さて、本日は日本の観艦式に韓国海軍が参加するにあたり、韓国政府や朝鮮日報から興味深い反応が出てきたので、その件について扱っていきます。
初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。
ブログ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)
注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています
・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです
・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません
・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらどう思うか」という客観性を常に持ちましょう
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください
元々韓国は「旭日旗はハーケンクロイツと同じ侵略戦争と軍国主義の象徴、韓国人(場合によってはアジア系に)に見せてはいけないもの」としており、自衛隊旗も認めていなかったため、観艦式にも明確な返答をしていなかったが、結局参加することになった。
その件で野党からの批判を受ける事になったが、それへの反論が「廬武鉉政権でも自衛隊艦が韓国に旭日旗を掲げて入港していた」というもので、これは根本的に双方とも「旭日旗を問題視する理由」を全否定することになっているが、どちらも気にしている様子はない。
この状態で、未だ「旭日旗は問題」という前提がなくなっておらず、現在の態度は自分達の過去の主張の全否定をしているにもかかわらず、それを気にしている様子が全くない。このことから彼らは本当の意味で「歴史」を問題視しているわけではない事がわかる。
※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブやウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。
以下から本文
1:観艦式への参加騒動
まずはこちらの記事から
韓国国防部長官「日本の観艦式参加、慣例や懸念など総合検討して決定」
ⓒ 中央日報日本語版2022.08.29 17:30
https://japanese.joins.com/JArticle/294923
国防部の李鍾燮(イ・ジョンソプ)長官が11月の日本の
海上自衛隊創設70周年国際観艦式への
韓国海軍の参加について過去の慣例と歴史問題、日本の
旭日旗掲揚懸念などを総合的に検討して決めたいと29日明らかにした。
李長官はこの日午前、国会国防委員会の全体会議に出席し、「日本の観艦式参加を積極的に考慮しているか」という正義党のペ・ジンギョ議員の質疑に「積極という表現はまだ合わないようだ」としてこのように答えた。
これに先立ち日本の自衛隊は1月、韓国海軍に国際観艦式への招待状を送ってきた。観艦式は11月6日に神奈川県の相模湾で開かれる予定だ。
日本の国際観艦式は海上自衛隊最大の記念行事だ。日本側は3~4年ごとに1回ずつ友好国の海軍艦艇と航空機を観艦式に招待している。
李長官は「(韓国軍は)2018年から(日本の観艦式に)参加していない。それまでは韓国が日本の観艦式に2回、韓国の観艦式に日本が2回参加している。互いに2回ずつ行き来したのは(日本艦船に)旭日旗が掲揚された状態で行われた」と説明した。
李長官はまた「日本哨戒機対応指針」の改定問題に対しては「韓日関係を全体的にともに検討してそれ(改定)も検討するのが正しいとみる」と話した。
今年8月の記事なのですが、自衛隊の主催する観艦式に韓国軍が招待され、出席するかどうかについて書かれた記事です。
当時韓国政府は「韓国海軍の参加について過去の慣例と歴史問題、日本の旭日旗掲揚懸念などを総合的に検討して決めたい」としており、この時点では少なくとも「表面的には」参加を決めかねているというポーズをとっていた事がわかります。
