別種であることが明らかになった。
王桜は済州と海南に自生する韓国特産種で、エドヒガンを母系、オオヤマザクラまたはヤマザクラを父系とする。
ソメイヨシノ桜は日本特産種で、エドヒガンを母系、オオシマザクラを父系とする。
我が国固有種である王桜は漢拏山自生で、個体ごとにそれぞれの固有遺伝子を持っている。
単一遺伝子で構成された複製品であるソメイヨシノ桜に比べ、気候変動への対応力が高く、新品種開発の可能性も高い。
鎮海軍港の桜の9割以上が日本のソメイヨシノであり、記事では「鎮海のソメイヨシノ桜は1960年代、日本から持ち込んで植えたものだと分かっている」と書かれています。
ちなみに、記事中の「王桜プロジェクト2050」というのは、韓国が2018年に政治的な理由からソメイヨシノと王桜は別種」という主張をした後、「日本産のソメイヨシノを韓国産の王桜に植え替えよう」という目的で立ち上がった企画です。
このことから、現在の韓国では「別種派」と「同種派」がそれぞれ勝手に言いたいことを言っている状態であることがわかります。
余談になりますが、韓国内で別種とする話が出てきたのは2018年からである上に、それ以前は「ソメイヨシノは王桜である」という論調が主流であったことから、王桜の挿し木や接ぎ木の量産はまだほとんど進んでおらず、当然あちこちに植えられるほどの数はありません。
現在の韓国はこの状態で、後程改めて説明しますが、別種派には別種派で色々とその主張に問題はあるにせよ、公的に「別種」とされたことから、どんな記事が出ようと別種となったという事でよいのではないかとも解釈できそうですが、実際はそう単純ではありません。
次に韓国環境部(日本の環境省に相当)傘下の国立生物資源館にあるソメイヨシノの説明を読むと
王桜 Prunus yedoensis Matsum
環境部 国立生物資源館
https://species.nibr.go.kr/endangeredspecies/rehome/redlist/redlist_view.jsp?link_gbn=ex_search&rlcls_sno=552
概要
森の中に育つ落ち葉の大きな木です。高さ10-20mである。葉はずれて、楕円状の卵形または卵形、長さ5〜12cm、幅3〜6cmです。葉の裏側は薄緑色で、マックの上に毛がある。花は4-5月に葉より先に短い枝から出た山房の花順に3-6個ずつ走り、赤い光が回る白、直径2-3cmである。花袋は長さ1.6-1.8cmです。花臼痛と雌術台に毛がある。果実は核科であり、丸く、黒く熟す。韓国全羅南道、済州島に自生する。全国に観賞用に植栽する。日本に分布する。漢拏山と全羅南道二輪山の自生地が天然記念物に指定されている。
分類学的特徴
落葉教牧で高さ15mに達する。吠え声は滑らかで、灰褐色で、若い枝には短い毛があります。楕円形の葉は交互に走り、長さ7〜15cmで、端にはツルツルが走る。白か薄い赤い花は3-4月に葉の脇の下で3つずつ群れて咲く。果実は核科として熟す。海抜450〜900mの間に分布する落葉広葉樹林内で育つ。
分布状況
韓国固有種で済州島漢拏山でのみ育ち、全南海南にも3本が育っている。
生息地/生育地特性
森の中で育つ。
脅威要因
街路樹、風寸、山地煮込み用水で広く栽培しているが、野生の状態の個体は済州島のみに分布し、自生地は5カ所未満で、個体数も多くない。全南海南にも3本が育っており、自生かどうかは不明だ。種については特別な保護対策はないが、一部の自生地を天然記念物に指定・保護している。
原記載文
Matsum. (1901). Bot. Mag. (Tokyo) 15: 100.
