日韓問題(初心者向け)

日韓問題について、初心者でもわかりやすい解説と、日韓問題とマスコミ問題の動画のテキスト版を投稿しています。

【ゆっくり解説】生物蛍光


お待たせしました、変な生き物動画第9回、今回は「生物蛍光」についてです。

本日の投稿動画


Youtube
https://youtu.be/3lLtMZNXlNo


以下は動画のテキスト版になります。

注意
・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・キャラ崩壊あり

・うp主はただの「変な生き物好き」です



レイム マリサ 大口
ゆっくりしていってね


大口
お待たせしました、変な生き物第9回、今回は近年様々な種が発見されて話題になっている生物蛍光についてやっていくよ。


マリサ
生物蛍光ってあれか?蛍とかそういうのの事か?


大口
そういうのも広義では「蛍光」に分類されるけどちょっと違って、蛍とかは自ら化学反応によって発光しているのだけど、今回紹介する「蛍光」の生物は、紫外線などのエネルギーの高い光を、様々な方法でエネルギーの弱い光に変換して発光する生物ね。


レイム
ようするに、蛍とかは内部のリソースで発光しているけど、生物蛍光は外部の光をリソースとして発光しているってわけね。


大口
まあそういうこと。


マリサ
なるほどな。


大口
それと、今回から引用ソースは動画内でタイトルのみ紹介して、原文やリンクは同時掲載のテキスト版に貼っておくだけにするので、その点だけご了承ください。
それでは本編をどうぞ。


生物発光


大口
それで、さっきもいったように、光る生き物といっても2種類いて、自ら光る生き物と、紫外線などのエネルギーの高い光を吸収して光る生き物と2パターンあるのね。


レイム
それはわかったけど、それ以上何か説明があるの?


大口
それが重要で、実は「光る生き物」ってほとんどが海の生き物で、更にその大部分が深海の生き物なのね。


大口
海の光る生き物は多様で、ソコギス目、タラ目、アンコウ目、キンメダイ目、スズキ目などなどの魚類から、イカやタコ、クラゲ、ヒトデ、軟体動物、甲殻類まで色々いるのね。
中にはこのオキノスジエビの仲間みたいに、体内で生成した発光物質を「イカのスミ」みたいに噴射して、天敵から身を守るなんてのもいるね。







マリサ
なるほど。
でも今回は海じゃなくて陸の生き物だよな?


大口
そうだよ。
で、さっきも言ったように陸で光る生き物って実は希少で、代表的なのがこのホタルね。


レイム
まあこれは有名よね。
実際に見たことがある人も多いだろうし、そういえばもうそろそろゲンジホタルが飛ぶ季節(5~6月頃)よね。


マリサ
今年もホタルを捕まえて見ず知らずの人の後頭部にひそかに引っ付ける作業が始まるぜ。


レイム
こら!


大口
まあまあ。
それで、他には最近色んなメディアで紹介されて有名になった、南米の蟻塚に寄生して住んでいるヒカリコメツキとか、オーストラリアやニュージーランドの洞窟に住んでいるヒカリキノコバエの幼虫とかが有名だね。









マリサ
このヒカリキノコバエっての、これは何をしているんだ?


大口
まず自ら発光して小さな虫をおびき寄せて、粘着性の糸で絡めとって捕食しているわけ。


レイム
随分器用な事をするのね。


大口
他にも同じく南米のホタルの仲間で「鉄道虫」とよばれているのもいるけど、まあ陸上で「発光」する生き物はそのほとんどが無脊椎動物って特徴があるのね。







生物蛍光


マリサ
で、やっと本題の生物蛍光か。


大口
それで、さっきも言ったように「自ら光る」生き物と同じく、蛍光の生き物も陸上では少なくて、これまでは主に植物や菌類で発見されていて、動物では一部のフクロウやカエル、南北アメリカオポッサムなどで知られているだけだったのね。


レイム
ああ、一応そういう生き物も発見はされていたのね。


大口
ただし非常に稀な例だったうえに光る原因も謎のままだったんだけど、2018年に事件が起きたんだよ。

モモンガは紫外線でピンクに光る、目的は不明
ナショナルジオグラフィック 2019.02.05
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/020300078/

リスでは光らない、北米のモモンガ3種で研究

脚を広げて木から木へ滑空する不思議な動物モモンガ。このほど新たな研究で、さらなる不思議な性質が見つかった。紫外線を当てると、明るいピンク色に光るのだ。

 これは「生物蛍光」と呼ばれ、紫外線など一定の色(波長)の光を吸収し、別の色(蛍光)でそれを放出する性質。哺乳類ではあまり見つかっていないこの性質を、モモンガが持っていたことがわかった。これにより、何のために光るのかという新たな疑問が生まれると同時に、こうした性質が従来考えられていたよりも哺乳類の間で一般的である可能性も示された。(参考記事:「【動画】光る生きもの、鉄道虫からカラスザメまで」)

 学術誌「Journal of Mammalogy」に1月23日付けで掲載された論文の上席著者で、米ノースランド大学の生物学者、ポーラ・スペース・アニック氏は、この発見は全くの偶然だったと言う。

 論文共著者で林学の教授でもあるジョン・マーティン氏は、夜に米国ウィスコンシン州の森を調査していた。紫外線の懐中電灯で木々を照らし、蛍光を発する地衣類やキノコ、植物、カエルなどを探していたのだ。(参考記事:「紫外線に浮かぶ花々、見たことのない妖艶な姿 写真17点」)

「ある晩」とアニック氏は話した。「バードフィーダー(野鳥の餌台)からモモンガの甲高い鳴き声が聞こえたそうです。そこを懐中電灯で照らすと、ピンクに光って驚いたと」

モモンガが光った

 マーティン氏は、げっ歯類の研究者であるアニック氏にこの出来事を話した。「正直に言うと、この発見には少々混乱させられました」とアニック氏。「自分が理解できる文脈に落とし込もうとしました。餌によるものなのか、局地的な現象なのか、と」

 この特性がどのくらいの範囲に広がっているのか確かめるため、研究者たちは米ミネソタ科学博物館と、シカゴのフィールド自然史博物館に足を運び、数多くのモモンガの標本を調べた。北米のモモンガ(Glaucomys属)は森に生息する3種からなり、米国北西部からカナダ、米国東部、そして中米まで分布している。研究チームは可視光と紫外線の下で写真を撮り、滑空しないリスと比較。また、蛍光の強さを測った。(参考記事:「新種のモモンガ発見、北米で独自路線」)

 普通のリスは光を発しなかった一方、モモンガでは1つの標本を除く全てで同様のピンク色の蛍光を放つことがわかった。性別や地点による違いは見られなかった。(参考記事:「ギャラリー:かわいい! リスたちの姿をフォトアークから 写真10点」)

「蛍光が見られたGlaucomys属は、19世紀~21世紀にグアテマラからカナダにかけて収集されたもので、オス、メスともに確認されました。標本が採集された季節にも偏りはありませんでした」とアニック氏。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/020300078/?P=2

哺乳類以外なら、蛍光を発する動物はいる。例えばパフィン(ニシツノメドリ)のくちばしやカメレオンの骨は、紫外線の下で不気味な青い輝きを放つ。だが、哺乳類で毛が蛍光に光ることがわかっていたのは、20種余りのオポッサムだけだ。この有袋類は南北米大陸の各地に分布しているが、モモンガと近縁関係にはなく、暮らしている生態系も食べるものも異なる。(参考記事:「光るパフィンを発見、紫外線でくちばし輝く」)

 しかし、モモンガとオポッサムには共通点が1つある。どちらも夜と夕暮れ時に活動することだ。ほかのリスは、ほとんどが日中に活動する。

 光量が低いときは紫外線が比較的多く、夜行性の動物にとって紫外線視覚は重要だと一般に考えられている。したがって、ピンクの輝きは夜間の知覚とコミュニケーションに関係があるというのがアニック氏の見方だ。

 また、ピンク色は、モモンガが雪の積もった環境の中で動き回るのに役立っているとも考えられる。北米の3種のモモンガの生息地はいずれも、雪の降る地域と重なりがある。

「雪は紫外線の反射率が高いため、この特性がより見えやすい、つまり気づきやすい可能性があります」とアニック氏は言う。「この特性が動物のコミュニケーションに関わっているとすれば、雪がそれを『強化』しているのかもしれません」
異性へのアピールか、身を守るすべか

 それにしても、何のために蛍光に光るのだろうか。米バージニア工科大学の野生生物学者、コリン・ディギンズ氏は、交尾相手になりそうな異性に、健康状態や活発さを伝える手段なのではないかと考える。なおディギンズ氏は、今回の研究には関わっていない。(参考記事:「見えてきた!深海サメの光る理由」)

「オスのモモンガが鮮やかなピンクに輝くお腹を見せると、メスは夢中になるのではないでしょうか」

 しかしアニック氏は、その可能性は低いと考えている。蛍光には季節によってピークが現れることもなければ、オスとメスの差もないからだ。一方、毛が蛍光を発するメカニズムはわかっていない。(参考記事:「蛍光に光るカメレオンを発見、原因も解明」)

ピンクの輝きには、ほかにどんな用途があるのか。アニック氏らのチームが挙げるのは、カムフラージュまたは擬態だ。木々を覆っている多くの地衣類も蛍光を放っており、モモンガの毛がピンク色に光るのは、周囲に溶け込むための手段である可能性がある。あるいは、フクロウの中には翼の裏側から明るいピンク色の蛍光を発する種がおり、モモンガはこの色を模倣しているとも考えられる。

 米ワシントン大学バーク博物館の哺乳類担当学芸員、ジム・ケネーギー氏は、北米以外のモモンガに蛍光が見られるかどうかに関心を持っている。ケネーギー氏は今回の研究に関わっていない。

「モモンガなどを含むリス亜科について、研究チームが北米以外の代表的な種まで調べなかったのは残念です」とケネーギー氏。

 だが、何よりもこの発見は、私たちの知らないことがいかに多いかを明らかにするものだ。

「この研究は、モモンガどうしのコミュニケーションや生息環境との関係について、まだまだ研究の余地があることを知らしめるものです」とディギンズ氏は言う。

 こうした研究は、モモンガの継続的な保護の観点からも、生息地に何が必要かを十分理解するために欠かせない。また、今回の発見は、人間が全く知らないだけで、実はほかにも多くの哺乳類に紫外線に反応する外皮が備わっている可能性があることを示している。

 アニック氏は言う。「私たちは昼行性の霊長類です。そのために夕暮れ時から夜に起こっている動物のコミュニケーションや知覚の多くの側面に気づいていないのです。この研究で、それを教えられました」



大口
米ノースランド大学の林学教授、ジョン・マーティン氏が、夜にウィスコンシン州の森で紫外線ライトの懐中電灯をもって生物蛍光の地衣類や菌類、植物、カエルなどをさがしていたそうなのね。


大口
そこで偶然野鳥の餌台にいたモモンガが目に留まって、なんとなくライトで照らしたそうなんだよ。


マリサ
まさか…。


大口
そう、そのまさかで、偶然照らしたモモンガがピンクに光ったんだよ、マーティン教授は「ええええええええええ!?」ってなったそうで、ひとまず同じ大学の生物学者ポーラ・スペース・アニック氏にこのことを話したら、同じく「ええええええええ!?」ってなったそうなんだよ。


レイム
「非常に稀な例」だったはずの生物蛍光の哺乳類が身近にいたわけだしね。


大口
そしてアニック教授が詳しく調べてみたところ、北米のモモンガ3種の毛から生物蛍光が発見されて、論文発表したそうな。


マリサ
まさか光るキノコやコケを探しに行ったら「光るモモンガ」を発見してしまうとは思いもしなかっただろうな。


大口
そして話はここで終わらなかったんだよ。


レイム
まだ何かあったの?


大口
それでね、この論文発表のための調査でもまた新発見があったんだよ。

カモノハシは紫外線で青緑に光る、目的は不明
ナショナルジオグラフィック 2020.11.14
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/111300660/

意外と多い「生物蛍光」に新たな仲間、意味はあるのか?

「地球上で最も奇妙な動物」。そう呼べるいくつかの特徴が、カモノハシにはある。

 哺乳類でありながら卵を産み、後ろ足の爪から毒を分泌する。ビーバーのような尾と、カモのようなくちばしを持ち、夜に目を閉じて泳ぎながら、くちばしで獲物を感知する。(参考記事:「カモノハシが太古から変わらない理由」)

 この奇妙な特徴リストに、このほど新たな項目が加わった。発光する毛皮だ。

 10月15日付けで学術誌「Mammalia」に発表された論文によれば、肉眼で見えない波長である紫外線をカモノハシに照射すると、毛皮が青緑の光を放つという。

 研究を率いた米ノースランド大学の哺乳類学者であるポーラ・アニッチ氏は「カモノハシの生物蛍光を見て少しあっけにとられました」と振り返る。もともと「ユニークな動物」だからなおさらだ。

 今回の発見は生物蛍光に関する科学界の知識を広げるものだ。生物蛍光は考えられていた以上に多くの動物で見られることがわかってきている。

 ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーで、海洋生物の発光を研究するデイビッド・グルーバー氏は「多くの動物で生物蛍光が観察されていますが、これはその新たな実例です。動物にとって意味があるのか、あるとすればどんな意味かを考察するきっかけにもなります」と話す。グルーバー氏は今回の研究に参加していない。

モモンガからカモノハシまで

 生物蛍光とは、毛皮などに含まれる物質がある波長の光を吸収し、別の波長の光を放出する現象。放たれる光の色は、緑や赤、オレンジ、青などだ。

 この数年間だけで、ウミガメの甲羅、菌類、モモンガの生物蛍光が確認されている。生物蛍光の理由としては、擬態や同種内のコミュニケーションといった仮説が示されているが、はっきりとはわかっていない。

 アニッチ氏のチームは2019年、モモンガに紫外線を照射すると、腹部の毛皮がピンクの光を放つことを発見した。(参考記事:「モモンガは紫外線でピンクに光る、目的は不明」)

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/111300660/?P=2

 この研究のために、アニッチ氏らは米シカゴのフィールド自然史博物館に保管されていたモモンガの毛皮に紫外線を照射した。その際、好奇心から、カモノハシの標本に同じことをしてみたところ、なんとカモノハシも光を放った。

 アニッチ氏が研究成果を発表する少し前、別の研究論文で、オーストラリアの路上で命を落としたカモノハシにブラックライトを当てたら発光したという報告があった。ブラックライトは紫外線を放出する電灯だ。

 この報告はアニッチ氏の発見の裏付けになり、さらに、死んでから時間がたったカモノハシだけでなく生きたカモノハシもほぼ間違いなく蛍光を発することを示唆していると、オーストラリア、ニューサウスウェールズ大学でカモノハシの研究をするギラッド・ビーノ氏は分析する。「カモノハシにはいつも驚かされます」

何のために光るのか?

 カモノハシが光る理由はわかっていない。

 アニッチ氏によれば、カモノハシは夜行性で、泳ぐときは目を閉じるため、仲間とコミュニケーションを取るのに重要な役割を果たしている可能性は低いという。

 むしろ、紫外線を見ることができる捕食者を避けるのに役立つかもしれないとアニッチ氏は述べている。紫外線を吸収し、青緑の光を放つことが一種の擬態になるということだ。

 ビーノ氏もその可能性は十分あると考えている。鳥類の大部分がそうであるように、多くの動物は紫外線を見ることができる。野生のカモノハシをねらう捕食者には、猛禽類のほか、マーレーコッドのような大型魚やディンゴなどがいる。

 蛍光を発することに特別な機能はない可能性もある。卵を産むといった原始的な特徴と同じように、この特徴を単に祖先から受け継いだだけかもしれない。

 アニッチ氏とビーノ氏は、生きたカモノハシを調べて生物蛍光を確認できれば、機能についても詳しくわかるのではないかと口をそろえる。(参考記事:「カモノハシは減っている、260年分の記録で判明」)

 ビーノ氏は言う。「こうした発見が明らかになった今、フィールドワークに行くときはUVスポットライトを忘れないようにしなければいけませんね」


大口
アニックさんが米シカゴのフィールド自然史博物館で調査のためにモモンガの剥製に紫外線ライトをあてていた際、なんとなくの興味本位で近くにあったカモノハシの剝製にライトをあてたら、なんか青緑色に光って更に「えええええええええええ!?」ってなったそうなんだよ。


レイム
何このコント。


マリサ
珍獣中の珍獣のカモノハシがまさか光るなんてそうそう思いつかんしな。


大口
で、疑問がでてきたわけね。
「この生き物たちの毛はなんで光るんだ?」って。


レイム
まあ当然の疑問よね。


大口
それでまだ仮説でしかないんだけど、いくつか理由として候補が挙がっていて、モモンガとカモノハシとオポッサムとフクロウはどれも夜行性の生き物で、更に周辺の環境には生物発光や生物蛍光の植物や菌類なんかが多いので、むしろ光ることがそうした光る植物や菌類に紛れてカモフラージュになっているんじゃないかって説。


大口
他にも、暗闇での仲間同士のコミュニケーションに使っているんじゃないかって説、単に祖先から引き継いだだけで「蛍光を発することに特別な機能はない」、つまり過去の原始の生き物には意味はあったが今は特に意味がない、なんて説まであるね。


マリサ
つまりまだよくわかっていないって事だな。


大口
で、その後も「毛に生物蛍光の機能がある哺乳類」が次々と発見されていて、

すべてを停止-ウォンバットにも生体蛍光毛皮があることが判明
サイエンス(英語) 2020年11月27日
https://www.sciencealert.com/it-s-not-just-the-platypus-wombats-and-other-australian-mammals-biofluoresce-too

最初に、プラティパスがレイブで見栄えがすることを発見しました。今では、ウォンバット、ミミナガバンディク、その他の有袋類がブラックライトパーティーに参加できます。科学者たちは、紫外線の下ですべてが素晴らしく蛍光性の緑、青、ピンクに輝くことを予期せず発見しました。

過去数年にわたり、科学者が発見したbiofluorescenceは、私たちが実現よりも、哺乳類間でより一般的である-ムササビとすることをグローAバブルガムピンク、この形質はチェックアウトすることで、当社の哺乳類遺産に存在してどこまで戻って確認するために、研究者を促すカモノハシのような単孔類を(Ornithorhynchus anatinus)-最も古くから生きている哺乳類の血統。

当然のことながら、カモノハシの輝きが明らかになると、西オーストラリア博物館の哺乳類学芸員、ケニートラヴィヨン、生物学者のリネットアンブレロなどの他の研究者は、博物館のコレクションにあるさまざまな標本に光を当ててUVを照らしました。

そしてこれまでのところ、彼らの発見は、ネオンウォンバットと明るい耳のミミナガバンディクの啓示で、がっかりすることは決してありませんでした。

輝くウォンバットも私のお気に入りです!#wombat #uv pic.twitter.com/XdgLqAoorX
—ケニー・トラヴィヨン(@TravouillonK) 2020年11月5日

「たぶん20匹の哺乳類でしか試したことがないので、徹底的な調査ではありませんでした。」TravouillonはScienceAlertに語った。「おそらくそれらの約3分の1が輝きました。」

これらには、カモノハシ(彼らはダブルチェックした)、ハリモグラ、バンディクートとビルビー、ポッサムといくつかのコウモリが含まれていました。オーストラリアの生き物は、昆虫、カエル、魚、菌類など、生物蛍光を発する他の多くの生物に加わります。

生物蛍光は、生物が紫外線などの高エネルギー放射線を吸収し、低周波数で光を放出するときに発生します。オーストラリア博物館の野生生物法医学者であるグレタ・フランカム氏は、ScienceAlertに説明したところによると、皮膚やその他の動物組織(骨や歯など)でこれを行うことができる多くのタンパク質が特定されています。

「蛍光を発するように見える多くの異なる動物の体の部分に化合物があるので、蛍光を発する毛皮のような他のものに他の化合物があるかもしれないことを見つけるのは驚くべきことではありません」とフランカムは言いました。

科学者たちは、クラゲの緑色蛍光タンパク質のように、これらの分子のいくつかを分離し、それらを科学的イメージングに使用しました。

これらの哺乳類で生物蛍光が発生する方法と理由の正確な詳細はまだ決定されていません。しかし、それが達成されたとしても、このビルビー(Macrotis leucura)の耳と尾のように、UV光の下で驚くほど明るい結果を確かに生み出します。

カモノハシが紫外線の下で光るのが示された後、ミミナガバンディクを試すことに抵抗できませんでした...彼らの耳と尾はダイヤモンドのように明るく輝いています!#bilby #uv pic.twitter.com/wL82RDdFYb
—ケニー・トラヴィヨン(@TravouillonK) 2020年11月3日

ミミナガバンディクは夜行性で絶滅の危機に瀕している砂漠に生息する種で、UVの下で光る別の動物であるサソリを食べるのが好きです。

さて、これはかっこいいです。蛍光灯のカモノハシに大騒ぎした後、私はUVランプで地元の死んだ獣をいくつかチェックしました。ヒガシシマバンディクートはUVの下でピンク色に輝きますが、フクロモモンガはそうではありません。(私のくだらない電話カメラは正義をしません...)pic.twitter.com/49wlwY5DWm
— TMT(@t_mcachan) 2020年11月22日

ウォンバット絶滅危惧種のヒガシシマバンディクート(Perameles gunnii)も夜行性の種です。これまでに確認された生物蛍光哺乳類の多くは夜行性または薄明薄暮性(夜明けと夕暮れに最も活発)ですが、生物蛍光はグローが再放射するための光源を必要とし、夜間の紫外線は少なくなります。

「おそらく、彼らは私たちが見ることができるよりもはるかに多くを見ることができるでしょう」とTravouillonは仮説を立てました。

「捕食者は光っていないようです。これは、捕食者が見られれば、獲物を捕まえるチャンスをすべて失うからだと思います。」

しかし、フランカムは、多くの有袋類は夜行性であるため、これが必ずしもこの形質の進化の推進要因であるとは限らないと指摘しました。

一部の哺乳類がUVの下で光る理由については今では多くの憶測が飛び交っていますが、私たちはこの現象がどれほど広まっているのかを理解したばかりです。ですから、答えを集める前にやるべきことがたくさんあります。

ルンド大学の進化生物学者マイケル・ボックは、ソーシャルメディアで光る動物をめぐる騒ぎに応えて、次のように警告しました。

これに生態学的または視覚的な関連性を適用することに注意してください。多くの生体物質は蛍光を発しますが、それが何にでも見える照明条件は信じられないほど不自然です。これが視覚的な信号であることは非常にあり得ないことです。pic.twitter.com/rVeYlVVFqu
— Michael Bok(@mikebok) 2020年11月26日

これらの動物の自然環境内でこの能力の長所または短所さえあるかどうかを調べるためにフィールド調査が必要です-しかし、これらのオーストラリアの種の多くがどれほど脆弱であるかを考えると、この特性が彼らの生態に影響を与えるかどうかを確認する価値があります。

「この段階では、なぜこれが起こっているのかを私たちは皆推測しているので、何が起こっているのかを本当に理解するために追加のテストが必要になるでしょう」とTravouillonは言いました。彼は、さまざまな光でより多くの哺乳類をテストし、夜行性の哺乳類に実際にパターンがあるかどうかを確認することを計画しています。


Dr Kenny Travouillon
@TravouillonK
https://twitter.com/TravouillonK/status/1323496257986260992
カモノハシが紫外線の下で光るのが示された後、ミミナガバンディクを試すことに抵抗できませんでした...彼らの耳と尾はダイヤモンドのように明るく輝いています!













大口
オーストラリアに棲息する「強固な尻装甲」で有名な固有種「ウォンバット」とか、同じくオーストラリア固有種のバンディクート目「ミミナガバンディクート」、他にも一部のハリモグラやコウモリでも確認されたそうな。


レイム
オーストラリアって古代に大陸から切り離されて古代の生き物が独自進化した地域だから、生物蛍光は古代の哺乳類の特徴を引き継いでいたって事?


大口
まあその可能性もなくはないけど、まだほんと理由はわかっていないからねぇ。


マリサ
というか、話の感じだと日本には生物蛍光の哺乳類はいなさそうなのか?


大口
どうなんだろう。
日本ではあまり話を聞かないし、日本列島って「比較的新しい島」だしねぇ。


大口
まあそれはさておき、その後最近になって「これまでの説とは異なる理由で光っている」んじゃないかって生き物も発見されたんだ。

夜行性のトビウサギトビウサギ科)で発見された鮮やかな生物蛍光
ネイチャー(英語) 2021年2月18日
https://www.nature.com/articles/s41598-021-83588-0

概要

生物蛍光は、無脊椎動物から鳥や哺乳類まで、いくつかの夜行性薄明薄暮性生物で検出されています。哺乳類の生体蛍光は、カモノハシ目カモノハシ(Ornithorhyncus anatinus)、有袋類オポッサム(Didelphidae)、新世界胎盤飛翔リス(Gluacomys)などの系統全体で検出されています。spp。)。ここでは、博物館の標本と飼育下の個体の両方で、トビウサギトビウサギ科)の鮮やかな生物蛍光を記録します。これは、旧世界の胎盤哺乳類の最初の記録された生物蛍光です。サンプル全体の生体蛍光の変動を調査し、その物理的および化学的特性を特徴づけます。印象的な視覚的パターンと色の変化の強さは、他の哺乳類に見られる生物蛍光と比較して独特でした。トビウサギの生体蛍光は、毛髪のキューティクル内で発生する可能性が高く、少なくとも部分的には、いくつかの蛍光ポルフィリンと、標準的なポルフィリン混合物には存在しない1つの割り当てられていない分子から発生する可能性があります。この発見は、生物蛍光が夜行性薄明薄暮性哺乳類にとって生態学的に重要である可能性があるという仮説をさらに支持し、以前に考えられていたよりも哺乳類全体に広く分布している可能性があることを示唆しています。
前書き

様々な種の視覚能力の我々の理解が発展するように1、2、我々は多くの種が異なるレンズを通して世界を見ることができる、その可視光(約、の代わりに又は加えていることを認識しています400- 700 nm)、他の波長の光は生態学的に重要である可能性があります。たとえば、一部の種は、性淘汰3、捕食者回避4、および採餌5に紫外線(UV)光からの手がかりを使用します。多くの哺乳動物は、光のUV波長に敏感で1、2、6、特に有袋類7、単孔類(新世界オポッサム)8、(カモノハシOrnithorhynchus anatinus)、およびいくつかのげっ歯類7(Sciurognathi)。

Biofluorescence、光および光のより長い波長の再放出の短い波長の吸収は、ますます無脊椎動物の広い範囲で観察されている9、魚類10、11、爬虫類および両生類12、13、14、15、16及び鳥類3、17、18。哺乳類の中で、biofluorescenceは新世界の胎盤ムササビで観察されている19(Glaucomys属)、新世界有袋類オポッサム20、21(Didelphidae)、および単孔類アヒルのくちばしカモノハシ(オーストラリアとタスマニアのO.anatinus)22。これらのグループは、3つの大陸と多様な生態系に生息し、哺乳類の家系図全体に広く分布しています。これらbiofluorescent哺乳動物種の全ては、薄明、夜行性である19、20、21、22。したがって、哺乳動物におけるbiofluorescenceは、低照度環境下で活性である夜間、薄明哺乳動物に有意のものであってもよい9、22。ここでは、別の夜行性哺乳類であるトビウサギトビウサギ科)の生物蛍光を記録します。これは、旧世界の真獣類哺乳類の最初の十分に文書化された生物蛍光です。

他の生物蛍光哺乳類と同様に、トビウサギトビウサギ科)は夜行性です。別に彼らの夜間のライフスタイルから、springharesは、他の既知の蛍光種の生態学的に類似していないと、むしろSciuridae内biofluorescentのげっ歯類の遠い親戚ある19、23。両方の種類のトビウサギはアフリカに固有です。トビウサギ(Pedetes capensis)はアフリカ南部に生息しています。また、東アフリカのスプリングヘア(P. surdaster)は、ケニアタンザニアの一部に生息しています23。両方の種が生息し、夜間、fossorial草食動物である半乾燥地域24、25。トビウサギは主に孤独で、日中は自分の巣穴に避難し、夜は24日夜に短い草の環境で個別に採餌します。短い草の環境は、マングース(Herpestidae)やジャッカル(Canidae)などの捕食者からの最小限のカバーでトビウサギを提供しますが、これらのオープンエリアは、トビウサギを捕食者の検出のための明確な視線と爆発的な二足歩行の跳躍を介して逃げるいくつかの障害物を提供します25。ここでは、Pedetidaeの鮮やかな生物蛍光、その変化、その根底にある化学的性質、およびその潜在的生態学的影響を文書化します。
結果

2018年4月19日と2019年11月22日に、米国イリノイ州シカゴのフィールド自然史博物館(FMNH)で、新世界のモモンガ族(Glaucomys spp。)とAnomaluromorphaのメンバーの生物蛍光を研究しているときに、トビウサギの生物蛍光を発見し、その後文書化しました。複数の標本と飼育下の個体の特性。

アンゴラ(n  = 2)とボツワナ(n  = 6)から収集されたP. capensisの8つの博物館標本、およびケニア(n  = 3)とタンザニアから収集されたP.surdasterの6つの標本を含む合計14の博物館標本を調べました。(n  = 3)(図 1、補足表S1)。 4人の男性(P. capensis、n  = 2; P. surdaster、n  = 2)と10人の女性(P. capensis、n  = 6; P. surdaster、n)を含む男女の個体を調べました。 = 4)、標本の収集日は1905年から1963年の範囲でした。博物館の標本については、Anich et al。の方法に従って、各標本の背側と腹側の両方で生体蛍光を観察および写真撮影しました。22(Canon EOS 50D、Canon USA Inc.、Melville、NY、USA; Sigma 17–70 mm f 2.8–4 DC Macro)可視光下(Canon Speedlite 430EX)、次に395 nm UV光下(LED UVフラッシュライト、iLumen8) 100 LED)。 470 nmロングパスフィルター(K&F Concept、広東省、中国; Tiffen Yellow 2#8、Hauppauge、ニューヨーク、米国)を使用して、UV照射下で標本のサブセットを撮影し、青色波長の残留光を吸収しました。また、Nurugo SmartUVカメラ(Union community Co.、Ltd.、Seoul、Republic of Korea)を使用してUV反射率をキャプチャしました。これは、トビウサギ標本のサブセットの背面または腹側表面で吸収されるUV光が非常に少ないことを示しています。アニッチらの方法に従う。蛍光分光法用22(Ocean Optics USB2000 +、ラルゴ、フロリダ、米国)、腹側表面の高蛍光毛皮のセクションについて、500および650 nmで2つの蛍光ピークを特定しました(図 1および2)。
図1

また、ネブラスカ州オマハにあるオマハのヘンリードーリー動物園および水族館で5匹の生きている飼育下繁殖のP. capensis個体(オス3匹とメス2匹)とメスカーで死亡した(自然の原因による)個体(メス)の生体蛍光を観察および写真撮影しました。インディアナ州エバンズビルのパーク動物園&植物園(図 3 ;補足表S2、Canon EOS 6DCanon USA Inc.、Melvill、ニューヨーク、USA; Canon 17–40 mm f 2.8–4; LED 395UVフラッドライト; Tiffen Yellow 2#8、Hauppauge、New York、USA;ホワイトバランスは、DGK Color Tools WBカード、DGK Color Tools LLC、米国マサチューセッツ州ワバンから修正されました。複合光学顕微鏡(Eclipse E2300、DSFI2カメラ付き、Nikon Corporation、東京、日本)を使用して、最近死亡した飼育下の個々のトビウサギの毛髪サンプルを、可視光とUV光の下で4倍の倍率で調べました。比較のため、同じ条件で人間の髪の毛を撮影しました。個々のトビウサギの毛髪繊維の蛍光と、個々の毛髪繊維内の蛍光の存在の変化を観察しました。これは、蛍光がキューティクルの厚さ全体に分布し、毛髪繊維のコアと先端には存在しないことを示唆しています(図。 4)。夜明けの食器用石鹸(シンシナティオハイオ、米国)で髪や毛皮を洗っても、蛍光が除去または減少したり、蛍光が移動したりすることはありませんでした。

薄層クロマトグラフィーを使用して、毛髪サンプルから蛍光抽出物を分離しました。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、ウロポルフィリン-I、ウロポルフィリン-III、ヘプタカルボキシルポルフィリン、ヘキサカルボキシルポルフィリン、およびコプロポルフィリン-Iを含む蛍光ポルフィリン種の存在を明らかにしました(図 5 ;補足図S1およびS2)。また、ポルフィリンの標準混合物には割り当てられていない分子が検出され、約2分でピークに達しました。これは、観察された生体蛍光にも関与している可能性があります(図 5 ;補足図S1およびS2)。

以下のためのP.カペンシスとP.のsurdaster私たちは、個人間でbiofluorescenceの強度の変化を観察しなかったが、すべての個人は、赤biofluorescenceにオレンジ色を呈しました。生体蛍光は背側と腹側の両方の表面で顕著であり(図 1)、背側表面の蛍光強度はしばしば頭と後部でより強かった(図 1と3)。腹側では、生体蛍光は主に内腿と尾に沿って発生しました(図 1)。博物館と飼育下の標本の両方で、生体蛍光に顕著な斑点が見られました(図 1および3)。
討論

私たちは、ペデティデートでファンキーで鮮やかなポルフィリンベースの生物蛍光を発見しました。これは、旧世界の真獣類の哺乳類の最初の十分に立証された生物蛍光を表しています。野生個体群におけるこの形質の頻度について結論を出すのに十分なサンプルサイズはありませんが、6人の飼育下の個体、および58年間にわたって異なる時期に収集された14の博物館標本で一貫して形質を観察しました。 。期間と4カ国の7つの別々の場所にまたがって(図 3)。私たちの標本の空間的、時間的、および文脈的(すなわち、飼育下または野生)の多様性のために、この特性は環境的ではないと思われます。男性と女性の両方の標本は、一般的に同じ領域で同じ強度で蛍光を発しました。したがって、その形質は性的に二形性ではないと思われます。生物蛍光は洗浄によって容易に除去されず、1905年から博物館の標本に存在したという事実は、生物蛍光がPedetidaeの毛髪繊維の物理的解剖学の一部であることを示唆しています。生物蛍光は、博物館の標本よりも生きている個体でより鮮明に見え、時間の経過とともにいくらかの劣化を示している可能性があります(図 1および3)。

トビウサギの毛髪サンプルからの抽出物から、複数の種のポルフィリンが検出されました。ポルフィリン系biofluorescenceが疑われるか、多くの海洋無脊椎動物で確認されている26、27、多くの鳥類の羽毛18、28、29、30、齧歯類の少なくとも一種の骨31、及びPlatyhelminthesの少なくとも一種9(Platydemus manokwari)。ここでは、ウロポルフィリン-I、-III、ヘプタカルボキシルポルフィリン、ヘキサカルボキシルポルフィリン、コプロポルフィリン-I、および標準的なポルフィリン混合物に存在しない1つの割り当てられていない分子を検出しました。単離されたポルフィリンは、ヘムの生合成経路の中間体であるポルフィリノーゲンの酸化によって形成されます32。種々の条件で570と720 nmの間ウロポルフィリンとコプロポルフィリンの蛍光を発する33、34、その少なくとも両方ウロポルフィリンを示唆し、springhareにbiofluorescenceを引き起こすことにおいて役割を果たすコプロポルフィリン。この生物蛍光が有利な進化形質であるか、キツネリス(Sciurus niger)に見られるポルフィリン症などの病気であるかを判断するために、将来の研究を行うことをお勧めします31、35、36、canefieldラット(ドブネズミのsordidus) 37、およびヒト(ホモサピエンス) 32、38。

両方の種でBiofluorescence Pedetesは特に斑状(図た。 1及び3)、および飼育下の個体の観察は、身づくろいおよび種内相互作用、すなわち生殖によって最も影響を受ける領域が、最も一貫して生物蛍光を示す領域と比較的強く重複しているように見えることを示した。これは、特定の行動中に蛍光が毛皮に外部から適用される可能性があることを示唆しています。しかし、毛皮を徹底的に洗っても蛍光の除去や伝達は起こらず、飼育下の個体の囲いの観察では、伝達された蛍光は明らかになりませんでした。さらに、14か月間隔で撮影された単一の生きている個体のUV画像は、個々のパターンが比較的一貫していることを示しており、トビウサギの生物蛍光の斑点についての別の説明をさらに示唆しています(図 3)が存在する可能性があります。トビウサギは主に孤独であり、植生がまばらなより開放的な地域で採餌する傾向があり、したがって、覆いや集団の警戒が不足しているため、捕食者への曝露が多くなります。したがって、トビウサギの生体蛍光の斑点は一種のカモフラージュとして機能する可能性があると仮定しますが、これは捕食者の紫外線感度に依存します。トビウサギの生物蛍光とその斑点の潜在的生態学的関連性をさらに理解するために、追加の行動および生物学的研究をお勧めします。