そして興味深いことに、韓国の国防部長官が「(韓国軍は)2018年から(日本の観艦式に)参加していない。それまでは韓国が日本の観艦式に2回、韓国の観艦式に日本が2回参加している。互いに2回ずつ行き来したのは(日本艦船に)旭日旗が掲揚された状態で行われた」とコメントしています。
普通に考えるならば、元々韓国側の「旭日旗はハーケンクロイツと同じ侵略戦争と軍国主義の象徴であり、公的に掲揚されることが許されない」という主張が破綻します。
なぜなら、過去には韓国軍が「旭日旗が掲揚された状態」で観艦式に参加していたと自ら認めているからです。
しかしこの記事で彼らがそれを気にしている様子はありません。
また次の記事では明らかな混乱が見られます
外交か国民感情か...日本での観艦式参加を巡って悩む韓国海軍
wowkorea 2022/10/26
https://www.wowkorea.jp/news/Korea/2022/1026/10369110.html
韓国政府は来月6日、日本の神奈川県南部の
相模湾で開かれる
海上自衛隊創設70周年観艦式に参加するかどうかを27日に決定するものとみられる。
政府消息筋によると26日、27日に開かれる国家安全保障会議(NSC)で、韓国海軍艦艇の日本の観艦式派遣に関する内容を議論することが分かった。
25日、海上自衛隊はホームページを通じて今回の国際観艦式参加規模と参加国家などを公開した。このリストには大韓民国は含まれていない。オーストラリア・フランス・カナダ・インド・インドネシア・マレーシア・ニュージーランド・パキスタン・シンガポール・タイ・英国・米国など12か国の艦艇18隻が参加する予定だ。
ただし、海上自衛隊は「外国海軍などの参加状況については変更ごとに更新予定」と明らかにし、今後変動の可能性があることを知らせた。日本は今回の観艦式に大韓民国を含む「西太平洋海軍シンポジウム」に参加の21か国のうちロシアを除くすべての国を招待した。
日韓関係の改善に積極的なユン・ソギョル(尹錫悦)政府は、日本の招請を受諾して観艦式と捜索救助訓練にも参加する案を検討している。海軍が今回の海上自衛隊観艦式の招請を受け入れることになれば、2015年以来7年ぶりの参加となる。
しかし、韓国海軍の海上自衛隊観艦式への参加は旭日旗に対する敬礼問題で論議を呼んでいる。旭日旗は旧日本軍が使っていたもので侵略戦争と軍国主義の象徴と見なされているためだ。海上自衛隊は1954年の発足当時から自衛艦旗として旭日旗を採択した。海上自衛隊旗に対する国民の感情などを考慮して、韓国軍当局は観艦式への参加問題を簡単に決められない状況だ。
記事の最後の方で「海軍が今回の海上自衛隊観艦式の招請を受け入れることになれば、2015年以来7年ぶりの参加となる」と書いたうえで、「韓国海軍の海上自衛隊観艦式への参加は旭日旗に対する敬礼問題で論議を呼んでいる。旭日旗は旧日本軍が使っていたもので侵略戦争と軍国主義の象徴と見なされているためだ」と書かれており、私たちの常識からすると内容が矛盾します。
後半の書き方であれば、以前から問題視していなければおかしいからです。
そして次の記事を読むと、更に輪をかけて文章の混乱に拍車がかかります
韓国海軍の軍需支援艦きょう日本入港 6日の国際観艦式に参加
聯合ニュース 2022.11.01
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20221101001700882
【ソウル
聯合ニュース】
韓国海軍によると、最新鋭の軍需支援艦「昭陽」(1万1000トン級)が1日正午ごろ、日本の横須賀港に入港する。日本の
海上自衛隊が6日に開催する国際観艦式に参加するほか、観艦式参加国の艦艇とともに捜索・救難を目的とした多国間共同訓練を行う。
大佐を艦長とする乗組員137人の昭陽は、10月29日に韓国南部の鎮海港を出発した。日本到着後は観艦式参加国の隊員とスポーツ行事やレセプションなどを通じて交流する。