参考文献
キム・チャンス。 1998.ソメイヨシノの分布と分類学的研究。 済州大学理学博士学位論文。
キム・チャンス(他)。 2008.済州地域の珍しい植物。 国立森林科学院。
ソメイヨシノの学名「Prunus yedoensis Matsum」の説明に、「韓国全羅南道、済州島に自生する。全国に観賞用に植栽する。日本に分布する。漢拏山と全羅南道二輪山の自生地が天然記念物に指定されている」と、王桜の説明が書かれており、韓国の公的機関であっても起源主張が続いているところがあります。
ちなみに、過去記事や動画で何度か扱っていますが、日本の森林総合研究所の主任研究員が、2014年に韓国の公共放送であるKBSに騙されて取材を受け、王桜=ソメイヨシノ説を日本が認めたかのような印象操作に利用されたことがあります。
このため、2016年にこの主任研究員が中心となり王桜にCerasus × nudiflora (Koehne) T.Katsukiという学名を付けています。
韓国が王桜に学名を付けず、意図的に混同させるためにソメイヨシノの学名を王桜に付けていたためです。
染井吉野’など、サクラ種間雑種の親種の組み合わせによる正しい学名を確立
森林総合研究所 2017/1/18
http://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2017/20170118/documents/20170118press.pdf
こうした背景があるので、韓国の環境部傘下の機関がソメイヨシノの学名を今でも王桜に使っている時点で、「真っ黒」なわけです。
2:起源主張が復活
ではなぜこんなことになっているかというと、過去記事「https://oogchib.hateblo.jp/entry/ar1671519」でも説明したように、韓国で与野党の政権交代が起きると、韓国のいわゆる便宜上の保守(国粋系民族主義)がこの起源主張を李承晩の権威回復※に利用しようとしていたが、政権交代で都合が悪くなり、以下の記事にあるように
※李承晩は不正選挙が原因で追放されハワイへ亡命していたため、いわゆる便宜上の「保守」のなかでも多数派から評判が悪く、評価もあまり高くなかったが、近年韓国内で親北派の影響が強くなったことから、李承晩を「建国の父」として再評価させる動きが出始めています。
親北派は韓国建国の正統性自体を否定しているので、対抗する建国の象徴が必要になったわけです。
済州か日本か…ソメイヨシノ起源めぐる110年論争に終止符
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.13 16:20
https://japanese.joins.com/JArticle/245129
日本の
ソメイヨシノの起源は済州(チェジュ)にあるという主張が提起されてきたが、ゲノム分析を通じて日本の
ソメイヨシノと済州の「ワンボンナム(王桜)」は異なる種であることが確認された。これを受け、110年間続いてきた論争はやや呆気なく終止符を打つことになった。
山林庁国立樹木園は明知大・嘉泉大学チームと共同で済州に自生する王桜のゲノムを完全に解読し、その研究結果を含む論文を世界的ジャーナル『ゲノムバイオロジー』9月号に掲載したと13日、明らかにした。
済州の王桜のゲノムは全8本の染色体上にある2300万個のDNA塩基対で形成されていて、全4万1294個の遺伝子を持つことが分かった。
特に今回のゲノム分析の結果、済州の王桜は済州に自生するシダレザクラを母系、ヤマザクラを父系として誕生した第1世代(F1)自然雑種と確認された。
また、日本東京と米国ワシントンなどで育つ日本のソメイヨシノのゲノムと比較分析した結果、済州の王桜と日本のソメイヨシノは明確に異なる別の植物であることが分かった。日本のソメイヨシノはシダレダクラを母系、オオシマザクラを父系とし、数百年前に人為的な交配を通じて作られた雑種という。済州の王桜と日本のソメイヨシノはともに雑種だが、別の種だ。
研究チームは済州で自然雑種の王桜が誕生したのは、他家受粉を通じてのみ繁殖する桜の種が済州という島の孤立した環境でそれぞれ異なる種の間でも受粉を許容したことで繁殖が可能になったと推定した。
今回の研究をした明知大のムン・ジョンファン教授は「済州の王桜は雑種になって母系と父系にはない優秀な形質が表れる『雑種強勢』を見せる事例」とし「挿し木や接ぎ木で繁殖すれば形質が維持されるが、種子で繁殖すれば遺伝形質が分離して優秀な形質をなくすこともある」と説明した。