トビウサギにおける生物蛍光の生態学的影響は不明のままです。ただし、他の生物蛍光動物と同様に、トビウサギは夜行性です。哺乳動物におけるBiofluorescenceは薄明、夜間に主に検出されている19、20、21、22及びUV感受性7、39種、及びUV-色覚は、多くの夜行性、薄明哺乳動物への生態学的に重要であると思われる1。私たちは、なぜPedetidae展示biofluorescenceを決定することはできませんが、我々の観察は、光のbiofluorescenceとUV波長は夜行性-薄明の哺乳類のための生態学的に重要であるかもしれないという仮説のための更なるサポートを追加1、9、19、22。私たちの観察はまた、生物蛍光が以前に考えられていたよりも哺乳類全体に広く分布している可能性があることを示唆しています22。
メソッド

すべての方法は、関連するガイドラインと規制に従って実施されました。飼育下の動物の観察と写真撮影のプロトコルが評価され、オマハのヘンリードーリー動物園&水族館のACUCから免除されていると見なされました。故人(自然の原因による)の個人からの採毛のプロトコルは、メスカーパーク動物園&植物園研究委員会によって評価され、メスカーパーク動物園&植物園ACUCから免除されていると見なされました。人間の髪の毛の顕微鏡検査と写真撮影のプロトコルが評価され、ノースランド大学IRBから免除されていると見なされました。人間の髪の毛の顕微鏡検査と写真撮影についてインフォームドコンセントが得られました。
蛍光分光法

Ocean Optics Flame-S-UV-VIS-ES(Largo、Florida、USA)を蛍光モード(積分時間= 1秒、スペクトルあたり5スキャン)で使用し、Ocean Optics DH-2000-BAL重水素光源(ラルゴ、フロリダ、米国)蛍光スペクトルを取得します。Pedetidae標本のサブセットで強い蛍光スポットを選択し、サンプルに対して45°の位置にプローブを置いて、そのスポットに直接プローブホルダーを配置しました。そのスポット内の5つの異なる場所で蛍光スペクトルを取得し、これらの5つのスペクトルを平均しました。ポリテトラフルオロエチレン拡散反射標準に対して光源スペクトルを記録しました。
生体蛍光化合物の抽出

我々は、最近亡くなった捕虜個体から毛髪サンプルを収集したP.カペンシスMeskerパーク動物園&植物園で。 Dawnディッシュソープ(米国オハイオ州シンシナティ)で洗浄することにより、蛍光を除去できるかどうかを判断しようとしました。蛍光毛皮のサンプル(洗浄済みと未洗浄)を2つのサンプル(サンプル1とサンプル2でそれぞれ68.8mgと95.1mg)に結合し、各サンプルを1mLの0.5MNaOHを含む25mLの丸底フラスコで還流しました。すべての髪が溶けて、UV光の下で溶媒がピンク色に見えるまで(約16分)。我々は、薄層クロマトグラフィーおよび4 mLのDMF、35mLのメタノールの混合物を使用して溶液を分離し、6 mLのエチレングリコール、0.4 mLの氷酢酸、18mLの1-クロロブタン、及び20 mLのをCHCl 3溶媒として40。薄層クロマトグラフィープレートはアルミニウム背中を有し、シリカゲル60 Fでコーティングした254。分離後、ハンドヘルドUV光の下で3つの異なるピンクのバンドが見えました。ピンク色のシリカを集め、アセトンと脱イオン水でシリカがピンク色でなくなるまで洗浄しました。次に、抽出物をろ過し、黄色の油が残るまで加圧下で還元し、HPLC分析に送りました。
蛍光化合物の特性評価

C18逆相OnyxモノリシックHD-C18液体クロマトグラフィーカラム(長さ100mm×内径4.6mm、Phenomenex Inc.、マサチューセッツ州トーランス、 USA)、および抽出物を特徴付けるPerkin Elmer Series200蛍光検出器。すべての溶媒はHPLCグレードであり、米国のフィッシャーサイエンティフィック社から購入しました。移動相A(pH = 5.16)の成分には、100mLのアセトニトリル、55 mlの氷酢酸、および45mlの濃水酸化アンモニウムと混合した800mLのMilli-Q水が含まれていました。移動相Bの成分には、100mlのアセトニトリルと混合した900mlのメタノールが含まれていました。

抽出した物質を1mLの1M塩酸に溶解し、遠心分離して、上澄みを琥珀色のオートサンプラバイアルに移しました。ポルフィリンカルボン酸の同定には、各オクタ、ヘプタ、ヘキサ、ペンタ、トレトラ、およびジカルボキシルポルフィリン酸の5マイクロモル混合物を含むクロマトグラフィーマーカーキットを使用しました(Frontier Scientific、Inc.、Salt Lakeシティ、UT、USA)。オクタ-およびテトラ-カルボキシルポルフィリン酸は、従来、それぞれウロポフィリンおよびコプロポルフィリンと呼ばれています。チューブ内のポルフィリンの標準混合物を10mLの1M塩酸(米国ユタ州ソルトレイクシティのFisher Scientific、Inc。の高純度グレード)に溶解し、この混合物を高標準混合物と見なしました。 HIGH標準ミックスの10倍希釈を作成し、これをLOW標準ミックスと見なしました。

我々は、100μlの総実行時間36分に注入量を設定して勾配溶離プログラムを用いる41、42(表1)。(高濃度と低濃度)標準のポルフィリンカルボン酸の2つのバイアルも、サンプルの各バッチで分析されました。サンプルピークの保持時間(分)をカルボキシルポルフィリン酸ピークと一致させることにより、サンプルのHPLCピークを特定しました(補足図S1)。





大口
2021年2月にネイチャーに掲載された論文によると、アフリカ南部に生息しているネズミ目トビウサギ科のミナミアフリカトビウサギとヒガシアフリカトビウサギで生物蛍光が確認されて、更にこの事例では剥製だけではなくて、アメリネブラスカ州の動物園で飼育されている生きた個体でも確認されたのね。


大口
で、実はこの発見が重要で、このトビウサギを調べてみたところ、「ポルフィリン症」という病気の兆候が見つかって、この病気はポルフィリンという蛍光成分の一種が原因で起きるのだけど、トビウサギはこのポルフィリン症になるのを回避するために、体内のポルフィリンを毛皮に移してため込んでいるみたいなんだよ。


レイム
つまり、カモフラージュや仲間同士のコミュニケーションとかは関係なく、単に病気回避のための仕組みが結果的に毛皮を光らせている可能性があると。


大口
そういう事。
で、このことから、哺乳類の生物蛍光は単一の理由ではなく、種それぞれがその環境や状況に応じて別個に進化させてきただけで、共通の理由などないんじゃないかって説が出てきたわけ。


マリサ
なるほどな。


最強生物


レイム
なんかマリサが好きそうなタイトルね。


マリサ
期待しちゃっていいのか?


大口
まず結論を先に書くと、これ「クマムシ」のことね。


レイム
ああ、あのマイナス273℃から100℃の温度、真空から7万5000気圧までの圧力、高レベル放射線にまで耐えるって有名になった生物ね。


マリサ
まさかクマムシまで光るのか?


大口
全てのクマムシではなくて、インドで発見された新種のクマムシが「生物蛍光」で光ることが発見されたんだよ。

輝く青は、このクマムシを有害な紫外線から保護するのに役立ちます
サイエンス(英語) 2020年10月13日
https://www.sciencenews.org/article/tardigrade-water-bear-glow-blue-ultraviolet-light

蛍光はクマムシが特に日当たりの良い地域で生き残ることを可能にするかもしれません

紫外線を照射すると、新たに発見されたクマムシの種が青く光って身を守ります。

クマムシクマムシまたはコケの子豚としても知られている微視的な動物は、自然の究極の生存者です。これらは、摂氏–270°Cから150°Cまでの温度に対応しており、宇宙の真空に耐えることができます。また、有害な紫外線に特に耐性のあるものもあります(SN:7/14/17)。ある種は、光る色素でその紫外線から身を守ります、と新しい研究が示唆しています。これは、動物を放射線から保護する蛍光分子の最初の実験的証拠であると、研究者らは10月14日にBiologyLettersで報告しています。

クマムシのストレスに対する耐性は並外れています」と、インドのバンガロールにあるインド科学研究所の生化学者であるSandeep Eswarappaは言います。「しかし、クマムシの抵抗の背後にあるメカニズムはほとんどの[種]で知られていません。」

彼と彼の同僚は、科学者が特定したParamacrobiotus属の新しいクマムシ種でこれらのメカニズムを調査し、キャンパスの苔むした壁から標本を摘み取った後、研究室で成長しました。Eswarappaは、他の多くのクマムシと同様に、これらのParamacrobiotusが紫外線に耐性があることを発見しました。殺菌UVランプの下に15分間座った後(ほとんどの微生物を殺し、人間に皮膚病変を与えるのに十分な時間)、すべてのParamacrobiotus標本は生き残り、試練に動じなかったようです。

これらのクマムシがどのように持続するかの秘密は、研究者が実験室で蛍光を視覚化するために使用されるUVトランスイルミネータークマムシの挽いたチューブを偶然見たある日まで、エスワラッパと彼のチームは理解していませんでした。チームの驚いたことに、チューブは青く光りました。「それは私たちのミニエウレカの瞬間でした」とEswarappaは言います。

分子は、高エネルギーの光を吸収し、低エネルギーの光を放出すると蛍光を発します。一部の生物学者は、蛍光色素が有櫛動物やサンゴなどの特定の動物を紫外線から保護できると示唆していますが、そのような力は実験室では示されていませんでした(SN:11/17/17)。

チームによると、個々のParamacrobiotusは蛍光の量が異なり、蛍光性のクマムシが多いほど紫外線に対する耐性が高くなります。1時間のUV曝露後、強い蛍光を発する個体の60%が30日以上生存しましたが、蛍光が少ない標本はすべて20日以内に死亡しました。

蛍光と保護をさらに関連付けるために、研究者たちは、光るParamacrobiotus抽出物の浴に、紫外線に耐性のないクマムシ種の回虫や個体を浸しました。このように恵まれた、両方の動物は、水だけに浸された個体と比較して、より紫外線耐性がありました。

実験は、色素が「これらの動物の紫外線耐性のメカニズムであり、それは素晴らしい前進である」ことを明確に示しています」と、ノースカロライナ州アッシュビルのウォーレンウィルソン大学の無脊椎動物学者で緩歩動物の専門家であるポールバーテルズは言います。この研究で。「それは本当にクールな研究です。」

エスワラッパは、「蛍光の発見は偶然だった」ので、クマムシの輝きが紫外線保護に役割を果たしていることに驚いた。彼は、蛍光顔料が紫外線を吸収し、無害な青色光を放出することを示唆していますが、この研究では、顔料がどのように保護を与えるかを正確に言うことはできません。たとえば、グロー自体は、単に顔料の補助的な効果であり、UVシールドには関与していない可能性があります。Eswarappaは、光る色素が、夏のUVレベルが極端になる可能性があるインド南部でこれらのクマムシが生き残るのに役立つ可能性があると推測しています。





大口
で、このクマムシがすごいのが、最強と言われているクマムシにも弱点があって、強い紫外線にさらされ続けると寿命が縮まったりそのまま死んでしまうのだけど、今回発見されたクマムシは紫外線に強い耐性があったそうなんだよ。


レイム
でこれも偶然紫外線ライトで照らしてみたところ、「光った」というわけね。


大口
そういう事。
調べてみたところ、この新種のクマムシは殺菌用のUVライトを照射されてもピンピンしていたそうなんだけど、その理由は蛍光色素が高エネルギーの紫外線を吸収して、低エネルギーの青白い光に変換することで身を守っていたそうなんだよ。


マリサ
流石最強生物だぜ!
ただでさえ最強なのに、数少ない弱点さえ克服してしまうとは!


大口
しかもね、このクマムシの蛍光色素を他の紫外線耐性の無いクマムシに塗ってみたところ、なんとそのクマムシも紫外線に「強くなった」そうなんだよ。


マリサ
ん?ちょっとまてよ?
ってことは、その色素を人工的に作ったら最強の日焼け止めになるんじゃね?
しかもだ、そのクマムシ日焼け止めをドラキュラに塗ったら、弱点を克服した最強ドラキュラになるぜ!


レイム
ちょっとまってマリサ。
このクマムシが紫外線を防ぐ仕組みって、高エネルギーの紫外線を低エネルギーの別の光に変換しているからよね?


マリサ
それが問題なのか?


レイム
ということは、それを顔とかに塗ったら暗闇で青白く光るってことじゃない。
キモいんだけど。


大口
最強のUVカット、ただし青白く光る。
これは売れるんだろうか?


レイム
さあ?


マリサ
とりあえず面白ければ何でもいいんだぜ!
だからまずやってみようぜ!


大口
そ、そんなわけで今回の本編はここで終わります。


レイム マリサ 大口
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


マリサ
ところでうp主とレイム、私はこれからインドへ行ってくるぜ。


レイム
クマムシ大量に集めるとか不毛だからやめときなさい。


マリサ
なんでだよ、おもしろそうだろ。


レイム
あのね、クマムシって体長が0.1ミリから1ミリ程度しかない非常に小さな生き物なのよ。
それの色素を人の体に塗れるほど集めるって、どれだけ時間がかかるかわかってる?


大口
どうもマリサは昆虫採取みたいなのをイメージしていたっぽいね。


マリサ
そ、掃除機とかで…。


レイム
無理にきまってるじゃない。


マリサ
なんだよ、せっかく面白そうなネタをみつけたと思ったのに。


大口
というわけで、今回はここで終わります。
次回はまだ未定です、時間があったらやります。


大口
それでは。


レイム マリサ 大口
またいつか~


お知らせ。
引用について
・個人の利用であれば「引用」の範囲での転載は自由にしてもらってかまいません、報告も必要ありません。

番外編マイリスト


 

 

【ゆっくり解説】日本学術会議の問題 part2/2


さて、本日は前回に引き続き日本学術会議の問題について扱っていきます。

本日の投稿動画


Youtube
https://youtu.be/ULw0f3U8EYQ



元記事
マスコミの定番テクニック
日本学術会議問題と論点のすり替え

関連動画

YouTube
https://youtu.be/UaaCSmOXGD0


以下は動画のテキスト版になります。

注意

・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」ですので、イデオロギーや属性等は一切関係ありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新



レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、前回に引き続き日本学術会議の問題について扱っていくぜ。


レイム
前回は、日本学術会議が「教条主義的」に防衛省自衛隊の関わる研究を事実上妨害していて、学問の自由の侵害が起きているって件だったわね。


マリサ
そうだぜ。
そのうえで、この問題は「本題ではない」ってところで終わったな。


レイム
そういえば、今回が本題だったわね。
でもあれ以上に酷い事ってあるの?想像がつかないのだけど。


マリサ
まあ詳しくは本編を見てもらうとしてな、あの「軍事研究禁止」って日本学術会議の声明の実態は、「自衛隊に関わる研究禁止」であって「軍事研究禁止」ではないって事が判明したんだぜ。


レイム
どういうこと?
それが事実なら、日本学術会議の「軍事研究禁止」って声明は、防衛省関連の研究を妨害するための口実でしかないって事になるわよ。


マリサ
そう、今回はその件について詳しくやっていくぜ。


千人計画


レイム
千人計画って何?


マリサ
平たく言うと中国の軍民融合の一環として始まった計画の一つだぜ。


レイム
というと?


マリサ
まずサイエンスポータルチャイナという、日本で中国の科学技術関連情報を扱っているページを見てみると

正式名称: 海外ハイレベル人材招致「千人計画」
実施部門: 「中央人材工作協調チーム」(中国共産党中央組織部
開始時期: 2008年
https://spc.jst.go.jp/policy/talent_policy/callingback/callingback_05.html

対象:

国籍問わず、原則上55歳以下、海外で博士号を取得している者。
当選された者は毎年中国での研究活動は6ヶ月以上であること。
以下の諸条件のいずれに該当する者:
海外の著名な高等教育機関、研究機関において教授またはそれに相当するポストに就いた者
国際知名企業と金融機関において上級管理職を経験した経営管理人材及び専門技術人材
自主知的財産権をもつ、またはコア技術を把握している;海外での起業経験を持ち、関連産
業分野と国際標準を熟知する創業人材
中国が至急に必要とするその他のハイレベルイノベーション創業人材

申請の窓口及び管理部門:

国家重点イノベーションプロジェクト→中国科学技術部
重点学科及び重点実験室→中国教育部及び中国科学技術部
中央企業と国有商業金融機関→国務院国有資産監督管理委員会及び中国人民銀行
ハイテク産業開発区を中心とする各種サイエンスパーク→中国科学技術部、人力資源と社会保障
海外人材の自薦→人力資源と社会保障部、国家外国専門家局、中国科学協会、欧米同学会

与えられる中国国内での就業ポストなど:

高等教育機関、研究機関、中央企業、国有金融機関の上級管理職及び専門技術職に就ける。
国家重大プロジェクト、「863計画」、「973計画」、「国家自然科学基金委員会」などのプロジェクトの責任
者になれる。
政府機関の科学技術資金、産業発展サポート資金などを申請できる。
重大プロジェクトの顧問や論証作業、重大科学研究計画と国家基準の制定、重点プロジェクトの建設に関わる仕事に参与できる。
上述各国家科学研究プロジェクト計画の責任者に担当する者は、規定された職務の責任範囲内において、諸経費の使用及び人材の選定に関する決定権を有する。
中国国内の各種学会組織に参加することができる。また、中国科学院及び中国工程院の院士(外籍院士)の申請選考に参加できる。
各政府奨励の候補者になれる。など

主な処遇:

外国籍の海外招致人材について、本人及びその外国籍の配偶者と未成年の子女が「外国人永久居住証」及び2~5年期間付きの数次再入国ビザをもらえる。
中国国籍の海外招致人材について、出国前の戸籍所在地の制限によらず、国内の任意1つの都市を戸籍所在地として選択することができる。
中央財政から海外招致人材に100万元/1人の一括補助金(国家奨励金とみなし、個人所得税を免除する)を与える。
招致人材及びその配偶者子女が中国国内の各種社会保険制度をうけることができる。
5年以内の中国国内収入の内、住宅手当、飲食手当、引越し費、親族訪問費、子女の教育費などについて、国家税法の関連規定により、免税となる。
招致人材の配偶者について、招致人材の就業先機関から仕事を手配するかまたは生活補助金をだすこと、招致人材の子女の就学について、本人の志望に応じて関連機関が対応すること。
招致人材の雇用機関が招致人材の帰国(入国)前の収入水準を参考に、本人と協議し、合理的な賃金額を決めること。


マリサ
正式名称を「海外ハイレベル人材招致「千人計画」」といって、「国籍問わず、原則上55歳以下、海外で博士号を取得している者」を対象に、中国への人材誘致を目的としており、政府の研究機関の上級管理職及び専門技術職に就けるとしているぜ。


レイム
要するに、外国人材のヘッドハンティングをしているって事?
まあでも、節操無さすぎではあるけど、それだけで「問題」とは言えないんじゃない?


マリサ
それがな、この千人計画、どうも実態は他国の技術を盗んで自国の軍事技術にフィートバックさせることを目的としているようでな

朝の更新:CSISはカナダの科学者を募集する北京の努力について警告します
THE GLOBE AND MAIL(英語) 2020年8月6日
https://www.theglobeandmail.com/canada/article-morning-update-csis-warns-about-beijings-efforts-to-recruit-canadian/

おはようございます、

カナダ安全情報局は、学術募集プログラムを通じて科学者を中国に引き付けようとする北京の試みについて、カナダの大学や研究機関に警告しています。CSISは、北京がこれらの科学者を利用して、経済的および軍事的利益のために新しい技術にアクセスすることを望んでいると述べています。

連邦スパイ機関は、北京は主に千人計画(TTP)を通じて科学者を引き付けていると述べています。TTPは2008年に作成され、世界中の専門家を特定して採用し、彼らの研究結果を積極的または強制的に共有するよう説得しました。

TTPに関与しているカナダの教授の中には、技術移転は含まれておらず、このプログラムは中国人学生をカナダに採用するための良い方法であると述べています。


マリサ
例えばこのカナダメディアの報道によると、カナダの安全情報局の発表として、中国は千人計画で外国人材を集め、経済的および軍事的利益のために新しい技術にアクセスすることを望んでいる」と警告しているぜ。
また日本の防衛省防衛研究所のレポートによると

中国安全保障レポート2021
防衛省防衛研究所 令和2年(2020年)11月
http://www.nids.mod.go.jp/publication/chinareport/pdf/china_report_JP_web_2021_A01.pdf

(1)軍民融合による技術移転の懸念これまでみてきたように、中国の軍民融合発展戦略は、民間企業の技術革新と海外からの技術導入を前提としている。特に後者に関して、中国における研究人材の不足と特定の核心技術分野における遅れを補うために、さまざまな手段を用いて諸外国の先進的な武器・装備品や、その関連技術、さらには人材を獲得しようとしている。

米国政府は以前から中国への技術流出を警戒していたが、第2章でも述べたとおり、ドナルド・トランプ政権になってから危機感を高めて強硬な対策を講じ始めている。人民解放軍についても、2018年9月に中央軍事委員会装備発展部や同部部長を対ロ制裁に違反したとの理由で米国への輸出承認申請と米金融システムの利用を禁止したほか、米国とのビジネスができなくなる米財務省の特別指定リストに追加するなど、軍事技術や兵器取引の規制のための実際の措置を講じている。

しかし、中国の軍民融合に対応するうえで難しいのは、軍当局の動きのみならず、安全保障との関連でとらえることが困難な民間における経済・科学交流にも監視の網をかける必要があることである。特に最先端技術はデュアルユースのものが多く、従来型の規制をすり抜ける事例が多く見受けられるようになった。例えば、米国・先端国防研究センター(C4 ADS)が2019年9月に公表した報告書は、中国の国産空母開発でJ-1 5艦載機のペイロードを大きく改善することになる、電磁カタパルトの開発に係る技術流出の事案を紹介している。

それによると、鉄道車両製造分野の国有企業の子会社である中国南車時代電気は、2008年にパワー半導体バイスIGBT)技 術を 持 つ 英 国 の ダイネックス(Dynex)を買収・子会社化することで当該技術を獲得した。その後、同社は関連企業を通じて中国海軍の艦艇・装備の研究開発の過程でIGBTの技術協力を行い、中国の空母におけるレールガンや電磁カタパルトの開発に貢献しているという。このように把握が困難な形で海外の民間技術が軍事技術として流出する事例にはさまざまなパターンがある。例えば、外国企業の研究開発施設の自国への誘致や当該企業に対する技術協力や買収などを通じた技術移転、留学生・研究者を通じた情報窃取・技術移転、情報機関が行う産業スパイ活動による情報窃取などである。

軍民融合によるこうした目立たない技術流出の事例は、欧米諸国に対して安全保障と経済関係を再考させ、新たな貿易規制への取り組みを促している。実際に、技術導入のための人材獲得政策とされている「千人計画」についても、米国では知的財産や技術侵害の脅威とみなされており、2020年1月、ハーバード大学の化学生物学科長が「千人計画」への参加を巡り米政府に虚偽の説明をしたとして米司法省から起訴されている。

上記のような民間を通じた海外から中国への軍事技術の移転に法的根拠を与えているのが中国の国内法である国防動員法および国家情報法である。国防動員法では、「いかなる組織および個人も、法による民生用資源の徴用を受任する義務を有する」と規定しており、外国企業も対象といわれている。国家情報法は、「いかなる組織および個人も国の情報活動を支持・協力する」ことを規定しており、情報漏洩などの懸念を招く要因となっている。



マリサ
中国では軍民融合が進んでおり、中国は千人計画などを通じて「さまざまな手段を用いて諸外国の先進的な武器・装備品や、その関連技術、さらには人材を獲得しようとしている」としており、また「ハーバード大学の化学生物学科長が「千人計画」への参加を巡り米政府に虚偽の説明をしたとして米司法省から起訴されている」「と指摘しているぜ。


マリサ
そのうえでレポートでは、「上記のような民間を通じた海外から中国への軍事技術の移転に法的根拠を与えているのが中国の国内法である国防動員法および国家情報法である。国防動員法では、「いかなる組織および個人も、法による民生用資源の徴用を受任する義務を有する」と規定しており、外国企業も対象といわれている」「国家情報法は、「いかなる組織および個人も国の情報活動を支持・協力する」ことを規定しており、情報漏洩などの懸念を招く要因となっている」と警告しているぜ。


レイム
つまり、中国は外国の研究者を中国に好待遇を餌に招いて、国内法を口実に外国の軍事関連技術を盗もうとしているって事ね。
で、これに日本学術会議のメンバーが関わっているって事?


マリサ
そうだぜ。
当初日本学術会議は「千人計画のことなど知らない」としらばっくれていたんだが、中国大手ポータルの百度百科にな

バイオニックロボットのパイオニア-北京理工大学「千人計画」の専門家である福田敏男へのインタビュー
https://web.archive.org/web/20201019211615/https://xueshu.baidu.com/usercenter/paper/show?paperid=0cf5e78952bd36d259a461e3397985b8&tn=SE_baiduxueshu_c1gjeupa&ie=utf-8&site=baike

福田敏男教授の指導の下、著者とその側近が北京理工大学のロボティクス研究所を訪れました。これは印象的な訪問でした。卓球ラケットを持って、ロボコップ「ホイトン」の第5世代ロボットに似た外観は素晴らしいです。横から紹介された福田教授の助手このロボットは、高さ1.6メートル、重さ63キログラム、自由度30度で、高速ビジョンと全体の協調的かつ自律的な反応に基づく器用なモーションコントロールの要点を突破します。


マリサ
現在は消されているが、ロボット工学が専門の福田敏男名古屋大学名誉教授の名前があって、そこで「北京理工大学「千人計画」の専門家」として紹介されていたんだぜ。
ちなみにこの人日本学術会議のメンバーなうえに、他にも日本学術会議メンバーで千人計画に関わっている人が多数いるようなんだぜ。


レイム
ちょっとまって、日本学術会議って「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という声明を発表しているのに、あからさまに軍事研究と関わり合いのある千人計画には参加しているってこと?


マリサ
そうだぜ。
そのうえで日本国内においては、防衛省が金を出す「安全保障技術研究推進制度」には、船舶の燃費向上とか毒ガスセンサーの研究にまで、「声明を根拠に」妨害をしているわけだ。


レイム
たしかに、これは「軍事研究」を禁止しているのではなく、「学者を防衛相に関わらせないよう妨害している」だけにしかみえないわね。


ダブスタは基本


レイム
ねえマリサ、まだ何かあるの?
もう十分すぎるほど日本学術会議の問題はわかったのだけど。


マリサ
甘いぜ、甘すぎるぜレイム!
これだけなら日本学術会議は「個人の責任」で言い逃れできるじゃないか。
前回も書いたが、その程度なら今更ここで取り上げたりしないぜ。


レイム
うわぁ…。


マリサ
でな、この千人計画なんだが、問題なのは千人計画そのものってよりもさっきの防衛研究所の指摘にもあるように、中国の法が「あらゆる研究を軍の利益のために利用できる仕組み」にしている事で、千人計画に直接かかわっていなくても、中国がこういう制度である以上、中国関連の研究に関わっている時点で「中国の軍事研究に関与しうる立場にある」ということだぜ。


レイム
それはこれまでの説明で、わざわざあえて繰り返し説明するようなこと?


マリサ
いやいや、次の情報はこれが重要になるんだぜ。

日本学術会議と中国科学技術協会」協力の陰に中国ハイテク国家戦略「中国製造2025」
News week 2020年10月10日
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/10/post-94660.php

日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否が問題となっている。本稿ではその可否よりも、日本学術会議が覚書を結んでいる中国科学技術協会の正体を明確にし、習近平の狙いが潜んでいることに関して注意を喚起したい。
2015年、日本学術会議は中国科学技術協会と覚書を交わした

日本学術会議のHPをご覧になると、そこに国際活動というバナーがあり、それをクリックし、さらに「その他の二国間交流」を辿っていくと、「中国科学技術協会との協力覚書署名式」というのがある。そこには

――平成27年9月7日、中国科学技術協会(中国・北京)において、大西隆日本学術会議会長と韓啓徳中国科学技術協会会長との間で、両機関における協力の促進を図ることを目的とした覚書が締結されました。

と書いてある。

平成27年は西暦で2015年だ。

この2015年に中国で何が起きたのかを見てみよう。
2015年、中国ハイテク国家戦略「中国製造2025」発布

2015年は中国のハイテク国家戦略「中国製造2025」が発布された年だ。

習近平は2012年11月に第18回党大会で中共中央総書記に選ばれると、すぐさま「中国のハイテク産業を緊急に促進させよ!」という号令を出して、その年の年末から2013年の年明けにかけて、中国工程院の院士たちを中心に諮問委員会を立ち上げた。

中国工程院というのは国務院(中国政府)直属のアカデミーの一つで、中国科学院から分離独立したものである。中国にはほかに中国社会科学院中国医学院、中国農学院など、多くのアカデミーがある。「院士」というのは「学士、修士、博士」などの教育機関におけるアカデミックな称号とは別系列の、中国の学問界で最高の学術的権威のある称号である。

2013年、中国工程院の院士たちを中心に最高レベルの頭脳が集まり、「中国製造2025」の基本枠を構築した。2013年末にその答申を受けて中国政府の関係者が実行可能性や予算などを検討し、互いに討議を繰り返した末に、2015年5月、李克強国務院総理が発表したのがハイテク国家戦略「中国製造2025」である。

それまでの組み立てプラットフォーム国家から抜け出して、半導体製造や宇宙開発あるいは5GやAIによる軍事技術も含めた「スマート化」を図ることなどが目的だ。

米中覇権競争時代がやってくるのは目に見えていたので、アメリカに追いつき追い越さなければ中国が滅びる。だから「中華民族の偉大なる復興」を目指し、国家運命を賭けて漕ぎ出したのが「中国製造2025」だった(詳細は拙著『「中国製造2025」の衝撃  習近平はいま何を目論んでいるのか』)。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/10/post-94660_2.php

もちろん「中国製造2025」では「軍民融合」も謳われており、そのためには国家直轄でない民間の科学技術団体も統合していく必要があった。

2013年、中国工程院と中国科学技術協会が提携

習近平国家主席に選ばれた2013年3月15日、中国工程院は中国科学技術協会と戦略的提携枠組み合意書の調印式を開いた。中国科学技術協会は430万人ほどの会員を擁する科学技術者の民間組織だ。

自分が国家主席に選ばれた日に「中国工程院と中国科学技術協会の提携」を発表するというのは、習近平の「中国製造2025」完遂への決意のほどを窺(うかが)わせる。

逆に言えば、この提携は中国のハイテク国家戦略「中国製造2025」を完遂するための一環であったということが言える。

アメリカと対立する可能性が大きければ、国家戦略的に先ず惹きつけておかなければならないのは日本だ。日本経済は減衰しても、日本にはまだ高い技術力がある。十分に利用できると中国は考えていた。

こうして、2015年9月に日本学術会議と協力するための覚書を結んだのである。

実にきれいな時系列が出来上がっているではないか。

中国の国家戦略の流れの中に、「日本学術会議と中国科学技術協会の覚書」がピッタリはまり込んでいるのが鮮明に見えてきたものと思う。

中国工程院と軍事科学院との人的交流と情報交換

2017年9月、中国人民解放軍・軍事科学院はその傘下に国防工程研究院を新設した。軍事科学院は中央軍事委員会および中国人民解放軍の管轄下にあるアカデミーである。

問題は、中国工程院と軍事科学院国防工程研究院の主要な研究員(教授)(中には院士)は、互いに人的交流が盛んで、中には兼任している者もいることだ。その結果、研究成果に関する情報交換も盛んとなっている。

ということは、日本学術会議が中国科学技術協会と連携しているなら、それは中国工程院と連携していることになり、最終的には軍事科学院・国防工程研究院と提携していることにつながるということである。

日本の一部のメディア(あるいは国会議員)は、中国工程院が国防部の管轄下にあるなどと書いていたり発言したりしているのを散見するが、それは間違いだ。

国防部というのは国務院の中の中央行政の一つに過ぎず、ほとんど力を持っていない。そんな末端の管轄下にあるのではなくて、中国工程院は国務院直轄だし、軍事科学院は中央軍事委員会の直轄下にある。そのトップにいるのは習近平・中央軍事委員会主席である。
日本学術会議と中国科学技術協会との人的交流

自民党の某国会議員の発言(ツイッター)に、日本学術会議は中国の「千人計画」とタイアップしているようなことが書いてあったが、日本学術会議のHPを見る限り、そういうことは書いていない。中国には今「千人計画」どころか「万人計画」もあるので、そのような細かなことを突っついて「どこに書いてあるんですか?」という反撃材料を提供するのは賢明ではないだろう。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/10/post-94660_3.php

それよりも冒頭に例示した「その他の二国間交流」の中の「中国科学技術協会との協力覚書署名式」の説明文の下にあるPDFをクリックして頂くと、そこに概ね以下のような文言がある。

――両機関は、本覚書の範囲内で推薦された研究者を、通常の慣行に従って受入れ、研究プログラムの調整や、現地サポートの対応を行う。

すなわち「日本学術会議と中国科学技術協会」は「必要に応じて推薦された研究者を受け入れる」ことが可能なように作られている。 

そして2013年3月15日の提携書で、中国工程院もまた、中国科学技術協会と「科学技術サービス・人材育成などの面で提携を深化する」と謳っているのだ。
日本学術会議は政府から独立した機関なのか?

日本学術会議菅総理による任命拒否に対して「学問の自由が侵された」と主張しているようだが、日本学術会議は日本政府が毎年10億円以上の経費を注ぎ込んで運営されている機関だ。会員が自腹で会費を支払って成り立っている「政府とはいかなる関係もない、独立した学会」とは違う。国民の税金で「食わせてもらっている組織」ではないのだろうか?

もちろん学問の自由は絶対に保障されなければならないし、発言の自由も民主主義国家の大原則として保障されていなければならない。

しかし、国民の税金で生きている以上、一定程度の日本政府による監督権は働くのが自然ではないのだろうか。つまり「日本国民による監督」が必要だということだ。

国民がいちいち「私たちの税金が正しく使われているか否か」を直接監督する訳にはいかないので、選挙で選ばれた国会議員に委託する以外にない。任命権が総理にあるとすれば、ある意味、総理に委任するしかないことになる。

だからこそ、菅総理や内閣関係者は、「総合的俯瞰的に判断した結果」などという「禅問答」のような訳の分からない弁明をせずに、むしろ明確に「国民の誰にでも分かる言葉」で毅然として説明すべきだろう。

そうすれば、むしろ、日本学術会議の在り方を根本から考え直すことができる。その意味では菅総理は、国民に「考える」ための良いチャンスを与えてくれたという解釈もできよう。

日本人の多くは、自民党の二階幹事長を筆頭として、中国の「シャープパワー」にやられてしまっており、魔法をかけられているので、自分が「中国の操り人形」になっていることさえ自覚できないでいる。

日本国民よ、「現実を直視しようではないか」と言いたい。

知識層も、高い思考力を持っているはずなので、どうか中国の老獪な戦略とシャープパワーに気が付いて欲しいと切望する。


マリサ
この記事によると、日本学術会議は「中国科学技術協会との協力覚書署名式」というのを取り交わしていて、この覚書を交わした2015年は、中国が軍民融合を加速させた「中国製造2025」の時期と重なるそうだぜ。


マリサ
そのうえで記事では「日本学術会議が中国科学技術協会と連携しているなら、それは中国工程院と連携していることになり、最終的には軍事科学院・国防工程研究院と提携していることにつながるということである。」と警告しているぜ。


レイム
ちょっと待って、つまり日本学術会議は日本国内では「軍事研究禁止」の声明発表をして日本の研究者の研究に制限をかけながら、自分達は軍民融合を進める「中国科学技術協会」との協力関係を推進していったって事?


マリサ
な、無茶苦茶だろ?
しかもそれだけじゃないんだぜ。


レイム
まだ何かあるの????


