日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

韓国との「対話」が困難な理由

さて、本日は尹錫悦政権発足で始まった「日韓の関係改善への動き」が極めて困難な理由について書いていきます。

初めて来られた方はまずこちらを先に読む事をお勧めします。

ブロマガ『日韓問題(初心者向け)』を始めた理由 - 日韓問題(初心者向け)

注意
・このブログは「日韓の価値観の違い」を初心者向けに扱っています

・当ブログのスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからと、こちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

現在、韓国では政権が変わったことから「日本との関係改善」へ向けての期待が高まっており、様々な対話のチャンネル構築に向けて韓国側から動き出しているが、動きの主な理由が「アメリカと中国から圧力を受けたから」である可能性が高い。


また、韓国は徹底した序列社会であるため、「約束もルールも序列の上位者が決める」という価値観が社会に根付いている事もあり、一見すると日本と問題意識の共有ができているように見えるが、実際には全くできていないことがわかる。


このため、日本としては下手に折れたり妥協したりせず、一貫した態度を取り続ける必要があるが、少なくとも現在の岸田政権の対応のなかで、いくつかの日本のメディア等で危惧されているような安易な妥協の兆候はみられない。


※本文中のリンクは引用の元記事、或いはウェブアーカイブウェブ魚拓(別サイト)へのリンクです。


1:関係改善を急ぐ韓国



まずはこちらの記事から

尹大統領が林外相と面会 韓日関係改善に期待
聯合ニュース 2022.05.10
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220510004900882


先日行われた、韓国の尹錫悦大統領就任式に出席した林外相と尹大統領との会談について書かれている記事なのですが、林外相が「戦略的協力がこれまでになく重要な時期に、韓日関係の改善をこれ以上、待つことはできない」と伝え、関係改善に向けて日本側からも動くと言ったことが書かれています。


またこのコメントからは、日本側が対北朝鮮、対中国における「安保協力」を想定している事もわかります。


また次の記事によると


親書交わした尹大統領と岸田首相 韓日首脳会談はいつ?
聯合ニュース 2022.05.10
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220510004700882


韓国側は早くも日韓首脳会談の開催を希望しており、早急にトップダウンによる関係改善を望んでいる事がわかります。


余談になりますが、韓国側は「ドイツで開かれるG7サミットに韓国が招待される可能性も排除できない。韓国が招待されれば、尹大統領がドイツを訪問してG7サミットに出席する岸田首相と会談を行う可能性がある」としていますが、以下にあるように

独、6月G7サミットにインドや南アなど4カ国を招待
朝日新聞 2022年5月2日
https://www.asahi.com/business/reuters/CRBKCN2MO0V9.html


[ベルリン 2日 ロイター] - ドイツ政府報道官は2日、6月にドイツで開催される主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)に、セネガル南アフリカ、インド、インドネシアがゲストとして招待されると明らかにした。


少なくとも現状、今年6月に開催されるG7サミットに韓国がゲストとして招待される予定はないようです。



そして重要なのが、「なぜ韓国側はそこまで関係改善に前のめりなのか」という事です。
次の記事にもあるように

エスパー元米国防長官「韓国が中国の軌道に引きずられる状況を懸念」
中央日報/中央日報日本語版2022.05.11 07:27
https://japanese.joins.com/JArticle/290892


アメリカは尹政権が文政権と同じく「経済は中国、安保はアメリカ」という外交を展開しようとしていることを危惧しており、アメリカ側が文政権への「当然両立できないが、韓国はこの道に向かうようだった」という言及で、遠回しに尹政権に対して釘を刺しています。


どうやら、韓国は水面下でアメリカから相当な圧力を受けているようなのです。


また中国からも

来韓しなかった習主席が尹大統領に訪中要請
朝鮮日報 2022/05/11
https://web.archive.org/web/20220511080442/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/05/11/2022051183727.html

中国側が尹大統領との会談の席で、外交慣例を無視した「中国への招待」を行っていたようで、こちらも相当な圧力を受けているようです。


そしてそのうえで次の記事を読んでもらうと、韓国側の「最大の意図」がわかります。

【時論】激しくなる米中対決、日本というカードを活用しよう
中央日報/中央日報日本語版2022.05.11 10:03
https://japanese.joins.com/JArticle/290907