ムン教授は「今回の自生の王桜のゲノム解読を通じてソメイヨシノをめぐる原産地と起源に関する論争を終わらせる解答を得たということ」とし「今回の研究結果は国内の自生王桜のうち優秀な木を選抜して保存するのにも寄与するだろう」と述べた。
国立樹木園のチャン・ゲソン氏は「野生樹木のゲノムを完全に解読したのは世界的でも初めて。国内植物ゲノム解読と情報分析能力が世界最高水準であることを見せている」と評価した。
王桜の起源をめぐる論争は1908年に遡る。韓国で布教活動をしていたフランス人エミル・タケ神父が済州で自生の王桜を発見したのだ。続いて1932年に京都大学の小泉源一博士も済州でソメイヨシノの自生地を発見したという記録を残した。このため済州の自生の王桜が日本に渡ったという主張があった。
一方、日本の学者は日本国内にもソメイヨシノの自生地が過去にあったが消えただけだと反論した。しかし古い記録だけが残り、実際の王桜の自生地は確認されていなかったが、1962年についに済州で王桜の自生地が発見された。
その後、日本のソメイヨシノの起源は済州の王桜という主張が強まったが、今回の研究結果で論争自体が無意味になった。
北東アジア生物多様性研究所のヒョン・ジンオ所長は「韓国国内に庭園樹や街路樹として普及した王桜の大半は済州の王桜でなく日本のソメイヨシノである可能性がある」とし「日本のソメイヨシノを済州の王桜に変えていかなければいけない」と指摘した。
チャン氏は「DNAバーコードで遺伝子を確認すれば日本のソメイヨシノか済州の王桜かの確認が可能」とし「済州の王桜の繁殖も難しくはない」と話した。
韓国の山林庁(日本の林野庁に相当)国立樹木園が、「韓国がソメイヨシノの起源を主張すると同時に、日本も王桜の起源は日本と主張していたが、このたび国立樹木園が遺伝子解析で別種と確認した」と主張しました。
ソメイヨシノの起源主張を李承晩の権威回復に利用しようとしていたため、李承晩を独裁者として否定すると同時に「大韓民国臨時政府の樹立日を1919年、主権国家の樹立は1948年」とし、李承晩による大韓民国建国という「正統性」を否定している文在寅政権で政治的に都合が悪くなり※、「日本も起源主張をしていたが我々が別種と発見した」と嘘に嘘を重ねて誤魔化したわけです。
※これには2つの意図があり、一つはこれにより李承晩政権の正統性に傷をつけ、かつ金日成による北朝鮮の建国にこそ正統性があるとする親北派の主張を補強できる(李承晩は独立前、主にアメリカにいたが金日成は満州で戦っていたという事になっているため)、もう一つは1919年に国家となったとすることで、「日本による徴用は臨時政府の法では違法」という名分を作るためです。
韓国建国は「1919年」 論争に終止符=文大統領
聯合ニュース 2017.08.15
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20170815002000882
要するに、李承晩の名誉回復をして韓国建国に正統性を持たせたい勢力と、李承晩による統治を否定したい勢力(主に親北系)、その派閥争いにソメイヨシノの韓国起源説が利用された結果、2018年に韓国の公的機関が「別種(済州王桜と栽培王桜という分け方)」としたという経緯です。
実際には、1930年代に植物学者の小泉源一氏が王桜とソメイヨシノの同種論を展開しましたが、当時からその主張は疑問視されており、学術的に「エドヒガンとオオシマザクラの交雑したものがソメイヨシノである」とされており、当時議論があったのはこれが人為的な交配か、或いは自然の交雑かという事でした。
ソメイヨシノの韓国起源説には韓国においてこうした背景があり、2018年に問題こそあれ一応決着がついたかのように見えましたが、次の記事にあるように
「『王桜=日本産』論難、山林庁のせい」
済州毎日(韓国語) 2022.10.15
http://www.jejumaeil.net/news/articleView.html?idxno=320146
魏聖坤議員、「誤った認識が広がっても無対応」批判
魏聖坤議員(共に民主党、西帰浦市)は、「王桜の木、日本産論争」の責任が山林庁にあるとし、より徹底した研究で論難を静めることを注文した。
魏議員は山林庁(国立樹木院)の資料を分析し、「2018年に山林庁が自生種として登載されていた済州産王桜の木を、それぞれ済州王桜(自生種)と王桜(栽培種)に区分し、国家標準植物目録に登載したことが分かった」と明らかにした。