マリサ
この読売の2021年1月1日の記事によると

【独自】中国「千人計画」に日本人、政府が規制強化へ…研究者44人を確認
読売新聞 2021/01/01
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201231-OYT1T50192/

 海外から優秀な研究者を集める中国の人材招致プロジェクト「千人計画」に、少なくとも44人の日本人研究者が関与していたことが、読売新聞の取材でわかった。日本政府から多額の研究費助成を受け取った後、中国軍に近い大学で教えていたケースもあった。政府は、経済や安全保障の重要技術が流出するのを防ぐため、政府資金を受けた研究者の海外関連活動について原則として開示を義務づける方針を固めた。

読売新聞の取材によると、千人計画への参加や表彰を受けるなどの関与を認めた研究者は24人。このほか、大学のホームページや本人のブログなどで参加・関与を明かしている研究者も20人確認できた。

 千人計画に参加した理由については、多額の研究費などが保証され、研究環境が日本より魅力的だとする研究者が少なくなかった。

 44人のうち13人は、日本の「科学研究費助成事業」(科研費)の過去10年間のそれぞれの受領額が、共同研究を含めて1億円を超えていた。文部科学省などが公開している科研費データベースによると、受領額が最も多かったのは、中国沿岸部にある大学に所属していた元教授の7億6790万円で、13人に渡った科研費の総額は約45億円に上る。

 米国は千人計画について「機微な情報を盗み、輸出管理に違反することに報酬を与えてきた」(司法省)などとして、監視や規制、技術流出防止策を強化している。海外から一定額以上の資金を受けた研究者に情報の開示を義務づけているほか、エネルギー省は同省の予算を使う企業、大学などの関係者が外国の人材招致計画に参加することを禁止した。重要・新興技術の輸出規制の強化も検討中だ。

 日本では現在、千人計画への参加などに関する政府の規制はなく、実態も把握できていない。政府は米国の制度などを参考に今年中に指針を設け、政府資金が投入された研究を対象に、海外の人材招致プロジェクトへの参加や外国資金受け入れの際には開示を義務づけることを検討している。

 今回確認された44人の中には、中国軍に近い「国防7校」に所属していた研究者が8人いた。うち5人は、日本学術会議の元会員や元連携会員だ。

 中国は民間の最先端技術を軍の強化につなげる「軍民融合」を国家戦略として推進し、最新鋭兵器を開発・導入するとともに、日本周辺でも覇権主義的な行動を強めている。日本政府は軍事転用可能な技術が中国に流出すれば、日本の安全保障環境の悪化につながると強く懸念している。

 国防7校のうち、「兵器科学の最高研究機関」とも呼ばれる北京理工大には4人が所属。「ロボット研究センター」で、人工知能(AI)やロボット工学、ロボット製造に活用できる神経科学などを研究・指導していた。同センターは、弾道ミサイルの誘導や軍民両用ロボットなどを研究してきたとホームページで説明している。

 同センターに所属していた研究者は、読売新聞の取材に、「私の研究も、大学で進むロボットの研究も、軍事転用は可能だ」と語った。民間技術と軍事技術の線引きは困難だと指摘する研究者もいた。

北京航空航天大にも4人の日本人が所属していた。同大は、大量破壊兵器であるミサイル開発の疑いがあるとして、貨物や技術の輸出時には経済産業省の許可が必要な「外国ユーザーリスト」に記載されている。

 同大に所属する宇宙核物理学の研究者は、「軍事転用される危険性はどんなものでもある」としつつ、「教えているのは基礎科学の分野で、軍事転用とは最も距離がある。経産省の許可も得ている」と強調した。

 ◆千人計画=世界トップの科学技術強国を目指して、外国から優秀な人材を集める中国政府や省当局などの人材招致プロジェクト。国家レベルでは2008年から実施されている。中国の人材招致プロジェクトに参加した外国の研究者らは、米国や欧州を中心に、2018年までに7000人を超えるとされるが、中国側は近年、計画への参加者を明らかにしていない。

 ◆国防7校=中国の国家国防科学技術工業局の監督下にある北京航空航天大、北京理工大、ハルビン工業大、ハルビン工程大、南京航空航天大、南京理工大、西北工業大の7大学。中国の「軍民融合」戦略の担い手で、中国軍の兵器開発とつながりが深いとされる。

マリサ
読売の独自調査で中国の千人計画に関わっている日本の研究者が44人おり、しかも「中国軍に近い「国防7校」に所属していた研究者が8人いた。うち5人は、日本学術会議の元会員や元連携会員だ」と指摘しているぜ。


マリサ
しかも「国防7校」に所属している研究者に取材したところ、「「私の研究も、大学で進むロボットの研究も、軍事転用は可能だ」軍事転用される危険性はどんなものでもある」とか「民間技術と軍事技術の線引きは困難だと指摘する研究者もいた」と書かれているぜ。


レイム
ねえ、この有様で日本学術会議は「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」なんて声明を発表し、日本の研究者たちにその方針を事実上強要しているわけよね?


マリサ
しかも読売がスクープした問題はまだあってな。

【独自】中国「千人計画」、日本人研究者らに論文ノルマ…「著名な科学誌に2本」要求
読売新聞 2021/02/28
https://web.archive.org/web/20210228052145/https://www.yomiuri.co.jp/science/20210228-OYT1T50031/

海外から優秀な研究者を集める中国の人材招致プロジェクト「千人計画」を巡り、中国側が同計画に参加した日本人研究者らに論文執筆のノルマを課していたことがわかった。特に「ネイチャー」「サイエンス」など世界的に著名な科学誌への掲載を求めていた。そうした論文の掲載数は各国の学術レベルを示す指標の一つとされており、科学技術強国を目指す中国の強い姿勢がうかがえる。(小池和樹、藤原聖大)
点数化

 千人計画を巡っては、読売新聞の取材で少なくとも44人の日本人研究者が関与していたことが明らかになっている。このうち複数人が論文発表のノルマなどの実態を証言した。

 「著名な科学誌に2本の論文を出すよう求められ、かなりきつい」。2016年頃から中国・浙江省の千人計画に参加し、現在も現地で脳の遺伝子を研究している浙江大教授(43)はそう明かす。

 中国の大学では毎年、研究者が発表した論文数などを点数化し、研究実績を審査している。数が多かったり、著名な科学誌に掲載されたりすれば、給与が上がることもあるという。

 教授は浙江大に着任した際、優れた論文を集める英国の「ネイチャー」や米国の「サイエンス」、それらの姉妹誌などに在任中に計2本の論文を出すよう求められた。まだ掲載に至っていないため、毎年の審査の席で繰り返し求められているという。

 さらに、過去に中国以外で行った研究のデータを使う場合でも、中国の大学名で論文を発表するよう要請されている。教授は「データはまるまる他国での研究で得たものでも、中国の大学名で論文を発表する研究者は多く、中国の論文数の多さに反映されていると思う」と語った。
(後略)

マリサ
記事によると、中国は千人計画に関わった研究者たちに対して「論文執筆ノルマ」を課していて、特に「「ネイチャー」「サイエンス」など世界的に著名な科学誌への掲載を求めていた。」そうだぜ。


マリサ
しかも問題なのが「過去に中国以外で行った研究のデータを使う場合でも、中国の大学名で論文を発表するよう要請されている」という仕組みになっていて、これがさらに問題なんだぜ。


レイム
というと?


マリサ
まずさ、日本国内では「軍事研究に関わる」と日本学術会議に目を付けられると、その研究は事実上お蔵入りにされるよな?


レイム
あ、そうか。
日本にはもちろん日本での科学研究における問題があるにしても、日本学術会議が原因で自由な研究ができず、そこにきて中国が「うちなら資金も豊富で自由な研究もできますよ」「軍事に関わる研究も自由です」ともちかけると。


マリサ
そう、そしてその誘いに乗ってしまうと、その人のこれまでの研究結果もなにもかも、全部「中国の功績」として学術誌に論文発表されてしまううえに、法律によって軍事研究に転用されると。


マリサ
近年、日本のメディアや一部の学者が「日本は落ち目だ、日本の論文引用率が落ちている」と指摘しているけど、問題は日本の省庁の方針にもあるにしても、明らかに問題の一端として日本学術会議の方針があるよな。


レイム
たしかに、中国のこの「論文ノルマ制度」と日本学術会議の「軍事研究禁止」の方針は、その成立の時系列に違いがあるから直接の関係はないにしても「非常に相性がいい」のは確かね。


マリサ
そうだぜ。
現実問題として、日本学術会議の方針が事実上「中国への頭脳流出」を助長する形になっているわけだ。


何も変わらない


レイム
それで「何も変わらない」ってどういうこと?


マリサ
それなんだが、今回この件を動画化した理由にも関係していてな、part1を作り始める前、この件を「玉虫色の解決」で日本学術会議とメディアと野党がごり押しそうな状況になっているんだぜ

学術会議「現行の国の組織が望ましい」 見直し案を報告
朝日新聞 2021年4月7日
https://www.asahi.com/articles/ASP476TLKP47ULBJ00X.html

 日本学術会議の会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題に端を発した学術会議のあり方の議論で、梶田隆章会長が7日、東京・霞が関井上信治・科学技術担当相と会談し、昨年末から検討してきた組織の見直し案を報告した。「ナショナルアカデミーとしての役割を発揮するには、現行の国の組織が最も望ましい」とした一方、「特殊法人のような形で独立する余地もある」とした。

 井上氏が会談後に明らかにした。見直し案は、現行の組織形態が最も望ましいとしつつ、独立についても引き続き検討するという。井上氏は「国の組織のまま残るということであれば、国の組織としての責任をしっかり果たしてもらいたい。国から切り離して独立ということであれば、法律をつくらなければいけないので、しっかり決めていかなければいけない。学術会議の皆さんの意向を最大限尊重したい」と話した。

 学術会議は見直し案を8日の幹事会を経て公表し、21日から開く総会に諮る。梶田氏は会談の冒頭で「これですべての検討が終わるということではなく、さらに整理していかなければならない課題もある。会員の欠員がある状態での見直し議論には抵抗がだいぶある」とも述べ、引き続き6人の任命を求めていく。

 一方、6人のうち、加藤陽子・東京大教授(日本近代史)を除く5人が、連携会員や特任連携会員として学術会議の活動に参加することがわかった。学術会議が提言などをまとめる際に支援する役割で、会長が任命し、計約2千人いる。事務局によると、宇野重規・東京大教授(政治思想史)と岡田正則・早稲田大教授(行政法学)は以前から連携会員だった。

 任命拒否をめぐっては、菅首相が昨秋、「推薦の通りに(首相が)任命すべき義務があるとまでは言えない」などと対応を正当化。拒否した理由も「人事に関することで答えを差し控える」と、いまだに明確な説明をしていない。

 一方、与党内では学術会議の組織のあり方を問題視する声が広がり、自民党のプロジェクトチームは昨年12月、政府から独立した法人格への組織変更を求める提言を井上氏に提出。野党からは「論点ずらしだ」といった批判が上がった。

 政府も見直しの検討を進めるが、新型コロナウイルスの対応に追われ、秋までに衆院解散・総選挙も控えるなかで問題の再燃を避けたいのが本音で、首相官邸幹部は「このままあまり注目されないほうがいい」と漏らした。今回の見直し案についても「相手にしても仕方


マリサ
記事にもあるように、組織の見直し案に関して「ナショナルアカデミーとしての役割を発揮するには、現行の国の組織が最も望ましい」という提案が学術会議の会長から提案されていて、これで押し通しそうな雰囲気なんだぜ。


レイム
ちょっとまって、実態にそぐわない教条主義的な声明で日本の学術研究を阻害した挙句、中国の「軍民融合」に「軍事と民事の研究の区別は不可能」とか言って参加するダブルスタンダードが日常化していた組織が、「現状維持」を提案してそれで押し通そうとしているってこと?


マリサ
だから「改めて問題提起する事」にしたんだぜ。
そして2021年4月22日になって、こんなニュースが出てきたぜ

日本学術会議 組織の在り方検討し 報告書まとめる
NHK 2021年4月22日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210422/k10012991761000.html

会員候補6人を総理大臣が任命しなかったことに端を発して検討されている、日本学術会議の組織の在り方について、学術会議は、現在の国の機関としての組織の形態が「学術会議の役割を果たすのにふさわしい」と評価する報告書を決定しました。

日本学術会議は、会員の候補として推薦した6人を去年10月、総理大臣が任命しなかったことに端を発して、学術会議の中で組織の在り方について検討が行われ、22日報告書をまとめました。

その中では、国を代表する学術組織には財政基盤や会員の選考の独立性など5つの要件があり、現行の国の機関であれば要件をすべて満たすとして、現在の国の機関としての形態が「学術会議の役割を果たすのにふさわしい」と評価し「変更する積極的な理由を見いだすことが困難だ」としています。

選択肢の1つとしてあげられた特殊法人とする場合には、所管する大臣からの独立性の担保や、職員や経費をどのように確保するかなど「国を代表する学術組織として役割を適切に発揮するために、解決すべきさまざまな課題がある」とし、乗り越えなくてはいけない課題が多いという認識を示しています。

また、科学的な助言機能を強化する改革として、異なる委員会が連携して提言する仕組みを整えるほか、産業界やNPOなどとの意見交換も進めるとしています。さらに、会員選考の透明性を高めるため外部有識者の意見を取り入れるほか、候補者と異なる分野の研究者が選考に関わることで、会員の多様性を確保するとしています。

学術会議の梶田隆章会長は井上科学技術担当大臣を訪れて、まとまった報告書について説明を行いました。

梶田会長はオンラインで記者会見を開き、報告書をまとめたことについて「この議論の重要性から誠心誠意、検討を行って文章にまとめてきた。フラットに検討した結果だ。6人の任命については、私たちの思いが届いていないと感じているので、さらに強い調子で思いを出した」と話していました。

学術会議の組織の在り方については、自民党の作業チームも検討を行い、政府から独立した新たな組織にするなどの提言をまとめています。

マリサ
外部からの「組織見直し論」に対して「内部検証」を行い、公式に「「学術会議の役割を果たすのにふさわしい」と評価し「変更する積極的な理由を見いだすことが困難だ」と公式声明を発表したんだぜ。


マリサ
そのうえで「科学的な助言機能を強化する改革として、異なる委員会が連携して提言する仕組みを整えるほか、産業界やNPOなどとの意見交換も進めるとしています。さらに、会員選考の透明性を高めるため外部有識者の意見を取り入れるほか、候補者と異なる分野の研究者が選考に関わることで、会員の多様性を確保する」とか言っているそうだが、要するにこれ「組織に問題は一切ないから何も変えません」と言っているも同じなんだぜ。


レイム
その「科学的な助言」が教条主義的で強圧的過ぎて自由な研究の阻害になっているうえに、中国への頭脳流出の原因になってもいるのに、「何も変える気がない」と。


マリサ
そして「内輪でちゃんと検証したから政府は従え」と言い出したんだぜ。
しかもメディアの多くは、このNHKみたいに「会員候補6人を総理大臣が任命しなかったことに端を発して検討されている、日本学術会議の組織の在り方について」と、さも問題がそれしかないように報じていて、前回と今回取り上げたような問題は「無かったこと」にされているんだぜ。


レイム
うわぁ…。


マリサ
これじゃ日本学術会議じゃなくて「日本パワハラ会議」だぜ。


レイム
たしかに。

今回のまとめ

・中国の目的は外国人人材を取り込み軍事計画に利用する事
日本学術会議は中国と協力関係にある
日本学術会議の問題が「無かったこと」にされつつある


マリサ
それでな、なんでこんなことになっているのか、最も根本的な問題は、日本学術会議の「平和」というものに対する認識が、机上論未満の欠陥だらけって事だぜ。


レイム
というと?


マリサ
孫子」やクラウゼヴィッツの「戦争論」とかを読んでもらうとわかりやすいが、平和にはコストがかかり、そのコストには「軍事力”も”含まれる」という事だぜ。


レイム
ああ、そういえば日本の「平和論」って「軍は悪」で思考停止している場合が多いわね。


マリサ
そうなんだぜ。
現実を無視した平和論を教条主義的に「信仰」しているから、この件みたいな矛盾だらけなことになるんだぜ。


マリサ
ちなみに、この考え方を否定したいのならば、現在の米中対立の原因の一つになっている南シナ海東シナ海での中国軍による恫喝行為を、軍事力以外で解決する「実行力を持った『具体的』方法」を提案するべきだぜ。
「外交による話し合い」とか「アジア版平和協定」とか、そんな漠然とした主張に意味はないぜ。
それで解決するならなぜなら、とっくに誰かがやっているからな。
本来それを実行に移すための担保となるのが軍事力で、今現在アメリカや日本がやっている事だからな。



レイム
まあたしかに、現実に起きている問題を解決できないのなら、それは机上の空論でしかないしね。


マリサ
そうだぜ。
それが日本学術会議のメンバーには解らず、しかも日本学術会議という文字通りの「象牙の塔」で内輪の理論をこねくりまわしているから、現実との間に矛盾が発生して、前回と今回紹介したような問題点が出てきてしまっているんだぜ。


レイム
なるほどね。


マリサ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム
ご視聴ありがとうございました。



大口
おつかれ~


大口
ところで、今回お知らせが3つあります。


マリサ
なんか多いな。


大口
まず一つ目、前回最後で紹介したマンボウに関してなのですが、あれは元々マンボウが知られていて、その後「見た目が似ている」魚が発見されたことで「アカマンボウ」と命名されたけど、技術の進歩でのちにマンボウフグ目でアカマンボウは「独立した目」と判明した結果、新たに「アカマンボウ目」という区分けができたというだけで、マンボウが偽物というわけではないです。


レイム
メディアでマンボウを連呼していたから、うp主もマンボウの連呼をしたくなったというどうしようもないネタなのよ、あれ。


マリサ
ほんとしょーもないんだぜ。


大口
で、では2つ目を。
ゴールデンウィークに関してなのですが、2021年5月1日の動画をお休みさせていただき、次回更新は5月8日を予定しております。


レイム
このご時世外出すらままならないのに、休んで何をするのよ。


マリサ
休みの意味が解らんぜ。


大口
い、色々と事情があるんだよ。


大口
そして最後の3つ目は、ブログの再開時期に関してなのですが、検査等をする短期入院の時期がまだよくわからず、ゴールデンウィーク明けの通院ではっきりするはずなので、再開は5月末から6月初頭頃とさせていただきます。


レイム
まあ、すぐに再開しても入院時期と重なったらまたお休みって事になってしまうしね。


大口
というわけで、3つのおしらせでした。


マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。
次回は2021年5月8日だから、その点だけ注意な。


レイム マリサ 大口
またさらいしゅ~



お知らせ。
引用について
・個人の利用であれば「引用」の範囲での転載は自由にしてもらってかまいません、報告も必要ありません。
・企業・団体等の場合は必ず私の方へ事前連絡いただき、許可を取ってから行ってください。
イデオロギー色の強い団体等に関しては、理由の如何に関わらず引用は「原則禁止」とさせていただきます。


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【ゆっくり解説】日本学術会議の問題 part1/2


さて、本日は問題だらけの日本学術会議について扱っていきます。


本日の投稿動画


YouTube
https://youtu.be/BZmPMzbwLWQ

元記事
マスコミの定番テクニック
日本学術会議問題と論点のすり替え


関連動画

YouTube
https://youtu.be/UaaCSmOXGD0


以下は動画のテキスト版になります。

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」ですので、イデオロギーや属性等は一切関係ありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私がやっていくぜ。
と、言いたいところだが、今回はマスコミ問題でもあるが日本学術会議そのものの問題がメインになるぜ。


レイム
まあそれはいいとして、これ2分割するほどの問題なの?


マリサ
元々はそんなつもりじゃなかったんだがな、資料を集めていたら文字データが200キロバイト超えたから、全部の資料を使うってわけじゃないが、2分割にせざるを得なくなったんだぜ。
なので後編は来週になるぜ。


レイム
なるほどね。
ところできになったのだけど、本題がマスコミ問題ではないって事は、マスコミが騒いだいわゆる「政府の任命権」の問題が本題ではないってこと?


マリサ
そうだぜ。
今回一部雑誌と読売新聞がかなり「マスコミらしい仕事」をしていてな、その結果わかったのは、日本学術会議は「問題しかない組織」って事なんだぜ。


レイム
なるほど。
つまり政権叩きに利用しようとしたスクープが、図らずも日本学術会議の問題点を浮き彫りにしたってことね。


マリサ
そういうことだぜ。
そんなわけで本編へ行くぜ。


問題の発端


マリサ
それで、本題を始める前に日本学術会議とは何かについて、日本学術会議のぺージにはこう書かれているぜ。

日本学術会議とは
http://www.scj.go.jp/ja/scj/index.html

日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。職務は、以下の2つです。

科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。

日本学術会議は、我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関であり、210人の会員と約2000人の連携会員によって職務が担われています。

日本学術会議の役割は、主に以下の4つです。

政府に対する政策提言
国際的な活動
科学者間ネットワークの構築
科学の役割についての世論啓発

日本学術会議の役割

日本学術会議には、総会、役員(会長と3人の副会長)、幹事会、3つの部、4つの機能別委員会(常置)、30の学術分野別の委員会(常置)、課題別委員会(臨時)、地区会議、若手アカデミー及び事務局が置かれています(なお、必要に応じ、幹事会には幹事会附置委員会が、各委員会には分科会等が置かれます。)。


マリサ
内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」」であり、「科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。」と「科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。」を職務とし、「政府に対する政策提言」「国際的な活動」「科学者間ネットワークの構築」「科学の役割についての世論啓発」が役割と書かれているぜ。


レイム
なるほど、つまり事実上日本における学術機関のトップであり、政府に提言を行う独立した機関って事ね。
それで、はじめは何からやるの?


マリサ
まずは問題の発端だな。
この赤旗の記事を見てくれ。


菅首相、学術会議人事に介入
しんぶん赤旗 2020年10月1日
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100101_01_1.html

推薦候補を任命せず
安保法批判者ら数人

 1日から任期が始まる日本学術会議の新会員について、同会議が推薦した会員候補のうち数人を菅義偉首相が任命しなかったことが30日、本紙の取材で分かりました。推薦者が任命されなかったのは過去に例がありません。任命されなかった科学者のなかには安保法制や共謀罪を批判してきた人も含まれています。新政権誕生後、菅首相による恣意(しい)的な人事が明らかになったのは初めてで、学問の自由に介入する首相の姿勢が問われます。(取材班)
前例ない推薦者外し

 日本学術会議法は、会員(210人)を同会議の推薦に基づいて、首相が任命すると定めています。会員の任期は6年間で3年ごとに半数が交代します。1日から半数の新会員の任期が始まります。会員は特別職の国家公務員(非常勤)です。

 同会議から新会員として推薦されていた立命館大学大学院法務研究科の松宮孝明教授によると、29日夕方に同会議の事務局長から「(首相の)任命名簿に名前がない」と連絡がありました。他にも数人、名前がなかった科学者がおり、「間違いではないか」と考えた事務局が政府に問い合わせると、「間違いではない。理由はノーコメント」と返ってきたといいます。

 松宮教授は2017年に国会の参考人質疑で共謀罪法案について「戦後最悪の治安立法」などと批判していました。松宮教授を知る学術会議のある会員は、「松宮教授の学術的な貢献は申し分ない。会員を外されたのは、政治的判断としか思えない」と話します。複数の関係者によると、ほかにも安保法制に反対した科学者が任命されていないといいます。

 同会議は約87万人の日本の科学者を内外に代表する機関。首相所轄ですが、政府から独立して政策提言などをします。17年には、当時の安倍政権が進めていた大学など研究機関による防衛省の軍事研究への参加について、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」との声明を出し、防衛省の軍事目的の研究に参加しない姿勢を明らかにしました。

 同会議の事務局は「1日に公表予定であり、現在は答えることはできない」と回答。会員に推薦した科学者が任命されなかったことは「過去にはなかった」としています。


マリサ
2020年10月の事なんだが、赤旗のスクープとして、菅内閣日本学術会議の推薦者のうち6名を任命しなかったと報じ、過去に前例のないことで学問の自由を侵害する行為として批判したぜ。


レイム
これは見た事あるわね。
でもそういえば、これ結局どうなったの?
なんか続報を見かけないけど。


マリサ
一応続報はあるし、今もいくつかのメディアは批判的に扱っているが、批判のトーンはかなり下がって「批判した」という既成事実つくりのためにやっているように見えるな。
まあそれはそれとして、この「スクープ」を受けて朝日さんもこんな記事を掲載したぜ。

日本学術会議推薦の6人、任命されず 菅首相に任命権
朝日新聞 2020年10月1日
https://www.asahi.com/articles/ASNB14CDTNB1UTIL01F.html

 1日付で菅義偉首相に任命された日本学術会議の新しい会員について、同会議が推薦した候補者6人が含まれていないことが、会議関係者への取材で分かった。会員の任命は首相が行うが、同会議が推薦した候補者が任命されなかったのは初めて。任命されなかった学者からは「学問の自由への乱暴な介入だ」と批判が出ている。

 会議の会員は210人。任期は6年で3年ごとに半数が交代する。日本学術会議法によると、会員は会議が候補者を選考して首相に推薦し、推薦に基づいて首相が任命する。事務局によると、推薦した候補者が任命されなかった例は過去にないという。

 同会議は1日、新会員99人を発表した。複数の関係者によると、会議は8月末、政府に105人を推薦したが、うち6人が任命されなかった。事前に問い合わせたところ、政府からは「間違いや事務ミスではない」と返答があったという。

 任命されなかった大学教授の1人は、安保法制や共謀罪法に反対の立場をとってきた。今回の措置について「学問の自由を保障する憲法に違反する乱暴な介入だ」と批判した。一方、加藤勝信官房長官は1日の会見で「直ちに学問の自由の侵害ということにはつながらないと考えている」と述べた。
(後略)

マリサ
記事では、同じく任命されなかった学者に取材して「学問の自由への乱暴な介入だ」というコメントを掲載、そのうえで「任命されなかった大学教授の1人は、安保法制や共謀罪法に反対の立場をとってきた。」として、政府の意向に反したことが原因ではないかと書いているな。


レイム
つまり、税金で運営されている組織に入るのに政府の意向に反する意見をしたから任命されなかったって事?


マリサ
記事ではそうなっているな。
まあ実態は「そんな個別の問題ではない」という事がのちに判明するんだがな。


レイム
つまり、安保法や共謀罪の件は関係ないってこと?


マリサ
学術会議の組織としての問題が一番の原因っぽいからな。
まあそれはそれとして、つぎのこれをみると

蓮舫氏、学術会議の新会員から6人除外の菅政権を批判「こんな内閣はおかしい、と声をあげて」
スポーツ報知 2020年10月2日
https://hochi.news/articles/20201002-OHT1T50117.html

立憲民主党蓮舫参院議員(52)が2日、自身のツイッターを更新。菅義偉首相(71)が政府から独立して政策提言をする「日本学術会議」の新会員について、会議が推薦した候補者105人のうち6人を除外して任命したことを強く批判した。

 「学者の国会」とされる同会議が推薦した候補者を首相が任命しなかったのは、2004年度の法改正で会議が推薦する方式になって以降初めてのケースだが、この日、「昭和24年施行の学術会議法では、会議は内閣総理大臣の所管だが『独立して職務』を行うとあり、独立性が担保。菅総理が勝手に人選できるものではない。勘違いも甚だしい。断固抗議します」と、まずつづった蓮舫氏。

 続けて「安倍総理安倍内閣は忖度や政権に都合よく公文書改ざんした官僚を昇進させてきました。その官僚人事のように、独立した学術会議会員候補を扱った菅総理。『安倍政治を引き継ぐ』勘違いしか見て取れません」とチクリ。

 「新会員候補の任免を見送る最終判断は会議を所管する内閣総理大臣菅総理が率先して判断したのか。その理由は何か。誰かが進言したのか、それは誰か。進言したとすれば理由は何か。なぜ、誰も止めなかったのか」と疑問を呈した上で「政権に批判的な学者、官僚を排除し、国会は開かない。こんな内閣はおかしい、と声をあげてください」と厳しくアピールした。

マリサ
立憲民主党も、「昭和24年施行の学術会議法では、会議は内閣総理大臣の所管だが『独立して職務』を行うとあり、独立性が担保。菅総理が勝手に人選できるものではない。勘違いも甚だしい。断固抗議します」と批判し始めたぜ。


レイム
これを見る限り、立憲民主党も「政府が政府の意向に沿う御用学者以外を排除しようとしている」という論調みたいね。
ほんとに日本学術会議には「組織として問題」があるの?


マリサ
あるから動画にしているんだぜ。
「マスコミの言っている通り」ならそもそもここで題材にする必然性がないからな。


問題のある組織


レイム
それで、組織としての問題ってどういうこと?


マリサ
その前にな、まず日本学術会議って基本方針でこんなスタンスをとっているって事を知っておいてほしいぜ。

軍事的安全保障研究に関する声明(2017年3月24日)
日本学術会議
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/gunjianzen/index.html
日本学術会議が1949年に創設され、1950年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を、また1967年には同じ文言を含む「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を発した背景には、科学者コミュニティの戦争協力への反省と、再び同様の事態が生じることへの懸念があった。近年、再び学術と軍事が接近しつつある中、われわれは、大学等の研究機関における軍事的安全保障研究、すなわち、軍事的な手段による国家の安全保障にかかわる研究が、学問の自由及び学術の健全な発展と緊張関係にあることをここに確認し、上記2つの声明を継承する。

科学者コミュニティが追求すべきは、何よりも学術の健全な発展であり、それを通じて社会からの負託に応えることである。学術研究がとりわけ政治権力によって制約されたり動員されたりすることがあるという歴史的な経験をふまえて、研究の自主性・自律性、そして特に研究成果の公開性が担保されなければならない。しかるに、軍事的安全保障研究では、研究の期間内及び期間後に、研究の方向性や秘密性の保持をめぐって、政府による研究者の活動への介入が強まる懸念がある。
防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」(2015年度発足)では、将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、外部の専門家でなく同庁内部の職員が研究中の進捗管理を行うなど、政府による研究への介入が著しく、問題が多い。学術の健全な発展という見地から、むしろ必要なのは、科学者の研究の自主性・自律性、研究成果の公開性が尊重される民生分野の研究資金の一層の充実である。

研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、攻撃的な目的のためにも使用されうるため、まずは研究の入り口で研究資金の出所等に関する慎重な判断が求められる。大学等の各研究機関は、施設・情報・知的財産等の管理責任を有し、国内外に開かれた自由な研究・教育環境を維持する責任を負うことから、軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである。学協会等において、それぞれの学術分野の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる。

研究の適切性をめぐっては、学術的な蓄積にもとづいて、科学者コミュニティにおいて一定の共通認識が形成される必要があり、個々の科学者はもとより、各研究機関、各分野の学協会、そして科学者コミュニティが社会と共に真摯な議論を続けて行かなければならない。科学者を代表する機関としての日本学術会議は、そうした議論に資する視点と知見を提供すべく、今後も率先して検討を進めて行く。

マリサ
この「軍事的安全保障研究に関する声明」というページによると、日本学術会議は「。学術研究がとりわけ政治権力によって制約されたり動員されたりすることがあるという歴史的な経験をふまえて、研究の自主性・自律性、そして特に研究成果の公開性が担保されなければならない」として、「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という基本方針を、1949年の組織設立時に基本方針としていると書かれており、2017年にそれを再確認したという内容だぜ。


レイム
これ、そもそも実現可能なの?
軍事研究禁止ってどこまで禁止なのかわからないし、何よりインターネット自体だって元はアメリカの国防計画が原型だし、軍事と民事の区別なんて科学研究において無意味では?