昭陽は6日に国際観艦式に参加した後、7日まで東京湾一帯で行われる捜索・救難共同訓練(SAREX)に参加する。韓国と日本、米国、英国、オーストラリア、カナダ、インド、インドネシア、マレーシアなど観艦式に参加する13カ国の艦艇30隻、哨戒機P3Cなどが動員される。
昭陽は10日ごろ寄港する予定。
韓国と日本は1999年からSAREXを開始し、韓国が2015年に日本の観艦式に参加した際も実施した。2017年以降は行っていない。
観艦式に合わせ、7、8の両日は西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)が開かれる。韓国から李鍾皓(イ・ジョンホ)海軍参謀総長が出席する。観艦式参加国だけでなく、中国なども含む約30カ国が参加し、他国艦艇と海上で予期せず遭遇した場合の行動規範を定めた「海上衝突回避規範(CUES)」などを取り上げる見通しだ。
韓国は2002年と15年に日本の観艦式にそれぞれ駆逐艦を派遣している。日本は1998年と2008年に韓国の観艦式に参加した。
韓国は今回、7年ぶり参加となる日本の観艦式に戦闘艦でなく軍需支援艦を派遣した。観艦式のハイライトである対艦敬礼で、太平洋戦争当時の旧日本軍の軍旗のような旭日の意匠を用いた海自の自衛艦旗に韓国の戦闘艦乗組員が敬礼する姿を見せることを避けたといえる。
韓国は18年に南部・済州島での国際観艦式に日本を招待した際、海自の自衛艦旗でなく国旗の掲揚を要請した。日本は参加自体を取りやめた。
結局韓国海軍が参加することを決めたとする記事なのですが、「7年ぶり参加となる日本の観艦式に戦闘艦でなく軍需支援艦を派遣した。観艦式のハイライトである対艦敬礼で、太平洋戦争当時の旧日本軍の軍旗のような旭日の意匠を用いた海自の自衛艦旗に韓国の戦闘艦乗組員が敬礼する姿を見せることを避けたといえる」と書かれています。
これがおかしいのは、7年前には観艦式で韓国海軍は問題なく自衛隊艦に敬礼していたと認めているわけですから、今回それを名目上とはいえ「避ける」必然性が見当たらないからです。
「太平洋戦争当時の旧日本軍の軍旗のような旭日の意匠を用いた海自の自衛艦旗」を問題視するのであれば、7年前の観艦式でも問題になっていなければいけないはずだからです。
しかしこの矛盾を問題視する韓国人は、少なくとも「公的には」確認されていません。
紹介した記事全てにおいて、文章の前後が繋がっていないのです。
2:反論も奇妙
そして更に奇妙なのが、観艦式参加決定を批判した韓国野党「共に民主党」に対し、政府や与党「国民の力」が行った反論です。
「旭日旗観艦式」批判に韓国外交長官「盧武鉉政権で自衛艦旗入港」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.10.31 15:19
https://japanese.joins.com/JArticle/297193
韓国政府が来月6日に開催される
日本海上
自衛隊創設70周年観艦式に
韓国海軍艦艇を派遣することに対して「
旭日旗敬礼」という批判が出ると、朴振(パク・ジン)外交部長官は「
盧武鉉(
ノ・ムヒョン)政権では
日本海上
自衛隊艦艇が
韓国海軍との親善行事のために
自衛艦旗を掲揚した状態で仁川(インチョン)港に入港している」と明らかにした。
朴長官はこの日、国会外交統一委員会全体会議で李在汀(イ・ジェジョン)共に民主党議員がこうした批判があるを指摘すると、「自衛艦旗が周辺国をはじめとする国際社会でどのように認識されているのかを我々が十分に知る必要がある」とし、このように話した。
続いて「参考に話すと、韓国と日本は過去の金大中(キム・デジュン)政権当時を含めて観艦式に相互参加したことがある」とし「総合的に考慮して政府が判断したと考える」と述べた。
朴長官は「政府としては、過去に日本が主管した国際観艦式に2回参加した前例、また国際慣例を総合的に考慮して判断した」とし「また、北がで相次いで挑発をしているため、韓半島(朝鮮半島)周辺の厳重な安保状況を考慮して決めた」と説明した。