これは済州産王桜5本を分析した結果、4本からは済州産王桜固有の遺伝体が発見され、残りの1本からは日本王桜(ソメイヨシノ)と同一な遺伝体が発見されたためだ。以降、「王桜の起源が日本にある」という主張が力を得て、メディアとSNSを中心に広がり始めた。
魏議員は、「実際日本では、いまだに王桜の自生地が発見されておらず、王桜が人為交雑方式で栽培されたという主張も、まだ根拠が明らかになっていない」と指摘した。
魏議員は、「十分な研究なしで、『済州郷土遺産3号』である王桜を栽培種だと断定し、現在の場所に自生する理由を『植栽または生育地離脱』と推定した山林庁にその責任がある」と話した。誤った認識が拡大しているにもかかわらず、これに全く対応しなかった点も間違いとして挙げた。
また政権交代が起きると「別種論」に反発する人々が現れ、特に王桜の観光資源化を狙っている済州道の人々が反発、野党「共に民主党」から出馬した済州島選出の国会議員魏聖坤氏が中心となり、山林庁の見解に反発します。
ただし、この主張は記事でもわかるように「ソメイヨシノ」の表記が韓国で王桜と同一になっている事からくる影響も関係している事がわかります。
韓国山林庁は、済州島の王桜を済州王桜、ソメイヨシノを「栽培王桜」と表記したのです。
記事からは、ソメイヨシノと王桜が別種であるという「発想自体が無い」事も読み取れます。
そしてこうした背景を経て
[単独] 王桜の木起源論難で…山林庁「後続研究」を始める
漢拏日報(韓国語) 2022. 10.19
http://www.ihalla.com/read.php3?aid=1666168268733571044
[ハンライルボ]速報=が山林庁
ソメイヨシノの起源に関する後続の研究に乗り出すことにした。 傘下機関である国立樹木園が
ソメイヨシノの植物主権を放棄したという指摘(本報4月7日1面初報道)が提起された後も
論議が続くことによる対策だ。 早ければ来年から研究に入ることが確認された。
19日、森林庁によると、山林庁は来年からソメイヨシノの起源に関する研究を推進することで内部計画を立てた。 その範囲と内容はまだ具体化されていないが、専門家協議などを経て来年から2年間研究を進めるという構想だ。 南城県山林庁が直接指示したと伝えられた。
山林庁が「後続研究」を持ち出したのは、国立樹木園が2018年に発表した研究で各種の議論を生んだことと無関係ではない。同年、国立樹木園が発表した済州に自生する王桜遺伝体分析の結果だ。済州に自生する王桜と、日本に植えられている王桜(※ソメイヨシノ)が遺伝的に異なるというのが核心だが、分析対象が済州漢拏山で発見された自生王桜235株のうち5株で、極めて一部であるうえ、年齢と起源が分からない日本の木を基準木にした点などが、限界だと指摘されてきた。
去る4月に記者会見を開き、このような問題を初めて提起した漢拏山生態文化研究所のキム・チャンス所長は当時、「国立樹木院が、王桜が日本産だという日本の主張を受け入れ、結果的に韓国固有植物である王桜の生物主権を無償譲渡したことになった」と強く批判した。現在まで王桜の自生地が確認された場所は、全世界で済州島が唯一だ。
それにもかかわらず、上位機関である山林庁は、今回の議論に対する具体的な立場や対策を公式に明らかにしていない。これに対し、山林庁国政監査があった14日、国会農林畜産食品海洋水産委員会魏聖坤議員は、事前資料を出して、「山林庁が積極的に対応して事実を正そうとする努力をしなかったことは問題」と叱責した。
山林庁関係者は、「今回の議論も、王桜の起源が明らかになっていないために発生したと見ている」として、後続研究の理由を説明した。それと共に、「済州自生の王桜が、済州に自生するエドヒガンとヤマザクラあるいはオオヤマザクラを父母系として独立的に作られた韓国特産ということは確認されたが、栽培王桜(=ソメイヨシノ)についての起源はまだ科学的に明らかになっていない」として、「日本でも王桜を自生種にしようと多くの試みを行ったが明らかになったことがない」と話した。
続けて、「現在栽培植物に分類されている『王桜(注※栽培王桜=ソメイヨシノの事)』を自生植物に分類できる科学的根拠を探そうとしている」とし、「植物主権問題が浮上したため、これに積極対応するために国益次元で一日も早く研究を推進しようというのが結論」と話した。