マリサ
その通りなんだぜ。
日本学術会議は、組織の基本方針が「自由な学術研究」と相反しているわけだ。
そしてその矛盾を強引に推し進めた結果

【第724回】学術会議こそ学問の自由を守れ
国基研 奈良林直 / 2020.10.05
https://jinf.jp/weekly/archives/32608

国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直

日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人を菅政権が認めなかったことは学問の自由を侵害するとして、朝日新聞などで連日批判的に報道されている。しかし、安倍政権時代の2016年にも、首相官邸が会員候補に難色を示し、70歳定年の下で、3人の欠員が補充されなかった。2018年11月には、学術会議が推薦した人を任命する義務は政府に無いことを内閣法制局が了承している。

 ●6人は安保・治安立法に反対
 すでに6人の教授の氏名・所属と活動履歴が報道により判明している。いずれも、集団的自衛権の行使を限定的に容認した安全保障関連法など安保・治安立法に反対した人物である。
 東大A教授(政治思想史)は2013年に成立した特定秘密保護法に反対し、「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼び掛け人。早大B教授(行政法)は「安全保障関連法案の廃止を求める早稲田大学有志の会」の呼び掛け人で、沖縄県辺野古の米軍基地建設をめぐり政府の対応に抗議する声明を発表。東京慈恵医大C教授(憲法学)は安保関連法案について「歯止めのない集団的自衛権の行使につながりかねない」と廃案を求めた。東大D教授(日本近現代史)は学者らによる「立憲デモクラシーの会」の呼び掛け人で、改憲特定秘密保護法に反対。立命館大のE教授(刑事法)は2017年の改正組織犯罪処罰法案を「戦後最悪の治安立法」と批判。京大のF教授(キリスト教学)は「安全保障関連法に反対する学者の会」や、安保関連法案に反対する「自由と平和のための京大有志の会」の賛同者である。

 ●軍事研究を拒否し中国とは学術協力
 一方、学術会議が力を入れているのが、「軍事研究の禁止」を旨とした防衛省関連研究の否定である。実例を一つ挙げる。北大は2016年度、防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募し、微細な泡で船底を覆い船の航行の抵抗を減らすM教授(流体力学)の研究が採択された。この研究は自衛隊の艦艇のみならず、民間のタンカーや船舶の燃費が10%低減される画期的なものである。このような優れた研究を学術会議が「軍事研究」と決めつけ、2017年3月24日付の「軍事的安全保障研究に関する声明」で批判した。学術会議からの事実上の圧力で、北大はついに2018年に研究を辞退した。
 学術会議は、日本国民の生命と財産を守る防衛に異を唱え、特定の野党の主張や活動に与して行動している。優秀な学者の学術集団でありながら、圧力団体として学問の自由を自ら否定している。これに対し、国立大学協会会長の永田恭介氏(筑波大学長)は今年3月26日の記者会見で、「自衛のためにする研究は(募集する)省庁がどこであれ正しいと思う」と学術会議に批判的な見解を述べている。筆者も含め賛同する研究者は多い。
 さらに学術会議は2015年、中国科学技術協会と相互協力する覚書を締結している。中国による少数民族の抑圧、香港の弾圧、南シナ海の軍事基地化といった強権的行動に国際的な批判が強まる中で、日中学術協力の抜本的見直しが必要ではないか。(了)

【訂正】
 当初の原稿では「学術会議幹部は北大総長室に押しかけ、ついに2018年に研究を辞退させた」としましたが、学術会議幹部が北大総長室に押しかけた事実はありませんでしたので、「学術会議からの事実上の圧力で、北大はついに2018年に研究を辞退した」と訂正します。

マリサ
この記事によると、北海道大学の教授が「2016年度防衛省の安全保障技術研究推進制度」に応募して、「微細な泡で船底を覆い船の航行の抵抗を減らす研究」をしようとしたところ、圧力をかけられて研究を断念したそうだぜ。


マリサ
しかも悪質なのが、当初この奈良林氏の記事では「学術会議幹部は北大総長室に押しかけ」となっていたんだが、どうやら「押しかけた」事実はなかったそうで、その部分を訂正しているんだが、批判側はこの部分で揚げ足をとってな

日本学術会議幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」は誤り。記事は訂正、しかし誤情報が拡散
Buzz Feed 2020年10月15日
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/gakujutukaigi-fact-check-3

北海道大学のある研究について、日本学術会議の幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」という情報が拡散している。元記事では、この情報は訂正されているが一人歩きしている状況だ。

日本学術会議」の新たな会員として推薦された学者6人の任命を、菅義偉首相が拒否したことをめぐる問題。

シンクタンク・国家基本問題研究所(国基研)理事の奈良林直・北海道大名誉教授が、国基研のサイトに書いた「学術会議こそ学問の自由を守れ」と題した記事にあった、日本学術会議に関する情報が拡散している。

防衛省の安全保障技術研究推進制度に採択されていた北海道大のある研究について、日本学術会議の幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」という内容だ。

だが、この内容は誤りだ。

国家基本問題研究所は10月12日、「学術会議幹部が北大総長室に押しかけた事実はなかった」として、記事を訂正した。

しかし、訂正後もこの誤った情報が一人歩きし、さまざまなメディアやまとめサイトなどで取り上げられている状況だ。国基研での訂正に合わせて、引用内容を訂正する動きも拡がっていない。

このため、BuzzFeed Newsは改めてファクトチェックを行った。
公式アカウントのツイートは1.3万RT、産経新聞も掲載

奈良林氏は国基研のサイトで「北大のある教授が2016年度、防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募し、採択された。しかし、学術会議幹部が北大総長室に押しかけ、研究を辞退させた」と記していた。

この内容は国家基本問題研究所の公式Twitterアカウントでも投稿され(現在は削除)、1.3万回以上リツイートされるなど広く拡散。「学問の自由を犯す日本学術会議」「学術会議は日本においては学問の自由を弾圧する組織」といった声がTwitterで上がっている。

この記事の影響は、SNSに留まらない。

産経新聞は、阿比留瑠比・政治部編集委員の署名記事「『学問の自由』もてあそぶ欺瞞」の中でこの件を引用し、「学術会議幹部が北大総長室に押しかけ、30年に研究を辞退させたのだという」と報道。

「学術会議はこのままでいいはずがないと感じる告発だが、主流派野党やほとんどのマスコミは無視することだろう」とした。

また、「現代ビジネス」でも長谷川幸洋氏が「日本学術会議が学問の自由を守るどころか、まったく逆に、学問の自由を侵害した例が暴露されてしまったされた」として、これを引用した。

「デイリースポーツ」も、この記事を孫引きするかたちで紹介しているほか、「もえるあじあ」や「政治知新」といったまとめサイトでもまとめられてる。

「もえるあじあ」のまとめは1万シェア、「政治知新」のまとめは2000シェアを超えている。

しかし、国家基本問題研究所は記事公開から1週間後の12日、「当初の原稿では『学術会議幹部は北大総長室に押しかけ、ついに2018年に研究を辞退させた』としましたが、学術会議幹部が北大総長室に押しかけた事実はありませんでした」とし、「学術会議からの事実上の圧力で、北大はついに2018年に研究を辞退した」と訂正した。

国家基本問題研究所は公式アカウントで訂正を発信しているが13日16時の段階で35リツイートにとどまっており、訂正は広く届いていないままだ。

また、産経新聞、現在ビジネスのいずれも13日午後4時現在、訂正前のままの内容を引用している。
UPDATE
2020年10月15日 14:42

産経新聞は15日、「阿比留瑠比の極言御免」の末尾で国家基本問題研究所の記事を引用し日本学術会議の「幹部が北大総長室に押しかけ」と書いたことについて、国家基本問題研究所の記事が訂正されたため「当欄もその部分を訂正し、関係者におわびします」とした。

北大の研究辞退、その経緯

国家基本問題研究所に投稿された「学術会議こそ学問の自由を守れ」という記事の中で言及されていた出来事とは、どんなものだったのか。

北海道大は2018年3月、2016年から防衛省の研究推進制度によって2300万円以上の資金的支援を受けていた工学研究院の教授のチームによる研究に関し、2018年度の資金を辞退した。

NHKは当時、北大が「日本学術会議の声明も踏まえて大学の姿勢を検討した結果、軍事研究に関わるべきではないと判断した」と説明したと報じている。

日本学術会議が示した声明とは、2017年3月24日に発表した「軍事的安全保障研究に関する声明」だ。

日本学術会議が1949年に創設され、1950年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を、また1967年には同じ文言を含む「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を発した背景には、科学者コミュニティの戦争協力への反省と、再び同様の事態が生じることへの懸念があった。

近年、再び学術と軍事が接近しつつある中、われわれは、大学等の研究機関における軍事的安全保障研究、すなわち、軍事的な手段による国家の安全保障にかかわる研究が、学問の自由及び学術の健全な発展と緊張関係にあることをここに確認し、上記2つの声明を継承する。

(「軍事的安全保障研究に関する声明」、2017年3月24日)

この声明では、「戦争(攻撃)を目的とする研究は絶対に行わない」とする過去の声明を引き継いでいる。しかし、軍事的安全保障(防衛)研究については、全面的にやめるよう各大学に求めているわけではない。

日本学術会議は軍事的安全保障研究を行うことのリスクを示し、政府による介入が強まりかねないとした上で、「その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである」とし、「学協会等において、それぞれの学術分野の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる」とまとめている。

声明は、大学や学会・協会側に、その妥当性などを審査する制度やガイドラインを設定することを求めている。

北大「学術会議関係者が総長に面談した記録はない」

決断の背景に、この声明の存在があることは間違いなさそうだ。では、決断に学術会議の「圧力」はあったのか。

国家基本問題研究所の記事では当初、「学術会議幹部が北大総長室に押しかけた」として、学術会議が直接、北大に圧力を掛けたとしていた。

北大広報課の担当者はBuzzFeed Newsの取材に、「押しかけたという報道を受けて、当時の総長の面談記録を確認したが、日本学術会議関係者の方が総長に面談されている記録はなかった」と、こうした情報を改めて否定した。

そのうえで、「学術会議関係者となると、さすがにアポイントなしに、記録を残さず総長と面談されることはないのでは」と担当者は語った。

国基研が自ら訂正した通り、日本学術会議の幹部が北大に「押しかけた」という事実は、やはり存在しない。

一方でこの部分を訂正した記事では「学術会議からの事実上の圧力」があったとされている。これについてはどうか。

北大の広報担当者は、防衛省からの資金辞退の経緯について、「北大としては2017年3月24日に出された声明を受け、2018年3月の更新のタイミングで声明を尊重し、研究の更新を行わなかった」と説明した。あくまで学内の自主的な判断ということだ。

「軍事的安全保障研究に関する声明」を出した当時、日本学術会議の会長だった大西隆・東京大名誉教授はBuzzFeed Newsの取材に「圧力をかけるというのはあり得ない。そのような権限もない。声明、報告を出し大学に判断していただくというのが学術会議の立場です」と語る。

北大が防衛省からの資金を更新しないと決めた経緯について、「学術会議の声明なり報告を、北大が何らかの参考にされたということはあり得る」とした上で、「あくまで北大の判断」とした。

マリサ
この朝日系のバズフィードの記事では、前半でさっき引用した奈良林氏の「押しかけ」の件は事実ではないとして訂正しているが、そのデマが広がっているとして、あたかもそれが問題の全てであるかのような印象となっているんだぜ。


マリサ
そのうえで、記事の最後で「「学術会議の声明なり報告を、北大が何らかの参考にされたということはあり得る」とした上で、「あくまで北大の判断」」としているんだが、「この声明では、「戦争(攻撃)を目的とする研究は絶対に行わない」とする過去の声明を引き継いでいる。しかし、軍事的安全保障(防衛)研究については、全面的にやめるよう各大学に求めているわけではない。」と書いているぜ。


レイム
これ、「押しかけはなかった」という話を「圧力はなかった」という話にすり替えているうえに、事実上日本の最高位の学術機関が公式に行った声明が影響ないわけないじゃない。


マリサ
そうなんだぜ。
更にその次にはこう書かれているぜ「北大の広報担当者は、防衛省からの資金辞退の経緯について、「北大としては2017年3月24日に出された声明を受け、2018年3月の更新のタイミングで声明を尊重し、研究の更新を行わなかった」と説明した。あくまで学内の自主的な判断ということだ。」とな。


レイム
これさ、要するに北海道大学が「日本学術会議に忖度した」という事よね。


マリサ
そういうことだよな、北海道大学は「日本学術会議の声明を受けて判断した」わけだし。
でも記事では、さも「押しかけはなかった」から「北海道大学が独自に判断しただけ」としているわけだ。
しかもさらに問題なのがな


日本学術会議幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」は誤り。記事は訂正、しかし誤情報が拡散
Buzz Feed 2020年10月15日
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/gakujutukaigi-fact-check-3

(一部抜粋)
日本学術会議は軍事的安全保障研究を行うことのリスクを示し、政府による介入が強まりかねないとした上で、「その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである」とし、「学協会等において、それぞれの学術分野の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる」とまとめている。


マリサ
バズフィードに書かれているこの一文で、現状「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という声明に関しての基準すら存在せず、何をどこまで軍事研究とするかすらわからず、それが無言の圧力になっているってことだぜ。
なにせ「絶対にこれを行わない」と規定されているしな。


レイム
つまり、日本学術会議の声明は具体的に「どこからがだめなのか」のガイドラインが存在せず、事実上「軍事研究」であれば何でも反対していると解釈でき、それに忖度した各大学が自由な研究を阻害しているって事よね。


マリサ
そう、これ明らかに憲法で定められた「自由権(学問の自由も含まれる)」の侵害だよな。
学術会議側で「解釈に問題がある」と認識していたなら、声明に何らかのガイドラインを加えるだろうしな。


レイム
学問の自由を理由に政府の「任命拒否」を批判している人達が、他の学者の研究を「自分達の意向に反する」という理由で妨害して潰してしまっているわけね。


マリサ
そうだぜ。
しかもこちらの事例では

【正論4月号】匿名対談 現役学者が告発「軍事研究禁止の実態」
産経新聞 2021.3.6
https://www.sankei.com/life/news/210306/lif2103060001-n1.html

※この記事は、月刊「正論4月号」から転載しました。ご購入はこちらをクリック。

 A 私はとある国立大学の工学部で、センサーの研究をしています。センサーとは、様々な物質を検知して、それを知らせたり、物質の含有量などを計測する機器です。原理は、物理学に基づくアプローチもあれば、化学的に計測する手法もあります。例えば、皆さんは病院で血液中の糖分濃度を測定したことはありますか。あれは糖分に対して化学反応を起こす酵素を使って、化学反応が起きた時に発生する電子を検知し、濃度を測定しているのです。

 かつて血液中の糖分濃度を測ることは、とても面倒でした。ですが、センサーが開発されてからは、血液が一滴あれば測れるようになりました。糖分だけでなく、測定したい対象物質は実に千差万別で、そのたびにセンサーの原理も変わります。多種多彩なセンサーが実用化され、センサーを駆使した大がかりなシステムづくりも研究しています。

 B 私も某国立大工学部で、エンジンに関係する熱・流体力学の研究を行っています。燃料が持つ熱エネルギーからどう効率よく動力に変換するか。基本はそういう話です。様々なテーマがあり、最先端のエンジンへの応用も視野に入れています。それは燃料の燃焼方法を従来とは大きく変えることで、パワーとエネルギー効率の大幅な向上が期待できる技術です。また、高温になったエンジンを効果的に冷却することも重要な課題の一つで、世界的な競争が繰り広げられています。例えば米ボーイング社も音速の五倍(マッハ五)での飛行を実用化する、と発表していますが、日本の同じ分野の基礎研究は、その課題解決に応用できると考えています。

A 政府の科学技術研究費などを獲得しましたか。

 B 科研費に値する価値ある研究だと思っていますから、獲得を目指して頑張っています。

 A 二〇〇一年九月十一日の米同時多発テロ事件以降、世界では「テロとの戦い」が叫ばれるようになりました。冷戦下の戦争までは軍隊が互いに睨みあって武力衝突…というイメージでした。ところが、テロとなると、全くそうではありません。劇場やターミナル駅、雑踏など、いつどこで何が起こるか、わからない。そうした恐怖があります。バイオテロ、毒性の高い化学物質を使って無辜の市民が巻き込まれ、一瞬で大量の命が奪われてしまう。

 私は、そうしたニュースを見るたびに、研究者として毒物を検知できるシステムを構築すれば、被害を抑制できないか、などと考えていました。ちょうど、防衛装備庁が「安全保障技術研究推進制度」の募集を始めるので、それで共同研究者を決めて研究資金を確保すべく、書類を整えました。ところが、書類も揃った段になって、大学当局者に呼び出されてしまったのです。

 B 何と言われたのですか。

 A それが「出すな」とも「ダメだ」とも決して言わないんですよ。「出すのか」「とにかく考え直してほしい」「見合わせてほしい」と。びっくりしました。どうやら私の研究を、学術会議が提唱する「軍事研究の禁止」に認定したというより、「軍事研究だ」と受け止められて批判されたくない、といった方がいい。あからさまにダメと言わないのもそのためで、そんなことが表沙汰になれば「学問の自由」を侵害する問題だとは認識している。そこで「お願い」によって私の判断という形にして申請を取り下げさせようとしたのだと思います。

https://www.sankei.com/life/news/210306/lif2103060001-n2.html

 B 理不尽ですね。先生の研究はセンサーの測定対象の物質が実にたくさんある。今回は、それがたまたま毒物だったというだけの話でしょう。毒物ですから、軍事転用の可能性はあるでしょうが、農薬だって立派な毒物ですし、そもそもこの研究は測定に関する技術よりも、分析機器開発に主眼があるんでしょう。とてもおかしな話です。

 A 研究者として何のために研究しているか、といえば、もちろん面白いから、という理由もあります。ですが、何よりも世の中に役に立ちたい。特に工学は応用の学問ですし、実用化が研究者にとって努力が報われた瞬間で、研究者冥利に尽きるものです。それにこの研究はテロを未然に防ぐ、あるいは被害を最小限にすることを目指したものなのに、それが「軍事研究」だから許されない、なんてあり得ない。これがダメなら、輸入農産物に実施される残留農薬の検出なども、ゴルフ場の農薬散布がどんな影響を環境に及ぼすか、といった検査だって原理としてはダメです。「軍事研究」という言葉が実に曖昧で、研究の現実を何も踏まえずに妄想のようなイメージで「軍事=悪=許されない」と決めつけていると思ってます。このように研究は潰される。
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 B 最終的にどうなったのですか。

 A 私にも意地があります。はじめは頑張りました。ですが、結局は諦めざるを得ませんでした。私自身が疲れてしまったこともありますが、私の研究を評価してくれていた大学幹部にまで懇願され、「残念だが仕方ない」と呑まざるを得なかったのです。共同研究者には大きな迷惑をかけてしまって、この研究はそれで終わってしまいました。残念ですが、今もおかしなことだと思っています。先生はどんなひどい目にあったのですか。

 B 私の場合も「安全保障技術研究推進制度」に応募して研究をしようと思いました。ですが、私の場合は、大学に「同制度への応募は認めない」という取り決めがすでにあったのです。
(後略)

マリサ
記事によると、とある学者が近年のテロ問題などに関係して、毒物を検知するセンサーの研究をしようと防衛省の「安全保障技術研究推進制度」に応募して共同研究で資金を得ようとしたら、大学側から「見合わせろ」と圧力を受けたうえに、要求を拒否したらこの人物と関係の深い大学幹部にまで手を回されて、「断念せざるを得なくなった」そうだぜ。
どうやら、大学側が日本学術会議に目を付けられたくなくて、学問の自由の侵害と認識しながらあれこれと手をまわして防衛省が関わる研究を断念させているみたいなんだぜ。



レイム
これもかなりひどいわね。
というかこれ、「軍事研究禁止」というより、「学者を自衛隊に関わらせないようにしている」の方が近くない?
さっきも言ったけど、今のご時世科学の研究を軍事と民事で分けるのなんて不可能だし、この件だって要するに「テロ対策」なのだから、内容的には平和目的のはずなのに。


マリサ
そうなんだぜ。
どうもな、色々調べて行くと日本学術会議は先人の決めたことをただ「教条主義的」に実行しているだけっぽいんだぜ。
「何が憂慮すべき軍事研究か」ということを一切考えず、ただ「自衛隊が関わったら何があっても禁止」という方針で、他の学者の研究を妨害しているみたいなんだぜ。


レイム
え?何それ、ドン引きなんだけど。


マリサ
だから問題なわけだ。
何をどうすると問題かではなくて、ただ漠然と「自衛隊が関わる研究禁止」としていて、そのうえでそれに従わないとあらゆる方面から圧力が飛んできて日本学術会議の声明に従わざるを得なくなるんだぜ。


レイム
そして日本学術会議は「自分達は直接手を下したわけではない」「各大学が勝手に判断しただけだ」とやるわけね。
なんというか、そうとう「アレ」な組織ね。


マリサ
だろ?

今回のまとめ

・政府が日本学術会議メンバーの推薦者6人を任命しなかったところ、「学問の自由の侵害」という反発が起きた
日本学術会議は「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という方針を教条主義的に信望し、他者の学問の自由を侵害している



レイム
でもちょっとまって、今回の件って本題は次なのよね?
これでも十分問題なのだけど。


マリサ
甘いぜレイム。
日本学術会議の問題ってな「さらにその先」があったんだぜ。


レイム
は?


マリサ
はっきり言うが「これだけ」だったら動画にしていないぜ。
なにせ日本学術会議は直接手を下しておらず、各大学に「忖度させているだけ」だからな、この件だけだといくらでも居直れるんだぜ。


レイム
ああ、なるほど。
実際問題日本学術会議ガイドラインすらない声明が原因で自由な研究が阻害されているけど、「そう判断しているのは各大学側」という『事になっている』わけだしね。


マリサ
そういうことだぜ。
でもな、次回やる内容は言い逃れができない真っ黒な事例で、今回の件とも深く関わっているから、そっちが本題なんだぜ。


レイム
なるほどね。


マリサ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
ところで聞いてくださいよ。


マリサ
いきなりなんだ?


大口
最近マンボウって話題でしょ。


レイム
ああ、コロナ関係でね。


大口
そっちじゃなくて魚のマンボウの件なんだけど、実はマンボウってマンボウじゃないんですよ。


マリサ
お前は何を言っているんだ?


大口
マンボウって、実はフグ目に含まれていて、あれは外洋性のフグの仲間なんですよ。


レイム
それって単にマンボウフグ目ってだけだから、別に「マンボウマンボウではない」なんて意味不明なことにはならないんじゃない?


大口
それが違うんですよ。
実はアカマンボウ目という種がいまして、フグ目以外にちゃんとマンボウと付く「目(もく)」があるんですよ。


大口
でね、このアカマンボウ目にはリュウグウノツカイも含まれているので、リュウグウノツカイマンボウの仲間だけど、マンボウマンボウの仲間ではなくフグの仲間なんですよ。


レイム
つまり、マンボウはアカマンボウの仲間ではないけどマンボウで、リュウグウノツカイはアカマンボウの仲間だけどマンボウの仲間ではないのね。


マリサ
おいやめろ、マンボウゲシュタルト崩壊するんだぜ。


大口
そう、みんなの知っているマンボウマンボウだけどマンボウじゃなかったんだよ。


レイム
なるほどね。


マリサ
わけがわからなくなるからそろそろやめるんだぜ。
とりあえずそんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



お知らせ。
引用について
・個人の利用であれば「引用」の範囲での転載は自由にしてもらってかまいません、報告も必要ありません。
・企業・団体等の場合は必ず私の方へ事前連絡いただき、許可を取ってから行ってください。
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【ゆっくり解説】日本学術会議の問題 part1/2


さて、本日は問題だらけの日本学術会議について扱っていきます。


本日の投稿動画


YouTube
https://youtu.be/BZmPMzbwLWQ

元記事
マスコミの定番テクニック
日本学術会議問題と論点のすり替え


関連動画

YouTube
https://youtu.be/UaaCSmOXGD0


以下は動画のテキスト版になります。

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」ですので、イデオロギーや属性等は一切関係ありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私がやっていくぜ。
と、言いたいところだが、今回はマスコミ問題でもあるが日本学術会議そのものの問題がメインになるぜ。


レイム
まあそれはいいとして、これ2分割するほどの問題なの?


マリサ
元々はそんなつもりじゃなかったんだがな、資料を集めていたら文字データが200キロバイト超えたから、全部の資料を使うってわけじゃないが、2分割にせざるを得なくなったんだぜ。
なので後編は来週になるぜ。


レイム
なるほどね。
ところできになったのだけど、本題がマスコミ問題ではないって事は、マスコミが騒いだいわゆる「政府の任命権」の問題が本題ではないってこと?


マリサ
そうだぜ。
今回一部雑誌と読売新聞がかなり「マスコミらしい仕事」をしていてな、その結果わかったのは、日本学術会議は「問題しかない組織」って事なんだぜ。


レイム
なるほど。
つまり政権叩きに利用しようとしたスクープが、図らずも日本学術会議の問題点を浮き彫りにしたってことね。


マリサ
そういうことだぜ。
そんなわけで本編へ行くぜ。


問題の発端


マリサ
それで、本題を始める前に日本学術会議とは何かについて、日本学術会議のぺージにはこう書かれているぜ。

日本学術会議とは
http://www.scj.go.jp/ja/scj/index.html

日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。職務は、以下の2つです。

科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。
科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。

日本学術会議は、我が国の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の科学者を内外に代表する機関であり、210人の会員と約2000人の連携会員によって職務が担われています。

日本学術会議の役割は、主に以下の4つです。

政府に対する政策提言
国際的な活動
科学者間ネットワークの構築
科学の役割についての世論啓発

日本学術会議の役割

日本学術会議には、総会、役員(会長と3人の副会長)、幹事会、3つの部、4つの機能別委員会(常置)、30の学術分野別の委員会(常置)、課題別委員会(臨時)、地区会議、若手アカデミー及び事務局が置かれています(なお、必要に応じ、幹事会には幹事会附置委員会が、各委員会には分科会等が置かれます。)。


マリサ
内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」」であり、「科学に関する重要事項を審議し、その実現を図ること。」と「科学に関する研究の連絡を図り、その能率を向上させること。」を職務とし、「政府に対する政策提言」「国際的な活動」「科学者間ネットワークの構築」「科学の役割についての世論啓発」が役割と書かれているぜ。


レイム
なるほど、つまり事実上日本における学術機関のトップであり、政府に提言を行う独立した機関って事ね。
それで、はじめは何からやるの?


マリサ
まずは問題の発端だな。
この赤旗の記事を見てくれ。


菅首相、学術会議人事に介入
しんぶん赤旗 2020年10月1日
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100101_01_1.html

推薦候補を任命せず
安保法批判者ら数人

 1日から任期が始まる日本学術会議の新会員について、同会議が推薦した会員候補のうち数人を菅義偉首相が任命しなかったことが30日、本紙の取材で分かりました。推薦者が任命されなかったのは過去に例がありません。任命されなかった科学者のなかには安保法制や共謀罪を批判してきた人も含まれています。新政権誕生後、菅首相による恣意(しい)的な人事が明らかになったのは初めてで、学問の自由に介入する首相の姿勢が問われます。(取材班)
前例ない推薦者外し

 日本学術会議法は、会員(210人)を同会議の推薦に基づいて、首相が任命すると定めています。会員の任期は6年間で3年ごとに半数が交代します。1日から半数の新会員の任期が始まります。会員は特別職の国家公務員(非常勤)です。

 同会議から新会員として推薦されていた立命館大学大学院法務研究科の松宮孝明教授によると、29日夕方に同会議の事務局長から「(首相の)任命名簿に名前がない」と連絡がありました。他にも数人、名前がなかった科学者がおり、「間違いではないか」と考えた事務局が政府に問い合わせると、「間違いではない。理由はノーコメント」と返ってきたといいます。

 松宮教授は2017年に国会の参考人質疑で共謀罪法案について「戦後最悪の治安立法」などと批判していました。松宮教授を知る学術会議のある会員は、「松宮教授の学術的な貢献は申し分ない。会員を外されたのは、政治的判断としか思えない」と話します。複数の関係者によると、ほかにも安保法制に反対した科学者が任命されていないといいます。

 同会議は約87万人の日本の科学者を内外に代表する機関。首相所轄ですが、政府から独立して政策提言などをします。17年には、当時の安倍政権が進めていた大学など研究機関による防衛省の軍事研究への参加について、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」との声明を出し、防衛省の軍事目的の研究に参加しない姿勢を明らかにしました。

 同会議の事務局は「1日に公表予定であり、現在は答えることはできない」と回答。会員に推薦した科学者が任命されなかったことは「過去にはなかった」としています。


マリサ
2020年10月の事なんだが、赤旗のスクープとして、菅内閣日本学術会議の推薦者のうち6名を任命しなかったと報じ、過去に前例のないことで学問の自由を侵害する行為として批判したぜ。


レイム
これは見た事あるわね。
でもそういえば、これ結局どうなったの?
なんか続報を見かけないけど。


マリサ
一応続報はあるし、今もいくつかのメディアは批判的に扱っているが、批判のトーンはかなり下がって「批判した」という既成事実つくりのためにやっているように見えるな。
まあそれはそれとして、この「スクープ」を受けて朝日さんもこんな記事を掲載したぜ。

日本学術会議推薦の6人、任命されず 菅首相に任命権
朝日新聞 2020年10月1日
https://www.asahi.com/articles/ASNB14CDTNB1UTIL01F.html

 1日付で菅義偉首相に任命された日本学術会議の新しい会員について、同会議が推薦した候補者6人が含まれていないことが、会議関係者への取材で分かった。会員の任命は首相が行うが、同会議が推薦した候補者が任命されなかったのは初めて。任命されなかった学者からは「学問の自由への乱暴な介入だ」と批判が出ている。

 会議の会員は210人。任期は6年で3年ごとに半数が交代する。日本学術会議法によると、会員は会議が候補者を選考して首相に推薦し、推薦に基づいて首相が任命する。事務局によると、推薦した候補者が任命されなかった例は過去にないという。

 同会議は1日、新会員99人を発表した。複数の関係者によると、会議は8月末、政府に105人を推薦したが、うち6人が任命されなかった。事前に問い合わせたところ、政府からは「間違いや事務ミスではない」と返答があったという。

 任命されなかった大学教授の1人は、安保法制や共謀罪法に反対の立場をとってきた。今回の措置について「学問の自由を保障する憲法に違反する乱暴な介入だ」と批判した。一方、加藤勝信官房長官は1日の会見で「直ちに学問の自由の侵害ということにはつながらないと考えている」と述べた。
(後略)

マリサ
記事では、同じく任命されなかった学者に取材して「学問の自由への乱暴な介入だ」というコメントを掲載、そのうえで「任命されなかった大学教授の1人は、安保法制や共謀罪法に反対の立場をとってきた。」として、政府の意向に反したことが原因ではないかと書いているな。


レイム
つまり、税金で運営されている組織に入るのに政府の意向に反する意見をしたから任命されなかったって事?


マリサ
記事ではそうなっているな。
まあ実態は「そんな個別の問題ではない」という事がのちに判明するんだがな。


レイム
つまり、安保法や共謀罪の件は関係ないってこと?


マリサ
学術会議の組織としての問題が一番の原因っぽいからな。
まあそれはそれとして、つぎのこれをみると

蓮舫氏、学術会議の新会員から6人除外の菅政権を批判「こんな内閣はおかしい、と声をあげて」
スポーツ報知 2020年10月2日
https://hochi.news/articles/20201002-OHT1T50117.html

立憲民主党蓮舫参院議員(52)が2日、自身のツイッターを更新。菅義偉首相(71)が政府から独立して政策提言をする「日本学術会議」の新会員について、会議が推薦した候補者105人のうち6人を除外して任命したことを強く批判した。

 「学者の国会」とされる同会議が推薦した候補者を首相が任命しなかったのは、2004年度の法改正で会議が推薦する方式になって以降初めてのケースだが、この日、「昭和24年施行の学術会議法では、会議は内閣総理大臣の所管だが『独立して職務』を行うとあり、独立性が担保。菅総理が勝手に人選できるものではない。勘違いも甚だしい。断固抗議します」と、まずつづった蓮舫氏。

 続けて「安倍総理安倍内閣は忖度や政権に都合よく公文書改ざんした官僚を昇進させてきました。その官僚人事のように、独立した学術会議会員候補を扱った菅総理。『安倍政治を引き継ぐ』勘違いしか見て取れません」とチクリ。

 「新会員候補の任免を見送る最終判断は会議を所管する内閣総理大臣菅総理が率先して判断したのか。その理由は何か。誰かが進言したのか、それは誰か。進言したとすれば理由は何か。なぜ、誰も止めなかったのか」と疑問を呈した上で「政権に批判的な学者、官僚を排除し、国会は開かない。こんな内閣はおかしい、と声をあげてください」と厳しくアピールした。

マリサ
立憲民主党も、「昭和24年施行の学術会議法では、会議は内閣総理大臣の所管だが『独立して職務』を行うとあり、独立性が担保。菅総理が勝手に人選できるものではない。勘違いも甚だしい。断固抗議します」と批判し始めたぜ。


レイム
これを見る限り、立憲民主党も「政府が政府の意向に沿う御用学者以外を排除しようとしている」という論調みたいね。
ほんとに日本学術会議には「組織として問題」があるの?


マリサ
あるから動画にしているんだぜ。
「マスコミの言っている通り」ならそもそもここで題材にする必然性がないからな。


問題のある組織


レイム
それで、組織としての問題ってどういうこと?


マリサ
その前にな、まず日本学術会議って基本方針でこんなスタンスをとっているって事を知っておいてほしいぜ。

軍事的安全保障研究に関する声明(2017年3月24日)
日本学術会議
http://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/gunjianzen/index.html
日本学術会議が1949年に創設され、1950年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を、また1967年には同じ文言を含む「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を発した背景には、科学者コミュニティの戦争協力への反省と、再び同様の事態が生じることへの懸念があった。近年、再び学術と軍事が接近しつつある中、われわれは、大学等の研究機関における軍事的安全保障研究、すなわち、軍事的な手段による国家の安全保障にかかわる研究が、学問の自由及び学術の健全な発展と緊張関係にあることをここに確認し、上記2つの声明を継承する。

科学者コミュニティが追求すべきは、何よりも学術の健全な発展であり、それを通じて社会からの負託に応えることである。学術研究がとりわけ政治権力によって制約されたり動員されたりすることがあるという歴史的な経験をふまえて、研究の自主性・自律性、そして特に研究成果の公開性が担保されなければならない。しかるに、軍事的安全保障研究では、研究の期間内及び期間後に、研究の方向性や秘密性の保持をめぐって、政府による研究者の活動への介入が強まる懸念がある。
防衛装備庁の「安全保障技術研究推進制度」(2015年度発足)では、将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、外部の専門家でなく同庁内部の職員が研究中の進捗管理を行うなど、政府による研究への介入が著しく、問題が多い。学術の健全な発展という見地から、むしろ必要なのは、科学者の研究の自主性・自律性、研究成果の公開性が尊重される民生分野の研究資金の一層の充実である。

研究成果は、時に科学者の意図を離れて軍事目的に転用され、攻撃的な目的のためにも使用されうるため、まずは研究の入り口で研究資金の出所等に関する慎重な判断が求められる。大学等の各研究機関は、施設・情報・知的財産等の管理責任を有し、国内外に開かれた自由な研究・教育環境を維持する責任を負うことから、軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである。学協会等において、それぞれの学術分野の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる。

研究の適切性をめぐっては、学術的な蓄積にもとづいて、科学者コミュニティにおいて一定の共通認識が形成される必要があり、個々の科学者はもとより、各研究機関、各分野の学協会、そして科学者コミュニティが社会と共に真摯な議論を続けて行かなければならない。科学者を代表する機関としての日本学術会議は、そうした議論に資する視点と知見を提供すべく、今後も率先して検討を進めて行く。

マリサ
この「軍事的安全保障研究に関する声明」というページによると、日本学術会議は「。学術研究がとりわけ政治権力によって制約されたり動員されたりすることがあるという歴史的な経験をふまえて、研究の自主性・自律性、そして特に研究成果の公開性が担保されなければならない」として、「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という基本方針を、1949年の組織設立時に基本方針としていると書かれており、2017年にそれを再確認したという内容だぜ。


レイム
これ、そもそも実現可能なの?
軍事研究禁止ってどこまで禁止なのかわからないし、何よりインターネット自体だって元はアメリカの国防計画が原型だし、軍事と民事の区別なんて科学研究において無意味では?


マリサ
その通りなんだぜ。
日本学術会議は、組織の基本方針が「自由な学術研究」と相反しているわけだ。
そしてその矛盾を強引に推し進めた結果

【第724回】学術会議こそ学問の自由を守れ
国基研 奈良林直 / 2020.10.05
https://jinf.jp/weekly/archives/32608

国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直

日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人を菅政権が認めなかったことは学問の自由を侵害するとして、朝日新聞などで連日批判的に報道されている。しかし、安倍政権時代の2016年にも、首相官邸が会員候補に難色を示し、70歳定年の下で、3人の欠員が補充されなかった。2018年11月には、学術会議が推薦した人を任命する義務は政府に無いことを内閣法制局が了承している。

 ●6人は安保・治安立法に反対
 すでに6人の教授の氏名・所属と活動履歴が報道により判明している。いずれも、集団的自衛権の行使を限定的に容認した安全保障関連法など安保・治安立法に反対した人物である。
 東大A教授(政治思想史)は2013年に成立した特定秘密保護法に反対し、「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼び掛け人。早大B教授(行政法)は「安全保障関連法案の廃止を求める早稲田大学有志の会」の呼び掛け人で、沖縄県辺野古の米軍基地建設をめぐり政府の対応に抗議する声明を発表。東京慈恵医大C教授(憲法学)は安保関連法案について「歯止めのない集団的自衛権の行使につながりかねない」と廃案を求めた。東大D教授(日本近現代史)は学者らによる「立憲デモクラシーの会」の呼び掛け人で、改憲特定秘密保護法に反対。立命館大のE教授(刑事法)は2017年の改正組織犯罪処罰法案を「戦後最悪の治安立法」と批判。京大のF教授(キリスト教学)は「安全保障関連法に反対する学者の会」や、安保関連法案に反対する「自由と平和のための京大有志の会」の賛同者である。

 ●軍事研究を拒否し中国とは学術協力
 一方、学術会議が力を入れているのが、「軍事研究の禁止」を旨とした防衛省関連研究の否定である。実例を一つ挙げる。北大は2016年度、防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募し、微細な泡で船底を覆い船の航行の抵抗を減らすM教授(流体力学)の研究が採択された。この研究は自衛隊の艦艇のみならず、民間のタンカーや船舶の燃費が10%低減される画期的なものである。このような優れた研究を学術会議が「軍事研究」と決めつけ、2017年3月24日付の「軍事的安全保障研究に関する声明」で批判した。学術会議からの事実上の圧力で、北大はついに2018年に研究を辞退した。
 学術会議は、日本国民の生命と財産を守る防衛に異を唱え、特定の野党の主張や活動に与して行動している。優秀な学者の学術集団でありながら、圧力団体として学問の自由を自ら否定している。これに対し、国立大学協会会長の永田恭介氏(筑波大学長)は今年3月26日の記者会見で、「自衛のためにする研究は(募集する)省庁がどこであれ正しいと思う」と学術会議に批判的な見解を述べている。筆者も含め賛同する研究者は多い。
 さらに学術会議は2015年、中国科学技術協会と相互協力する覚書を締結している。中国による少数民族の抑圧、香港の弾圧、南シナ海の軍事基地化といった強権的行動に国際的な批判が強まる中で、日中学術協力の抜本的見直しが必要ではないか。(了)

【訂正】
 当初の原稿では「学術会議幹部は北大総長室に押しかけ、ついに2018年に研究を辞退させた」としましたが、学術会議幹部が北大総長室に押しかけた事実はありませんでしたので、「学術会議からの事実上の圧力で、北大はついに2018年に研究を辞退した」と訂正します。

マリサ
この記事によると、北海道大学の教授が「2016年度防衛省の安全保障技術研究推進制度」に応募して、「微細な泡で船底を覆い船の航行の抵抗を減らす研究」をしようとしたところ、圧力をかけられて研究を断念したそうだぜ。


マリサ
しかも悪質なのが、当初この奈良林氏の記事では「学術会議幹部は北大総長室に押しかけ」となっていたんだが、どうやら「押しかけた」事実はなかったそうで、その部分を訂正しているんだが、批判側はこの部分で揚げ足をとってな

日本学術会議幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」は誤り。記事は訂正、しかし誤情報が拡散
Buzz Feed 2020年10月15日
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/gakujutukaigi-fact-check-3

北海道大学のある研究について、日本学術会議の幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」という情報が拡散している。元記事では、この情報は訂正されているが一人歩きしている状況だ。

日本学術会議」の新たな会員として推薦された学者6人の任命を、菅義偉首相が拒否したことをめぐる問題。

シンクタンク・国家基本問題研究所(国基研)理事の奈良林直・北海道大名誉教授が、国基研のサイトに書いた「学術会議こそ学問の自由を守れ」と題した記事にあった、日本学術会議に関する情報が拡散している。

防衛省の安全保障技術研究推進制度に採択されていた北海道大のある研究について、日本学術会議の幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」という内容だ。

だが、この内容は誤りだ。

国家基本問題研究所は10月12日、「学術会議幹部が北大総長室に押しかけた事実はなかった」として、記事を訂正した。

しかし、訂正後もこの誤った情報が一人歩きし、さまざまなメディアやまとめサイトなどで取り上げられている状況だ。国基研での訂正に合わせて、引用内容を訂正する動きも拡がっていない。

このため、BuzzFeed Newsは改めてファクトチェックを行った。
公式アカウントのツイートは1.3万RT、産経新聞も掲載

奈良林氏は国基研のサイトで「北大のある教授が2016年度、防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募し、採択された。しかし、学術会議幹部が北大総長室に押しかけ、研究を辞退させた」と記していた。