10月30日の中央日報の記事で、「日本海上自衛隊創設70周年観艦式に韓国海軍艦艇を派遣することに対して「旭日旗敬礼」という批判が出ると、朴振(パク・ジン)外交部長官は「盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権※では日本海上自衛隊艦艇が韓国海軍との親善行事のために自衛艦旗を掲揚した状態で仁川(インチョン)港に入港している」と反論したと書かれています。
そしてさらに「韓国と日本は過去の金大中(キム・デジュン)政権※当時を含めて観艦式に相互参加したことがある」とも答えており、批判している「共に民主党」の「旭日旗に敬礼する気か」という批判がブーメランになると同時に、韓国全体としての「旭日旗を問題視する理由」も破綻します。
※廬武鉉政権、金大中政権共に、現在の「共に民主党と同系列の政党所属」
そもそも韓国側は以下のように
日本、五輪ゴルフ代表ユニホームに旭日旗模様…「日が昇る国をイメージ」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.06.01 09:18
https://japanese.joins.com/JArticle/279136
日本が
東京オリンピック(五輪)に出場するゴルフ代表チームのユニホームを公開し、「日が昇る国を表すイメージを使用した」と発表した。日本の
軍国主義を象徴する旗の
旭日旗は広がる太陽光を形象化したものだ。
NHKは先月31日、「東京オリンピックでゴルフの日本代表選手が着用するユニホームが発表された」とし「海や桜といった日本の自然をイメージした」と伝えた。
問題は次の説明だ。放送は「日本代表のユニフォームは5種類で、いずれも日の昇る国を表す斜めのラインが入っている」とし「日の丸の赤や白、それに海や桜といった日本の自然をイメージした青やピンクが採用された」と明らかにした。
旭日旗は日本が第2次世界大戦当時に使用した軍旗で、赤い太陽の周りに広がる光線を形象化している。「旭日旗」という名称自体が日が昇る形の日本国旗という意味だ。英語でも「日が昇る国旗」という意味の「Rising Sun Flag」と呼ばれる。
軍国主義と帝国主義を象徴する旗としてドイツ・ナチスの象徴ハーケンクロイツの使用が厳格に禁止されるのと比較し、日本はスポーツ行事によく旭日旗を使用して論議を呼んでいる。
これに先立ち東京オリンピック組織委員会は公式サイトに独島(ドクト、日本名・竹島)を自国の領土として表示する地図を載せた。加藤勝信官房長官は「竹島は明らかにわが国固有の 領土であり、韓国側の主張は全く受け入れられない」と述べた。
こうした状況で旭日旗を連想させる「日が昇る国」を表すデザインを代表チームのユニホームに使用したと公式発表し、批判の声はさらに強まると予想される。
東京五輪のゴルフ日本代表ユニフォームが「日が昇る国を表すイメージを使用した」というだけで「旭日旗は日本が第2次世界大戦当時に使用した軍旗で、赤い太陽の周りに広がる光線を形象化している」と連想ゲームで批判していた過去があります。
そして重要なのは以下にあるように
競技場内の政治的象徴物…日米の交錯した反応
2019年09月16日08時32分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
https://japanese.joins.com/article/606/257606.html
政治的意味を帯びた旗がスポーツ競技に登場することをめぐり日本と
アメリカの反応が交錯している。
2020東京オリンピック組織委員会は最近、来年のオリンピック(五輪)時に競技場内に戦犯旗である旭日旗の搬入に関連し、「問題ない」という認識を明らかにした。産経新聞によると、組織委は「旭日旗は日本国内で広く使用されており、旗の掲示そのものが政治的宣伝とはならないと考えている」とした。
韓国文化体育観光部は最近、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ委員長宛に朴良雨(パク・ヤンウ)長官名義の書簡を送り、五輪競技場で旭日旗使用の不当性を説明して使用禁止措置を要請した。