王桜とソメイヨシノが別種であるという話が、「ソメイヨシノと王桜が同じ表記」という杜撰さによって問題に拍車をかけ、「済州自生の王桜が、済州に自生するエドヒガンとヤマザクラあるいはオオヤマザクラを父母系として独立的に作られた韓国特産ということは確認されたが、栽培王桜(=ソメイヨシノ)についての起源はまだ科学的に明らかになっていない」、「日本でも王桜を自生種にしようと多くの試みを行ったが明らかになったことがない」「現在栽培植物に分類されている『王桜(注※栽培王桜=ソメイヨシノの事)』を自生植物に分類できる科学的根拠を探そうとしている」という無茶苦茶な話になります。
ソメイヨシノの韓国起源説と表記の問題が混ざっている事が読み取れるわけですが、こうした背景から韓国山林庁が再調査をすることになったわけです。
そして現在、
王桜の木の起源に関する科学的根拠確保研究推進
山林新聞(韓国語) 2023.03.23
http://www.sanlim.kr/news/view.php?no=60282
山林庁国立樹木院(院長、チェ・ヨンテ)は、2018年に済州王桜(Prunus x nudiflora)が我が国固有の特産植物であることが明らかになったことに続いて、広く植栽されている王桜(Prunus x yedoensis)の起源と自生可否などを確認するための研究を、今年から3年間推進すると発表した。
後続研究課題名:王桜(Prunus x yedoensis)の分類学的検討のための現地調査および人文・歴史学的研究
国立樹木院は2014年から韓半島特産植物の種分化と起源に関する共同研究を行ってきた。済州山漢拏山に自生する済州王桜(Prunus x nudiflora)に対する全体遺伝体を完全解読し、2018年国際学術誌「Genome Biology」に掲載して済州王桜が韓国特産植物であることが認定された。
韓国山林科学会、韓国植物分類学会など学界からは、街路樹などとして広く植わる王桜の我が国起源の可否を明らかにする研究が必要だという立場だ。
山林庁と国立樹木院は2022年から学術セミナー、専門家懇談会などを経て、王桜の起源と我が国の特産植物であることを明らかにする研究を推進している。
今回の研究は、王桜の専門家と山林・植物分類・遺伝体研究者が参与する研究諮問団を構成し、研究の客観性と成果を高める計画だ。
「研究諮問団」は王桜の研究方向、研究計画および研究事業の中間評価、最終研究結果審議などに参与する予定だ
記事では2023年から3年間、王桜の再調査を行う事となったという記事なのですが、山林庁では済州王桜にPrunus x nudifloraという学名を、ソメイヨシノにPrunus x yedoensisという学名を使っている事から、「日本は元々別種としている」という事を理解しています。
しかし「別種であるという発想がない」人々から抗議され、しかも「ソメイヨシノ」と「王桜」の韓国語表記が同じであるうえに、先ほどの記事の「栽培王桜(=ソメイヨシノ)についての起源はまだ科学的に明らかになっていない」「現在栽培植物に分類されている『王桜(注※栽培王桜=ソメイヨシノの事)』を自生植物に分類できる科学的根拠を探そうとしている」という内容から、「韓国の王桜が日本に伝わってソメイヨシノになった」という起源主張を「感情的に捨てきれていない」事も読み取れ、それが再調査に繋がったことがわかります。
「その時の感情的利益=韓国的正しさ」が論理的思考を上回ってしまっているわけです。
3:問題が再発
これだけですと、韓国人が韓国内で勝手に騒いでいるだけであり、王桜の学名が確定し更に「原則として先に発表された学名が有効」という先取権の原則があり、事実上もう王桜の学名をCerasus × nudiflora (Koehne) T.Katsukiから変える事も出来ないので、韓国の独り相撲というだけに見えます。
しかし次のように
[地球村トークトーク]春春春春が来ました… アメリカの桜の花びら「トークトーク」
聯合ニュースTV(韓国語)
https://www.yonhapnewstv.co.kr/news/MYH20230325010000641
[
地球村トークトーク]春春春春が来ました…
アメリカの桜の花びら「トクトク」
春の伝令師 桜の花びら「トクトク」
アメリカ
米国ワシントンDC湖水で桜祭り始まる
3000本の木が織り成す壮観が行楽客を魅了
今週に桜の花が満開になり、見ごろとなりそう
日本政府が1912年に寄贈した桜の木々
毎年100万人の観光客が殺到
だけど、ちょっと待って!
ワシントン桜の木の故郷が日本ではなく韓国??
桜の木の標本を採取して遺伝子分析してみたら…
ワシントンの桜の木、
済州産王桜の木と同じ兄弟であることを確認!