色々と書かれていますが、韓国側は日本との関係改善をすることで、日本を「米中からの圧力の盾に利用したい」というのが本音なのです。


要するに、これまでのように「経済は中国、安保はアメリカ」というスタンスを続けるために、日本を韓国と同じ位置に引き込みたいわけです。


2:価値観が違いすぎる



そして重要なのは、韓国側がこうしたご都合主義が罷り通ると思いこんでいる事です。


ここで重要となるのは、以前から指摘しているように、韓国は徹底した序列社会であり、私達の社会において「約束」の概念が担っている社会機能を韓国では伝統的に「序列」が担っているという事です。


そしてこれの何が重要なのかというと、単純に「序列の上位者が常に正しい」というだけではなく、「社会のルールは序列の上位者が決める」という発想が根底にある事です。


これは単に「韓国人は日本より自分達の方が序列が高いと考えている」というだけではなく、別の意味があります。


それは「序列の上位者がそう決めればそのルールには皆が従う」という発想です。


韓国側がひたすら「首脳会談によるトップダウン式解決」を望んでいるのはそのためで、とりあえず「日本の総理大臣さえ説得してしまえば問題は解決する」と考えているのです。
韓国ではそれが常識なのです。


例えば以下の事例のように

大統領就任式に招待された脱北者団体代表「北朝鮮向けビラ100万枚再度散布する」
中央日報/中央日報日本語版2022.05.09 17:11
https://japanese.joins.com/JArticle/290834


文政権は2020年12月、「対北朝鮮ビラ禁止法」を制定させたため、どんなに問題があったとしても「法」である以上は守らねばならず現状では摘発対象です。
いずれ尹政権が法改正をするにしても現在は違法行為であり、それが通常の法治国家です。


しかし記事では、脱北者団体が4月に「北朝鮮へのビラ散布」をしたことを、政権交代1日前になってわざわざ宣言しています。


一般的な国であれば、後に情状酌量の余地が出るとしても、本来は警察に摘発されるはずですから、わざわざそんなリスクを冒してまで「宣言」を行う必然性はなく、人権上どうしてもやりたいのであれば「公然の秘密」として、法改正までこっそりとやっていればいいはずです。


しかしこの団体は堂々と「宣言」を行っています。
なぜなら、韓国では法の上に「権力」が存在しているため、政権が保守系に変わればそれだけで「法が適用されなくなる」可能性が高いからです。


また次の事例では

ディスカバリーファンド詐欺、駐中大使の弟・張夏元容疑者の逮捕状請求
朝鮮日報 2022/05/10
https://web.archive.org/web/20220510151508/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/05/10/2022051083047.html


韓国の与党関係者が関わっていた疑惑のある大規模投資詐欺事件に関して、それまで政権の顔色を伺っていた警察が、政権が交代した途端に捜査を開始したという事例です。
この事例からも、韓国では明確に法律の上位に権力が存在している事がわかります。
また次の事例が興味深く

韓国文化体育観光部長官候補「日本はアジアを支配してみたため順法精神良い」過去の発言が物議
中央日報日本語版2022.04.28 11:42
https://japanese.joins.com/JArticle/290478


[単独]「日本、アジア支配してみて順法精神‥」パク・ボギュンの親日歴史観
MBC(韓国語) 2022-04-27
https://imnews.imbc.com/replay/2022/nwdesk/article/6363432_35744.html


記事では、尹政権の閣僚候補が「日本はアジアを支配してみたため順法精神が良い」という趣旨の発言をしたという事が書かれています。


これも要するに、「他者を支配した経験」=「序列の上位者になった経験」があるので、日本を含む「(この人物から見て)世界の大国」は「法に例外を置かない」として、それが説得になると考えているという事がわかります。