旭日旗は当時、日本の侵略を受けた韓国などアジアの国々に歴史的な傷と苦痛を想起させる明白な政治的象徴物であることを強調した。しかしIOCは旭日旗論争に関連し、問題が発生すればケース・バイ・ケースで判断するという消極的な立場を出した。
反面、米国プロサッカー(MLS)では政治的意味を持つ旗の競技場搬入に対して強硬に対応した。米国FOX(フォックス)スポーツによると、MLS事務局は今月1日、ポートランド・ティンバーズとレアル・ソルトレイクのリーグ競技の途中、「Eiserne Front(銑鉄戦線、Iron Front)」模様が描かれた旗を掲げたポートランドサポーターに3試合競技場立入り禁止という懲戒処分を下した。
「政治的意味を持っていればどのようなものも競技場に搬入することはできない」という規定を破ったためだ。3本の矢が左下を指し示すデザインの「Eiserne Front」は反ナチ、反ファシスト団体の象徴だ。ポートランドをはじめとする一部のクラブサポーターは競技中の応援を一時的にボイコットするなどMLSの決定に対して抗議したが、受け入れられなかった。
MLSのマーク・アボット会長はAP通信を通じて「サッカーを楽しむためにスタジアムを訪れる大多数のファンのためであることがわれわれリーグの存在理由」としながら「ステジアムは政治的見解を明らかにする場所ではない」と立場を明らかにした。
韓国政府がIOCに対し説明した旭日旗に反対する理由が「旭日旗は当時、日本の侵略を受けた韓国などアジアの国々に歴史的な傷と苦痛を想起させる明白な政治的象徴物である」としていた事です。
韓国の現在の与党にせよ野党にせよ、旭日旗に反対する理由は上記で同じわけですから、今回の一連の騒動は「私たちの常識」からすると、韓国が自分達で「反対の理由を破綻させた」という事になるわけです。
3:歴史問題ではない
これまでの事例を見る限り、韓国側の「旭日旗に反対する理由」は完全に破綻しています。
旭日旗に反対する理由が「太平洋戦争中の過去」にあり、それを韓国側が問題視しているというのであれば、韓国政府が「廬武鉉政権や金大中政権で自衛隊艦が旭日旗を掲げ入港した」ということや「7年前までは韓国軍は旭日旗を掲げた自衛隊艦に敬礼していた」という事実を認めた時点で、この理由は破綻しているはずです。
しかし彼らはそれを問題視している様子はありません。
韓国政府はあくまで「韓国海軍が自衛隊観艦式に出席して問題ない理由」としてしか説明していませんし、野党側は「韓国海軍が自衛隊観艦式に出席するな」としか問題視していません。
「旭日旗に反対する理由」と「今現在問題視している理由」の因果が繋がっていないのです。
そしてこれに関し、興味深い記事があります。
なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか
朝鮮日報 2018/10/06
https://web.archive.org/web/20181006035019/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/10/06/2018100600425.html
戦争の象徴か、
自衛隊の象徴か
「戦犯旗を掲げた日本の軍艦が済州港に入港することは容認できない」
今月10日から済州民軍複合観光美港(済州海軍基地)で開かれる「2018大韓民国海軍観艦式」に、日本の海上自衛隊の艦船がいわゆる旭日旗という海上自衛隊の旗(自衛艦旗)を掲げてやって来るというニュースが知れ渡ると、韓国国内では反発の世論が大きくなっている。韓国や中国など日本に侵略された国々にとって、旭日旗は日本帝国主義の象徴と認識されているからだ。一部の市民団体や元従軍慰安婦らが公に日本を批判し、旭日旗を降ろして入港するよう要求した。この問題が話題になると、今月2日には与党「共に民主党」の李錫玄(イ・ソクヒョン)議員が、旭日旗を掲揚した船舶が韓国領海に入るのを認めないことなどを盛り込んだ旭日旗禁止法案3件を代表発議した。観艦式の主催者である韓国海軍も手を貸した。観艦式に参加する14カ国に「参加する艦船に自国の国旗と太極旗(韓国の国旗)を掲揚して欲しい」と要請し、日本にも「韓国国民の感情を考慮して欲しい」という趣旨の立場を伝えた。結局、日本は5日、観艦式に参加しないと韓国海軍に通知した。論争が大きくなると、ソーシャルメディアでは「旭日旗は戦犯旗ではないのに、韓国だけが過剰に反発している」という反論まで出てきている。