国立山林科学院のキム・チャンス博士
「日帝強占期、王桜の木を改良して米国に寄贈」
きれいだけど、ちょっと苦々しい『桜エンディング』
韓国の最大手通信社「聯合ニュース」で、またもや「ワシントンDCの桜は済州島の王桜」「日本が王桜を品種改良しアメリカに寄贈した」という主張が再発しており、彼らがまだ「諦めていなかった」事がわかります。
更に次の記事を読むと
済州王桜の木 生態外交来年から本格化期待
ニュー済州日報(韓国語) 2022.08.18
http://www.jejuilbo.net/news/articleView.html?idxno=189045
世界環境社会ガバナンス学会
来年度、済州と米国王桜の木 生態外交事業計画案公開
韓国と米国の済州王桜の生態外交が来年から本格化する見通しだ。
米国では、世界碩学と大学生が集まって済州王桜と生態外交を論じる場が、済州では道内5つの「王桜自生地村」別の祭りが用意されることが期待されている。
「世界環境社会ガバナンス学会」(旧世界島学会、学会長コ・チャンフン)は18日、2023年に開催を推進中である済州と米国の王桜生態外交事業計画案を公開した。
学会は来年、国内外の大学と研究機関、済州王桜自生地の村の代表らと共に、「韓国王桜生態外交研究団」を設ける。
行事は大きく分けて、▲韓国王桜と世界平和大会(来年3月、米ワシントンD.C.、ニューヨーク)▲世界王桜自生地村文化祭(来年4月8~10日、済州5つの王桜自生地村で)などを計画中だ。
米国の行事では、国内外の学界が韓国王桜と生態外交を研究することになる。
国立山林科学院に依頼し、1912年に日本がワシントンD.C.ホワイトハウスに寄贈した王桜と済州王桜自生地村の王桜が、同じ遺伝子であるかの検査も試みる予定だ。
来年の行事には、済州王桜の米国社会普及も準備中だ。
続いて、済州行事では、道内5つの「王桜自生地村」ごとに済州王桜をテーマとした村祭りが企画され、王桜自生地村の生態観光モデルの育成に乗り出す。記念碑の製作なども推進される。
コ・チャンフン学会長は、「大韓民国臨時政府時期から始まった済州王桜生態外交を、学界と村単位で拡大し、共に照明していきたい」と多くの関心を呼びかけた。
一方、韓国と米国の済州王桜の生態外交は日帝強占期に遡る。
米国に亡命中だった李承晩(イ・スンマン)博士は、日本が韓日合併を契機に1912年に米国にプレゼントしたワシントンD.C.王桜3000の原産地が、日本ではなく韓国だと主張し、同年4月に象徴的な意味で、アメリカン大学のポール・ダグラス総長、ジョン・ランキン米議会下院議員、李承晩博士、韓米関係者らが参加した中、アメリカン大学内に済州王桜4本が植えられた。
2009年、米国のチョン・ウンジュ博士と済州のキム・チャンス博士の研究で、王桜と済州現地自生王桜の遺伝形質が同じであることを突き止めた。
米国東部最大の祭りである「ナショナル・チェリー・ブロッサム・フェスティバル」の開催地であるワシントンD.C.の王桜の起源は、未だに科学的に明らかにされていないが、アメリカン大学内の王桜だけは済州産であることを証明したことがある。
この中で学会は3月、米国ワシントンD.C.アメリカン大学で大韓民国国会と済州道後援、韓国、米国、日本大学生などが参加で、「2022韓国桜と世界平和」がテーマの「第22回世界平和環境フォーラム」を盛況裏に開催した経緯がある。
韓国側はアメリカ人を韓国に呼び「ロビー活動」を計画し始めたうえに、記事では「国立山林科学院に依頼し、1912年に日本がワシントンD.C.ホワイトハウスに寄贈した王桜と済州王桜自生地村の王桜が、同じ遺伝子であるかの検査も試みる予定」と書かれており、また何か騒動を起こそうとしているのが確実です。
更に次の記事を読むと
韓悳洙首相と王桜の「格別な縁」… 政府の役割関心
漢拏日報(韓国語) 2022. 05.23
http://www.ihalla.com/article.php?aid=1653271482726653044
2011年米首都
ワシントンD.C.アメリカン大に「韓国庭園」造成
韓首相、駐米大使として記念植樹… 任命初年度から積極的な支援も