この内容は国家基本問題研究所の公式Twitterアカウントでも投稿され(現在は削除)、1.3万回以上リツイートされるなど広く拡散。「学問の自由を犯す日本学術会議」「学術会議は日本においては学問の自由を弾圧する組織」といった声がTwitterで上がっている。

この記事の影響は、SNSに留まらない。

産経新聞は、阿比留瑠比・政治部編集委員の署名記事「『学問の自由』もてあそぶ欺瞞」の中でこの件を引用し、「学術会議幹部が北大総長室に押しかけ、30年に研究を辞退させたのだという」と報道。

「学術会議はこのままでいいはずがないと感じる告発だが、主流派野党やほとんどのマスコミは無視することだろう」とした。

また、「現代ビジネス」でも長谷川幸洋氏が「日本学術会議が学問の自由を守るどころか、まったく逆に、学問の自由を侵害した例が暴露されてしまったされた」として、これを引用した。

「デイリースポーツ」も、この記事を孫引きするかたちで紹介しているほか、「もえるあじあ」や「政治知新」といったまとめサイトでもまとめられてる。

「もえるあじあ」のまとめは1万シェア、「政治知新」のまとめは2000シェアを超えている。

しかし、国家基本問題研究所は記事公開から1週間後の12日、「当初の原稿では『学術会議幹部は北大総長室に押しかけ、ついに2018年に研究を辞退させた』としましたが、学術会議幹部が北大総長室に押しかけた事実はありませんでした」とし、「学術会議からの事実上の圧力で、北大はついに2018年に研究を辞退した」と訂正した。

国家基本問題研究所は公式アカウントで訂正を発信しているが13日16時の段階で35リツイートにとどまっており、訂正は広く届いていないままだ。

また、産経新聞、現在ビジネスのいずれも13日午後4時現在、訂正前のままの内容を引用している。
UPDATE
2020年10月15日 14:42

産経新聞は15日、「阿比留瑠比の極言御免」の末尾で国家基本問題研究所の記事を引用し日本学術会議の「幹部が北大総長室に押しかけ」と書いたことについて、国家基本問題研究所の記事が訂正されたため「当欄もその部分を訂正し、関係者におわびします」とした。

北大の研究辞退、その経緯

国家基本問題研究所に投稿された「学術会議こそ学問の自由を守れ」という記事の中で言及されていた出来事とは、どんなものだったのか。

北海道大は2018年3月、2016年から防衛省の研究推進制度によって2300万円以上の資金的支援を受けていた工学研究院の教授のチームによる研究に関し、2018年度の資金を辞退した。

NHKは当時、北大が「日本学術会議の声明も踏まえて大学の姿勢を検討した結果、軍事研究に関わるべきではないと判断した」と説明したと報じている。

日本学術会議が示した声明とは、2017年3月24日に発表した「軍事的安全保障研究に関する声明」だ。

日本学術会議が1949年に創設され、1950年に「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を、また1967年には同じ文言を含む「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を発した背景には、科学者コミュニティの戦争協力への反省と、再び同様の事態が生じることへの懸念があった。

近年、再び学術と軍事が接近しつつある中、われわれは、大学等の研究機関における軍事的安全保障研究、すなわち、軍事的な手段による国家の安全保障にかかわる研究が、学問の自由及び学術の健全な発展と緊張関係にあることをここに確認し、上記2つの声明を継承する。

(「軍事的安全保障研究に関する声明」、2017年3月24日)

この声明では、「戦争(攻撃)を目的とする研究は絶対に行わない」とする過去の声明を引き継いでいる。しかし、軍事的安全保障(防衛)研究については、全面的にやめるよう各大学に求めているわけではない。

日本学術会議は軍事的安全保障研究を行うことのリスクを示し、政府による介入が強まりかねないとした上で、「その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである」とし、「学協会等において、それぞれの学術分野の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる」とまとめている。

声明は、大学や学会・協会側に、その妥当性などを審査する制度やガイドラインを設定することを求めている。

北大「学術会議関係者が総長に面談した記録はない」

決断の背景に、この声明の存在があることは間違いなさそうだ。では、決断に学術会議の「圧力」はあったのか。

国家基本問題研究所の記事では当初、「学術会議幹部が北大総長室に押しかけた」として、学術会議が直接、北大に圧力を掛けたとしていた。

北大広報課の担当者はBuzzFeed Newsの取材に、「押しかけたという報道を受けて、当時の総長の面談記録を確認したが、日本学術会議関係者の方が総長に面談されている記録はなかった」と、こうした情報を改めて否定した。

そのうえで、「学術会議関係者となると、さすがにアポイントなしに、記録を残さず総長と面談されることはないのでは」と担当者は語った。

国基研が自ら訂正した通り、日本学術会議の幹部が北大に「押しかけた」という事実は、やはり存在しない。

一方でこの部分を訂正した記事では「学術会議からの事実上の圧力」があったとされている。これについてはどうか。

北大の広報担当者は、防衛省からの資金辞退の経緯について、「北大としては2017年3月24日に出された声明を受け、2018年3月の更新のタイミングで声明を尊重し、研究の更新を行わなかった」と説明した。あくまで学内の自主的な判断ということだ。

「軍事的安全保障研究に関する声明」を出した当時、日本学術会議の会長だった大西隆・東京大名誉教授はBuzzFeed Newsの取材に「圧力をかけるというのはあり得ない。そのような権限もない。声明、報告を出し大学に判断していただくというのが学術会議の立場です」と語る。

北大が防衛省からの資金を更新しないと決めた経緯について、「学術会議の声明なり報告を、北大が何らかの参考にされたということはあり得る」とした上で、「あくまで北大の判断」とした。

マリサ
この朝日系のバズフィードの記事では、前半でさっき引用した奈良林氏の「押しかけ」の件は事実ではないとして訂正しているが、そのデマが広がっているとして、あたかもそれが問題の全てであるかのような印象となっているんだぜ。


マリサ
そのうえで、記事の最後で「「学術会議の声明なり報告を、北大が何らかの参考にされたということはあり得る」とした上で、「あくまで北大の判断」」としているんだが、「この声明では、「戦争(攻撃)を目的とする研究は絶対に行わない」とする過去の声明を引き継いでいる。しかし、軍事的安全保障(防衛)研究については、全面的にやめるよう各大学に求めているわけではない。」と書いているぜ。


レイム
これ、「押しかけはなかった」という話を「圧力はなかった」という話にすり替えているうえに、事実上日本の最高位の学術機関が公式に行った声明が影響ないわけないじゃない。


マリサ
そうなんだぜ。
更にその次にはこう書かれているぜ「北大の広報担当者は、防衛省からの資金辞退の経緯について、「北大としては2017年3月24日に出された声明を受け、2018年3月の更新のタイミングで声明を尊重し、研究の更新を行わなかった」と説明した。あくまで学内の自主的な判断ということだ。」とな。


レイム
これさ、要するに北海道大学が「日本学術会議に忖度した」という事よね。


マリサ
そういうことだよな、北海道大学は「日本学術会議の声明を受けて判断した」わけだし。
でも記事では、さも「押しかけはなかった」から「北海道大学が独自に判断しただけ」としているわけだ。
しかもさらに問題なのがな


日本学術会議幹部が「北大総長室に押しかけ研究を辞退させた」は誤り。記事は訂正、しかし誤情報が拡散
Buzz Feed 2020年10月15日
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/gakujutukaigi-fact-check-3

(一部抜粋)
日本学術会議は軍事的安全保障研究を行うことのリスクを示し、政府による介入が強まりかねないとした上で、「その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである」とし、「学協会等において、それぞれの学術分野の性格に応じて、ガイドライン等を設定することも求められる」とまとめている。


マリサ
バズフィードに書かれているこの一文で、現状「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という声明に関しての基準すら存在せず、何をどこまで軍事研究とするかすらわからず、それが無言の圧力になっているってことだぜ。
なにせ「絶対にこれを行わない」と規定されているしな。


レイム
つまり、日本学術会議の声明は具体的に「どこからがだめなのか」のガイドラインが存在せず、事実上「軍事研究」であれば何でも反対していると解釈でき、それに忖度した各大学が自由な研究を阻害しているって事よね。


マリサ
そう、これ明らかに憲法で定められた「自由権(学問の自由も含まれる)」の侵害だよな。
学術会議側で「解釈に問題がある」と認識していたなら、声明に何らかのガイドラインを加えるだろうしな。


レイム
学問の自由を理由に政府の「任命拒否」を批判している人達が、他の学者の研究を「自分達の意向に反する」という理由で妨害して潰してしまっているわけね。


マリサ
そうだぜ。
しかもこちらの事例では

【正論4月号】匿名対談 現役学者が告発「軍事研究禁止の実態」
産経新聞 2021.3.6
https://www.sankei.com/life/news/210306/lif2103060001-n1.html

※この記事は、月刊「正論4月号」から転載しました。ご購入はこちらをクリック。

 A 私はとある国立大学の工学部で、センサーの研究をしています。センサーとは、様々な物質を検知して、それを知らせたり、物質の含有量などを計測する機器です。原理は、物理学に基づくアプローチもあれば、化学的に計測する手法もあります。例えば、皆さんは病院で血液中の糖分濃度を測定したことはありますか。あれは糖分に対して化学反応を起こす酵素を使って、化学反応が起きた時に発生する電子を検知し、濃度を測定しているのです。

 かつて血液中の糖分濃度を測ることは、とても面倒でした。ですが、センサーが開発されてからは、血液が一滴あれば測れるようになりました。糖分だけでなく、測定したい対象物質は実に千差万別で、そのたびにセンサーの原理も変わります。多種多彩なセンサーが実用化され、センサーを駆使した大がかりなシステムづくりも研究しています。

 B 私も某国立大工学部で、エンジンに関係する熱・流体力学の研究を行っています。燃料が持つ熱エネルギーからどう効率よく動力に変換するか。基本はそういう話です。様々なテーマがあり、最先端のエンジンへの応用も視野に入れています。それは燃料の燃焼方法を従来とは大きく変えることで、パワーとエネルギー効率の大幅な向上が期待できる技術です。また、高温になったエンジンを効果的に冷却することも重要な課題の一つで、世界的な競争が繰り広げられています。例えば米ボーイング社も音速の五倍(マッハ五)での飛行を実用化する、と発表していますが、日本の同じ分野の基礎研究は、その課題解決に応用できると考えています。

A 政府の科学技術研究費などを獲得しましたか。

 B 科研費に値する価値ある研究だと思っていますから、獲得を目指して頑張っています。

 A 二〇〇一年九月十一日の米同時多発テロ事件以降、世界では「テロとの戦い」が叫ばれるようになりました。冷戦下の戦争までは軍隊が互いに睨みあって武力衝突…というイメージでした。ところが、テロとなると、全くそうではありません。劇場やターミナル駅、雑踏など、いつどこで何が起こるか、わからない。そうした恐怖があります。バイオテロ、毒性の高い化学物質を使って無辜の市民が巻き込まれ、一瞬で大量の命が奪われてしまう。

 私は、そうしたニュースを見るたびに、研究者として毒物を検知できるシステムを構築すれば、被害を抑制できないか、などと考えていました。ちょうど、防衛装備庁が「安全保障技術研究推進制度」の募集を始めるので、それで共同研究者を決めて研究資金を確保すべく、書類を整えました。ところが、書類も揃った段になって、大学当局者に呼び出されてしまったのです。

 B 何と言われたのですか。

 A それが「出すな」とも「ダメだ」とも決して言わないんですよ。「出すのか」「とにかく考え直してほしい」「見合わせてほしい」と。びっくりしました。どうやら私の研究を、学術会議が提唱する「軍事研究の禁止」に認定したというより、「軍事研究だ」と受け止められて批判されたくない、といった方がいい。あからさまにダメと言わないのもそのためで、そんなことが表沙汰になれば「学問の自由」を侵害する問題だとは認識している。そこで「お願い」によって私の判断という形にして申請を取り下げさせようとしたのだと思います。

https://www.sankei.com/life/news/210306/lif2103060001-n2.html

 B 理不尽ですね。先生の研究はセンサーの測定対象の物質が実にたくさんある。今回は、それがたまたま毒物だったというだけの話でしょう。毒物ですから、軍事転用の可能性はあるでしょうが、農薬だって立派な毒物ですし、そもそもこの研究は測定に関する技術よりも、分析機器開発に主眼があるんでしょう。とてもおかしな話です。

 A 研究者として何のために研究しているか、といえば、もちろん面白いから、という理由もあります。ですが、何よりも世の中に役に立ちたい。特に工学は応用の学問ですし、実用化が研究者にとって努力が報われた瞬間で、研究者冥利に尽きるものです。それにこの研究はテロを未然に防ぐ、あるいは被害を最小限にすることを目指したものなのに、それが「軍事研究」だから許されない、なんてあり得ない。これがダメなら、輸入農産物に実施される残留農薬の検出なども、ゴルフ場の農薬散布がどんな影響を環境に及ぼすか、といった検査だって原理としてはダメです。「軍事研究」という言葉が実に曖昧で、研究の現実を何も踏まえずに妄想のようなイメージで「軍事=悪=許されない」と決めつけていると思ってます。このように研究は潰される。
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 B 最終的にどうなったのですか。

 A 私にも意地があります。はじめは頑張りました。ですが、結局は諦めざるを得ませんでした。私自身が疲れてしまったこともありますが、私の研究を評価してくれていた大学幹部にまで懇願され、「残念だが仕方ない」と呑まざるを得なかったのです。共同研究者には大きな迷惑をかけてしまって、この研究はそれで終わってしまいました。残念ですが、今もおかしなことだと思っています。先生はどんなひどい目にあったのですか。

 B 私の場合も「安全保障技術研究推進制度」に応募して研究をしようと思いました。ですが、私の場合は、大学に「同制度への応募は認めない」という取り決めがすでにあったのです。
(後略)

マリサ
記事によると、とある学者が近年のテロ問題などに関係して、毒物を検知するセンサーの研究をしようと防衛省の「安全保障技術研究推進制度」に応募して共同研究で資金を得ようとしたら、大学側から「見合わせろ」と圧力を受けたうえに、要求を拒否したらこの人物と関係の深い大学幹部にまで手を回されて、「断念せざるを得なくなった」そうだぜ。
どうやら、大学側が日本学術会議に目を付けられたくなくて、学問の自由の侵害と認識しながらあれこれと手をまわして防衛省が関わる研究を断念させているみたいなんだぜ。



レイム
これもかなりひどいわね。
というかこれ、「軍事研究禁止」というより、「学者を自衛隊に関わらせないようにしている」の方が近くない?
さっきも言ったけど、今のご時世科学の研究を軍事と民事で分けるのなんて不可能だし、この件だって要するに「テロ対策」なのだから、内容的には平和目的のはずなのに。


マリサ
そうなんだぜ。
どうもな、色々調べて行くと日本学術会議は先人の決めたことをただ「教条主義的」に実行しているだけっぽいんだぜ。
「何が憂慮すべき軍事研究か」ということを一切考えず、ただ「自衛隊が関わったら何があっても禁止」という方針で、他の学者の研究を妨害しているみたいなんだぜ。


レイム
え?何それ、ドン引きなんだけど。


マリサ
だから問題なわけだ。
何をどうすると問題かではなくて、ただ漠然と「自衛隊が関わる研究禁止」としていて、そのうえでそれに従わないとあらゆる方面から圧力が飛んできて日本学術会議の声明に従わざるを得なくなるんだぜ。


レイム
そして日本学術会議は「自分達は直接手を下したわけではない」「各大学が勝手に判断しただけだ」とやるわけね。
なんというか、そうとう「アレ」な組織ね。


マリサ
だろ?

今回のまとめ

・政府が日本学術会議メンバーの推薦者6人を任命しなかったところ、「学問の自由の侵害」という反発が起きた
日本学術会議は「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という方針を教条主義的に信望し、他者の学問の自由を侵害している



レイム
でもちょっとまって、今回の件って本題は次なのよね?
これでも十分問題なのだけど。


マリサ
甘いぜレイム。
日本学術会議の問題ってな「さらにその先」があったんだぜ。


レイム
は?


マリサ
はっきり言うが「これだけ」だったら動画にしていないぜ。
なにせ日本学術会議は直接手を下しておらず、各大学に「忖度させているだけ」だからな、この件だけだといくらでも居直れるんだぜ。


レイム
ああ、なるほど。
実際問題日本学術会議ガイドラインすらない声明が原因で自由な研究が阻害されているけど、「そう判断しているのは各大学側」という『事になっている』わけだしね。


マリサ
そういうことだぜ。
でもな、次回やる内容は言い逃れができない真っ黒な事例で、今回の件とも深く関わっているから、そっちが本題なんだぜ。


レイム
なるほどね。


マリサ
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
ところで聞いてくださいよ。


マリサ
いきなりなんだ?


大口
最近マンボウって話題でしょ。


レイム
ああ、コロナ関係でね。


大口
そっちじゃなくて魚のマンボウの件なんだけど、実はマンボウってマンボウじゃないんですよ。


マリサ
お前は何を言っているんだ?


大口
マンボウって、実はフグ目に含まれていて、あれは外洋性のフグの仲間なんですよ。


レイム
それって単にマンボウフグ目ってだけだから、別に「マンボウマンボウではない」なんて意味不明なことにはならないんじゃない?


大口
それが違うんですよ。
実はアカマンボウ目という種がいまして、フグ目以外にちゃんとマンボウと付く「目(もく)」があるんですよ。


大口
でね、このアカマンボウ目にはリュウグウノツカイも含まれているので、リュウグウノツカイマンボウの仲間だけど、マンボウマンボウの仲間ではなくフグの仲間なんですよ。


レイム
つまり、マンボウはアカマンボウの仲間ではないけどマンボウで、リュウグウノツカイはアカマンボウの仲間だけどマンボウの仲間ではないのね。


マリサ
おいやめろ、マンボウゲシュタルト崩壊するんだぜ。


大口
そう、みんなの知っているマンボウマンボウだけどマンボウじゃなかったんだよ。


レイム
なるほどね。


マリサ
わけがわからなくなるからそろそろやめるんだぜ。
とりあえずそんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



お知らせ。
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YouTube
https://youtu.be/AGXT5WvGqP4

関連動画

youtube
https://youtu.be/O4OmKpMLf8I


youtube
https://youtu.be/9PdnGgOw3HY


youtube
https://youtu.be/ynPnSqHSxBA


youtube
https://youtu.be/cnqjhhdxZBM


YouTube
https://youtu.be/UnCTeSO6_Y8


以下は動画のテキスト版です。

注意
・この動画は「日韓の価値観の違い」を扱っています

・うp主のスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからとこちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たら
どう思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


レイム
さて、今回は日韓問題なので私が解説していくわね。


マリサ
なあレイム、タイトルからもう嫌な予感しかしないんだが、またなのか?
「あれ」が来てしまったのか?


レイム
そう「また」「あれ」なのよ。


マリサ
なあ、動画説明欄にある過去動画でもやったように、一応終息したんじゃないのか?


レイム
終息なんてしていないわよ。
今回詳しくやるけど、あれはあくまで「政治対立の結果」でしかないし。


マリサ
うわぁ…。


レイム
それと、今回韓国における特殊な「政治対立」も関係してくるから、同じく動画説明欄にある「韓国の右と左」も参照して欲しいわ。


マリサ
たしか、韓国の右と左って国粋系民族派親北民族派の対立なんだっけ?


レイム
まあ実態はもう少し複雑でどちらでもない「民族派」もいるけど、大きく分けるとそうなるわ。


マリサ
で、今回はそれが関わってくるのか?


レイム
「また」起源主張が出てきた原因もそこが関係しているしね。
そんなわけで本編へいくわ。


韓国起源説おさらい


マリサ
なんかいきなりヘビーなのが来たんだぜ。
これだけで動画1本分になるんだぜ。


レイム
それは過去にいくつも動画にしているから、今回はざっとやるだけよ。


マリサ
それでもラードたっぷり濃厚ラーメンとかになりそうだけどな。


レイム
マリサは大げさに言い過ぎなのよ。
それで、まずソメイヨシノ韓国起源説なのだけど、発端は韓国初代大統領の李承晩政権まで遡るそうなのだけど、そこはまあ省略するとして、明確に「国策事業」として世界各国で宣伝しだしたのは廬武鉉政権(2003年から2008年)なのね。

韓国文化庁
http://web.archive.org/web/20121103041302/http://www.cha.go.kr/unisearch/Uniresult_Db_View.jsp?VdkVgwKey=16,01730000,36

ソメイヨシノバラ科に属する木として花は4月頃に葉より先に淡い白または淡い紅色を帯びる。 地形が高いところで育つ山桜と、それよりも低いところに育つ桜の間に生まれた雑種との説もあるが、済州島全羅南道大屯のみ自生する韓国特産種である。

ソメイヨシノは、かつての日本の国花として切り倒される受難をされたりしたが、日本にはソメイヨシノの自生地がなく、純粋な韓国の特産種として日本には韓国のソメイヨシノが導入されて行って育っていると推定している。

大屯ソメイヨシノ自生地は大興寺裏手麓に位置しており、2本の木が育っている。 年齢は知ることができません。大きな木の高さは15m、周囲は0.8mであり、小さな木の高さは7m、周囲は0.3mである。 済州島を除く陸地では、唯一のソメイヨシノ自生地で、現在は鉄柵を作成し、保護している。

ソメイヨシノ韓国が起源で、その数は非常に少ない希少種なので、生物学的価値が高く、植物地理?


レイム
この韓国文化庁にかつて存在したページのように、「ソメイヨシノの自生地は韓国済州島であり、日本のソメイヨシノは韓国から移入されたもの」としていて、韓国済主島の王桜とソメイヨシノの混同をしていたわ。


マリサ
でも実際には違うんだよな。


レイム
そうね、元々日本ではソメイヨシノと王桜は別物であるとしていて、戦前に植物学者の小泉源一が「同じ種」としたこともあったけど、すぐに否定されているわ。
更に2007年には米農務省でも「遺伝子調査の結果別種である」という結論が出されているわ。


Characterization of Wild Prunus Yedoensis Analyzed by Inter-Simple Sequence Repeat and Chloroplast DNA
https://www.ars.usda.gov/research/publications/publication/?seqNo115=205306


マリサ
でも韓国はそういった意見を無視して「ソメイヨシノ」と「王桜」を混同し続け起源を主張し続けたんだよな。


レイム
そう、更には韓国の公共放送であるKBSが

「花の戦争…桜の花原産地は‘韓国’」 
KBS(韓国語) 2014.04.03
https://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=2838738

<アンカーコメント> ちょうど今、桜の花で、全国各地壮観を織り成しているでしょう?
この桜の花は、ほとんど王桜で我が国をはじめ、日本で最も多く見られる種類です。
ところが、日本がこの桜の花の原産地も歪曲しているといいます。
(中略)
<質問>それでは、桜の花の原産地はどこですか?
<回答>去る1908年に、済州島を訪問したフランス人神父タケが漢拏山中腹から王桜の自生地を発見します。

文献を見てみましょうか?
朝鮮総督府でも我が国全域を直接現地調査し、桜の花の原産地が済州島だと明らかになりましたが、日本の船乗りたちが桜を済州島から持ってきて神に献上したという文献もあります。

特に原産地を判断するのに最も重要なのが自生地であるかどうかで、済州島には、自生桜が確認されただけで200本を越えました。

立山林科学院キム・チャンス博士の話を聞いてみましょう
<インタビュー>キム・チャンス(国立山林科学院、暖帯亜熱帯山林研究所):"変異がずっと正規分布をする必要があります王桜の葉の形がこのようにできたとすると、これを基準として…"

科学的な研究結果も桜の花が韓国産であることを裏付けています。
山林庁が、日本と韓国の桜のDNAを分析した結果はもちろん、米国農務省が、最近の日本と韓国の桜試料82個を採取して塩基配列などを分析した結果でも、済州王桜と日本のソメイヨシノが遺伝的に同一であることが確認されました。


<質問>ところが、日本は桜の花の原産地が自国だと主張していないですか?
<回答>先に文献で桜の花の原産地が済州だと認めた日本が、光復以後、突然態度が
急変しました。日本の桜と済州島の王桜は完全に別の種というものです。

先に見た、韓国と米国の遺伝子研究結果にもかかわらず、日本は自生種であるエドヒガン
オオシマザクラの雑種交配で、済州王桜である「ソメイヨシノ」が生まれたと主張しています。

日本の専門家の話を聞いてみましょうか?
<インタビュー>カツキトシオ(博士/日本森林科学園):"桜の花は、元々、日本に自生していた私たちが見る桜の花はソメイヨシノを含む栽培品種というものです"

しかし、肝心の日本は自分たちの桜の花の自生地は、まだ探しているという立場です。
自生地をまだ知らないというものです。

<質問>日本はこの桜の花も外交的に利用していますね?
<回答>はい、ご覧の画面が大規模な桜祭りが開かれるアメリカワシントンDCポトマック川沿いです。去る1912年、日本の東京市長が桜3000本をプレゼントしたのがきっかけになりました。第二次世界大戦当時、日本が真珠湾を襲撃し、桜を切ろうという動きがあったが、李承晩元大統領が桜の原産地が韓国だという事実を知らせて維持された。

日本はこの桜の花が日本産だと主張しているが、この花さえも、済州王桜と同じ種であることが確認されました。このように、私たちが無関心な間、日本軍国主義の象徴でもある桜の花は、アメリカとヨーロッパに木が伝えられたり、各種キャラクター商品化を通じて日本を知らせる外交的手段で着実に活用されているのが実情です。

国境を越えて誤った認識が根付いている状況なので、今でも正すための努力が必ずされなければならないと考えられます。

レイム
記事にもあるように日本の森林総合研究所の研究員に「取材意図を教えず」取材をした挙句、発言内容を改竄してあたかも王桜とソメイヨシノが同じものと言っているかのように印象操作したり。


[世上万事]桜花遊び(花見)に盛りこめられた胸が痛む歴史
KoreaDaily/中央日報(韓国語) 2016/03/15
http://www.koreadaily.com/news/read.asp?art_id=4094231

毎年3月中旬になると、ワシントンDC桜祭りを楽しむために、米全域はもちろん、世界各地で百万人以上の観光客が集まってくる。ワシントン一年観光収入の30%を占める親孝行行事であるわけだ。桜祭りを探しているほとんどの観光客は、この桜が日本のものと信じている。日本政府が米国に寄贈したもの百年という時間が経つにつれ、繁栄したからである。しかし、この桜の起源が日本ではなく、韓国という事実を知っている、これらは多くない。韓国山林庁林業研究院がDCの桜の遺伝子を分析した結果、済州島漢拏山に自生するソメイヨシノに由来したという事実を明らかにした。また、韓国人も多く訪れるこの祭りは、私たちがよく知らない悲痛歴史込められているという点である。

DCに桜が初めて入ってきた時期は、1912年にさかのぼる。 1905年に結んだ日本の朝鮮支配を認めてくれた桂-タフト密約を結んだ時、背後で大きな影響力を行使したウィリアム・タフト大統領の妻ヘレン・タフトのためのプレゼントで日本政府が贈ったのが起源だ。

ヘレン・タフトが日本を訪問した際、満開の桜を見て感嘆すると、彼女がファーストレディになった1912年、日本側が感謝の意として3020本の桜の木を伝えたのが、今日に至っている。

彼らの言葉通り、韓国を侵略するため米国政府に「賄賂」として渡したのが、この桜だ。観光客にとっては華やかで美しい花で見て楽しむという見所であるが、韓国人にとっては国を失わせた民族の恨が潜む花でもある。

近い時期に、日本は朝鮮王朝を抹殺しようとする意図で1907年から昌慶宮内の建物を取り壊して王宮を苑に格下げし、動植物園にしてしまった。 そして、丘と庭には彼らの象徴である桜の木をいっぱい植えた。朝鮮王朝最後の王である純宗が民たちが気軽に来て鑑賞するよう宮を苑に下げたというが、実際には日帝の政策に屈服して始まった恥ずべき歴史の断面であることは明らかだ。


レイム
この記事にもあるように、「ワシントンの桜は王桜だ、日本が朝鮮を侵略するための賄賂として『日本の桜』としてアメリカにプレゼントしたのだ」と言い出して、全米桜祭りを乗っ取ろうとしたこともあるわ。


マリサ
つまり、韓国側は韓国内で起源主張していただけではなく、アメリカまでいって「ソメイヨシノ韓国起源説」を宣伝し、「日本を泥棒扱い」していたってことだな。


レイム
そういう事。
そして2016年、KBSに騙されて取材を受けて起源主張のダシに利用された日本の森林総合研究所が

染井吉野’など、サクラ種間雑種の親種の組み合わせによる正しい学名を確立
森林総合研究所 2017/1/18
http://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2017/20170118/documents/20170118press.pdf

(一部抜粋)
概 要 国立研究開発法人森林総合研究所(以下「森林総研」という)は、岡山理科大学と共同で、サクラの種間雑種について、形態や遺伝情報に基づく最新の知見を踏まえて分類体系を再検討し、正しい学名を整理しました。

栽培品種の‘染井吉野’は、エドヒガンとオオシマザクラの雑種に由来するひとつのクローンであることが明らかにされています。その学名は、エドヒガンとオオシマザクラの雑種であることを示すCerasus × yedoensisと栽培品種名の‘Somei-yoshino’とで、Cerasus × yedoensis ‘Somei-yoshino’と表記されます(以下では、CerasusをC. と略記します)。

しかし、親種の組み合わせが異なるサクラに対しても、形態が似ていることからC. yedoensisの学名が用いられることがあり、サクラの分類に誤解や混乱が見られました。 形態や分子遺伝情報に基づいた最新の成果を踏まえて分類学上有効な学名を検討した結果、C. × yedoensisの学名はエドヒガンとオオシマザクラの種間雑種に限って適用すべきことを明らかにしました。一方、エドヒガンとヤマザクラの種間雑種にはC. × sacra(モチヅキザクラ)、エドヒガンとカスミザクラの種間雑種にはC. × kashioensis(カシオザクラ)の学名が適用されることを明らかにしました。

済州島産のエイシュウザクラは、C. yedoensisの変種として扱われることがあり、‘染井吉野’の起源説も唱えられていますが、C. × yedoensisとは親種の組み合わせが異なるエドヒガンとオオヤマザクラの種間雑種C. × nudifloraとして区別され、‘染井吉野’とは系統が異なることがわかりました。 本研究成果は、2016年12月22日にTaxon誌でオンライン公開されました。


レイム
みてのように「ソメイヨシノと王桜は別種である」という正式な学術論文を発表し、更に元々韓国では「ソメイヨシノと王桜は同じものだ」として王桜にソメイヨシノの学名をつけていたのだけど、この論文で王桜(日本名「エイシュウザクラ」)に別の学名を付けたわ。


マリサ
これで韓国側は起源主張をやめたんだっけ?


レイム
違うわ。
そもそも韓国側は今でもこの論文を無視しているわよ。
そのうえで韓国側が起源主張をしなくなったのは、韓国におけるいわゆる便宜上の保守(国粋系民族派)が、追放されてハワイで客死した李承晩の復権にこのソメイヨシノ韓国起源説を利用していたのだけど、便宜上の左派(親北民族派)の文在寅氏が2017年に大統領に就任したことで都合が悪くなり、こんなことを言い出したのよ。

済州か日本か…ソメイヨシノ起源めぐる110年論争に終止符
中央日報/中央日報日本語版2018.09.13 16:20
https://japanese.joins.com/JArticle/245129

日本のソメイヨシノの起源は済州(チェジュ)にあるという主張が提起されてきたが、ゲノム分析を通じて日本のソメイヨシノと済州の「ワンボンナム(王桜)」は異なる種であることが確認された。これを受け、110年間続いてきた論争はやや呆気なく終止符を打つことになった。

山林庁国立樹木園は明知大・嘉泉大学チームと共同で済州に自生する王桜のゲノムを完全に解読し、その研究結果を含む論文を世界的ジャーナル『ゲノムバイオロジー』9月号に掲載したと13日、明らかにした。

済州の王桜のゲノムは全8本の染色体上にある2300万個のDNA塩基対で形成されていて、全4万1294個の遺伝子を持つことが分かった。

特に今回のゲノム分析の結果、済州の王桜は済州に自生するシダレザクラを母系、ヤマザクラを父系として誕生した第1世代(F1)自然雑種と確認された。

また、日本東京と米国ワシントンなどで育つ日本のソメイヨシノのゲノムと比較分析した結果、済州の王桜と日本のソメイヨシノは明確に異なる別の植物であることが分かった。日本のソメイヨシノはシダレダクラを母系、オオシマザクラを父系とし、数百年前に人為的な交配を通じて作られた雑種という。済州の王桜と日本のソメイヨシノはともに雑種だが、別の種だ。

研究チームは済州で自然雑種の王桜が誕生したのは、他家受粉を通じてのみ繁殖する桜の種が済州という島の孤立した環境でそれぞれ異なる種の間でも受粉を許容したことで繁殖が可能になったと推定した。

今回の研究をした明知大のムン・ジョンファン教授は「済州の王桜は雑種になって母系と父系にはない優秀な形質が表れる『雑種強勢』を見せる事例」とし「挿し木や接ぎ木で繁殖すれば形質が維持されるが、種子で繁殖すれば遺伝形質が分離して優秀な形質をなくすこともある」と説明した。

ムン教授は「今回の自生の王桜のゲノム解読を通じてソメイヨシノをめぐる原産地と起源に関する論争を終わらせる解答を得たということ」とし「今回の研究結果は国内の自生王桜のうち優秀な木を選抜して保存するのにも寄与するだろう」と述べた。

国立樹木園のチャン・ゲソン氏は「野生樹木のゲノムを完全に解読したのは世界的でも初めて。国内植物ゲノム解読と情報分析能力が世界最高水準であることを見せている」と評価した。

王桜の起源をめぐる論争は1908年に遡る。韓国で布教活動をしていたフランス人エミル・タケ神父が済州で自生の王桜を発見したのだ。続いて1932年に京都大学の小泉源一博士も済州でソメイヨシノの自生地を発見したという記録を残した。このため済州の自生の王桜が日本に渡ったという主張があった。

一方、日本の学者は日本国内にもソメイヨシノの自生地が過去にあったが消えただけだと反論した。しかし古い記録だけが残り、実際の王桜の自生地は確認されていなかったが、1962年についに済州で王桜の自生地が発見された。

その後、日本のソメイヨシノの起源は済州の王桜という主張が強まったが、今回の研究結果で論争自体が無意味になった。

北東アジア生物多様性研究所のヒョン・ジンオ所長は「韓国国内に庭園樹や街路樹として普及した王桜の大半は済州の王桜でなく日本のソメイヨシノである可能性がある」とし「日本のソメイヨシノを済州の王桜に変えていかなければいけない」と指摘した。

チャン氏は「DNAバーコードで遺伝子を確認すれば日本のソメイヨシノか済州の王桜かの確認が可能」とし「済州の王桜の繁殖も難しくはない」と話した。


レイム
日本も同じようにソメイヨシノと王桜を同じものとしており、「原産地は日本だ」として韓国と争っていたが、韓国の研究所と大学のチームがゲノム解析を行い、世界で初めて「別種である」という研究結果を発表した」とね。


マリサ
つまり、日本側は散々「ソメイヨシノと王桜は別種だ」と主張してきたのに、韓国側はそれを無視し続けたが、政治的に都合が悪くなったら「日本も王桜の起源を主張していたが韓国が別種であると発見した」と事実関係の改竄をして日本に責任転嫁をしたって事だな。


レイム
そういう事。
これが去年までの流れね。


2021年版


マリサ
「去年まで」ってことは今年はまた何かあったのか?