(1)戦犯旗とは何か
戦犯旗とは通称、侵略戦争を起こした犯罪者を意味する「戦犯」と、「旗」の字を合わせた単語だ。国立国語院によると、戦犯旗は韓国の標準国語大辞典に正式登録された単語ではない。ここ10年の間に韓国国内で作り出された新造語とみられる。また、法的・学術的に通用する概念でもない。国会図書館の所蔵資料中、戦犯旗に言及した韓国の学術論文は「0件」だ。戦犯旗という単語がメディアに登場し始めたのは2012年ごろ。それ以前は、韓国国内はもちろん戦犯国だった日本のメディアでも、戦犯旗という言葉が使われたケースはない。ヒトを指す「戦犯」という単語に、モノである「旗」を意味する言葉をくっつけるのは、語法の上では正しくないという指摘もある。
旗を特定したものではないが、戦犯が使う象徴物を法律で禁止した代表的なケースがドイツだ。第2次世界大戦の主犯だったナチスの象徴「ハーケンクロイツ」の模様を旗や服などに使った場合、3年以下の懲役または罰金刑に処される。日本では、旭日旗の使用に対する処罰は特に行っていない。
https://web.archive.org/web/20181006035204/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/10/06/2018100600425_2.html
(2)自衛隊の艦船はなぜ旭日旗を掲揚するのか
旭日旗は自衛隊の象徴だ。世界各国の軍隊は、自国の国籍旗とは別に、軍隊を代表する象徴が入った軍旗を掲げる。明治維新期の1870年に日本陸軍が創設された際、旭日旗を軍旗として採択し、それが現在まで続いている。一部には、この旗は「昇天旗」であって日本帝国主義を意味するという主張もあるが、戦中・戦後を通して、日本でそのように呼んだという証拠はない。旭日旗の原型は、江戸時代から使われている、いわゆる朝日の模様だというのが定説だ。これは赤い太陽から伸びる陽光を形象化したもので、出産・豊作・豊漁などを祈願する意味を込めたものだった。「旭日」を日本語で訓読みすると「あさひ」だ。朝日の模様は、軍隊だけでなく民間でも広く使われている。日本の代表的な革新系メディア、朝日新聞社のロゴもこの模様を応用したものだ。
軍艦の軍旗掲揚は国際法に基づく義務的な措置だ。国連海洋法条約は、軍艦が航行する間、国籍を識別できる旗を掲揚することを義務として定めている。韓国海軍もまた、それに従って海軍旗を掲揚する。観艦式のような各国海軍の艦艇が集まる行事でも、軍旗の掲揚は慣行だった。今回に先立ち、1988年と2008年に韓国で行われた観艦式において、海上自衛隊の艦船は旭日旗を掲げて参加した。ただし中国は、2014年に青島で観艦式を主催した際、当初から日本を招かなかった。
https://web.archive.org/web/20181006035238/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/10/06/2018100600425_3.html
旭日旗のイメージは、軍旗として使われる前から民間で吉兆と考えられ、使われてきたものだ。今でも日本では、帝国主義の称揚とは全く関係ない流れでひんぱんに使われている。だが周辺国では、旭日旗だけでなく、それを借用したイメージまで全て戦犯旗や帝国主義と関連付けて認識している。ドイツではヒトラーやナチス勢力の大部分が民間政治家だったが、日本では、東条英機など主な戦犯はおおむね軍の将官出身あるいは現役軍人だった。旭日旗は1945年の日本の敗戦後、軍隊が解散したことで姿を消した。しかし54年に日米安全保障条約、すなわち日米同盟が締結される中で自衛隊が創設された際、旭日旗も一緒に復活した。当時の記録を検討すると、旭日旗を自衛隊の象徴として使うことに反対した痕跡はない。むしろ、在日米陸軍航空大隊など一部の在日米軍部隊は、旭日旗のイメージを借用した部隊マークを使ってもいる。