記念式当時の挨拶の言葉で、「韓米関係強化」の期待感も示して
尹錫悦政府初代首相の韓悳洙首相が今日(23日)就任した中、韓首相と「王桜」の縁が再照明されている。全世界的に唯一である王桜自生地の済州で、王桜の生物主権を探そうという声が始まっていて、政府レベルの対応にも関心が集まっている。
その縁は、米国の首都ワシントンD.C.に位置するアメリカン大学(AU)の「韓国庭園」と接している。韓国庭園が造成された2011年当時、韓悳洙首相は駐米韓国大使(以下、駐米大使)を務めていた。同年4月、同大学で開かれた韓国庭園造成記念式で、韓首相はその資格で国立山林科学院長、アメリカン大学総長らと一緒に記念植樹を行った。
単に席を埋めた参席ではなかった。韓首相は、韓国庭園が作られるまで支援を惜しまなかったという。王桜との縁は駐米大使に任命された初年度の2009年から続いた。これは「韓国庭園プロジェクト」が力をもらい始めた時でもある。
韓国庭園の母胎は王桜だ。アメリカン大学の校庭には、韓国庭園が造成される68年前から王桜が育っていた。そこに建てられた「韓国桜」(KoreanCherryTrees)の標石には、「1943年4月当時、米国に亡命中だった李承晩博士が韓国で宣教師生活をしたアメリカン大学ポール・ダグラス総長と共に、韓国独立を望む知性人の意志を込めて植えた」という記録が残っている。
その当時、ワシントン市のポトマック湖畔には王桜が壮観を成していた。20世紀初め、東京市長が寄贈して植えたものとされ、「ジャパニーズ・チェリー・ツリー」と呼ばれたという。これにイスンマン博士が王桜の原産地は韓国だとして、米国内務省に「コリアン・チェリー」に変えることを提案したと伝えられた。韓国庭園の始まりだった。
アメリカン大学のルイス・グッドマン国際関係大学長が乗り出した。「韓国桜」を初めとして、韓国式庭園を作れば桜の木はみんな日本産という米国人の誤った認識を正すことができるとして、韓国側に支援を要請した。その消息は2008年、米農林省傘下の農業研究所遺伝資源研究室に勤務していた在米韓国人植物学者のチョン・ウンジュ博士と王桜専門家のキム・チャンス国立山林科学院暖帯山林研究所博士に伝えられた。彼らは、DNA分析などを通じて、この木の原産地が済州であることを確認した。
駐米大使だった韓首相にもこのような事実が伝えられた。キム・チャンス博士は2009年3月、米国現地を訪問して、韓首相とグッドマン学長に会って、王桜の原産地の証拠資料などを見せた。この時から、韓国庭園造成が大きな力を受け始めた。アメリカン大学の支援要請を受けた韓首相は、ワシントンの韓国文化院とともに済州道に接触した。済州道は、韓国庭園から済州文化を垣間見ることができるようトルハルバン2組とジョンナン3組を送った。
韓国庭園は、王桜をはじめとする済州産の木と草で満たされた。第1段階として王桜とムクゲ、漢拏山チョウセンシラベ、ツツジなどの木31種233株、済州相思花など草本11種300株ほどを含めて計42種、530株ほどが植えられた。これは全世界的に唯一の王桜自生地である済州を知らせる重要な意味を持つ。韓米関係強化の象徴とも考えられる。
当時のマスコミの報道を見ると、韓首相は韓国庭園記念式のあいさつの言葉を通じて、「70年近く前に王桜が初めて植えられて以来、韓米関係は政府レベルだけでなく、企業、文化、学界などで非常に強化された」とし、韓国庭園が今後も韓米関係の強化に寄与することを願う気持ちをほのめかした。
韓首相と王桜の格別な縁が再び照明されて、繰り返される王桜起源論争を解決できる政府レベルの対応策を期待する声も大きい。20日、西帰浦市山林組合大会議室で西帰浦市文化都市センターと西帰浦春迎え祝祭組織委が主催した「王桜生物主権探し専門家フォーラム」でも、このような意見が出てきた。
カン・シヨン社団法人済州環境文化院長は、「韓首相は2011年、米ワシントンD.C.アメリカン大学に王桜を母胎にした韓国庭園を造成した当時、駐米大使として記念植樹をした人物でもある」とし、「(王桜起源論争などに)政府がどのような対応策を出すか、見守る必要がある」と話した。
※最初に予備知識として