レイム
ありまくったのよ。
まずはこちらの記事を見て

春なら愛される'桜の花'...果たして'日本軍国主義'象徴だけなのか?
内外ニュース通信(韓国語) 2021.04.05
http://www.nbnnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=485685

今年は3月末から桜の開花が始まったが、コロナによって関連祭りは取り消しになった。一部の桜の名所には最初から春客の出入りを止めた所もある。しかし、車の中からだけでも楽しみたい人々によって全国の桜の名所道路は渋滞する。

春に少しの間咲いて雪の花のように風に飛び散って消える桜の花について調べてみよう。

我が国で春の花のうち最も愛される花だ。その次に愛される花はケナリ(レンギョウ)だ。全国あちこちの街路樹にもたくさん見られる。桜はヒマラヤと済州島(チェジュド)が原産地として知られている。

桜はバラ科の桜で春に咲く白、淡いピンクの花である。全国各地街路樹にも多く見られる。桜はヒマラヤと済州島が原産地と知られている。よ桜花、犬桜とも呼ばれ、大韓民国、日本、ネパール、台湾、イランのなどに生息している。

また、「八万大蔵経」60%以上が山桜で作られ、中宗9年には、桜の皮をスライスして文字を作ったという記録がある。また、桜で作られた車は腎炎・糖尿病・水虫・湿疹・咳に効果的だと言われている。桜は八重の花が最も良く、二日酔いや食中毒の解毒剤として使用されたとする。

桜の皮では弓を作ったとする。世宗実録」五礼儀」の内容の中に「赤い塗りをしたホールは、東宮とし黒塗りしたのはノグンという。あるいは花被(桜皮)を塗る」とした。

李「乱中日記」の中甲午年(1594)2月5日付のにも「花被89章を受けた」という内容がある。その昔丙子胡乱を経験して、王になった孝宗は恥辱を返済計画で、ソウル江北区牛耳洞にしだれ桜を植えて、その木を宮宰(弓材)として皮は弓に巻き、手が痛くないようにしようとしたと伝えられている。

全羅南道求礼華厳寺に行くと樹齢3百年前の今年の桜(天然記念物第38号)が存在している。この木は、孝宗の意味を見習ってビョクアムプレゼント(碧岩禪師)が植えた中で唯一の生存木とする。西洋では、桜の花は、春には、純度の処女の象徴として、キリスト教の伝説では、チェリーがマリアのソンモクになることもある。

しかし、一部に桜の花が日本軍国主義の象徴に使われ、韓国人の桜に対する愛情に否定的な意見があるのは事実だ。その中には日本が我が民族に犯した蛮行と歴史的痛みが込められている。しかし、一年のうち数日、お花見を楽しむだけなのに、政治的に過敏だと見る意見が多い。

日本もやはり桜に対する愛情は特別だ。日本の国花は桜ではないが、日本は長い間、軍国主義帝国主義の象徴としてきた。サムライ精神の象徴にも使われてきた。靖国神社なども桜で飾られている。

伊藤博文は昌慶宮を昌慶苑に変え桜を植えたという。桜を李承晩元大統領は嫌い、朴正煕元大統領は好きだった。朴元大統領は濃く、ソウル江辺北路に「桜を植えウラ」と指示したという。政治的、歴史的に反発があることができるところであるが、いずれにせよ、今は観光資源になった。

光復との距離の桜はベアジョトオトダ。鎮海の場合、10万本の達した通りの桜がすべてベアなった鎮海の郷土学者ファンジョンドク氏は証言している。桜は三国時代、そのずっと前から韓国に根を下ろして住んでいた。

韓国の様々な植物学者は過去、日本人が済州島にある王桜を日本に持っていったのが日本桜の始めだと主張した。韓日学界の攻防は激しく、米国農林部も関心を持って桜の原産地を研究しているという。

去る1999年、国立山林科学院では日本桜を持ってきて遺伝子検査を進めた。塩基配列分析の過程で日本の桜が済州王桜の一種である可能性が高いという結果が出た。日本桜と済州王桜のDNAが一致した。農林部所属の博士が日本と韓国、米国にある桜の試料82個を採取して遺伝子を分析した結果でも日本桜が韓国、済州王桜の変異種の一つであることが明らかになった。

韓国の通りの美しい桜は日本人がほとんど植えたのは事実だ。歴史的痛みが連結された花でもある。

しかしコロナで全世界が苦しい今、美しい桜の花は多くの人に慰安を与えている。

ハン・ユジョン記者

レイム
韓国のメディアが「過去、日本人が済州島にある王桜を日本に持っていったのが日本桜の始めだ」とか、「塩基配列分析の過程で日本の桜が済州王桜の一種である可能性が高いという結果が出た」とか言い出して、また起源主張をしだしたのよ。
ただし、「最近また増えた」というだけで、起源主張自体は韓国内で細々と続いていたけどね。


マリサ
おい、日本に責任転嫁して「終わらせた」んじゃなかったのかよ。


レイム
その理由はまた後でやるとして、他にも韓国三大紙の一つの中央日報


米首都ワシントンに満開の桜、済州島漢拏山ソメイヨシノ
中央日報(韓国語) 2021.03.29
https://news.joins.com/article/24022640

-桜は日本の国花だが世界で最も有名な桜祭りはアメリカのワシントンで開かれる

米国の首都ワシントンを横切るポトマック川周辺では、この時季になると、4000本以上の桜の木が一斉に花を咲かせる。川岸はうすい桜色の天地に変わり、恍惚の境地を演出する。桜は1912年、日本から友情の贈り物として届いた3000本以上の木々がその始まりだ。日本は自国の国花を米国の首都に大量に送り、ワシントンでは100年以上過ごし桜祭りが開かれている。祭りには毎年100万人を超える観光客が訪れる。今年は「コロナ19」の流行で訪れる人が大幅に減ったが、桜はいつもと変わらずに白いつぼみを咲かせた。

ところが、ワシントンのこの桜が済州・漢拏山で採集されたという主張がある。
東洋美術史学者ジョン・カーターコベル(1910~1996)博士は、生前に発表した文で、「日本の東京市長が1910年、荒川周辺の桜の木をワシントンにプレゼントしたが、害虫ですべて絶えた。日本は新品種の桜の木を再びプレゼントしたが、この時の桜は済州島で採集したもので、米国の風土で強く生き残ると考えた」と明らかにした。

実際に1910年1月6日、シアトルの港に到着した日本産桜の苗木は、検疫過程で病害虫に侵されたのが確認され、ウィリアム・タフト大統領の命令で全て焼却された。 ところが、わずか14ヵ月後の1912年2月14日、3020本の苗木が再びシアトルに到着し、ワシントンへ運送した。 短期間で数千本の桜の木を再び集めることができたかという問題、米国政府が日本産桜の安全性に敏感に反応した事実を考えれば、コベル博士の見解に耳を傾けるようになる。
後に、米農務省で実施した桜の遺伝子検査でも、済州の王桜の花とワシントンの王桜の花が同一の塩基配列を持っているという事実が確認されている。

日本は1930年代まではこのような事実を認めていたが、解放以降、ワシントンと済州の桜の木が違う種子だと立場を変えた。1945年までは韓半島が彼らの占領地だったが、解放後には立場を一度再整理する必要があっただろう。 同様に、私たちも「ワシントンの桜は本来は私たちの地で生まれたものだ」と声を高めているのは確かだ。奪われた土地から、私たちの意思とは関係なく立ち去った花だった。

チェ・ジョンドン記者

レイム
この記事にもあるように、「王桜とソメイヨシノは別種だが、ワシントンの桜は王桜だ」と言い出して、その理由として「日本は1930年代まではこのような事実を認めていたが、解放以降、ワシントンと済州の桜の木が違う種子だと立場を変えた」とか、「米農務省で実施した桜の遺伝子検査でも、済州の王桜の花とワシントンの王桜の花が同一の塩基配列を持っているという事実が確認されている」とか言い出しているわ。


レイム
他にも、元々日本が送った桜は病害虫の感染で焼却処分されており、代わりに送られたのが「王桜」で、その理由として「わずか14ヵ月で数千本の苗木を新規に用意できるわけがない」という事を根拠にしているわ。


マリサ
色々ちょっとまて。
「日本は1930年代まではこのような事実を認めていたが」って明らかにさっきの小泉源一博士の主張の改変だし、米農務省は「ソメイヨシノと王桜は別種だ」という結論を出しただけで、「ポトマック川沿いの桜は王桜」なんて主張していないよな?
しかも「日本から送られた苗木」の経緯は、過去動画の「ソメイヨシノの○○起源説(特別編)」でもやったように、詳しく記録が残っているし。


レイム
要するに、今度は過去の「ソメイヨシノ韓国起源説」の主張の中から使えそうな内容を再利用して、「ワシントンの桜の韓国起源説」を主張しだしたのよ。


マリサ
起源主張そのものを完全にあきらめたわけじゃなかったって事か…。


レイム
そして次の記事、翻訳が色々とややこしいことになっているのだけど、かつて韓国はいろいろなところにクレームを入れて、韓国語の王桜をソメイヨシノと翻訳させて起源主張の既成事実化を図っていて、それが今でも訂正されていないので、その点を考慮して読んでほしいのね。

済州に咲き誇る花 原産地は日本でなく「済州土種」
朝鮮日報(韓国語) 2021.04.06
https://www.chosun.com/special/special_section/2021/04/06/5WS674IE5RAIJJM3OKEICDDPYM/

済州の桜の花が絶頂になっている。韓国で一番最初に桜の便りを知らせる済州で満開になったこの桜は、国産だろうか、日本産だろうか。日本にも王桜(ワシントンDCの桜の木の群落が日本品種)がある。桜の中で花が大きく、王という文字が付く王桜は、桜の花であれば日本が原産であるという認識があるから、日本から渡って来たという推定が出てくる。

結論から言えば、済州王桜と日本王桜は、異なる種だ。そういう誤解を受けた発端は、1908年にフランス人宣教師であるエミール・タケ神父が漢拏山の標高600m付近で自生王桜を発見したためだった。タケ神父からの標本を受けてドイツの植物学者ケーネ博士は、広く知られている桜の品種であるソメイヨシノと同じという評を出した。これによって、私たちの王桜が日本に渡ったという推定と日本の王桜が韓半島に伝来したという説が対立した。

結局、国立山林科学院が出てDNA分析を2001年に試みた。漢拏山の自生王桜と、韓国内に植栽された王桜、日本の王桜を対象にDNA分析をしたところ、多くの自生王桜は、植栽王桜および日本王桜とは異なるDNAを持っている一方、一部の個体は、日本王桜および植栽王桜と同じだった。山林科学院は、これを基に済州王桜が日本に渡って行き、韓国内の植栽された王桜は日本からまた持ち込まれてきたと分析した。

以後、2014年成均館生命科学キム・スンチョル教授の研究チームが、再びDNA分析によって、王桜が済州島自生のオルボッナムとボッナム、サンボッナムの複合体の交雑によって生じた種だと述べた。最終的には2018年、山林庁国立樹木園が明知大学、嘉泉大学の研究陣と共に、全体のゲノムを完全解読することによって、済州島の自生王桜は、済州島自生のオルボッナムとボッナムあるいはサンボッナムによって生成された第1世代の自然雑種で、日本王桜とは別種だという事実を明らかにした。

桜は花だけが良いのではない。花に香りはあまりないが木は使い道が多かった。高麗時代にモンゴル軍を仏経をもって防ごうと八万大蔵経を作ったが、その版の60%が山桜で作られた。電子顕微鏡を用いた調査結果だ。桜の種類は、横方向に皮が裂けて平たく取り剥がせる上、表面も滑らかなおかげだ。その桜の皮を「花被」と呼んだ。やはり弓を作成するために大事な材料だった。

現在、全国で古い桜の木といえば、2017年に発見された済州市奉蓋洞(ボンゲドン)のケオルム王桜(樹齢268年)と求礼(クレ)の華厳寺(ファオムサ)境内のオルボッナム(※エドヒガン、[樹齢3百年以上と推定])がある。

レイム
こちらの朝鮮日報の記事では、「ワシントンの桜は日本のソメイヨシノ」と認めたうえで、「日本も済州島の王桜の起源を主張していた」という前提で、「韓国の研究機関が別種と突き止めた」と、いまだに責任転嫁をしているわ。


マリサ
なんというか、意地でも「日本も起源主張をしていた」というどっちもどっち論に持っていったうえで、「違いを見つけたのは韓国」という事にしたいのな。


レイム
動画説明欄に関連リンクを貼っておくけど、過去動画の「韓国人は記憶の改変をしているわけではない?」で説明したように、彼らは「常に正しさを選択している」はずだから、問題が起きるならそれは「他人のせいでなければならない」からよ。


レイム
それよりも、以前から説明しているようにソメイヨシノ韓国起源説にはそれぞれが矛盾する無数の「亜種」があるわけだけど、そこに今年「王桜とソメイヨシノは別種だが、ワシントンの桜は王桜だ」という主張が加わった事の方が興味深いわね。


復活の原因


マリサ
それで、なんで今更起源主張が復活したんだ?


レイム
それなのだけど、恐らく主な理由は三つあるわ。
一つはさっきのワシントンの桜の事例を原因としていて、最初の方で「ワシントンの桜は日本がアメリカに日韓併合の賄賂として贈ったものだ」という主張が原因で、そこに最近の米韓関係の冷却化が加わったことが発端よ。


マリサ
どういうことだ?


レイム
もちろん、韓国側でも文政権が中国や北朝鮮の顔色を伺い続けたり、合同軍事演習を拒否したりして、不信感を持たれているという認識はあるのだけど、それを差し引いでも「道徳的に劣った戦犯国」の日本が韓国を差し置いてアメリカと良好な関係であることが彼らには納得できないのよ。


マリサ
それ韓国には関係なくね?


レイム
私達の価値観ではね。
でも彼らからしてみれば、「道徳的に劣った戦犯国」が好意的に扱われている事が不可解であり理不尽に受け取られていて、だから「日本の印象を悪くする」ためにワシントンの桜に執着しているようなのよ。


レイム
実際、最近の韓国では「日本が対中や対北にかこつけて軍備を増強して軍国主義化している」とか、さらには文政権寄りのハンギョレ新聞では「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)という方針は、日本のロビーの結果だ」なんて論調があるしね。


マリサ
いや、CIVDは日本関係なくね?
それに対中軍備力増強もむしろあれアメリカからの要求だろ。


レイム
そして次の理由はこれ

ソウル桜の名所「花見券抽選」に批判の声も…「30万ウォンで転売される」
中央日報/中央日報日本語版2021.03.23 16:06
https://japanese.joins.com/JArticle/276865

新型コロナ感染拡大防止レベルで全国的に春の祭りが中止になる中、ソウルでは「花見券抽選」で論争が起きている。ソウルの代表的な春祭り「汝矣島(ヨイド)桜祭り」では、抽選で約3500人の花見客を選ぶという公示が登場したからだ。

◆3500人が抽選で花見…1回あたり99人まで

ソウル市永登浦区(ヨンドンポク)は22日、桜の開花期間の4月1日から12日間、国会議事堂後方の汝矣西路1.7キロ区間を全面統制すると明らかにした。統制区間では抽選で選ばれた約3500人だけが観覧可能だ。ここで花見をするためにはオンラインのボムコッ(春の花)祭りホームページで事前に申し込まなければならない。

花見の期間は4月5日から11日までの7日間に限られる。午前11時から午後9時30分まで1時間30分間隔で一日7回ずつ行われる。1回あたり行事関係者を含めて99人まで入場可能だ。永登浦区の関係者は「区が自主的に人員計画を立ててソウル市に提出し、審議を経て支援を受けることになった」とし「社会的距離『第2段階』基準に基づき防疫守則を守る条件で行われる」と説明した。1人あたり最大3人の同伴者と花見を楽しむことができる。

◆「抽選とは…公正性が疑問」

花見「抽選」に対する市民の反応はさまざまだ。会社員のチョンさん(28)は「新規感染者はまだ連日300-400人台だが、閉鎖するのなら閉鎖すべきであり、どうして抽選の話が出てくるのか」と話した。一方、市民Aさんは「桜祭りに来るなと行ってもどうせ集まるはず。防疫守則さえ徹底して守れば閉鎖するよりも良い」と永登浦区の決定を歓迎した。カンさん(30)は「抽選で選ばれなかった人たちが剥奪感を感じるだけ」とし「行事に関連する公務員が知人を選ぶ可能性もあり、公正ではないはず」と語った。

成均館大社会学科のク・ジョンウ教授は「K防疫に対する疲労感の増加、LH(韓国土地住宅公社)投機問題など一連の事態が総合的に重なり、政府に対する不信感が反映されているようだ。合理的な制度さえも信頼できず問題を提起する状況が生じている」と診断した。これに対し永登浦区の関係者は「誰かに特恵を与えることはない。無作為にランダム方式の抽選を行う予定」と説明した。

◆「花見券30万ウォンで転売されるおそれ」…「本人確認する」

一方、オンラインでは、抽選で花見の機会を得た人が花見券を高く転売するだろうという見方も出ている。数人のネットユーザーは「『花見券を30万ウォン(約3万円)で売ります』などのコメントが個人売買サイトに登場するはず」と懸念を表した。

仁荷大消費者学科のイ・ウンヒ教授は「3500人に制限された人員が希少性という価値を付与し、当たった人が高値で売る構造が形成される可能性がある」と話した。続いて「過去には販売ルートが多くなかったが、個人取引サイトの利用者が増えて供給者と需要者の交流が円滑になり、転売などの取引が活性化した」と説明した。

永登浦区の関係者は「現場では本人確認手続きがある」とし「QRコードが複製されないよう内部でシステムを構築する予定であり、名義や身分証を盗用しない限り取引で得たチケットで入場するのは難しいだろう」と憂慮を一蹴した。

◆春祭り中止も市民集まる

毎年3、4月に開催される春祭りはほとんど中止になった。全国最大の春祭り「鎮海(チンへ)軍港祭」「慶州(キョンジュ)桜祭り」も最近、中止が伝えられた。しかし市民は祭り場所に集まっている。「光陽(クァンヤン)梅祭り」も今年の行事が中止になったが、13、14日の週末に約9万1500人が訪れた。

梨大木洞病院呼吸器内科のチョン・ウンミ教授は「花見は野外でするため室内と比べて感染リスクは低いが、マスクを着用して1-2メートルほどの距離維持が守られなければいけない」と述べた。また「何かを食べる場合はマスクを下ろすことになるのでできるだけ控えなければならず、20、30代の間では無症状の伝播が多い点を考慮し、症状がなくても注意する必要がある」と強調した。


レイム
韓国の公園が花見客の入場制限をして入場券を抽選で配ると告知した結果、その抽選で不正が行われるという疑惑が提起された記事なのだけど、実際問題韓国ではそれくらい花見が生活に密着した文化になっているけど、元々韓国に桜の花見文化ってないのよ。


マリサ
つまり「日本から伝わった」ってことか。


レイム
そういう事。
でも近年韓国では民族主義の先鋭化がかなり進んでいる影響で「日本の痕跡を生活から無くそう」という社会運動が盛んで、桜の花見も度々この論争に巻き込まれるのね。
なのでこの矛盾を解消するために、徐々に「桜は元々韓国から日本に伝わったのだ」という論調が復活しつつあるのよ。


マリサ
日本関係ないじゃないか、迷惑すぎる話だぜ。


レイム
そして最後はこれを見てほしいわ。

科学誌「韓国研究機関トップ、政権が変われば強制辞任」
朝鮮日報 2018/12/14
https://web.archive.org/web/20181216080808/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/12/14/2018121480021.html

ネイチャーがKAIST総長辞任を伝える記事をホームページに掲載
「韓国における科学者の粛正」

 世界的な科学雑誌として知られる英国の『ネイチャー』が今月13日、ホームページに「韓国科学技術院(KAIST)の申成澈(シン・ソンチョル)総長が横領・背任の容疑で検察に告発されたことに韓国の科学者たちが反発している」との記事を掲載した。韓国科学技術情報通信部(省に相当)によると、申氏は大邱慶北科学技術院(DGIST)総長在任中に米ローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)と共同研究を行ったが、その際無償で使える米国の機器に使用料を支払ったという。このことを理由に科学技術情報通信部はKAISTの理事会に申氏の職務停止を要請した。

 これについてネイチャーはLBNLが科学技術情報通信部に書簡を送ったことを伝えた。書簡の中でLBNLは「DGISTとの契約は国際共同研究の慣例に従って正当な形で締結され、二重契約はない」「DGISTは機器を運用する費用の13%を支払った。それによってDGISTは50%の使用時間を確保した」などと説明したという。

 ネイチャーは「申氏の辞任を巡るドタバタに政治的な背景があると指摘する声が根強い」との見方も示した。ネイチャーは「韓国の科学者たちは今回の問題について『文在寅ムン・ジェイン)政権が科学研究機関で行っている政治的粛正の一部』とみている」「韓国では政権が変われば研究機関のトップは強制的に辞任させられるのが一般的」などと指摘した。

 ネイチャーはさらに「申氏の職務停止要請拒否を求める声明に、この日午前までに810人以上の科学者が署名した」とも伝えた。

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者


レイム
韓国の国立大学である韓国科学技術院(KAIST)の総長が「・背任の容疑で検察に告発された」件に関する記事なのだけど、イギリスの学術誌ネイチャーがこの件を取り上げ「韓国の科学者たちが反発している」と記事にした件ね。


レイム
そして「申氏の辞任を巡るドタバタに政治的な背景があると指摘する声が根強い」「韓国の科学者たちは今回の問題について『文在寅ムン・ジェイン)政権が科学研究機関で行っている政治的粛正の一部』とみている」「韓国では政権が変われば研究機関のトップは強制的に辞任させられるのが一般的」と告発しているわ。


マリサ
これはこれで確かにとんでもないが、それと起源主張にどんな関係があるんだ?



レイム
これね、何も学術機関だけの事でも文在寅政権だけの事でもなく、韓国では政権が変わると前政権の関係者が「粛清される」という事例が一般化しているのね。


レイム
そのうえで、韓国起源説って大抵が特定の利権を作るために何らかの団体が主導して行っていた事例が多くて、ソメイヨシノ韓国起源説李明博政権(2008年から2013年)と朴槿恵政権(2013年から2017年)で政権に取り入った人たちが主導していたのよ。


マリサ
あ、そうか。
それで親北民族主義文在寅政権になって、関係者が粛清されてしまったので、政府支援がなくなって大きなPR活動ができなくなってしまったと。


レイム
そういう事。
そして最近になって文在寅政権の支持率が急落し影響力を失ったことで、政権交代で割を食った人々が活発にPR活動をし始めるようになり、その中でソメイヨシノ韓国起源説も動きが活発になってきたという事よ。


マリサ
なるほどな。
この3つの影響がかさなってまたソメイヨシノ韓国起源説が復活する可能性が出てきたってことか。


レイム
そういう事。
まだあくまで「可能性」でしかないけどね。

今回のまとめ

ソメイヨシノ韓国起源説はかつて衰退した
・衰退したソメイヨシノ韓国起源説が形を変えて復活しつつある
・復活しつつある原因には3つの要素が関係している


マリサ
つまりあれか、今後保守政権(国粋系民族主義)が誕生すると、こういう流れならまた世界中で韓国起源説が猛威を振るう事もあり得るな。


レイム
それがまだわからないのよ。
朴槿恵政権まで韓国起源説にかなり深く関わっていた朝鮮日報が意外と及び腰で「どっちもどっち論」以外ではあまり騒いでいないし、今回紹介した中央日報の事例のように、過去の主張を改変して形を変えて続いていく事もあり得るしね。


マリサ
いずれにせよ日本にとっては迷惑極まりないことに変わりはないけどな。
まあでも、親北系が主導権を握れば、反日はひどくなるけど起源主張に関しては大人しいって事だよな。


レイム
それもまだまだ分からないわよ。
そもそも天皇百済人説とかのオカルトを、高野新笠の歴史的背景を無視して騒いでいるのは彼らだし、既存の学術的な歴史を「日帝史観だ」と否定し、古代朝鮮が日本を支配していた等のトンデモ伽耶史とかを主張しているのも彼らだし、何より文大統領事態がそういうのにご執心みたいだしね。


マリサ
つまり、また違った形で厄介な問題を引き起こすかもしれないって事か。


レイム
そういう事。
特に現在韓国で次期大統領支持率トップの李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事(親北系)は、文大統領以上のポピュリストで民族主義者だから、彼が大統領になると起源主張も含め更に無茶苦茶な事をやってくることもあり得るのよ。


マリサ
なるほどな。


レイム
そんなわけで今回の本編はここで終わるわ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
今回は長くなりすぎたのでおまけはないよ


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



お知らせ。
引用について
・個人の利用であれば「引用」の範囲での転載は自由にしてもらってかまいません、報告も必要ありません。
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【ゆっくり解説】マスコミへの不信は積み重ね


さて、本日は東日本大震災やフジデモ以外の2011年のマスコミ不信について扱っていきます。

本日の投稿動画


YouTube
https://youtu.be/KknQURXbOuE


関連動画

YouTube
https://youtu.be/9Qc1cJj_XkM


YouTube
https://youtu.be/s5jvkOjy0Mk


YouTube
https://youtu.be/h67VV6MscRc


以下は動画のテキスト版です。

注意
・この動画は「マスコミ問題」を扱っています

・「マスコミ問題」ですので、イデオロギーや属性等は一切関係ありません

・「特定の国との特別な関係」は問題の枝葉です、主問題は業界の体質です

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たらど
う思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


マリサ
さて、今回はマスコミ問題なので私が解説していくぜ。


レイム
ところで、今回の「マスコミ不信は積み重ね」ってどういう事?


マリサ
これな、以前から言ってることではあるが、一連のマスコミ不信って単に「イデオロギー的な要素が本質ではない」し「大きな出来事が切っ掛け」というわけでもないって説明したよな。


レイム
そうね、むしろ大きく話題になった事よりも、あまり注目されなかったけど、問題視された事例が無数に積み重なって不信が広がっていったのよね。


マリサ
そうだぜ。
そして今回は、東日本大震災での問題やフジテレビデモに隠れてあまり目立たなかった2011年のそういう「小さな積み重ね」の事例を紹介していくぜ。


レイム
そういえば、このシリーズのマスコミ問題って、時事よりも「マスコミ不信の歴史」が本題だったわね。


マリサ
そういう事だぜ。


その他事例1


レイム
それで、「事例1」ってどういう事。


マリサ
これな、色々と雑多過ぎて項目分けできないからかなり大雑把に分けるための苦肉の策だぜ。


レイム
なるほど。
で、最初はどんな事例?


マリサ
まずはこちらだな

日航パイロットを逮捕 蒲田で盗撮容疑
スポニチ 2011年8月31日
https://web.archive.org/web/20120114012951/http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/08/30/kiji/K20110830001521350.html

 警視庁蒲田署は30日までに、東京都迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで日本航空パイロットの男(44)を現行犯逮捕した。男は容疑を認めており、既に釈放された。

 逮捕容疑は28日午後7時45分ごろ、東京都大田区東急池上線蒲田駅のホームで、女性会社員(25)のスカートの中を携帯オーディオプレーヤーのカメラ機能を使って撮影した疑い。

 蒲田署によると、男は「テレビで盗撮の特集を見て、これなら俺でもできると思った」と供述している。当時、酒に酔っていたという。

マリサ
2011年8月のことなんだが、日本航空パイロットが東急池上線蒲田駅のホームで盗撮をして逮捕されたんだが、その動機が「テレビで盗撮の特集を見て、これなら俺でもできると思った」と供述したという事例だぜ。
これで何か気付かないか?


レイム
というと?


マリサ
最近もそうだが、アニメとかゲームが、「犯罪を助長する」とか「似た手口があった」とか指摘されて規制されたり放送中止になったりすることがあるが、本来これも「同じ事例」のはずだよな。


レイム
ああ、そういえば。
というかこういう特集を組むって大抵ワイドショーとかニュース番組とかだけど、そういう番組が「事件を助長した」といって規制を受けたこと殆どないわよね。


マリサ
そうなんだぜ。
やり玉にあがるのは常にアニメとかゲームで、「模倣犯」が現れてもなぜかニュースやワイドショーは規制されたり放送中止や延期になったりすることはないわけだ。


レイム
たしかに、よく考えたらこれかなり理不尽よね。


マリサ
そしてもっと重大な事例があってな、それがこれだぜ。

NHK援助交際ノウハウ提供? 番組で隠語や誘い文句、手口まで紹介
J-CAST 2011年09月07日
https://www.j-cast.com/2011/09/07106597.html?p=all

NHKが2011年9月7日に放送した朝の情報番組「あさイチ」の内容がネット上で物議を醸している。援助交際の実態を掘り下げる内容だったが、家出少女が利用する「援助交際サイト」を実名で映し、そこで使われる隠語を丁寧に説明、援交を持ちかける男性の手口を紹介したりした。このため、「まるで援交ノウハウ提供番組」などと評判が立った。

また、風俗嬢の意見を番組で取り上げ、作家の室井佑月さんが援交している少女達に対して怒り、「(売春の)プロになったらいい」などと発言したことなども話題になっている。
「JK ホ別 苺@三也」の意味がわかりますか?

話題になっているのはNHKあさイチ」の特集「少女漂流~母は知らない娘の秘密~」。援助交際や、それに陥った家出少女達の実態を掘り下げた内容だった。この番組は表現をオブラートに包まないことがウリのため、「セックス」という言葉が冒頭から何度も繰り返された。援交経験者という16歳から20歳までの女性がVTRで何人も登場し、

「セックスすることで私のことを必要としてくれる人がいる」
「プチ援交で、髪の毛とか、つばとかを買う人がいたから売った」

などという証言が冒頭に出て、ネットではまず「朝に放送する内容ではないだろう」 といった批判が出た。

番組では温床はケータイのサイトだと説明し、援交のカキコミで検挙された7割は中高生で、18歳未満の検挙率は06年に比べ10年は57倍になったと解説。家出から援交に発展するケースも多くとしたうえで、家出少女が使っている代表的なサイトを、モザイクを掛けずにそのまま映した。

ここでは「隠語」が使われているとしてその説明も行われ、

「JK ホ別 苺@三也」の意味は、「私は女子高生です。ホテル代別で1万5千円 池袋で」。「瓜」「佐保」「円/¥」は全て「援助交際」の意味。「TU」は「トリプル諭吉で3万円」。「WU」は「ダブル諭吉で2万円」のことだと解説した。

少女達に援交を持ちかける男性の手口や、サイトでの援交の誘い文句も紹介。家出少女達が集まり男性と交渉する「出会い喫茶」のような店の様子も放送したことから、ネットでは、援交をしたい男女にとって至れり尽くせりの番組だとし、「まるで援交ノウハウ提供番組では」などと皮肉る人も出た。
「これを見ると、プロと一緒じゃね?」

これに加え話題になったのはコメンテーターとして出演した室井佑月さんの発言だ。

――援交する少女達は自身や社会に甘えているのではないか。自分は孤独と言っているが、自分の居場所は自分で見つけるべきだ。そして、20歳で援交する女性については仕事で稼いでもいい年齢、などとした。

ただ、金欲しさだけで援交する少女や、ネットの掲示板のカキコミ内容を知るにつれ、怒りが込み上げてきたようで、

「これを見ると、プロと一緒じゃね?もうちょっと待って、プロになればいいのに!」

などと言い放った。司会を務めるジャニーズのアイドルグループ「V6」井ノ原快彦さんも、

「仕事になるわけですからね」

などといった。

また、番組では視聴者からの意見も多数紹介したが、その中に風俗店勤務の女性のものがあり、NHKが風俗嬢の意見を取り上げたと驚きが起こる一方、「風俗嬢の量産番組か?」と揶揄された。

マリサ
2011年9月の事例なんだが、NHKが朝の番組で家で少女特集を組み、あろうことかそのなかで援助交際の手口とかノウハウを詳しく説明したうえに、番組コメンテーターが、「プロになったらいい」などと煽るという前代未聞の放送を行ったんだぜ。


レイム
え、ちょっと。
これ「持ちかける男性の手口」とか「サイトでの援交の誘い文句」とか「男性と交渉する出会い喫茶のような店の紹介」とかを、NHKが朝の情報番組で堂々と放送したの?
ドン引きなんだけど。


マリサ
この事例も規制もされないしクレームは無視されたぜ。
もしこんなことをアニメとかゲームでやったらどうなった事やら。


レイム
アニメとかゲームなら、それがどんなに「社会派」の内容でも規制を受けたでしょうね。
でも全国放送のニュースや「情報番組」なら早朝から何をやってもおとがめなしと。


マリサ
これ、一連の新型コロナ問題でも同じような状況だよな。
テレビは不確かな情報や明らかなデマを煽っても事実上お咎め無しだぜ。


韓流関連


レイム
次はどんな事例?


マリサ
見てのように韓流関連だぜ。


レイム
フジデモ関連以外の?


マリサ
ただまあ、一応一つはフジに関係しているけどな。
まずはフジテレビデモ真っ最中に行われたこのツイートを見てくれ。

tss3116
2011/08/21(日) 14:55
https://web.archive.org/web/20120119124958/http://hiwihhi.com/tss3116/status/105156016559239168

韓国ドラマやめろとか言うけど、平日の夕方ってあんたら見てんの?
日本のアニメはスペインで同時4局くらいジャックしてるし!
数字が落ちれば、イヤでも再編成されますけど…? http://t.co­/9JR5TOJ


マリサ
見てのように、フジデモを批判しているツイートなんだが、問題はこの人物の過去のツイートを見ると「フジテレビ社員」を名乗っていて、まずそこで炎上したんだぜ。


レイム
これだけだとフジデモ関連じゃないの?


マリサ
「ここまで」ならな。
問題はこの人物、アカウント名を「どこでも同じにしていた」事が発覚してな、ヤフーオークションの履歴がみつかったんだが、その出品履歴が問題でな

フジテレビ社員が「懸賞品」をヤフオク出品
YUCASEE 2011年08月23日
http://media.yucasee.jp/posts/index/8676
 フジテレビのスタッフが懸賞品をヤフーオークションに出品していたことが23日わかった。ユーザーに特定されてしまい、現在は削除されている。

 「7冠馬ディープインパクトQUOカード」「スペインGPパドックパス(サイン入り)」「巨人戦年間シート」「岡田准一着用ヘルメット」などスタッフでなければ入手できない非売品が多数出されていた。

 この「井●●●」と名のるスタッフは、ツイッター(現在は削除)上で、22日のフジテレビ抗議デモについて「韓国ドラマやめろとか言うけど、平日の夕方ってあんたら見てんの? 日本のアニメはスペインで同時4局くらいジャックしてるし! 数字が落ちれば、イヤでも再編成されますけど…?」などとつぶやき不評を買っていた。

 特に「あんたら」と呼んだことがネットユーザーの怒りに火を付け、「井●●●」さんの愛車ベンツのボンネットに映ったわずかな景色から自宅の部屋を特定されてしまうなどした。

 今回のオークションについても追跡されてしまったようだ。一部では「横領ではないか」とする声もあるのが、入手経路などはまだわからない。



参考リンク

【資料画像】フジテレビ社員、井上博昭さん 懸賞品を横領し、ヤフオクで転売か?
2011年09月06日
https://web.archive.org/web/20111009043335/http://matome.naver.jp/odai/2131401962670355501



マリサ
この記事にもあるように、2005年から2006年にフジテレビで放送されていた競馬難組「うまッチ!」の視聴者プレゼント企画品「非売品スタッフジャンパー」とか、ジャニーズタレント着用のヘルメットやサッカー日本代表選手の練習着やジャージ等、どう考えても「出品されてちゃいけない品物」の数々が出品されていて、大炎上したんだぜ。


レイム
ちょっとまって、これ要するにフジテレビ社員がその立場を利用して、懸賞品とか芸能人やスポーツ選手のグッズを手に入れて「転売していた」ってことよね?


マリサ
普通に考えればな。
でもなぜかこの件、メディアは一切取り上げず有耶無耶にされてしまったぜ。
しかもこの前年にな

エフエム佐賀 プレゼントの提供ビールなど発送せず
朝日新聞 2010年10月14日
https://web.archive.org/web/20101016155312/http://www.asahi.com/national/update/1014/SEB201010130062.html

 エフエム佐賀佐賀市)が情報番組で、キリンビールから無料で提供されたビールなどの新商品を聴取者(リスナー)に抽選でプレゼントすると告げていたのに、約1年にわたって実際にはプレゼントしていなかったことが分かった。エフエム佐賀もこの事実を認めた。番組では当選者には発送をもって知らせると説明していたため、発覚しなかったとみられる。

 同社は朝日新聞の取材に対し、「発送担当者をきちんと決めておらず、確認をしていなかった。担当者のミスで、これからはしっかり送るようにしたい」と説明した。

 商品を提供してきたキリンビール佐賀支社(福岡市)は「事実であれば信頼関係を裏切る行為で残念。事実関係を確認したい」と話している。

 エフエム佐賀や関係者によると、情報番組は現在は月~金曜の夕方に放送している。キリンビールは販売促進のため、月1~3回程度の割合でビールや発泡酒などの新商品を無料で提供。エフエム佐賀は番組内で、応募したリスナー数人にプレゼントすると告知していた。毎回、リスナーからは数十件の応募があったとみられる。

 ところが、複数の関係者によると、実際には少なくとも1年間にわたり、提供された商品をリスナーに発送していなかったという。未発送の新商品は同社の更衣室などに保管され、一部は社員の宴会などに使われていた可能性もあるという。

 同社営業部は、1年ほど前から新商品を発送していなかったことを認めた。営業部と放送部の間で発送業務の役割分担があいまいだったためと説明。「単純なミス。怠慢だった。キリンビールにはなんと言っていいか」と釈明している。井崎勝洋常務取締役は「担当者を処分したい」と話している。(吉村治彦)


マリサ
エフエム佐賀が視聴者プレゼントを横領していたとして問題化、関係者が処分をうけていたうえに、みてのように全国紙がちゃんと報道しているから、なおさらこのフジの件スルーは異様さが際立ったんだぜ。
ついでにな、普通ジャニーズ事務所は「所属タレント使用品の転売を容認していない」そうだぜ。


マリサ
ちなみにこの渦中のIという人物、自分で「湾岸のテレビ局勤務。 F1中継班を経てバレーボール中継班に今年異動。」とか個人情報を公開しまくっていたうえに、最終的にフジテレビの子会社社員と身元を特定されていたぜ。


レイム
これも相当ひどい話ね。
どんな不正をしても大手メディアならどこも報じないし問題にすらしないって事だし。


マリサ
そしてもうひとつの韓流関連がこれ

レンタルDVD一番人気は洋画、邦画抜いて韓流らアジア作品
NEWSポストセブン 2011.10.09
https://www.news-postseven.com/archives/20111009_33107.html?DETAIL

2003年に大ヒットした“冬ソナ”以来、第2次韓流ブームが吹き荒れている。そのブームの入り口となっているのが“韓流ドラマ”だ。「でも、たくさんあって何を見たらいいか分からない…」。そんな人は、みんながレンタルしている人気作品からスタートしてみてはいかが?

TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの落合麻葉さんはこう語る。

「今年5~7月、もっともレンタルされたのは韓流を含むアジアジャンル。洋画、邦画を抜いて、レンタル数トップという過去にない伸びを見せています。中で も、2010年の夏にブレイクした『美男<イケメン>ですね』は、全国で450万回以上レンタルされた怪物的ヒット作です」

何を見ていいのか分からない方向けの参考。以下は、韓国ドラマのレンタルDVDベスト20。(2011年上半期(1~7月)『TSUTAYA』調べ)

1位 美男<イケメン>ですね
2位 トキメキ☆成均館スキャンダル<完全版>
3位 イタズラなKiss~Playful Kiss
4位 パスタ~恋が出来るまで~
5位 美男<イケメン>ですね<デラックス版>
6位 チュノ~推奴~
7位 お嬢さまをお願い!
8位 メリは外泊中
9位 天使の誘惑
10位 華麗なる遺産
11位 イ・サン
12位 鉄の王キム・スロ<ノーカット完全版>
13位 クリスマスに雪は降るの?
14位 コーヒープリンス1号店
15位 幻の王女チャミョンゴ
16位 恋愛マニュアル~まだ結婚したい女<完全版>
17位 シンデレラのお姉さん
18位 僕の彼女は九尾狐<クミホ>
19位 善徳女王
20位 個人の趣向

※女性セブン2011年10月20日


マリサ
2011年10月、ニュースポストセブンのページに女性セブンの記事が転載されたんだが、そのなかで蔦屋のレンタルランキングを紹介していて「今年5~7月、もっともレンタルされたのは韓流を含むアジアジャンル。洋画、邦画を抜いて、レンタル数トップという過去にない伸びを見せています」と書かれていたんだぜ。


レイム
これなんかもうオチが予想付くんだけど?


マリサ
まあ大体わかるよな。
実際の2011年5月から7月のレンタルランキングを見てみると

TSUTAYAランキング DVD レンタル
集計期間:2011年5月
https://web.archive.org/web/20110912034913/http://www.tsutaya.co.jp/rank/dvd_rental.html?r=M065&f=20110501

1.ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 出演者:ダニエル・ラドクリフ
2.SP 野望篇 出演者:岡田准一
3.RED/レッド 出演者:ブルース・ウィリスモーガン・フリーマン
4.アンストッパブル 出演者:デンゼル・ワシントン
5.THE LAST MESSAGE 海猿 出演者:伊藤英明
6.十三人の刺客 出演者:役所広司
7.告白 出演者:松たか子木村佳乃
8.ナイト&デイ 出演者:トム・クルーズ
9.大奥<男女逆転> 出演者:二宮和也柴咲コウ(RUI)
10.踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!


DVD レンタル ランキング-全ジャンル
集計期間:2011年6月
https://web.archive.org/web/20110913191249/http://www.tsutaya.co.jp/rank/dvd_rental.html?r=M065&f=20110601

1.トロン:レガシー 出演者:ギャレット
2.借りぐらしのアリエッティ 監督:米林宏昌
3.RED/レッド 出演者:ブルース・ウィリスモーガン・フリーマン
4.グリーン・ホーネット 出演者:セス・ローゲン
5.キック・アス 出演者:アーロン・ジョンソン
6.十三人の刺客 出演者:役所広司
7.ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 出演者:ダニエル・ラドクリフ
8.ソーシャル・ネットワーク 出演者:ジェシー・アイゼンバーグ
9.告白 出演者:松たか子木村佳乃
10.THE LAST MESSAGE 海猿 出演者:伊藤英明


DVD レンタル ランキング-全ジャンル
集計期間:2011年7月
https://web.archive.org/web/20111019173243/http://www.tsutaya.co.jp/rank/dvd_rental.html?r=M065&f=20110701

1.借りぐらしのアリエッティ 監督:米林宏昌
2.ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 監督:デヴィッド・イェーツ
3.ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島 監督:マイケル・アプテッド
4.SPACE BATTLESHIP ヤマト 監督:山崎貴
5.塔の上のラプンツェル 監督:ネイサン・グレノ
6.GANTZ 監督:佐藤信
7.RED/レッド 出演者:ブルース・ウィリス
8.THE LAST MESSAGE 海猿 監督:羽住英一郎
9.告白 出演者:松たか子
10.トロン:レガシー 監督:ジョセフ・コジンスキー


マリサ
1位から10位までに韓流ドラマも映画も一切なし、かろうじて13位に在日韓国人監督の韓流と無関係な映画がランクインしていただけという、非常にわかりやすいデマだったんだぜ。
ついでにどこで上位独占だったのかも判明していて、「韓流・アジア枠」で独占状態だっただけなんだぜ。


レイム
呆れた。
「洋画、邦画を抜いて、レンタル数トップという過去にない伸びを見せています」とかまるっきり嘘じゃない。
そんなことをしているから「韓流ごと嫌われた」のにね。


マリサ
韓国関連って大抵こんな状態でな。
ある程度バンドワゴン効果で人気が出たのは確かなんだが、その人気を膨らませるこういう粉飾が日常なんだぜ。


その他事例2


マリサ
そして次はこの事例だぜ。

「上を向く 力をくれた 記事がある」 新聞週間標語に32歳会社員
産経新聞 2011.9.7
https://web.archive.org/web/20110908202306/http://sankei.jp.msn.com/life/news/110907/trd11090719130014-n1.htm

 日本新聞協会は7日、今年の新聞週間(10月15日~21日)の代表標語に、和歌山市の会社員、田中克則さん(32)の「上を向く 力をくれた 記事がある」を選んだと発表した。応募総数は1万2222編。

 田中さんは「東日本大震災の報道ではネットの書き込みに比べ新聞の情報は信頼できた。震災復興の記事から生きる力をもらった」と話した。

 佳作には「あの日 新聞は 祈りだった」「悲しみを 希望につなぐ 今日の記事」など10編が選ばれた。協会によると、応募作は震災関連の内容が多かったという。


マリサ
2011年9月の事なんだが、日本新聞協会が「新聞週間の代表標語」に、和歌山県の32歳の会社員の標語「上を向く 力をくれた 記事がある」を選び、この会社員は「東日本大震災の報道ではネットの書き込みに比べ新聞の情報は信頼できた。震災復興の記事から生きる力をもらった」と感想を述べたと書かれているぜ。


レイム
まあ、東日本大震災でもマスコミ報道は無茶苦茶だったし、おかしいといえばおかしいし、日本新聞協会は文部科学省所管の社団法人ではあるけど、これあくまで個人の感想だし、そこまで問題視する件じゃないのでは?


マリサ
問題はな、次にこれを見てくれ

社説 重い責任を果たしたい
中日新聞 2006/10/15
https://web.archive.org/web/20061031102656/http://www.chunichi.co.jp/00/sha/20061015/col_____sha_____000.shtml

新聞週間に考える

 北朝鮮による地下核実験の衝撃のなかで、きょう十五日から第五十九回の新聞週間。あらためて思うのは、試練に立つ新聞とその責任の重さについてです。

 ことしの新聞週間の代表標語に選ばれたのは、宮崎市の神田昭二さんの作品でした。

 「あの記事がわたしを変えた未来を決めた」

 昨年、肺がんを再発させ、福岡の九州大学病院まで高速バスで治療に通う神田さんは、地元宮崎の図書館で小さな新聞記事に出会いました。ふだんなら見過ごしてしまいそうな医療関係記事。「病気になっても、病人になるな」の助言が勇気を与えてくれました。
ネット社会に立ち向かう

 代表標語に込められたのは、神田さんの「もう一度元気になって、もうひと仕事」の願いです。日々の紙面にこんな出会いの縁があり、人生に役立っているとしたら、新聞づくりに携わる者としてこんなに嬉(うれ)しいことはありません。

 日本新聞協会が募集した標語には新聞週間標語のほか新聞配達に関する標語があり、それぞれに代表標語一編と佳作十編が選ばれています。

 新聞配達に関する代表標語は新潟県燕市の森山勉さんの「宅配がささえる読者の知る権利」。

 新聞の内容ではなく、個別配達制度こそネットの及ばぬ優れたシステム。新聞の総発行部数、普及率を世界に冠たるものにした、という識者もいます。

 このほか「ネットでは分からぬ真実ここにある」(和歌山市・田中克則さん)「見分けよう確かめようあふれる情報新聞で」(名古屋市・早川吉彦さん)「宅配に人のぬくもり世間の動き」(茨城県日立市・渡辺忠夫さん)「メールより配る心と読む支え」(徳島市・宮城一成さん)-。インターネット社会に立ち向かう新聞、その応援歌が最近の新聞標語の特徴のようです。
実名は人間存在の証し

 新聞週間に向けて開かれた本紙のご意見番たちの「新聞報道のあり方委員会」では、政治報道、戦争の検証、実名と匿名報道問題が大きなテーマでした。

 小泉政治のこの五年余はテレポリティクスの極致でした。毎日の「ぶら下がり」会見、テレビから流れてくるのは首相のメディア戦略の確かさと巧みさで“記者活動の不在”を印象付けかねないものでした。

 委員から「経験豊かな記者を(首相)番記者にする試みを」の声が出たのもそのためでしょう。

 しかしジャーナリストの木村太郎委員が、インタビューひとつがいかに至難かを打ち明けていました。米大統領インタビューの際には、一週間、トイレに入っても質問を考え、それでも本番では思い通りにいかず脂汗が流れたというのです。

 取材記者も見られ評価される時代。安倍晋三新首相に立ち向かうため、勉強と修練を積み重ねねばなりません。

 昨年四月の個人情報保護法の施行以来、警察が被害者の実名を伏せたり、行政が懲戒処分の公務員名を明かさなかったりなどが急増しています。もともと秘密主義や事なかれ主義体質の組織、予想されたことですが、人権やプライバシーに名を借りた情報隠しが多いのです。

 少年事件や性犯罪などを除いて、新聞がなぜ実名報道にこだわるのか。

 実体的真実の追求、国民の知る権利のために、記録と歴史への責任などさまざまな理由がありますが、考えさせられたのは、昨年十一月、下校途中に殺害されてしまった広島市の小学一年生、木下あいりちゃん(当時七歳)のケースでした。父親の建一さんが実名での報道を訴えたのです。

 「娘は『広島の小一女児』ではなく、世界に一人しかいないかけがえのない『木下あいり』なんです」。名前はたんなる符号ではなく、人間の実存と歴史の象徴。匿名では人間存在の否定になってしまうというのでしょう。実名報道にこそ人間の尊厳の思想が込められているように思えるのです。

 北朝鮮の核実験は北東アジアの安全保障環境に劇的変化をもたらしました。脅威の連鎖、日本、韓国、台湾が次々に核武装する「核ドミノ論」さえ唱えられています。

 より正確で信頼できる情報の収集と提供ができるかどうか、冷静な情勢分析と判断、有効な提言ができるかどうか、メディアもまた、試練の時、正念場です。

 冷静さを失った国民とメディアがどうなるか。第二次大戦では、新聞が世論暴走に手を貸し、日本破局への少なくない責任を負ったのです。
メディアもまた正念場

 中枢同時テロの米国では、権力監視と調査報道で輝きを放ってきたジャーナリズムが翼賛報道に変貌(へんぼう)しました。核や大量破壊兵器の確証もないまま、アフガニスタンからイラク攻撃まで一瀉千里(いっしゃせんり)でした。奈落に向かう渦巻きだったベトナム戦争の悪夢を思い起こさせます。

 責任は重い。忍耐強く考え抜く新聞でありたいと思っています。


マリサ
この人物な、2006年にも「ネットでは分からぬ真実ここにある」という標語で新聞協会にノミネートされているんだぜ。


レイム
スゴイグウゼンモアッタモノネー


マリサ
ソウダナー、グウゼンッテスゴイヨナー
サスガ12000ニンノナカカラエラバレルダケハアルゼ


レイム
もうね、色々と最悪過ぎるんだけど。
あの業界ほんとどうなってるの?


マリサ
しかもこの中日新聞の社説では、最後のほうで「より正確で信頼できる情報の収集と提供ができるかどうか、冷静な情勢分析と判断、有効な提言ができるかどうか、メディアもまた、試練の時、正念場です」とか書いているぜ。


レイム
「リスクのない特権」をもった人達がどうなるか、それがよくわかる事例ね。

今回のまとめ

・アニメやゲームなら「アウト」になるような事例でも情報番組やニュースならなぜかセーフ
・フジ子会社社員の不正疑惑は放置され、韓流ランキングは粉飾
日本新聞協会は「内輪」で称賛し合っている



マリサ
今回一部しか紹介できなかったが、マスコミって当時も今も実態はこんな状態なんだぜ。
そして批判を受けても何も変わらないのは、最近の新型コロナ報道関連でも全く同じだよな。


レイム
そうね、「会社のスタンス」がこれじゃ、どんなに「有用なニュース」を報じようと、一般人からは冷めた目で見られてしまうわよね。


マリサ
そうなんだぜ。
問題は「有用なニュースを報じている」かどうかじゃなくて、問題が起きたときにどんな態度を取るかなんだぜ。


マリサ
まあ、完璧な人間なんてないんだから、ミスや間違いが起きるのは仕方がないにしても、その後の態度がこれじゃ信用を得られなくて当然だぜ。


レイム
そしてテレビや新聞業界は、不信の原因を「右傾化だ」とか「高給に嫉妬している」とか「視聴者・読者の質の問題」等と転嫁し続けていると。
10年経ってもこれじゃ、信用は落ちていく一方よね。


マリサ
そういうことだぜ。
そんなわけで今回の本編はここで終わるぜ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
ところで、ニコニコの動画には「いいね」ボタンを押すとちょっとしたコメントを見ることができる機能があって、そこに生き物小ネタを毎回書いているのね。


Longest goldfish
ギネス世界記録
https://www.guinnessworldrecords.jp/world-records/longest-goldfish


マリサ
ああ、そういやこの前は「世界最大の金魚」の事を書いていたな。


大口
でもYouTube版にはそういう機能がないから、どうしようかと考えていたのだけど、今回から同じ小ネタをYouTube版のとある個所に仕込んでみる事にしました。


レイム
まあ、仕込むといってもある程度知識がないとわかり難いとかそういうものでもないから、もし暇だったらさがしてみてね。


マリサ
ニコニコの方も文字数制限厳しいから大した内容ではないけどな。


大口
だからあまり期待はしないでね。


マリサ
そんなわけで今回はここで終わるぜ。


レイム マリサ、大口
またらいしゅ~



お知らせ。
引用について
・個人の利用であれば「引用」の範囲での転載は自由にしてもらってかまいません、報告も必要ありません。
・企業・団体等の場合は必ず私の方へ事前連絡いただき、許可を取ってから行ってください。
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動画版マイリスト



番外編マイリスト




【ゆっくり解説】問題だらけのLINE


本日は一連のLINE個人情報流出問題についてです。

本日の投稿動画

YouTube
https://youtu.be/zQvNW4HQ94Q


関連動画

youtube
https://youtu.be/zBguv6HsPs8


以下は動画のテキスト版

注意
・この動画は「日韓の価値観の違い」を扱っています

・うp主のスタンスは「価値観に善悪や優劣は存在しない」というものです

・相手が不法を働いているからとこちらが不法をして良い理由にはなりません

・自身の常識が相手にとっても常識とは限りません、「他者がそれを見たら
どう思うか」という客観性を常に持ちましょう。

・日常生活で注意する程度には言動に注意を心がけてください

・リクエストは原則受け付けていません

・引用ソースへのリンクが同時掲載のブロマガにあります

・毎週土曜日更新


レイム マリサ
ゆっくりしていってね


レイム
さて、今回は日韓問題なので私がやっていくわね。


マリサ
なあレイム、LINE関連って事は今話題の情報流出の件だよな?
あれ確かに中国や韓国への個人情報流出問題に関係しているが、本質は国内問題じゃないのか?


レイム
「LINEという会社」に限定すればそうね。
でも今回の場合、元々LINEは韓国のNAVERという会社の実質的な子会社であり、更に韓国における個人情報の取り扱いの問題などの政治問題が関係しているから、これは日韓問題なのよ。


マリサ
なんだつまらん。
今回のLINE騒動は皆のアイドル朝日さんがスクープした内容なんだから、主役は朝日さんだと思ってたのにな。


レイム
あれスクープも何も、2014年の時点で複数のネットメディアが指摘していた問題に再度メスを入れただけよ。
まあ、「大きく注目させた」という意味の功績はあるけどね。


マリサ
ならやっぱ主役は朝日さんじゃないか。


レイム
ただし、今回動画で扱う内容を朝日新聞が今後扱えないのなら、スクープは「予定調和のプロレスでしかない」ということを覚えておいてほしいわ。


マリサ
朝日さんならきっと誰も思いつかないようなミラクルを起こしてくれると信じているぜ。



個人情報流出問題


マリサ
ところで、LINE問題と言っても、問題そのものがよくわからないという人も多いんじゃないか?


レイム
それなのだけど、基本的なことは過去動画の「LINEは安全?」で説明しているので、動画説明欄にリンクを貼っておくからそっちを見てほしいのね。


マリサ
ああ、あのLINEの開発者が韓国の諜報機関である国家情報院と関係が深いとか、文在寅政権や国家情報院院長と北朝鮮の怪しい繋がりとかの話か。


レイム
で、今回の騒動なのだけど発端はこの朝日新聞の報道から始まったのね

日本のLINE利用者の画像・動画全データ、韓国で保管
朝日新聞 2021年3月17日
https://www.asahi.com/articles/ASP3K64ZCP3KUHBI01W.html

 国内の月間利用者が8600万人に上る無料通信アプリを運営する「LINE(ライン)」(本社・東京都)が、利用者間でメッセージをやりとりするサービス「トーク」に投稿されたすべての画像と動画を韓国内のサーバーに保管していることがわかった。同社は、現行のプライバシーポリシー(個人情報に関する指針)ではそのような状況が利用者に十分伝わっていないとして記述を見直す方針で、データも日本国内に移転するとしている。

 同社によると、日本国内の利用者が「トーク」でやりとりしたデータのうち、画像や動画のすべてをLINEを実質的に傘下に持つ韓国IT大手ネイバーのサーバーに保管している。そうした運用は、2012年ごろに「トーク」で画像や動画を扱うようになって以来続いているという。

 韓国のサーバーにはスマホ決済「LINE Pay(ペイ)」の取引情報も置かれていた。氏名や住所などは含まれていないとしている。

 このサーバーには、韓国にあるLINEの子会社「LINEプラス」の社員がアクセスする権限を持っていた。アクセス権を持つ社員の数や業務内容、アクセス履歴の有無は「調査中」としている。データは複数のサーバーに分散化する特殊な処理がなされており、アクセス権を持つ社員も具体的な画像内容は見られないという。

 こうした運用の経緯についてLINEの舛田淳・取締役最高戦略マーケティング責任者は、「サーバー構築や費用の面で(日本と比べ)韓国の方が有利だった」と説明した。

 膨大なデータを海外のサーバーで保管する企業は珍しくない。同社は指針で、国外に個人情報を提供するケースとして、「(インフラの構築・運用など)一部の業務を第三者に委託する場合があり、パーソナルデータの全部または一部を委託先に預託することがある」としている。

 この記述について、1日にLINEと経営統合したZホールディングス(HD)の中谷昇常務執行役員は取材に、「(利用者への)説明の仕方として、自分の画像や動画が日本の外にいくとは想像しがたいと思う」と述べ、不備があるとの見解を示した。その上で、指針を見直し、今年半ば以降にデータを国内移転する計画を進めていることを明らかにした。

 ZHDは、すでに明らかになった中国の委託先に日本のサーバーへのアクセス権を付与していた問題などを含め、政府の個人情報保護委員会に報告している。

 平井卓也デジタル改革相は17日の衆院内閣委員会で、「個人情報保護委員会で十分に調査をし、不適切と判断した場合には訂正していくことが必要だ」と述べた。菅義偉首相は17日、政府内でのLINE利用の見直しについて記者団に問われ、「見直しということではなくて、まず事実関係について確認している状況だ」と述べた。加藤勝信官房長官は会見で、「関係政府機関において事実関係を確認の上、適切に対応していくことになる」と述べた。(編集委員・峯村健司、篠健一郎)
LINEがコメント

 日本国内にある個人情報などのデータへの中国拠点からのアクセスなどが発覚したLINEは17日、コメントを発表した。日本の利用者の個人情報などにアクセスする必要がある業務は「国内移転を進めている」とした。親会社のZホールディングスが今後、有識者でつくる第三者委員会で問題を検証する。

 LINEはコメントで、「外部からの不正アクセスや情報漏洩(ろうえい)は発生していない」と説明した。「ご不安やご心配をおかけすることになり、誠に申し訳ございません」と謝罪し、「今後、各国の法制度の環境変化に合わせて、さらに先回りした対応や情報開示を実施する」と表明した。データの海外移転は「国名の列挙などを含め、よりユーザーに明確で分かりやすい説明を行う」としつつ、「グローバル企業として、海外拠点での開発は必要なもの」と強調した。


レイム
記事によると、ユーザーがLINEで使用した動画や画像、更にはLINE Payの取引情報や利用者の住所や氏名、加盟店の企業情報や銀行口座番号などもふくめ、韓国IT大手のNAVERのサーバーに保管されており、更に韓国の社員にアクセス権があったと報じられたのね。


レイム
更には、日本国内にある個人情報が中国拠点からすらアクセス可能であったと発覚、LINE側も一部事実関係を認め大騒ぎになったのね。
これがすごく重要なのね。


マリサ
でもさ、こうした情報がよそで管理されているのは、フェイスブックツイッター、ユーチューブとかでも同じだし、そこまで問題なのか?


レイム
それなんだけど、騒動になった一番の原因はね、この記事にもあるように

LINE個人情報 中国共産党入手の可能性 平井デジタル担当相「お答えできない」
産経新聞 2021.3.19
https://www.sankei.com/politics/news/210319/plt2103190018-n1.html

無料通信アプリ「LINE(ライン)」利用者の個人情報が中国の関連会社で閲覧可能な状態になっていた問題をめぐり、平井卓也デジタル改革担当相は19日の衆院内閣委員会で、中国政府や中国共産党がLINEでの会話内容などを入手している可能性について「予断を持って答えることはできないことだ」と述べた。立憲民主党後藤祐一氏の質問への答弁。

 後藤氏は、中国の「国家情報法」が、国家情報活動に対する国民や組織の協力を規定していることを挙げ、「(LINEの)トークなどのデータが中国政府や中国共産党に伝わっている可能性が全くないとは言い切れないのでないか」などと質問した。

 平井氏は国家情報法について「われわれとは全く違うデジタル社会の考え方から出てきている法律だ」と指摘し、「私個人としては大変脅威に思う」との認識を示した。

 一方、政府の個人情報保護委員会の福浦裕介事務局長は「LINE社からは、4人がデータにアクセスをした中国の事業者は、中国政府または中国共産党から情報提供を求められたことはなく、自ら提出をしたこともない、との説明を受けている」と答弁した。

レイム
LINEの個人情報が中国からアクセス可能であったことで、中国には「国家情報法」というものがあって、「国家情報活動に対する国民や組織の協力を規定している」というのが最大の問題なのよ。


マリサ
ああそうか、つまり「人権や国より上位に党が来る独裁国家」の中国の情報機関に個人情報が洩れまくっていた可能性が高いと。


レイム
そう、ただし後で扱うけど、これは実際問題危険性という意味では韓国も同じなんだけどね。
それはそれとして、さらに問題なのがこちらで

だから言わんこっちゃない、LINE情報漏洩の深すぎる闇
現代ビジネス 2021.03.24
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81476

7年前から指摘してきたのに

今回、朝日新聞・峯村健司さんらの報道で明らかになった、⽇本国内で最も利⽤されているSNS「LINE」の個⼈情報が、⽇本国外である韓国のサーバーに暗号化されていない無防備状態格納されており、しかも再委託先の中国企業などがアクセス可能な状態だったという事件は、第一級の情報漏洩事案である可能性があり、安全保障上、極めて重大な損失を日本の国家・社会に与えかねないものだと認識しています。

筆者は、LINEが設立に関与した一般財団法人情報法制研究所の事務局次長と上席研究員を兼任し、また、日本の個人情報保護の枠組みについて研究を行ってきました。

本件LINEの事件についても知り得る立場にあり、2014年ごろからこの問題について警鐘を鳴らしてきたつもりではありましたが、今回の一連の報道でようやく広く国民の知るところとなり問題視された件については、安堵と同時に忸怩たる気持ちを抱きながら、問題の詳細について本稿で解説して参りたいと存じます。

また、この問題が進む過程で、筆者自身が長年執筆をつづけてきていた「ヤフーニュース個人」の1000本以上の記事が、すべて削除されました(「私の記事が、ヤフーニュース個人からすべて削除された件について」note)。言うまでもなく、LINEを運営していた旧LINE社とヤフージャパン社は経営統合を今年3月1日に行っており、本件問題について従前より指摘をしてきました。また、この経営統合について望ましくないと論じてきた筆者が疎ましかったのかもしれません。

が、相応の根拠を持って問題を指摘してきた筆者に対する言論封殺とも言える事態が起きている件については、これが世界と戦うプラットフォーマーを目指すと標榜した会社のやることかと疑問に感じますので、冒頭にまず申し上げておきたいと思います。【本稿の執筆は3月22日午後、その時点で把握している情報を元に記事を執筆しています。】

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81476?page=2

何が問題であったか

2014年7月号の会員制月刊誌「FACTA」(14年5月発行;当時・阿部重夫編集長)で、LINEで書かれているトークの内容を含む個人情報が、韓国の情報部門「韓国国情院」を通じて、中国系ICTコングロマリット大手であるテンセント社(騰訊)に漏洩していたという記事「韓国国情院がLINE傍受」が発表されました。

その直後の14年7月、韓国経済紙の報道を追う形でロイターが「アリババとソフトバンクによるLINEへの出資交渉」が進んでいたことを報じています。当時より、LINEの事業の主体は韓国よりも日本、タイなどの他国でのSNS事業がメインであることは知られていましたので、アリババグループソフトバンク系がLINEを欲しがった理由は、まさにLINEが持つSNS機能そのものはもちろん、SNS経由で取得される⽇本⼈などの個人に関する情報であることは⾔うまでもありません。

一連の報道に前後して、LINEは情報漏洩が行われていたとするFACTA記事に対して、否定するプレスリリースを打っています。結果的に、これはまったくの嘘であり、隠蔽であったことが明らかになるのですが、実際には、LINEの暗号化レポートにもある通り、LINEは情報の漏洩そのものがあることは内々で認めて、漏洩が起きないような暗号化対策を粛々と打ってきたことが分かります(「LINE、改めて傍受を否定 『暗号化後データは独自形式、解読は不能』」 ITmedia NEWS)。

これを見る限り、コンテンツタイプ別に見て「〇」の表記が示され、あたかも暗号化が為され、問題ないかのように表示されているものの、実際には「通信経路上での暗号化あり」であって、韓国NAVERのサイトで保存されているユーザーの画像や映像、LINE Payの決済情報などのコンテンツについては暗号化されずに、権限のある人(韓国NAVER技術者など)が見ようと思えば見られる状態であったことは自明です。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81476?page=3

危険性の本質

LINEが当時、なぜ明らかに虚偽である「(日本人利用者などの)データ解読は不能」とリリースを打ったのかは謎ですが、ここの情報には画像・映像だけでなく、決済情報も入っており、そこには一部exifを含む位置情報や撮影日時に関する情報が格納され、またLINE PayやLINE証券などの決済データには個人の信用情報や決済の場所(お店)・金額なども含まれています。

これらの情報は、諜報上、極めて利用価値の⾼いものです。この韓国NAVER社のサーバーから韓国の情報機関である国情院や、その先の国家の情報部門などにデータがリレーされていたとしてもおかしくないものです。実際、韓国は法体系として、裁判所の令状に拠らず政府機関などが捜査や調査の名目で民間企業の持つデータにアクセスする権限を有しており、日本人の個人に関する情報が危険にさらされている危険性が極めて⾼い状態であることが改めて認識されたと判断されます。

つまり、これらの日本人の個人に関する情報は、単に個人に関する情報が他国の情報部門に素通りになっていたとして、そのことだけが問題なのではありません。

一連の個人に関する情報からソーシャルグラフと言われる「誰が、誰とつながって、どのくらいの頻度で音声や動画のコンテンツをやり取りしていたか(どのくらい親密な関係か)」を割り出すことができます。これは、例えば自衛官海上保安庁の職員、警察庁・警視庁の関係者のみならず、その家族のライフログを収拾することで、特定の隊員・職員が誰と親しく、どこに駐屯していて、いま家族と一緒なのかどうかも含めて分析を行うことができることを意味します。

仮にexifなど撮影場所などの位置情報が含まれていないとしても、その時間帯に家族とLINEで連絡を取り合っていることが分かれば、確実に「その自衛官や警察官、海上保安庁職員、政治家秘書などは、家族と一緒の場所にいないことを示します。ソーシャルグラフから、どこに勤めるどういう家族構成の人物かのプロファイリングが進めば、保存されている画像や音声、映像、トーク時間などから、その人物がほぼリアルタイムでどこにいるのか分析可能であろうことは間違いないのです。

ごく簡単に⾔えば、⻑年にわたり、少なくとも2014年以降、日本人の個⼈に関する情報が韓国NAVER社のサーバーに無防備な形で収納されており、ユーザーに不利益になる形で、例えば情報機関などに漏れていたとしてもおかしくない状態だったと⾔えます。

しかしながら、日本では警察庁なども問題に気づきながら「警察庁行動原則 2019年11月号112頁情報セキュリティの基本原則」においても「5 ソーシャルメディアを利用して警察情報は絶対に取り扱わない/LINEアカウントの乗っ取り等、ソーシャルメディアは情報流出の危険性が高いことから、警察情報は絶対に取り扱わない」との対応に留まったため、警察官本人の個人での利用(友人との連絡およびLINE Payなど私的な活動)や、家族間の連絡などでは広くLINEが使われ、結果として警備に関する情報が従前よりかなり漏れてしまっていたのではないかと危惧される事態となりました。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81476?page=4

越境データの問題

一方、LINEの問題に関して対外的に対処しているZホールディングス社は公式での釈明において、主に朝日新聞報道を念頭に「ユーザーの個人情報に関する一部報道について」というリリース文を掲載しています。

この内容は、一連の問題は「日本の法規法令に基づく当社のデータガバナンス基準に準拠して適切に取り扱ってい」るとして、あくまで適法なデータ処理の一環と扱ったうえで、ユーザーへの利用規約においてデータ管理の再委託等に関する表現に不備があったという説明に終始しています。

何より、冒頭に合った「『LINE』に対して外部からの不正アクセスや情報漏えいが発生したということはございません」という文言については、そもそも外部からの不正アクセスがあったり、情報漏洩があったことに対する問題というよりは、韓国企業が自由に日本人の重要な個人に関する情報にアクセス可能な状態で長い期間格納され続けたという、いわゆる「越境データ」問題がそこにあったわけです。

漏洩はもちろん最悪ですが、それ以前に、中国、韓国など第三国で閲覧可能な状態でデータが⾒られる状態に置いてあったこと⾃体が問題だったと⾔えます。

一方、では他のSNSやプラットフォーム事業者はどうなのかという問題が起き得ます。当然のことながら、GoogleAmazonMicrosoftなど欧米系プラットフォーム事業者においても、また、LINE以外のSNSでも運⽤上、ユーザーデータを暗号化せずに平⽂で置いておく仕組みで管理している企業は存在します。

これは、先日問題となったオンライン会議システム「Zoom」が一時期中国系情報機関の監視対象下にあったのではないかという懸念や、Bytedance社が提供する動画SNSTikTok」でも同様の情報漏洩が行われただけでなく、中国政府による情報監視が行われているのではないかという問題があったのは記憶に新しいところです。

後述しますが、日本の法規において、これらの越境データがどのような形で保存・格納され、適切にデータ処理が行われていたかどうかを知ることは困難が伴います。今回のLINEの問題は、一連の「データは誰のものか」を考えるうえで、日本人が日本人の手によってどこまで自分たちの情報を管理できるのか、法的にカバーされるのか、何かあったときに救済の余地はあるのか、という議論の入口にあるということです。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81476?page=5

当局の対応と問題解決への道筋

LINEは公称の利用者が世界で1億8600万人あまり、日本で8400万人あまりとされ、日本においては特に、もっとも国内で利用されているSNSということもあり、その利便性の高さ故に自治体や政府機関なども含めて多くの公共機関による利用が進み、また、機密情報を扱う企業や研究所、大学法人などの組織でも多く使われてきました。

特に昨今のコロナウイルスワクチンの接種に関しては、一部の自治体では住民の接種状況や予約においてLINEが広く使われ、ワクチン接種のロジスティクスについてLINEが果たしている役割は大きいと言えます。

しかしながら、これらのLINEでやり取りされるデータが、仮に日本国内で完結しない仕組みであるのだとすれば、すべての自治体や政府機関がオフィシャルでLINEを利用することは、ただちに日本人の情報が韓国にリアルタイムで漏れてしまうことに他なりません。

実のところ、現在に至るまで、Zホールディングス社からのリリースや政府機関・各政党への説明は行われているものの、肝心のLINE社は記者会見はおろかリリースも出ていないように見えます(3月22日現在)。

まずは、正⾯の問題は⽇本⼈の個⼈情報保護の状況について政府が知るところから始まるのは間違いなく、すでに報じられているように個⼈情報保護委員会がLINEに報告を求める形から始まり、不⾜分、分からない部分については早期に独立行政委員会である個⼈情報保護委員会による⽴⼊検査を相応の規模で実施する必要があります。

また、通信事業法違反の嫌疑では総務省が、LINE PayやLINE証券などでの情報漏洩の疑いについては金融庁が、自治体情報など各行政サービスにLINEが果たした役割と問題についてはきちんと経営陣の国会への喚問なども踏まえて、事実関係の確認を進めていくべきでしょう。(「個人情報保護委、LINEに報告求める 法的措置も視野」朝日新聞デジタル

ただし、前述の通り問題は越境データであり、韓国NAVER社で格納されていた⽇本⼈の個⼈に関する情報がどういう状態であったのか、が問題になります。これは、Zホールディングス社やLINEがいかに釈明をしようとも、また、⽇本の個⼈情報保護委員会当局が武装して韓国NAVER社に乗り込もうとも、実態を完全に把握することは不可能です。そうであるがゆえに「データに不正にアクセスされた痕跡があったかどうか」ではなく「そもそもデータが閲覧可能な平文の状態で海外で保存されていた」という時点でアウトであると言えます。

少なくとも7年以上前から、LINEの情報が韓国当局に把握されていた報道が事実だとするならば、いまさら乗り出していったところで状況の全容を掴むことは不可能と言えます。

同様に、情報が流出していた疑いの強いLINE Payなどの決済情報もまた、韓国NAVER社でどの程度流出してしまっていたか、可能性としてどれだけの情報が閲覧可能な状態で韓国に置かれ続けていたのか把握する必要があります。

さらに、LINE証券や、LINE Payとの統合が進められるとしていたPayPayほか、LINEとヤフージャパンの各サービスとの連携において、国民の信用情報、決済情報がどれだけ現地韓国のデータとリンクして、どこまで平文で格納されていたのかを調査しなければなりません。そして、これらの聴取について、実際に韓国側事業者や再委託を受けていた中国企業や中国人技術者が、素直にすべてのことを正直に話してくれる保証はどこにもないのです。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81476?page=6