だが戦勝国だった米国とは異なり、韓国や中国など日本に侵略された被害国は、旭日旗を見る視線が異なるものになることは避けられない。ドイツとは異なり日本は、政府レベルで南京大虐殺など戦中の各種犯罪について公式に認めたり謝罪したりしたことがほとんどない。その上2000年代以降、日本の右傾化がはっきりする流れに合わせ、韓国では旭日旗に対する反感が徐々に増幅されているのが実情だ。少女時代やBIGBANGなど韓国のアイドル歌手が、旭日旗を連想させるイメージの入った服を着たりソーシャルメディアにアップしたりして世論の集中砲火を浴び、公に謝罪するという事件がしばしば起きているのが代表例だ。
クォン・スンジュン記者
参考記事
海自艦に好意的報道=旭日旗、問題視せず-中国
時事通信 2019年04月25日
https://web.archive.org/web/20190928100854/https://www.jiji.com/jc/article?k=2019042500775
【北京時事】25日付の
中国共産党機関紙・人民日報系の環球
時報は、中国海軍創設70周年を記念する国際観艦式のために
山東省青島を訪問した
海上自衛隊の
護衛艦「すずつき」を好意的に報じた。同艦は、韓国が「旧日本軍を想起する」と批判する
自衛艦旗である
旭日旗を掲揚したが、対日関係の改善を急ぐ
習近平指導部は問題視しなかった。
同紙は24日に一般公開された「すずつき」について、消火施設の機能的な配置などを挙げ、「近代的で実戦的」と高く評価した。また、速射砲の射程を含む装備情報が詳しく表示され、「日本は細かく準備していた」と指摘した。
2018年の朝鮮日報の記事なのですが、旭日旗を戦犯旗と呼ぶ根拠はない事、旭日旗の歴史は古く、元々「朝日の上る姿」を模したデザインであり、元々軍で使われる前から使われていた事などを説明しています。
そのうえで最後に「ドイツとは異なり日本は、政府レベルで南京大虐殺など戦中の各種犯罪について公式に認めたり謝罪したりしたことがほとんどない。その上2000年代以降、日本の右傾化がはっきりする流れに合わせ、韓国では旭日旗に対する反感が徐々に増幅されているのが実情だ」と、「最近出来上がった問題」であることを認めているのです。
この説明通りならば、「太平洋戦争中に使われたこと」が問題なのではなく、「現在の日本が韓国の歴史観を受け入れない事」が問題となり矛盾するわけですが、さらに問題があります。
なぜなら、「2000年代以降」に発生した問題であるのであれば、現在日本は韓国の歴史観を認めておらず、だからこそ徴用工問題や慰安婦問題が起きてるわけですから、現在韓国海軍が自衛隊の観艦式に出席するのも矛盾です。
「何も解決していない」わけですから。
ここでも、朝鮮日報の記事は現在の記事と2018年の記事が矛盾しており、因果が繋がっていません。
なぜこんな矛盾が起きているかといえば、以前から説明しているように彼らは問題をひと繋がりの連続した時間軸で見ているわけではなく、個々に独立した事例として「対処」しているだけであるからです。
そしてここから重要なことがわかります。
こうした状況である以上、彼らは本当の意味で「過去」を問題視しているわけではないという事です。
過去から続く連続性のある問題として認識しているわけではない事が、今回の矛盾する事例からはっきりわかるからです。
では彼らは何をしているのかといえば、俯瞰的に見た場合「その場で相手に対するマウント取りをする口実にしているだけ」という事になります。
つまり、彼らにとって実際には歴史問題というのはそこまで重要ではないのです。
重要なのは「今の感情」と「自分達の優位性」だけであり、現在の韓国政府が「旭日旗に反対する理由」を破綻させながら野党を攻撃しても、逆に自分達の行いが矛盾することになっても野党が旭日旗を政府批判の口実にしても、彼らにはまるで気にならないという事実です。
彼らの現在のやり取りを観察すれば、彼らの言う「歴史問題」には何の意味も言葉の重みも見いだせないのです。
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