アメリカン大学に李承晩が王桜を植え、ポトマック川沿いの桜も全て王桜であると主張していたとされていますが、そもそもポトマック川沿いの桜と韓国の王桜は一切関係ありません。
過去動画で説明したように、あそこに植樹された桜は荒川堤の複数の品種を静岡県にある興津園芸試験場で接ぎ木し、伊丹の東野村(現:兵庫県伊丹市新田中野)で栽培したもので、韓国は一切関係ありません。
ソメイヨシノの○○起源説(特別編) - 日韓問題(初心者向け)
また、こうした背景から李承晩はソメイヨシノと王桜の区別がついていなかったことがわかり、当時アメリカン大学に植樹された桜も恐らくソメイヨシノです。
現在の韓国の国務総理である韓悳洙氏が、駐米大使時代にアメリカン大学の韓国庭園に植樹と銘板の設置を行っているようなのですが、その際に韓国の国立山林科学院関係者から「ソメイヨシノ韓国起源説」のレクチャーを受けているようで、記事では「繰り返される王桜起源論争を解決できる政府レベルの対応策を期待する声も大きい」と書かれている事から、場合によってはまた政府レベルでの起源主張が再発する事もあり得るのです。
そしてこの「ワシントンの桜並木の韓国起源説」に関しては、同種派、別種派どちらも主張でき、山林庁も深く関わっている事から意見対立が起きにくく、「ワシントンの桜並木は王桜」という共通認識を持てることから、今後最も注意していかないといけません。
現在の情勢で韓国政府がどれだけ関わってくるか不明ですが、要注意であることは間違いありません。
韓国起源説は小中華思想に根差した考え方で、イデオロギーや政治的なスタンス、年齢、性別に関係なく、韓国社会に非常に深く根付いている概念ですから。
お知らせ。
転載について
・個人の利用であれば、一般的に「引用」とされる範囲での転載は自由にしてもらってかまいません、報告も必要ありません。
・企業・団体等が「転載」する場合は私の方へ事前連絡いただき、許可を取ってから行ってください。
・イデオロギー色の強い団体等に関しては、理由の如何に関わらず「転載は原則禁止」とさせていただきます。
もしよかったらクリックをお願いします。
blog.with2.net
以下は当ブログのお勧め記事です、もしよかったらこちらもどうぞ。
韓国人が日本人から嫌われる根本的原因 - 日韓問題(初心者向け)
【韓国起源説】日本人の反論は韓国人に通じない - 日韓問題(初心者向け)
日本人と韓国人とでは「約束・契約」の概念が全く違う - 日韓問題(初心者向け)
日韓問題(初心者向け)の方針について色々 - 日韓問題(初心者向け)
【河野談話】韓国政府が自爆しました - 日韓問題(初心者向け)
フランスのJapan Expoから韓国がいなくならない原因 - 日韓問題(初心者向け)
「Japan Expoに寄生しないで独自のコリアエキスポやればいいのに」→過去にやった事があります - 日韓問題(初心者向け)
韓国人の差別意識の特徴とタイの嫌韓 - 日韓問題(初心者向け)
嫌韓の出発点、2002年日韓共催ワールドカップで何が起きたのか - 日韓問題(初心者向け)
嫌韓を「排外主義者=ネトウヨ」と考える人達に対する考察をしてみた - 日韓問題(初心者向け)
「韓国に対して謝罪すれば解決する」は大きな間違い - 日韓問題(初心者向け)
韓国視点から見たヘイトスピーチ - 日韓問題(初心者向け)
メアリー・スーとネトウヨ論 - 日韓問題(初心者向け)
日韓問題とイデオロギー論争 - 日韓問題(初心者向け)
韓国では異論が徹底的に排除される - 日韓問題(初心者向け)
日韓問題基礎知識簡易版まとめ 前編 - 日韓問題(初心者向け)
日韓問題基礎知識簡易版まとめ 後編 - 日韓問題(初心者向け)
初心者でも解る韓国対策 - 日韓問題(初心者向け)
韓国社会では「記憶の改変」が起きているわけではない? - 日韓問題(初心者向け)
【再現】2002年日韓ワールドカップ Public Viewing in 国立競技場 - 日韓問題(初心者向け)
徴用工裁判問題まとめ - 日韓問題(初心者向け)
慰安婦問題で重要な事 - 日韓問題(初心者向け)
動画版マイリスト
番外編マイリスト