また興味深いのは、批判している側もこの人物が定義した「約束の概念」に反発しているのではなく、 「日本を擁護した」という親日発言のみを問題視している事も重要です。


実際には、それならばなぜ中国やロシアは「そうなっていないのか」という突っ込みは置いておくとしても、本質的に彼らが私たちとは全く異なる発想で思考しているという事がわかります。


これが韓国との対話での最大の障害で、韓国人達は私たちがなぜ「約束を守れ」と言っているのかが本質的に理解できておらず、どんな話をしても「ボタンの掛け違い」が起きてしまうのです。


最初に紹介した「韓国側の思惑」に関しても、根底にあるのはこの発想の違いです。


彼らからしてみれば、約束やルールというのは権力者が自由に作り替えて良いものであるので、どんなに日本側が1965年の日韓請求権協定や、2015年の慰安婦合意を韓国側が一方的に反故にしたことを問題視しても、彼らは「日本の権力者の不評を買ったのが原因」としか考えないのです。


彼らが提案する「解決案」がどれも見当違いなのはこのためです。
実際、次の記事でも

【中央時評】徴用問題、賢人会議で解こう=韓国(1)
中央日報/中央日報日本語版2022.05.11 10:25
https://japanese.joins.com/JArticle/290909

記事の前半部分では一見すると「韓国側が日本側との問題意識の共有ができた」ように受け取れますが、記事の後半部分では「政府が賢人会議を結成し、その解決方法に基づくと宣言しながら、さらに賢人会議の運営期間を例えば100日に設定し、当事者に追加行動を自制するよう協力を要請することだ」と、何ら具体的な解決策のないまま、「賢人会議を開いて解決すればいい」と書いています。


要するに、権威付けされた機関が一方的にごり押せば、内容は何でもいいと考えているのです。


しかし、それでは朴槿恵政権の慰安婦合意と同じで、政権が変われば「権威の交代」がおきてしまうので、いずれまた「一方的な合意の反故」が起きるだけなのですが、彼らはそこに疑問を持っていません。


彼らにとって、約束というのは「そういうもの」なのです。


3:日本政府の対応



こうした背景があるので、日本側の対応は常に「常識の違い」を意識し、安易に譲歩せず、事務的に無味乾燥な態度で「原則論」を繰り返すのが最も重要であり、安易な妥協をすれば問題が悪化するだけという事を常に意識していないといけません。


そのうえで、日本でも産経系のzakzakなどが、岸田政権が安易に韓国に折れるのではないかと危惧しており、そのことで岸田政権を批判している人もいますが、少なくとも私が観察している限りでは今のところその兆候はありません。


なぜかというと、次の記事を見てもらうと

韓国次期外相・日本外相「早期関係改善」に共感…歴史問題は「平行線」
中央日報/中央日報日本語版2022.05.10 07:07
https://japanese.joins.com/JArticle/290838


日本側は「関係改善」に向けて前向きであるとしていますが、同時に「林外相は強制徴用や慰安婦など歴史問題に対しては「韓国が約束を守らなければならない」という従来の立場を維持した」という態度で一貫していたという事が書かれています。


これが非常に重要で、今回書いたような「ボタンの掛け違い」が起き続ける以上、日韓の間でまず「トップ会談をしただけで問題は解決しない」という共通認識作りが重要であり、彼らが「その意味」自体は理解できなくとも、「日本は折れない」という認識ができれば一歩前進となります。


ですので、日本側がこの態度を変化させない限りは、「安易な譲歩はない」というのが私の考えです。
書き方を変えれば、岸田政権が韓国に対して「約束を守るべき」と言わなくなったら、そのときにこそ警戒すべきという事でもあります。


韓国世論が「条約で解決済み」という韓国政府の判断を許さないでしょうから、本質的な部分での解決は不可能でしょうが、少なくともこれ以上に状況が日本にとって悪い方向に向かう事もありません。


なので少なくとも私は、現状の岸田政権の態度に問題があるとは考えていません。
重要なのは「安易な妥協で韓国側に誤ったシグナルを送らない事」ですので、どんなに韓国に対して融和的な態度を取ろうとも、この部分さえ変わらなければ問題が悪化することは無いからです。




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