全体像はうかがい知れない

いずれにせよ、利用者情報が適切に管理されていたのかという観点から見るならば、LINEが行ってきた金融関連事業はもちろん、そこに関連するヤフージャパンの金融関連事業もまた調査の対象としなければなりません。

例えば、国内QRコード決済最大手とみられるPayPayとの統合を視野に入れていたLINE Payの情報が、不適切な形で韓国で管理されていたのだとするならば、PayPayもまた、現状の情報管理がどうなっていたのか検証する必要があります。

PayPayはインド決済技術大手Paytm社のテクノロジーを使って運営されており、そのPaytm社はごく最近まで中国アリババ社の出資を受け同じテクノロジーを使って世界的決済大手アリペイ(Alipay)を運営しています。

その意味では、ヤフージャパンが手がけるPayPayはAlipayクローンであり、また、日本国内ではAlipayと提携しているPayPayがどのような形でデータを管理しているのか、当局は全体像を知る必要があります。

そして、これらの一連の問題は、LINEとヤフージャパンの経営統合を行うにあたり、相互で、どれだけの統合前調査(DD;デューデリジェンス)を行ってきたのかという話になります。

両者ともにインターネット上でのサービスを⾏う⼤企業同⼠の実質的な合併であり、最もリソースを投⼊すべきデータインフラのところで起きているのが今回の韓国NAVER社の問題であることを考えれば、ヤフージャパン側も「統合されるまで知りませんでした」ということはあり得ません。

ヤフージャパン側の経営責任者である川邊健太郎さんは、かねてヤフージャパンの経営方針を「データドリブンカンパニー」と掲げ、同じくCSO(チーフストラテジーオフィサー)を務める安宅和人さんもビッグデータやデータサイエンスの重要性を重ねて説いています。

しかしながら、その足元で起きていることが大規模な経営統合している先のデータが中国や韓国にそのまま流れている疑いがあり、それについてデューデリジェンスで気づくことなく、3月1日の経営統合直前になってから「1月下旬に外部からの指摘で」判明し、経営統合後の3月中旬になって朝日新聞が一面で報じてから「実は知りませんでした」と言われても、どういうことなのだと叱咤激励せずにはいられません。

明らかに、知っていて統合を急いだのではないかという懸念も抱きますし、一連の報道において、本件両社の経営統合が行われた3月1日以降になって都合よく報道が行われた点において、経営統合後の主導権を握りたいヤフージャパン側が、問題を知ったうえで報道にリークしたのではないか、という噂すらも出る状況になるのは、過去の経緯からしても致し方のないことです。

いずれにせよ、韓国へのデータ移転に対して、日本国内法において適法であり、ユーザーに対する利用規約の記述内容や説明が不足していたとするZホールディングス社側の説明においても、個人情報保護法や、資金決済法、通信事業法、金融商品取引法の面などからも懸念される事項は多く、また、どういう形であれ自治体や政府機関のデータが適切とは言えない形で韓国で格納されていたのだとすれば、冒頭にも述べた通り第一級の情報漏洩事案として、安全保障の枠内で話されるべき内容であることには変わりありません。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81476?page=7

この問題はどう着地されるべきか

結局のところ、出て行ってしまったかもしれないデータは返ってこず、なにぶん相手は中国や韓国ですので、仮に我が国の当局が「調査させて欲しい」と言ってもシラを切られたらどうしようもありません。起きてしまったことは仕方がないとして、振り向かず泣かないで歩いていくのであります。

重要なことは、(a)この問題を糧にして、中長期的に日本のデータポータビリティ、越境データ、データローカライゼーションといった我が国の国民の情報を適切に守るための仕組み、法制度、検証体制(立入を含め)を如何に整備し、実効性のある仕組みを用意するかという議論と、(b)当面の問題として、我が国が行わなければならないDX、eガバメントなど国民の公的情報の情報化をLINE抜きでどう手配していくのかという議論とを縦軸・横軸として並行して行っていくことです。

一部には、「だから日本にデータを置いておくべきなのだ」あるいは「中国や韓国の企業や技術者は信用できないので、日本発のサービス企業や仕組みで公的情報を展開するべきだ」といった議論が出てきます。

しかしながら、確かにLINEやZホールディングス社が最悪の形で韓国に日本人の情報を格納していたからと言って、他のプラットフォーム事業者や日本のサービスベンダーが、彼らより適切な形で日本人の情報を管理している保証はありません。

越境データだから駄目なのだという話ではなく、適切な形で日本人の情報や住民票など公共データが管理され、それが事業者からの報告だけでなく利用者からの要請で開示が行われ、また、何か問題があったときにきちんと立入でき、被害があれば日本法で裁くことができて、日本の中で救済されることが求められます。

その場合、(a-1) 個人情報保護の枠組みとして、個人情報保護委員会から総務省都道府県・自治体が扱う行政情報まで一通でデジタルに最適化した制度的なロジックをどう貫徹し、国民の生活における利便性と安全性とを共に向上させるのか、(a-2) 国民の重大な資産や決済、信用に関する情報の取り扱い基準を見直し、プラットフォーム事業者が金融事業をクロスオーバーさせる際の適切なデータ取扱いのあり方を模索する金融庁側の仕組みの最適化、さらに(a-3) 国家の情報機密に類する個人に関する情報をカバーする枠組みと、情報の追跡可能性を如何に整備するかが問われています。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81476?page=8

LINE問題のダメージコントロール

LINEの問題とは別に、コロナウイルス対策において、経済的困窮者も含めた国民に対する特別給付金を緊急に政府が支給しようにも、そもそも国民の連絡先や普段使いの銀行口座すら知らず、自治体が徹夜して対応に追われた事例などは、まさに我が国が国民の情報を持たずに今日までやってきたことの問題が露わになったと言えます。

もちろん、LINE的な情報漏洩のようなものがあってはならないのは間違いないのですが、一方で、自治体が何か住民に対してサービスを行うにあたって、国民に広く使われているLINEが機能的に必要不可欠なものだと認識されていたこともまた事実です。

その利便性ゆえに、金融部門や健康情報もLINEに機能として吸収された結果、今回のような大規模な問題に直面して大変な騒ぎになったことは懸念として共有されるべきですが、やはり必要な機能とデータの安全性、何かあったときの日本国内で完結する救済の仕組みが法的に整備されることで初めて我が国のDX、データプラットフォームはようやく道筋がつけられることになります。

これらの保全は、データ資本主義と言われるプラットフォーム事業全盛の世界において、まさに大航海時代における造船術・航海術にも模される技術分野であって、国民を守る安全保障の根幹を担います。国民の情報保全から所得把握・徴税まで「将来の日本社会がデータを公的部門がどう守り、利活用していくのか」という青写真を考えて計画的に、着実に進めていかなければならない分野です。

しかるに、当面の問題をどう落着させ、社会がLINEの問題をどうダメージコントロールして咀嚼するかを考えていかねばなりません。単に「だからLINEは駄目だったのだ」と感情的に反応することよりも、この問題が示した我が国の脆弱性そのものを、当面どう弥縫策として解決していくかが大事であると言えます。

(b) 我が国の国民と行政情報を利便性の高い形で安全に繋ぐDX、電子政府の枠組みについて、いま一度「何が理想であるか」と「それに向けて、どのような計画で実装していくか」という落とし込みを再度考えていくべきでしょう。

単に中国や韓国に情報委託をするのはけしからんという話だけではなく(立憲民主党長妻昭さんが指摘した日本年金機構からマイナンバーが中国に漏洩した件も一連の情報保全に含まれる)、LINEに代わる有力なSNSやメッセージングサービスが国内に見当たらないことのほうが不適切であると言えます。

この場合、国や自治体が個別の小さな予算で一個一個システムを立ち上げるのではなく、決済から納税、自治体が提供するすべてのシステムをネット上にきちんと統合していくアプローチを如何に適切な段取りで取っていくかを考えていかなければなりません。

ある意味で、ここを「自由競争」にしてしまったために、気がついて見ればセキュリティ上、取り返しがつかない事態に陥って、安全保障問題にまで発展してしまうというのは日本の悪い意味での伝統芸になっています。問題を矮小化することなく、この問題をきっかけとして、日本をより便利で快適な社会にするための飛躍にできればと願います。


レイム
さっきも言ったように、LINEの問題は2014年時点で複数のネットメディア等で指摘されていたのだけど、LINEが設立した一般財団法人情報法制研究所の事務局次長と上席研究員を兼任していた人物の書いた問題告発記事1000本以上を、LINEと経営統合をしたyahooが、勝手に削除していたそうなのよ。


マリサ
つまりあれか、問題を認識していたLINEとyahooが、問題そのものをもみ消していたって事か。


レイム
そういう事。
そして問題は更にあって

LINE側「情報抜かれていない」 自民・公明に説明
朝日新聞 2021年3月19日
https://www.asahi.com/articles/ASP3M5V3QP3MULFA01Y.html

無料通信アプリ「LINE」利用者の個人情報が中国の関連会社から閲覧可能になっていた問題で、自民党は19日、総務部会と情報通信戦略調査会の合同会議を開いた。LINE側の関係者から事情を聴き、総務省個人情報保護委員会にも事実関係の調査を求めることを確認した。

 出席者によると、非公開の会議にはLINEや経営統合したZホールディングス(HD)の担当役員が出席。「情報を抜かれたということはない」などと状況を説明した。議員側からは、政府機関などがLINEのサービスを利用することについて注意を促す意見も出たという。

 公明党もこの日、LINE側からヒアリングした。竹内譲政調会長は「単に個人情報保護にとどまらず、経済全般、安全保障にも関わる重大な課題を内包している可能性もある」と指摘した。

 立憲民主党は、安住淳国会対策委員長が国対幹部間のやりとりで当面、LINEを使わない方針を18日に明らかにしている。

レイム
記事によると、LINE側はこの問題を指摘されると「情報が(違法に)抜かれたという事はない」と釈明しているのね。


マリサ
あれ?これおかしくないか?


レイム
マリサも気付いた?
そもそも問題は「中国の法律に則って」企業が個人情報を政府に渡す」事なのだから、違法に抜かれたとかハッキングされたとか、そういう話じゃないのよ。
しかも最初の方で発覚した事例のように、日本国内の個人情報が中国から自由にアクセスできたという事は、韓国からでも条件は「同じだった」という事になるのよ。


マリサ
ああそうか、これ単に「外国にデータを置いていた事」が問題なんじゃなくて、外国から日本の個人情報にもアクセスが容易だったことも問題って事だから、LINE側の釈明は二重に問題なのか。


レイム
しかもね、2014年に以下のように

韓国国情院がLINE傍受
FACTA 2014年7月号
https://facta.co.jp/article/201407039.html

仮想空間はとうに戦場。国家の「傭兵ハッカー」たちが盗み、奪い、妨害し、破壊する無法地帯で、日本も巻き込まれた。

5月下旬、官邸内に衝撃が広がった。韓国の国家情報院(旧KCIA)が、無料通話・メールアプリ「LINE」を傍受し、収拾したデータを欧州に保管、分析していることが明らかになったからだ。韓国政府のサイバーセキュリティ関係者が、日本の内閣情報セキュリティセンター(NISC)との協議の場であっさり認めた。システムに直接侵入するのではなく、通信回線とサーバーの間でワイヤタッピング(傍受)するから、「通信の秘密」を守る法律がない韓国側は悪びれない。だが、LINEの登録ユーザー4億人余のうち日本人は5千万人。その通話データなどが韓国にすべて送られ、丸裸にされているのだ。
「指名手配」隣国ハッカーの脅威

そればかりか、LINEの日本人データが、SNS(交流アプリ)などを提供する中国のインターネットの「巨人」テンセント(騰訊)に漏れた疑いがあるのだ。


レイム
韓国の諜報機関である国家情報院が、LINEの個人情報を手に入れて欧州のサーバーに保管、分析をしていたことが発覚、それどころか中国のIT企業のテンセントにもこうした情報が漏れていた疑惑が以前からあったのよ。


マリサ
それって、要するに「合法的に」LINEの個人情報が中国政府に漏れていたって事だから、「ハッキングはなかった」なんて何の説明にもなっていないじゃないか。


レイム
そう、過去動画でも説明したけど、LINEは以前からこういう論点のすり替えをして言い逃れをした挙句、各メディアはそれを追及すらしていない状態で、更には日本の各官庁は公共手続きなどにLINEを使う事を推奨していたのよ。


マリサ
うわぁ…。


韓国の問題


レイム
それで、ここからが今回の本題よ。


マリサ
ちょっとまて、ここまでで出てきた情報だけでもかなりヤバいのに、まだあるのか?


レイム
マリサ安心して、ここで扱うのは過去動画でも触れた内容よ。


マリサ
そうか、なら影響あるのは過去動画を見たことがない視聴者さん達だけだな!


レイム
それで、過去動画でも説明したように、元々LINEというのはアメリカのメッセンジャーアプリWhatsApp(ワッツアップ)のコピーであるうえに、LINE独自部分のプログラムは韓国国家情報院と繋がりのある李海珍(イ・ヘジン)氏が深く関わってるのね。


マリサ
しかも、確かこの件をエコーニュースがLINEに質問をしたら、LINE側は黙殺して答えなかったんだよな。


レイム
そう、そしてさらに問題なのが

韓国検察がネットの“リアルタイム摘発”を計画…朴槿恵大統領の意向を受け
ハンギョレ新聞 2014-10-13
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/18504.html

先月「ネイバー」「カカオ」など呼び出し
特定単語のモニタリング方針を提示
検察「16日の国政監査で立場を明らかにする」

 “サイバー検閲”問題を巻き起こした検察が、「国論分裂および政府・公職者の誹謗」を主要な取り締まり対象に特定単語をリアルタイムでモニタリングすることにした事実が確認された。 検察は会議資料で、朴槿恵(パク・クネ)大統領が“大統領冒とく”に憤慨した閣僚会議での発言を強調し、今回の取り締まりが朴大統領を意識した措置であることを示した。

 12日、国会法制司法委員会所属のソ・ギホ正義党議員が入手後に公開した大検察庁最高検察)の「サイバー上虚偽事実流布事犯の厳正処断汎政府関連機関対策会議」という資料に重点捜査対象と方法が提示されている。 検察は重点捜査対象として、△疑惑提起を装った根拠のない暴露性発言△国家的大型事件発生時に事実を歪曲して政府政策に対する不信を助長する各種陰謀説、虚偽デマの流布△公職者の人格と私生活に対する悪意的で不当な中傷・誹謗、などを提示した。

 この資料は、先月16日に朴大統領が閣僚会議で「大統領に対する冒とくが度を越している」と語った後、18日に大検察庁が安全行政部と未来創造科学部など政府部署とともに、ネイバー、ダウム、カカオなどインターネット業界関係者を呼び出して進めた対策会議で議論した内容だ。

 検察は取り締まり方法として、ポータルとホットラインの構築、インターネットのリアルタイム・モニタリングをあげた。「主な名誉毀損・侮辱事件専門の捜査チームとポータル間にホットラインを構築」した後、「インターネット犯罪捜査センターで運用中の『インターネット・モニタリングシステム』を活用、デマ・名誉毀損の主なターゲットと指定された論題と関連した特定単語を入力・検索してリアルタイムで摘発」するということだ。

 会議資料には「サイバー上で国論を分裂させる『でなければやめよ』式の暴露性発言が度を越していて…国民の不安が大きくなり手のほどこしようもなくなります」という朴大統領の閣僚会議での発言を強調して載せている。パク・チウォン新政治民主連合議員が「大統領府の“秘線”である“萬挽会”(マンマンフェ)が人事と国政を動かしている」と発言したことで不拘束起訴されたのがサイバー虚偽事実流布処罰事例の一つとして提示された。『産経新聞』の加藤達也前ソウル支局長が朴大統領の「7時間の疑惑」を記事にして起訴されたのもこの会議の延長線上にあると解釈される。

 検察は会議で直接ポータルに文の削除を要請する方案も提示した。 捜査機関である検察が民間業者を取り締まりに動員するばかりか、さらには放送通信委員会の役割まで自認したことになる。だが、一部の政府・業界関係者は、検察のリアルタイム検索方針が技術的にも法的にも不可能だという意見を出したと伝わる。

 ソ・ギホ議員は「情報通信網法では文を削除するには放送通信委員会が審議を経てポータルに命令させているが、検察の即時削除要請はこれを無視した超法規的発想」と指摘した。 パク・ギョンシン高麗大学法学専門大学院教授は「名誉毀損は政権保護目的の乱用の可能性があるため刑事処罰しないのが国際的傾向であるが、我が国だけが逆行している。 検察方針は“緊急措置1号”のデマ流布罪を生き返らせるようなものだ」と話した。

 検察関係者は「検察が直接削除するのではなく、放送通信審議委が被害救済手続きを積極的に広報する方法で削除できるようにするという趣旨」であるとして、「16日に開かれるソウル高等検察庁国政監査で今回の論議に対する検察の立場を整理して明らかにする」と話した。

イ・ギョンミ記者


レイム
2014年の事なのだけど、韓国政府がネイバー、ダウム、カカオなどインターネット業界関係者を呼び出して進めた対策会議で議論、了承を得たうえで「インターネットでのリアルタイムモニタリング」をするよう指示したそうなのよ。


マリサ
ちょっとまて、これってさっき問題にした中国の「国家情報法」と何が違うんだ?
要するにこれ、企業は政府に求められたらユーザーの個人情報をかなり漠然とした理由でも渡さないといけないって事だろ?


レイム
そういう事。
そしてそれだけでも問題なのに、文政権になると

[社説]国家情報院「捜査権廃止」、政治工作体質も同時に変えるべき
ハンギョレ新聞  2017.11.29
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/29111.html

 国家情報院が29日、「対外安保情報院」に名称を変え、職務も「国外」と「北朝鮮」情報の収集に限定する内容の法改正案を出した。人権侵害論議をかもしてきた対共産主義捜査権を廃止し、政治介入と不法査察の余地をなくすために国内の保安情報収集権限まで放棄したことは評価に値する。これまで幾度もの法改正にもかかわらず、政治工作の口実を提供してきた問題条項に大幅に手を加えたという点で、歴代最も進展した改正案と見える。

 情報機関が捜査機能まで持つ場合の副作用を憂慮して、大多数の先進国の情報機関は両者を分離してきた。遅きに失したとは言え、情報機関本来の役割に戻ることにしたようで幸いだ。国家情報院が、国内保安情報収集・配布の権限を口実に、政府部署はもちろん民間団体にまで出入りして、国民に対する不法な査察を日常的に行ってきたという点で、この権限の廃止は当然の決定だ。

 ただし、院長が内部職員に対する他機関の捜査を事実上中止させられるようにした条項を新設したことは、権限縮小の流れに逆行する。コメント工作のトラウマが依然残っている状態で、「サイバー攻撃に対する情報収集」業務が追加されたことも、不正乱用されないよう徹底した備えが必要と見える。

 法改正だけで国家情報院の政治工作体質をたやすく変えることはできないだろう。元国家情報院長らが続々と法廷に立つことになった事実が証明するように、創設以来政治関与を当然視し、政治工作に組織の存在意義を求めたといっても過言ではないためだ。大々的な組織改編と共に、省察と刷新作業が伴わなければならない。李明博(イ・ミョンバク)-朴槿恵(パク・クネ)政権期間に、国家情報院が行った不法政治工作に対して、検察捜査に積極的に協力するのはもちろん、自主的にも大々的な刷新作業を始める必要がある。

 政府は、法改正の推進と共に、対共捜査権を委譲される組織をどのように整備するかなど、後続作業を急ぐことを望む。


レイム
国家情報院の業務から「国内情報の収集」を除外し、この記事の時点では法案だったけど、その後「「国外」と「北朝鮮」情報の収集に限定する内容の法改正」をしているのよ。
これがどんな意味を持つかわかる?


マリサ
朴槿恵政権まではあくまで「政権批判を封じるための情報収集」だったのが、国外情報の収集が主な業務に…あ…。


レイム
大体察したとは思うけど、国家情報院の業務から「国内の個人情報収集」が抜けて、「国衙の個人情報収集」はそのまま残り、LINEは政府から要求されればユーザー情報をかなり漠然とした理由でも渡さなければならず、しかもLINEの銀行取引などの個人情報は韓国のNAVERのサーバーにある。


マリサ
おいおい、それまんま中国の国家情報法と同質の制度が韓国にもあって、しかも日本のLINE利用者は個人情報が抜かれ放題って事じゃないか。


レイム
それどころか、LINEが「韓国企業」である以上、日本国内にある個人情報だって「安全とは言えない」状態にあるうえに、この記事によると

LINE Payの個人情報が韓国に…決済内容から企業情報まで アクセス権は韓国の子会社社員
FNN 2021年3月23日
https://www.fnn.jp/articles/-/159363

LINEの個人情報問題で新たな事実が判明。LINE Payで何をどこで買ったかといった情報や加盟店の銀行口座の番号などが韓国国内のサーバーにあることが分かった。

三者委員会初会合

通信アプリLINEの個人情報が中国の関連会社で閲覧できた問題。
データの取り扱いを検証する第三者委員会の初会合が23日午後4時半ごろ開かれた。

LINE・出澤剛代表取締役社長:
この度はユーザーの皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけしており大変申し訳ございません

LINE Payの個人情報を巡って新たな混乱

そんな中、LINE Payの個人情報を巡って新たな混乱が…
それは中国ではなく韓国が絡んでいた。

先週LINEが出した声明文では画像や動画、そしてLINE Payの利用者の取引情報を韓国のサーバーで保管しているとだけ公表されていた。

しかし23日、その取引情報の中に、出入金やどこで何を買ったのかという決済情報まで含まれていることがわかった。
さらに、加盟店の銀行口座番号などの企業情報までも韓国内のサーバーにあるという。

サーバーの管理はLINEを実質的に傘下に置く、韓国IT大手「NAVER」で、アクセス権は韓国にあるLINE子会社の社員が持っているという。

LINE利用者:
もし全部の情報が見られてしまうというのであれば、とても怖いことだなと。その情報を使って何かしていたら嫌だと思いますね。
混乱は商店街でも

混乱は商店街でも見られている。
東京・文京区ではLINE Payで支払うと10%のポイントが還元されるキャンペーンを区の予算で実施している。

キャンペーンに合わせてLINE Payの利用を始めたばかりの男性客は…

LINE Pay利用者:
おすすめされたから使っている。色んな情報をひも付けにして、そのひも付けにしたものがあちこちに流出してるでしょ…

不安な気持ちは店側も同じだ。

金杉青果・鈴木孝弘店長:
銀行口座とか管理がちゃんとされているのかどうかというのはとても不安ですよね。ポイントを貯めている方もいるので今月中は使用可能にしますが、来月からはそういった究明がされない場合は、一時使用をやめようかなと思います。

900近くの自治体が公式アカウントを持つLINE。大阪府では、いじめの相談や施設予約など12の事業で個人情報を扱うLINEのサービスについては停止を決定した。

現在、LINE Payの利用者は約3900万人。利用者への丁寧な説明が求められている。


レイム
LINE Payの情報のうち「出入金やどこで何を買ったのかという決済情報」まで韓国のNAVERサーバーに置いていた事が発覚、ついでにLINEを利用していた自治体の「いじめの相談や施設予約」まで流出していた可能性が高いのよ。


レイム
そして更に問題があって、最近発覚した情報として

LINEヘルスケア、「LINEドクター」参加医師に事実と異なる説明「データはすべて国内で保存」
Med IT Tech 2021年3月26日
https://medit.tech/line-doctor-security-and-governance-crisis/

(一部抜粋)
 LINEの子会社でヘルスケア事業を展開するLINEヘルスケアが、オンライン診療サービス「LINEドクター」の参加医師に、データの保存先について事実と異なる説明をしていたことが分かった。厚生労働省が定めるオンライン診療指針に沿わず、医師に対し不誠実な説明を行なっていた可能性がある。
 現在「LINEドクター」は地域限定、少数の参加医療機関のみの先行サービスというかたちで運用されているが、その参加医療機関のひとつ
を運営する医療法人社団法山会理事長で医師の山下巌氏は、このサービスの開発時にLINEヘルスケア側から「データは全て国内サーバーに置く」ことを明言されていたという。この発言は自身が管理者を務めるオンライン診療の関係者が集まるSNSのグループ上でなされ、多くの関係者が反応している。

レイム
記事によると、LINEヘルスケアが提供するオンライン診療サービスのデータに関して、参加医師には「データは国内に保存している」と説明していたけど、実際にはこのデータも韓国内に保存されていたそうなのよ。


レイム
うわぁ…。
で、でもさ、韓国は一応自由主義陣営だし、それなりに個人情報利用にはストッパーがかかるんじゃないか?


レイム
ほんとにそう思ってる?


韓国の敵はどこ?


マリサ
レ、レイム、怖い事言うんじゃないぜ。


レイム
まずこちらの記事を見てほしいのだけど。

韓国軍、日本より4時間遅れで「弾道ミサイル」と発表…制裁違反かとの問いに「答えられない」
朝鮮日報 2021/03/26
https://web.archive.org/web/20210326124703/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/03/26/2021032680075.html

北朝鮮弾道ミサイルを発射
北朝鮮のミサイルにぐずぐず対処

 北朝鮮が25日、咸鏡南道咸州から東海に向かって発射した弾道ミサイルの射程は450キロだった。発射の向きを南に変えさえすれば、慶尚南道全羅南道・済州を除いた韓国の領域が射程に入る。対南打撃用の新兵器でまさしく韓国を狙った武力の誇示にもかかわらず、韓国軍当局の対応は米国・日本に比べて遅く、消極的だった。韓国軍は最近、北朝鮮が行った巡航ミサイル発射の事実も隠し、24日に外信が報じたことを受けてようやくこれを認めて公開した。韓国軍周辺からは「あまりにも北朝鮮の顔色をうかがい過ぎている」との指摘が出ている。

 北朝鮮が25日に発射した2発の弾道ミサイルのうち、1発目は午前7時6分に発射された。日本の海上保安庁は、発射からわずか3分後に「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のある物体が発射された」と発表し、外信各社も直ちにこれを報じた。だが対照的に韓国軍の合同参謀本部(合参)は、7時25分になってようやく出入りの記者らに「北朝鮮、東海の海上に向けて未詳の発射体を発射」というショートメールを送った。そのショートメールすら、弾道ミサイルという表現はなかった。

 同日午前10時30分、韓国国防部(省に相当)の定例ブリーフィングでは北朝鮮の発射体に関する質問が殺到したが、プ・スンチャン報道官は「分析中」という言葉を繰り返すだけだった。日本では、既に1-2時間前に菅義偉首相自ら「2発の弾道ミサイルが発射された」と発表し、岸信夫防衛相はミサイルの射程まで公開していた。合参の発表に「短距離ミサイル」という表現が初めて入ったのは、午前11時19分送信のショートメールだった。日本の海上保安庁や外信各社より4時間以上も遅かったのだ。

https://web.archive.org/web/20210326124918/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/03/26/2021032680075_2.html

 韓国軍と青瓦台(韓国大統領府)はこの日、「後追い発表」だけでなく、北朝鮮の挑発の深刻さを縮小しようとするかのような印象も漂わせた。日本政府や外信各社が発射の直後から「弾道ミサイル」と特定し、国連安保理決議違反であることを指摘したのとは異なり、25日に徐薫(ソ・フン)青瓦台国家安保室長が緊急招集した国家安全保障会議NSC常任委員会の緊急会議の結果に関する報道資料には「弾道ミサイル」ではなく「短距離発射体」という表現が用いられた。合参の関係者は「弾道ミサイルの可能性に重きを置いた」としつつも、安保理制裁違反と見なすかという質問には「答弁できない」とした。

 この前日の24日は、ワシントン・ポスト紙やロイター通信など外信各社の同時多発報道で、北朝鮮が今月21日に短距離巡航ミサイルを発射していた事実が後になって判明し、韓国軍当局が困ったことになるという事件もあった。韓国軍当局は「韓米が公開しないことで合意した」と説明したが、外交関係者らの間では「外信各社の同時多発報道は、韓国の無理な非公開要請に不満を抱いた米国側による意図的なリークの可能性が高い」という見方が重みを持っている。さらに韓国軍当局は、ジョー・バイデン大統領の就任式翌日(1月22日)に北朝鮮巡航ミサイルを撃ったという事実も、24日にメディアの報道が出るまで公表していなかった。

https://web.archive.org/web/20210326125111/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/03/26/2021032680075_3.html

 韓国政府の消息筋は24日、北朝鮮巡航ミサイル発射の事実を遅まきながら確認しつつも「巡航ミサイル安保理決議違反ではない」と、北朝鮮の挑発の意味を縮小しようとするかのような態度すら見せた。だが北朝鮮は、それからわずか1日で、安保理決議違反であることが明白な弾道ミサイルの発射を強行した。こうした場面は、北朝鮮が「イスカンデル」「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」など対南打撃用新兵器を連続発射していた2019-20年の状況を連想させる。当時、韓国軍は「弾道ミサイル」「安保理決議違反」であることを強調した米国・日本とは異なり「不詳の発射体」「短距離発射体」などあいまいな表現にこだわり、捕まえようのない盗賊・洪吉童(ホン・ギルトン)に引っ掛けて「洪吉童軍」とも呼ばれた。

 韓国軍の周辺では、韓国軍が過剰に北朝鮮の顔色をうかがうことを懸念する声が強まっている。行き詰まった南北関係の反転を狙う青瓦台は、どうあっても北朝鮮を刺激しないようにし、韓国軍はそんな青瓦台の顔色を気にするという悪循環が続いているのだ。ある予備役将官は「韓国が訓練を縮小し、北の挑発を縮小したからといって、北がこれを理解してくれると思うのは錯覚」とし「韓国軍の状況判断と決心は常に安全保障が優先であるべき」と語った。

■韓国が2021年世界軍事力ランキング6位、北朝鮮28位…日本は?

李竜洙(イ・ヨンス)記者


レイム
記事によると、2021年3月25日北朝鮮が弾道弾を発射して挑発、日本政府はすぐさま弾道弾であることを発表し国連安保理決議違反であることを指摘したのに、韓国政府はそのことに一切言及せず、しかも不可解なことにアメリカ政府も言及がかなり遅れたのに、アメリカのメディアは詳細な情報を政府の言及前に報じるというおかしなことになっていたのよ。


レイム
その内幕をアメリカの外交関係者達は「外信各社の同時多発報道は、韓国の無理な非公開要請に不満を抱いた米国側による意図的なリークの可能性が高い」としていて、どうも韓国が「北の顔色を伺って」アメリカにごねた結果の不可解さだったようなのよ。


マリサ
つまり、現在の韓国政府はアメリカとの同盟関係よりも北朝鮮との関係を重視していると。
でもそれと今回の件にどんな関係が?


レイム
さらにこちらを見てほしいのだけど

韓国軍が自衛隊竹島侵攻シナリオ
共同通信 2021/2/11
https://this.kiji.is/732510459515043840

最新型軍備導入の説得用
【ソウル共同】韓国紙の東亜日報は11日、韓国軍が島根県竹島(韓国名・独島)に自衛隊が「侵攻」するシナリオと、対応する韓国側の戦力などを明示した内部文書を作成し、昨年12月に国会に報告していたと報じた。

 最新型軍備導入の必要性を説明する文書の一部で「自衛隊による軍事的脅威からの防御のため、新たな戦略資産が必要だ」と強調したという。

 軍は野党議員の照会に対し、実際の作戦とは無関係の参考資料で、日本の兵器研究家が発表した仮想の侵攻シナリオを参考にしたと説明した。

 東亜日報は、米政権が中国けん制へ日米韓協力を強調する中で、外交的に議論を呼ぶ恐れがあるとした。

レイム
2021年2月11日の記事なのだけど、韓国三大紙の一つ「東亜日報」の報じた内容として、韓国軍が「(竹島への)自衛隊による軍事的脅威からの防御のため、新たな戦略資産が必要だ」という資料を作成し、最新型軍備導入の説得用として国会に提出していた事が判明したそうで、東亜日報は「米政権が中国けん制へ日米韓協力を強調する中で、外交的に議論を呼ぶ恐れがある」と書いているそうなのよ。


マリサ
おいおい…。
北朝鮮が核弾頭も搭載可能な弾道弾を挑発で発射しても「抗議一つしない」のに、日本に対しては日本の個人の作成した「竹島進行シナリオ」をベースに、軍が国会で「危機を煽っている」わけか…。


レイム
ここで考えてほしいのだけど、「韓国の敵」ってどこ?


マリサ
こうした情報を見ると、今の韓国にとっての最大の敵は「日本」と想定されているって事だよなぁ…


レイム
そして「そういう国」にLINEを通じて個人情報が無制限に流れることの危険性ってわかる?


マリサ
で、でもさ、おかしいのは文在寅政権であって、今文政権は支持率落ちていてしかも任期は来年まで、ついでに今の次期大統領候補支持率トップは野党系だろ?ならそこまで心配することもないんじゃないか?


レイム
甘いわねマリサ。
まず時系列でみると、LINEは李明博政権の指示で作られているのは確実よ。
更に、韓国のIT企業に対して政府が個人情報の提供をできるように法改正したのは朴槿恵政権よ。


レイム
そして両者とも、現在の韓国最大野党である「国民の力」の系譜の人々、つまり文政権はあくまで「制度を利用した」にすぎず、LINE利用者の個人情報を入手する仕組みを作ったのは、現在の韓国最大野党「国民の力」の人々という事。


マリサ
うわぁ…。


今回のまとめ

・LINE利用者の個人情報が韓国や中国政府に流出
・LINEには韓国の諜報機関が深く関わっている
・韓国は明らかに日本に対して「敵視政策」を行っている


マリサ
LINEにも韓国にも問題があることはわかったぜ。
でもさ、韓国は曲がりなりにも民主主義国家だぜ、ツイッターフェイスブックやユーチューブと同じく、そこまで気にする必要もないんじゃないか?


レイム
マリサ、今まで日韓問題の何を聞いてきたの?
韓国って、文大統領をアベンジャーズの悪役「サノス」に例えて批判をする壁新聞を大学の掲示板に貼った人物が、大学側が訴えてもいないのに警察によって「不法侵入」で逮捕されて有罪判決を受けるような国よ。


レイム
韓国ってね、一応民主主義国家で法治国家の形をとっているけど、中身は東南アジアとかの開発独裁国に近いシステムの国なのよ。
そういう所に個人情報が無制限にわたる危険性をよく考えた方がいいわよ。


マリサ
じゃあどうすりゃいいんだよ!
便利だからってもう長い事使っちゃってるぞ!


レイム
そんなの今更どうしようもないじゃない。
ただ一つ言えるのは、今後はリスクも含め使うなら自己責任って事よ。
リスクは明白なのに「正常性バイアス」で使い続けるわけだし。


マリサ
た、たしかにな…。


レイム
それと、最初の方で朝日新聞を含め今回取り上げた内容を報じることができなければ、「予定調和のプロレスでしかない」と言った意味も今ならわかるでしょ?


マリサ
そうだな。
今メディアで報じている部分は「最も重大なリスク」に一切触れていないし、これじゃ殆どの人は「自分には関係ない」と思いこむだけだしな。


レイム
そういう事。
だから例えば朝日新聞の峯村記者がこの件で「本日、LINE社は弊社の質問をすべて遮りました。読者の皆様に代わり、その代償を払わせます。しばしお時間をいただければ幸いです」と言っているけど、結果を出すまでは評価なんてできないのよ。


マリサ
なるほどな…。



レイム
そんなわけで今回の本編はここで終わるわ。


レイム マリサ
ご視聴ありがとうございました。


大口
おつかれ~


大口
ところで、これまで動画のテキスト版をニコニコ動画のブログに投稿してきたのですが、2021年10月7日をもってニコニコのブログサービスが廃止されることとなるそうなので、ブログ記事再開頃をめどに「はてなブログ」に過去記事も含めお引越しをすることになりました。


レイム
ということは、引っ越しと同時にニコニコの方のブログは更新停止するって事?


大口
一応予定としては、5月ころにはてなの方にアカウントを作成して過去記事をお引越しした後、ニコニコとはてなの両方に2021年9月まで同じ記事を掲載するという形にして、10月から完全移行を予定してます。


マリサ
まあ、ニコニコのブログそのものがなくなる上に、チャンネル開設もできなかったし、これしかないよな。
過去記事も今のままだとなくなってしまうし。


大口
そういうことなので、お引越し後の「はてなブログ」のほうもよろしくお願いします。
アカウント作成後に再度アナウンスはしますが。


レイム
そんなわけで今回はここで終わるわ。


レイム マリサ 大口
またらいしゅ~



お知らせ。
引用について
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